会社の解散登記を依頼されると
それに伴い解散後の各種届出について質問を受ける場合があります。
私自身の本業ではありませんが
これまで働いてきた従業員に対する気持ちの現れと受け取り
知り得る知識を提供しながらお客様の質問に答えるよう心掛けております。

解散すると当然ながら清算事務に入ることになりますが
殆どの会社は、税理士に確定申告の手続きを依頼しているため
税に関する質問は滅多に受けません。
多くの質問は、解散後の諸官庁への届出の質問です。

会社を設立した際にも諸官庁への届出をしたことを思い出してくれれば
解散も同様に諸官庁へ届出すればよいことになります。
なお、従業員がいない場合は、原則として諸官庁への届出は不要となります。

主な届出は次のとおりです。

① 税金関係
法人税など⇒税務署
県民税など⇒県税事務所
市民税など⇒市町村役場
② 社会保険関係
健康保険・厚生年金など⇒社会保険事務所
③ 労働保険関係
労災保険など⇒労働基準監督署
雇用保険など⇒公共職業安定所(ハローワーク)

税金関係

1 解散に伴う税務署への手続き

① 会社解散届
具体的には解散登記後の登記簿謄本を添付して「異動届書」を提出する。

② 解散事業年度にかかる確定申告
会社の事業年度の開始日から解散日までの期間を1年間として
確定申告書を提出する。
提出期限は、解散日の翌日から計算して2か月以内

③ 清算事業年度の確定申告
解散日の翌日から会社の事業年度末における確定申告を提出する。
提出期間は、事業年度終了日の翌日から2か月以内

④ 残余財産確定事業年度の確定申告
残余財産が生じた場合や残余財産の分配をする場合は
残余財産確定日から1カ月以内に申告税額を納付して申告する。

⑤ 清算結了届
具体的には、異動届書の「異動事項欄」に清算結了と記載し
「異動年月日欄」には清算結了年月日及び
清算結了の登記した年月日を書いて提出する。
なお、税務署には、閉鎖登記簿謄本や
会社の定款を添付する必要はありませんが
場合によっては、その添付が求められる場合がある。

2 解散に伴う県税事務所への手続き
① 法人解散届
具体的には解散登記後の登記簿謄本を添付して「異動届書」を提出する。
② 給与支払い廃止届
③ 法人清算結了届
具体的には清算結了後の閉鎖登記簿謄本を添付して「異動届書」を提出する。

3 解散に伴う市町村役場への手続き
① 給与支払報告・特別徴収にかかる給与所得者異動届出書
会社が従業員に対して住民税を特別に徴収している場合(天引き)
退職時期によって提出日や未徴収住民税を徴収する必要がある。
従業員の退職後は、「特別徴収」から『普通徴収』へ変更するのが一般的です。
掲出期限は、解散があった月の翌月の10日まで


社会保険関係

1 解散に伴う社会保険事務所への手続き
① 資格喪失届
会社役員及び従業員分について、それぞれ届ける必要があります。
会社役員の場合は、解散後の登記簿謄本と解散を決議した株主総会議事録
従業員については、退職した月の賃金台帳・出勤簿
掲出期限は、解散日から5日以内

2 解散に伴う労働基準監督署への手続き
① 労働保険確定保険料申告書の届出
解散により保険関係が消滅することになるため申告が必要となる。
なお、年度当初に見込額で申告・納付された保険料は清算する必要があります。
掲出期限は、解散日から50日以内


労働保険関係

1 解散に伴う公共職業安定所(ハローワーク)への手続き
① 雇用保険適用事業所廃止届
雇用保険適用事業所として届けている場合
解散や従業員を解雇すると、雇用保険法と労働保険法の
2つの法律が適用されているため
雇用保険については、「雇用保険適用事業所廃止届」を
解散した翌日から10日以内に、解散した登記簿謄本・
労働者名簿・出勤簿を添付して届ける。
この他に、「雇用保険被保険者離職証明書」を作成して
「雇用保険被保険者資格喪失届」を併せて届ける。

2 解散に伴う労働局又は労働基準監督署への手続き
① 労働保険確定保険料申告書
労働保険については、一元適用事業者と二元適用事業者があり
いずれの事業所は「労働保険確定保険料申告書」を50日以内に届ける必要がある。
以上が解散に伴う諸官庁への届出です。参考にしてください。

司法書士 石井隆

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