空家等対策の推進に関する特別措置法による法律が施行され

関連する法律・条例等が成立しているものの

私自身、法律で規定する「空家等」の定義が判然としないため

この度、日本司法書士会連合会に所属する

司法書士末光祐一氏をお招きした秋田県司法書士会の

研修会に出席する機会があり、大変参考になりましたので

興味のある方は是非参考にしてください。

 

不動産と言えば、主に土地と建物で

空き家と言えば、文字どおり空き家となった建物だけを

指していると思っている人が多いのではないでしょうか。

ところが、条文上(法第2条)は、空家となっています。

 

条文の規定は、「建築物又はこれに附属する工作物であって、

居住その他の使用がされていないことが常態であるもの及び

その敷地(立木その他の土地に定着する物を含む。)をいう。

ただし、国又は地方公共団体が所有し、又は管理するものを除く。」

と定めている。

 

この条文と民法の所有権の定義をしっかり覚えて置くと

空き家に対する理解がしやすいでしょう。

建築物とは、建築基準法による建物を指しており

よって、工事現場に設置されたプレハブの建物は該当しないことになります。

 

附属する工作物とは、敷地内にある樹木や立て看板も含め

敷地内にあるものを全部含めて空家等と定義されています。

 

居住その他の使用がされていないことが常態であるものとは

1年間以上使用していない建築物の常態の建物を指しており

よって、年に1度か2度は管理しているが使用していない場合は

空家等に該当することになります。

 

敷地に物置が置かれているが、置きっぱなしで使用していない場合は

使用を放棄していることになるため空家等ということになります。

 

また、建物が賃貸物件としているが、長年入居者がいない場合でも

空家等ということになります。

長屋や共同住宅が全部空き家となっている場合も

空家等ということになります。

 

その敷地とは、建物のみならず土地も空家等ということになります。

少なくともこのことを覚えて置かないと

市町村長が「特定空き家」として勧告し

指導を受けた際、トラブルの要因となってしまうので

是非、覚えておきましょう。

 

勧告や指導を受けると、これに従わない若しくは改善しない場合は

特定空家等」となり、固定資産税の軽減対象から外され

最大で4.2倍に固定資産税が増えることになります。

要するに建物があっても更地として評価されることになります。

 

最近では、住宅街においても空き家が多数存在しており

放置されている建物を多く見かけます。

不動産を公示する手段として法務局に行けば

誰でも登記簿を確認することができますが

登記された所有者は、必ず生存しているとは限りません。

このような空き家の場合、相続登記もされず

誰が相続したかを調べることができないため

空き家の所有者を特定することが現実問題として難しいのが現状です。

 

仮に、相続人の一人が判明されたとしても共同相続人の1人に過ぎず

その相続人の判断で空き家等を取り壊すことは

他の相続人の所有権を侵害することになり

勝手には処分することはできません。

 

そうは言っても、近くに住む住民にとっては

老朽化することにより倒壊の問題、飛散の問題、衛生上の問題

景観上の問題、不法侵入の問題、放火等の問題など

周辺の住民にとって悪影響を及ぼしているのが現実です。

 

私が言えることは、自分の所有物は、自分で管理するのが前提です。

所有権の行使は、公共の福祉に反しない範囲で行使すべきであり

要らなくなった物(空き家)は、自己責任において処分するのが大前提です。

問題を先送りにしても何の解決手段とはなり得ません。

自分の判断能力が低下する前に

近い将来、空き家となる可能性がある場合は

処分を含めて家族全員で話し合うことが

何よりも大切な事でないでしょうか。

 

司法書士 石井 隆

 

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