松山市はなみずき通り近くの漢方専門薬局・針灸院 春日漢方

体質に合った漢方薬・針灸治療 更年期障害・生理痛・頭痛・めまい・冷え性・のぼせ・不眠症・イライラ・気うつ、肩こり・腰痛・五十肩に穏やかな効き目

春日漢方 薬局・針灸院


松山の南、はなみずき通り近くの

漢方専門薬局・針灸院です。

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漢方専門の薬局・針灸院を開業して、

もう20年になります。その間に積んだ

知識と経験から、東洋医学ならではの

健康情報をおつたえしましょう。


松山市古川北3-13-22  TEL 089-957-0686


   メール takaisyunsuke@yahoo.co.jp




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   瘀血剤の経験 その2

 

 

 前回のブログ「瘀血剤の経験 その1」で少し紹介した、小川新せんせいの遺著『古今腹証新覧』には、瘀血には2つのタイプがあるように書いてあります。
 前回に扱った「桃核承気丸」は下腹部にできる瘀血です。臍の左下から始まって下腹ぜんたいに広がります。下腹の張りや痛み、生理のトラブルなど下腹部に関する症状が中心になります。

 それとは別のタイプの瘀血を小川先生は考えていました。瘀血のできる場所は、脇腹からみぞおちにかけて。臓器でいうと肝臓や胆のうが関係します。先生は「肝実瘀血」という言いかたをしました。

 下腹部の瘀血が、生理のトラブルや下半身の打撲傷などから出来てくるのに対して、肝実瘀血は、風邪や扁桃腺などの熱病をくり返して、熱が肝臓に慢性的に停滞することで出来上がります。


 

 また精神的なストレスを抑えこんでいても、やはり肝臓に熱気が停滞して、やがて瘀血になっていきます。
 コンピューターを仕事で長い時間使う人は、目と脳を酷使してストレスを溜めこむことになります。

 漢方医学では、ものごとを計画したり、判断をしていくのは肝臓・胆のうの働きだとしています。また目も肝臓の血を消費して、ものを見ていると考えます。コンピューターやスマホの画面を長く見ることが、肝臓には負担になります。
 その結果、肝臓の血が乾いて、肝実瘀血が出来てきます。

 

 

     例  35歳  男性  痩せて筋肉質の身体つき

 

    《主訴》

 

冷え性、手足が冷たい。 肩こりがひどい。

 男性で、冷え性を主に訴えて、漢方薬を求めて来られる方は珍しいと思います。さらにこの方のお話をうかがうと、疑問がふくらみました。

 この方は趣味とはいえ、毎日のようにかなりハードにランニングをこなしています。また、休日にはスポーツジムで筋トレをするのも楽しみだそうです。
ふつうの考えでは、運動をすれば、全身に血が巡って、汗もかくし全身が熱くなるし、もちろん手足も温もるはずです。

それなのに何故、この人は冷え性を訴えるのか?

 

   《診断》

 

治療室のベットに横になってもらって、お腹を押さえてみました。

そのお腹がとにかく堅いのです。

 

 

 この図は、小川先生の腹症の本の「四逆散(しぎゃくさん)」の人のお腹です。左右の腹直筋が、肋骨の付け根から、お臍の下の方まで、ギューッと突っ張っています。

 この人のお腹も、この本の図とよく似ていました。運動で鍛えられて、無駄な脂肪がないので、いっそう筋肉の突っ張りが目立ちます。
お腹ぜんたいが堅くブロックされていて、押さえられて痛む場所はどこにもありません。

他の体調をたずねてみると、

食欲はしっかりあります。食欲が落ちたり、胃の不調はありません。
便秘気味。しかし便秘薬を使うほどではない。
水分はよく取っている。 舌も乾いて赤みがありました。
寝つきが悪く、寝てからも睡眠が浅い。
小便の具合はふつう。

 

    

 

    《四逆散について》

 

 「四逆散」は漢方古典の『傷寒論』にでてきます。よく似た名前の「四逆湯」の仲間につづいて出てきますが、四逆湯と四逆散はまるきり中身のちがう処方です。
 四逆湯は、身体を強力に温める「附子」が主薬です。全身が冷え切って、陽性のエネルギーが尽きかけているときに、救急で使う処方です。
 「四逆」とは手と足が冷え切って、その冷えが体幹に迫ることを言います。

