松山市はなみずき通り近くの漢方専門薬局・針灸院 春日漢方

体質に合った漢方薬・針灸治療 更年期障害・生理痛・頭痛・めまい・冷え性・のぼせ・不眠症・イライラ・気うつ、肩こり・腰痛・五十肩に穏やかな効き目

春日漢方 薬局・針灸院


松山の南、はなみずき通り近くの

漢方専門薬局・針灸院です。

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漢方専門の薬局・針灸院を開業して、

もう20年になります。その間に積んだ

知識と経験から、東洋医学ならではの

健康情報をおつたえしましょう。


松山市古川北3-13-22  TEL 089-957-0686


   メール takaisyunsuke@yahoo.co.jp



 臨時休診のお知らせ


  5月28(土)を


臨時でお休み致します。






 

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オーディオルームに管さん現る


 家の1階のリフォーム工事に4月末から取りかかって、途中で大きな梁が白アリに食われているのを発見。鉄骨を発注したりして、10日以上、工期が遅れましたが、先週、取りあえず完成。今日、工事代金を払いました。




 リフォームのプランナーの方が、相当のオーディオマニアなのは、これまでのリフォーム工事で知ってはいました。今回、あまり使ってなかった6畳間を直すにあたって、床・壁・天井にぶ厚い合板を入れて、耐震補強に加えて、音の響きが良くなるように作りました。
 上の写真のような、ガランとした何も置かない部屋にすると、音がすごく反響します。

 今回、家のリフォームを考えたのは、わたくし、明日、5月26日で還暦になりますが、47年前、中学1年からジャズのレコードを買うことから始めて、もっぱら音楽を聞くのを趣味としてきました。
 ところがこの数年、どうももう一つ、面白い音楽に出会わない。驚くような音楽体験がない、という感じ。また年並みに、テレビの音量が、前は目盛り20だったのが、23に上げないといけなくなった。確かに耳も衰えつつある。
 それで、ここはひとつお金を投じて、趣味のオーディオルームを作ってみようかと思った次第です。
 それまでは、ずっとソフト=CDやレコードを買うことだけにお金を投じてきて、オーディオや部屋には最低限のお金しか掛けないできました。しかしそれだけでは、これからの人生、長く音楽を楽しむには、別の方面にも資金を投じる必要がでてきたようです。



 さきのプランナーさんのところにお邪魔して、オーディオ装置のどこにお金を投じたら良いか、などさまざまのアドバイスをもらいましたが、その時に安く譲っていただいたのが、これ。
 
 変な台形の装置ですが、これでCDプレーヤーです。スチューダーというスイスのメーカーのもの。CDプレーヤーの出初めのころに放送局用に作られたので、こういう形をしています。
 定価は90万近くしましたが、今でも根強いファンがいて、中古品なのに35万の値がつきます。その方はもう使ってないので、安く譲っていただきました。
 持って帰って、以前のアンプにつないだところ、バイオリンなら弓が弦をこする音、フルートなら息が歌口で擦れるまで聞こえます。CDにこんな音まで入っていたのかと、その精細さにびっくり。その方は、CDの音に馴染めずに各種プレーヤーを試して、最期にここに行きついた。

 写真を見ると、木の枠に乗ってますね。この桜材の枠を作ったのが、あとで出てくるマルイレコードの管さん、だったのです。
   



 こちらはツルハラアンプ。鶴原さんは、漢方の勉強会の友人で、真空管アンプのキットを買って組み立てるという趣味がおありです。4月初めから昨日まで、お貸しいただいて、聞かせていただきました。
 電源を入れてしばらくは、しょせん素人の自作アンプよな、と思っていましたが、1時間ほどで真空管が温まってくると、じつに素直にスチューダーの音をゆったり、たっぷりと伝えてくれます。
 いろんなCDを次々と聞いてみましたが、意外にパーカッションやギター、ピアノのようなパシパシ鋭い音に秀でています。バイオリンのような引っ張る音にはちと弱い。
 でも、シンプルに昔のやり方で作った装置が、メーカーが手の込んだ作り方をしたものより、いい音がするというのが、オーディオの面白いところです。


   




 上の写真がQUAD(クオード)のパワーアンプ。下がATCというメーカーのプリアンプ。 プランナーさんのアドバイスで、アンプをパワーとプリに分けて、パワーにお金を投じるのが効果的というので、クオードに今回、いちばんお金が入っています。何の意味があるのか、厚いガラスの天板が乗っていて、後ろが映りこんでいます。
 ATCはヤフーオークションで中古を買いました。

