叔母様現る!~1通の手紙~

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サロンから戻ったエラは、まだ開けられていない金庫を見て激怒した。

そして持っていた傘をバッサバッサと開いたり閉じたりすると、1通の手紙を取り出した。

キャロラインから届いた手紙だ。


『見なさい!これがあなたたちのお母様から届いた手紙です』


エラはそう言うと、中の手紙を読み上げた。


すずき。のたわごと



すずき。のたわごと

封筒が似ていたためか、どうやら間違えて持ってきたようだ。

手紙を間違えて持ってきたことで、ますますエラへの猜疑心は高まり、もう誰一人としてエラの味方をするものはいなかった。そもそも始めから味方などいなかったが…。



すずき。のたわごと


本物の手紙を見せてもまだ疑い、金庫を開けようとしない姪にエラはイライラしつつ、手紙を読み上げ始めた。



親愛なるエラ


この手紙を読んでいるという事は
わたくしはもうこの世にはいないのでしょう
いつもわたくしの娘たちを気にかけてくれてありがとう。。。


エラにお願いがあります
わたくしが死んだ時、娘たちがまだ子供なら
あの金庫を決して開けさせないで下さい
そして相応の年頃になったら
あの金庫を開けて、中のものを娘たちへ渡してやって下さい。


娘たちも年頃になれば社交界へ出るでしょう
その時に、あの子たちに恥ずかしい思いをさせぬよう
金庫にはわたくしが見立てた宝石を入れてあります。

年端もいかぬ子供では、その扱いに困るでしょう
それまではあの金庫へ大切にしまっておいて下さい。


金庫のダイヤルはわたくしの大切なものがキーとなっています。
エラ…あなたならきっとそれが何か分かるはず。

お願いしますよ。

娘たちを頼みます…。

親愛なるエラへ、愛を込めて…。


キャロライン・ゴールドマイン



『姉上の大切なものと言ったらおまえたちより他はないでしょう!おまえたちは金庫の鍵になるものを何か知っているはず。だから早く言いなさいと言うに、おまえたちはちっとも私を信用しない。』


そして


『姉上の頼みだからと我慢に我慢を重ねてきたが、もう限界です!好きになさい!わたくしはフェリスへ帰ります!』


と吐き捨てるように言い残し、エラは帰ってしまった。



つづく…。

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