 いっぽう四逆散は、肝臓に詰まった熱を取り除く「柴胡」「枳実」「芍薬」が組み合わさった処方です。
 これが何故、似た名前になっているのか? それは身体の内部に熱気がギュッと詰まると、外に熱エネルギーが出られなくなって、手足が冷える場合があるからです。
 内部に熱は詰まっているので、口は渇いて舌も赤い。やや便秘がちです。

 内部に熱が詰まって外に出られないのを、精神的な状態に置きかえてみると、心に怒りや不満が鬱屈して、感情が素直に表現できない、つまり気ウツの状態になります。

 江戸時代の名医、和田東郭によれば、腹直筋が棒のように突っ張っている患者を診たら、「怒りは無きや? と問うべし。必ず、イエスと答えるだろう。」と。

最近は、みんな気ウツを病んでいるから、慢性病の患者百人を診れば、五~六十人は四逆散に加減して処方している、と。
 なんと日本人は江戸時代から、ストレスからの気ウツに悩んでいたんですね。真面目すぎる困った国民性です。

 

 

    《考察》

 この方もご本人の考えでは、趣味でランニングやジムでの筋トレに励んでいるのでしょうが、なにか真面目でひた向きに、どこか仕事のように取り組んでしまっているんではないでしょうか。

 運動こそ、もっともストレスの発散に有効に働くはずなのに、運動によって筋肉と頭脳を酷使して、血を浪費するので、余計に筋肉と頭脳で血が不足して、筋肉は強張って肩こりがひどくなり、気分的にも追い詰められるような、悪循環に陥っているように思います。

 四逆散は、柴胡と枳実が肝臓に詰まった熱気を発散させて、内にこもった気分を外に解放させます。
 芍薬と甘草は血行を良くして、筋肉と頭脳の緊張をほぐし、気分を和らげます。


    《治療》

 四逆散は、たった4味の単純すぎるお薬なので、そこに別甲・茯苓などを加えた「解労散(かいろうさん)」という処方にしました。
 別甲(べっこう)はメガネのつるや櫛などにする海亀の甲羅ではなくて、スッポンの甲羅を乾燥させたもの。筋肉や気分がギュッと固まったのをほぐす働きが強力にあります。
 解労散はがんこな肩こりや、お腹の中のしこりによく使われる処方です。

 解労散を7日分、服用してもらうと、頑固な冷え性や肩こりはすぐには変化しませんが、まずお通じが毎日、するっと出るようになりました。
またお腹を押さえてみると、表面の強い緊張が緩んできています。ただし、深く押さえると、内部の筋肉の強張りはまだ続いています。

 

 この処方を続けていけば、やがて頑固な肩こりと手足の冷えも緩んでくるでしょう。

 

 

 写真は2月に近所で咲く花。 上からツバキ、蝋梅、山茶花。

 

 

 

 

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   瘀血剤の経験 その1

 

 漢方医学の中に「瘀血(おけつ)」という考えがあります。体内に停滞して固まってきた血液が、いろんな悪さをするという考えです。
 漢方を勉強し始めた40年前から、瘀血が重要な漢方の理論で、瘀血に対処するいくつかの処方も重要なものだということは、分かってはいました。
 しかし実際の患者さんをみて、これが瘀血の状態だな、というのが身をもって分かり始めたのは、比較的最近のことです。
そういう患者さんの例を、いくつか検討してみます。

 

 

   例、 40歳 女性 がっしりとした骨太の体格 明るい性格

    《経過》

 以前から、生理の周期に関係するひどい頭痛と肩こりで、針灸治療と漢方薬を併用されていました。
 漢方薬は肝臓の熱を冷ます「柴胡剤」と腎臓・肝臓に血を増やす「六味地黄丸(ろくみじおうがん)」を合わせていました。
 生理が遅れたりとんだりし始めたころから、更年期的な逆上せやイライラが強くなってきたので、六味地黄丸を「桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)」に替えました。桂枝茯苓丸は、瘀血剤の中では作用は穏やかで無難な処方です。

  《主訴》

 今回、夕方にお電話があって、「いよいよ更年期も極まってきました。」と。何のことですかというと、ここ最近、イライラがつのって来たけど、夕べは「イ~ッ!」と大声で叫びたくなった。そして「イ~ッ!」のときに頭の奥が堪らなく痒いような気がして、爪をこめかみに立てて我慢していた。
 そのせいで夕べはほとんど眠れなかった、とのこと。