 オーディオ装置の機能は「音」にしかないのだから、実際に聞いて買いたいと思って、大阪の電気街のオーディオ屋までいきました。いろいろ悩みましたが、QUADという外国メーカーの品を在庫して、聞ける状態で展示してくれた店に、お金を持っていくべきだろうと、そこで購入しました。

 5月13日に、始めてスチューダー・クオード・ATCという組み合わせで鳴らしてみましたが、これが困ったことに、なんともがっかり。高音にはキンキンと頭に刺す音、低音はよどんでお腹にもたれる音。全体に下手な説明を聞かされているような、つまらない感じ。
 素人の自作アンプのほうが、ずっと素直で気持ちの良い鳴り方、音楽としての豊かさを感じさせます。

 これはいったいどういうことなんだ、何とかならないかと、くだんのプランナーさんに泣きつくと、知り合いのオーディオの専門家、マルイレコードの管さんが来てくれました。

 じつは私らが中学のころ、松山市内のマルイレコードの2階に管さんはおられて、「ジャズのお師匠さん」だったのです。その時にコルトレーンやドルフィ、モンクなど、本物のジャズを聞かせてもらったことが、今でも音楽の嗜好に大きく影響しています。




 写真が横倒しなので見にくいのですが、スピーカー低音を強化するための「穴」(なんというのか?)にハンカチを詰めてあります。
 管さんに低音がドローンとよどんでいると相談したら、こういう小型スピーカーは、低音を響かせるために余計に強調しているからと、「穴」にハンカチを詰めて低音のよどみを消しました。
 他にも、アンプ間、プレーヤとアンプを繋ぐケーブルを、持参のものに換えてくれて、中でもプレーヤーとプリアンプの繋ぎには、自作の銅線剥き出しの特製ケーブルを入れました。 
 スピーカーのスタンドの下に桜材の積み木をいれ、セット全体の配置を見直し、デジタル系とアナログ系の電源の位置を離しました。
 



 上のような配置になって、格段に音が良くなりました。「お師匠さん」の言うには、これでこのスピーカーの半分くらいの力が出せているくらいかな。
 あとはアンプ類をいれているラックがいい加減すぎる。スピーカースタンドを耐震ジェルで引っ付けるのはダメ、ネジで固定すること、などなど。そうやって値の高い装置に買い替えるのではなくて、自分の聞く耳を鍛えて、部屋の音のレベルを上げていくのが、オーディオ趣味の醍醐味、というお教えでした。

 セットの後ろに張ってある変な模様の布は、スピーカーの後ろに回る音を吸収させるためのもの。ヤフオクでインドのテーブルクロス、500円で落札したもの。なんでインド柄なのかは、オーナーの趣味のせいでしょう。
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    咽喉の詰まりにハンゲコー?


 咽喉がなんか仕えたような、何か引っかかっている感じがする、という症状があります。風邪で咽喉が痛いのとも違う。それで耳鼻咽喉科などで診てもらって、特に異常はないから、気分的なものでしょう、という見立てになることがほとんどです。
 頭痛や肩凝りと違って、咽喉の詰り感は異常が自覚しやすいので、気分的なストレスが起こす症状としては、よく経験されるものではないでしょうか。




 咽喉の奥を内視鏡などで観察して、何も炎症や異物が無ければ、その症状を起こしている原因は、心理的なもの、心因性。あなたの心が作り出したものですよ、ということになります。

 かくいう私も小学生のころにこの症状が出たことがあります。何を気に病んだのか、何か深い悩みがあったのか、何の記憶もありません。本人はなんのストレスも感じてなくても、出ることもあるのでしょう。
 ただ憶えているのは、昭和40年代に薬屋向けの漢方薬が出てき始めて、実家の薬屋でも小太郎というメーカーの錠剤を扱うようになりました。その中から母親が灰色ラベルの「ハンゲコー」という変な名前の錠剤を選んで、それなりに効いたことです。以降、中学、高校とイヤイヤながらの受験勉強のあいだ、ときどきその錠剤を飲んでいました。

 小太郎製薬の錠剤は、漢字だらけの漢方処方では消費者に馴染めないからと、「ハンシャン」「ショーサイン」「サイケット」「ホエキン」などと、いちおう新薬っぽいネーミングにしていました。それでもけっこう変な名前だと思います。漢方の専門家ならどの処方か分かるでしょう。 
 戦後の漢方は小太郎製薬の錠剤から始まりました。ツムラなんかはずーっと後発です。