 それで仕事終わりにすぐに来てもらって、詳しくお話をうかがいました。

 恐ろしいのが、最近のイライラや「イ~ッ!」には何の原因もなく、ただむやみに理由なく腹が立つことです。
 職場の人と揉めたりしたらまずいなと思いましたが、日中はそんなに気にならず、夜になったら起こる症状のようです。
 実は、夜間に症状がひどくなるというのは、瘀血の特徴でもあります。
 

 

 他の症状を尋ねると、顔が逆上せて赤くなっている。顔は熱いのに足は痛いほど冷える。
頭痛や肩・首のコリもひどい。
口が渇いて、冷たいものを飲んでいる。
こんなに気分的にイライラしても、ご飯はしっかり食べている。
 お通じは、少し緩い目。これは瘀血剤を使うのに迷うところです。瘀血剤には多くは便秘を下す働きのものが入っているからです。

   《診断》

 ベットに横になってもらってお腹を押さえると、下腹ぜんたいが堅く張ってもいますが、お臍の左斜め下が特に堅くて、また強く痛みます。
 臍の左は、お腹に瘀血が溜まってくると最初に痛みが出る場所です。
 下の図は小川新先生の腹診の本に出ている、桃核承気丸の人のお腹。黒い部分が押さえて堅くしこっています。お臍の左下に斜めに堅いしこりが描いてあります。

 

 

 次に膝の内側の「曲泉」というツボを押さえると、泣くほど痛いといいます。ここは肝臓につながるルートの通り道で、瘀血があると痛む場所です。

 

 舌の乾きと冷水を飲んでいるのは、体内に熱が充満していることを示します。内部には熱が詰まっているのに、足は氷のよう冷たいのは、瘀血のせいで血と気の巡りが阻まれているからです。阻まれた熱気は、上に突き上げて、逆上せになっています。

 この方の「瘀血」を除くのに、「桂枝茯苓丸」では力不足だったのでしょう。
もうワンランク上の瘀血を除く力の強い「桃核承気湯(とうかくじょうきとう)」が必要だと思いました。

 

   《桃核承気湯について》

 桃核承気湯の主薬は、桃仁(とうにん)です。桃核ともいいます。モモの種のなかのお宮さん。アーモンドのような形です。
 リンゴの種でも噛むと、イヤなツンとする臭いがしますね。確かに桃仁にはアミグダリンというシアンの化合物が含まれていて、多少の毒性があります。植物の種には次の命の元になる、キツいエネルギーが詰まっているのでしょう。
 そういう毒性の部分が、動かなくなって固まった血を溶かして流し去る働きをします。

 江戸時代にも、桃核承気湯は服用に便利なように「桃軍円(とうぐんえん)」という名前の丸薬としてよく使われました。この「桃」はとうぜん桃仁ですが、「軍」のほうは「大黄」を指しています。
 「大黄」はタケダの漢方便秘薬の主薬で、体内に詰まった熱気や血、不消化物を強力に下す力があるので、「将軍」のあだ名があるのです。

 さらに「芒硝(ぼうしょう)」が入ります。芒硝は硫酸ナトリウム。塩類下剤として大黄とタッグを組むと、体内に停滞した熱気や?血を下して排除します。

 

 

 また「桂皮(けいひ)」はシナモン。ニッキです。瘀血のせいで下腹部に熱が停滞すると、上に向かって逆上せが上がります。桂皮は熱気を上から発散して逆上せを収めて、エネルギーを滑らかに循環させる作用があります。

 昔の漢方医書『傷寒論』には、「熱が下腹に詰まると狂ったようになる。不正出血があり、下腹が引き攣れて痛むのには、桃核承気丸が良い。」とあります。
強い瘀血ができると下腹が張って痛み、出血し、精神状態が変になる、ということが書いてあります。じっさいに、お産後の精神異常などにも使われてきたようです。

    《治療》

 この方にも服用に便利なように煎じ薬ではなくて、メーカーが作った丸薬、「桃核承気丸」をおあげしました。
 さらに顔の逆上せ、口の渇き、さらに精神的な症状が強いのは、心臓の熱が旺盛なことを示しているので、心臓の熱を冷ます、「黄連解毒湯(おうれんげどくとう)」を加えることにしました。
 もしこのお薬でダメだったら、もっと強く働く煎じ薬にしますから、すぐにお知らせ下さい、と念を押しておきました。

 さいわい、この組み合わせで1週間のんでもらうと、イライラが無くなったりはしませんが、「イ~ッ!」のほうは1回だけになりました。

 もとから軟便気味だったので、大黄+芒硝の作用で下痢しないかと、そこだけは心配していましたが、何も変化は無かったようです。これが漢方薬の面白いところで、体質の本当の大元のところにピタリと合えば、取り立てて悪いことは起こらないようです。


 この処方を続けてもらえれば、更年期も無難にやり過ごせるだろうと思います。

 

 写真は、朝の散歩のときに撮った各種のウメです。

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      イチョウの剪定

 

 

 これは昨年、12月の写真です。四国の松山はこのところ、ゆっくり寒くなっていくので、紅葉もくっきりとは進まず、イチョウの黄色もぼんやりとしていますが、それでも晩秋の風物詩として、落ちた葉っぱも年末までそのまま地面に置いています。

 

 このイチョウは、10年前です。次男が中学の卒業の記念に、高さ10センチほどの苗をもらって帰ってきました。その中学には、3階の校舎よりも背の高いイチョウの並木があって、銀杏も集めてなんかにするとか言っていました。

 園芸好きの先生がいて、記念の苗木を育てて、卒業生の全員に配るのでしょう。同級生たちは苗木を邪険に扱ったようですが、うちでは空いた地面に下したら、またたくまに2階の屋根に届きました。

 

 

 これは2014年の写真ですが、木の幹が1階の軒の高さで、2股に分かれているのが分かるでしょうか。

 庭木に詳しい友人たちから、イチョウの幹の上端を止めないと、いくらでも大きくなってしまうと、何年も前から注意されていましたが、大きな木が生えているのは、いかにもお金持ちっぽくて威勢が良いんじゃないかとか、考えていました。

 しかし、家や看板の電線に枝が引っかかったり、落ち葉が大きなゴミ袋に4つも出るので、幹の上端を切ることにしました。

 

 イチョウの枝はうまい間隔で交互に出ているようなので、すいすいと登って、のこで2本の幹の上部を切り取るつもりでした。

 お客さんの来ない、朝の9時ころから、脚立を足場に看板の真ん中の高さまで幹に上って、腕を伸ばして、のこでギシギシ横に切ってみました。

 60歳になって、身体が固くて神経が鈍くなっているので、とにかく高い所がこわい。 しかも、木の上で左手で身体を固定しつつ、右手を動かせる範囲が狭い。腕を伸ばしたままで、のこを使うのはとてもしんどい。ちょっぴり切り目を付けただけで、息が上がって、1日目は終了。

 翌日も朝から、昨日とは別の向きから木に登って、昨日の切れ目の裏側にのこを当てますが、体勢が悪いのか、昨日よりも怖くて、余計に腕が疲れて息が上がります。

 

 5分ほど、のこをゴシゴシ動かして、よく分かりました。これは素人がやることではない。専門家にお任せしようと。

 

 

 近所の造園業者さんにお願いしました。

 じつは、植木屋さんにお願いして、来てくれるまでに半月ほど間がありましたが、その間に、台風並みの風が吹いた日がありました。

 仕事の合間に、何気なく外を見ると、道路に何か見なれないものがある? 外に出てみると、私が切れ目を入れた長さ3メートルほどのイチョウの上端部が、折れて道路に落ちています。わたしの努力も、風で木が折れるところまでには及んでいたんだ、と分かりました。

 家も看板も壊さず、通りがかりの車や人にも迷惑をかけず、道路にすとんと着地したようです。敷地に入れて、幹はのこで60センチ幅に切り分け、枝は刻んで袋に入れました。

 

 植木屋さんは、専門家の意見として、私が切った場所では枝が上に伸びれば、電線にかかるので、さらに30㎝下で切りました。

 

 

 写真では分かりにくいのですが、二股に分かれた幹の、家よりのほうも、分かれ目からチェーンソーで切ってもらいました。これで家に掛かる枝が無くなり、落ち葉の量も減るでしょう。

 

 

 これが残った幹と枝。こういう仕事を植木屋さんに頼むと、木を切る作業の手間賃のほかに、できた木くずの処理費用がかかります。業者が捨てるとなると、それなりの値段になります。たぶん、作業代と同じくらい。 

 いぜん、おなじ植木屋さんに、西洋杉が台風で傾いたのを切ってもらったことがあるので、経験があります。

 こうして、60センチ幅に切っておいてもらえば、うちでは普通ゴミとして、ただで始末できます。

 

 切った枝を見ると、春に出てくる葉っぱの新芽がびっしり着いていました。植物はこうして、毎年、毎年、季節に違わず、成長・収蔵をくり返すものなんですね。

 

 

 

 

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