 さて 「ハンゲコー」の本名は「半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)」
 2000年前の漢方医学書『金匵要略』の婦人雑病編に出てきます。

 「女性で咽喉に焦げた肉片が詰まったように感じるものには、半夏厚朴湯がよい。」

 ここで咽喉に詰まっているのは焦げた肉ですが、江戸時代なら梅干しの種。この症状は梅核気とよばれます。ヨーロッパならヒステリー球。ピンポン玉かビー玉でしょうか。




 この症状が『金匵要略』では婦人病編に書かれているし、またヒステリーという言葉のもとにはラテン語かなんかで「子宮」があります。これは女性特有の症状なんでしょうか?。
 これは長い間、治療するのは男、されるのは女という関係が続いてきたから、気のせいで身体の不調を言い立てるのは、女なんだという歴史的な背景があるからでしょう。しかし実際に気分的なことで咽喉の違和感を感じるのは、男女であまり差がないと思います。

 
 では、半夏厚朴湯は咽喉の詰まりの特効薬なんでしょうか? 漢方屋の駆け出しのころは、自分でもよく効いたし、昔のありがたい金匵要略にも書いてあるし、もっと効くと思ってたのですが、半夏厚朴湯の効かない患者さんが結構いるのが分かりました。
 そうなると、どうして咽喉が詰まるという症状が起こるのか、漢方的な理屈を考えてみないと、様々な患者さんに対応できないと思いました。


 漢方では人間の活動のエネルギーを、腎臓から陰性のエネルギーが上昇し、心臓に入って、交代に陽性のエネルギーが下って腎臓に入るという陰気・陽気の循環を基本とします。滑らかな気の循環がどこかで突っかかって、停滞すると様々な症状が現れます。

 この循環のルートにいくつか陰気・陽気の引っかかりやすい場所があります。
 まず下腹部。ここで引っかかると下腹が張ったり痛んだり、小便の出具合が悪くなります。
 次はみぞおち。心下部。ここではみぞおちの痞え、痛み、胸やけ、吐き気など、胃腸症状がでます。
 次は胸。胸の痛みや動悸、息切れが起こります。動悸は他の下腹、みぞおち、咽喉でも起こります。
 次が咽喉。やはりエネルギーの通り道が狭まっているせいか、よく気の痞える場所です。咽喉の痛み、咳、吐き気、しゃっくり、そして詰まり感。
 最後に頭に気が停滞すると、頭痛、頭重、逆上せ、不眠などになります。




 こういうあちこちの気の停滞を除く処方なら、効能書きに咽喉の詰まりと書いてなくとも、体質・症状に合えば、咽喉の詰まりを治します。

 咽喉の詰まりに効きそうな処方を、ごく大雑把に胃腸=水分停滞系と、肝臓=血の道系に分けてみます。

 腎臓・胃腸などのエネルギーが不足すると、胃の働きが弱って水分が停滞します。不足するエネルギーを補って、停滞した水分を除く生薬が「半夏」です。咽喉の詰まりには半夏厚朴湯が代表ですが、他の半夏を主薬にした「半夏寫心湯」なども咽喉の詰まりに使えます。
 また胃腸を元気にして水分をさばくのに、「茯苓」と「白朮」の組合わせが効きます。「苓桂朮甘湯」「苓桂味甘湯」などの処方を咽喉の詰まりに使います。

 腎臓をしっかり働かせて、腎臓から出るエネルギーを増やす「龍骨」「牡蠣」が入った処方は動悸に使うことが多いのですが、咽喉に停滞した気を除いて、詰まり感を取ることがあります。




 次に血の道系の体質については、漢方ではストレスを受け止めるのは肝臓・胆のう系の働きと考えています。肝臓の血が不足するとストレスに対抗できなくなって、各種の症状が出てきます。
 更年期になって血が不足すれば、ストレスに弱くなって多くの人である程度の咽喉の詰まり感はあるようです。
 血の不足を補う当帰の入った、更年期障害に使う「加味逍遥散」「抑肝散」などの処方は、咽喉の詰まりに使えます。
 更年期らしい、冷え逆上せやイライラ、頭痛、肩こり、不眠なども伴います。

 さらに肝臓・胆のうに熱が詰まった場合にも、咽喉が詰まってくることがあります。肝臓の熱を除く「柴胡」を主薬にした処方が使えます。「小柴胡湯」と「半夏厚朴湯」を合わせた「柴朴湯」という処方も有名です。こちらは口の渇き、苦さ、食味の悪さなど、内部の熱症状が目立ちます。

 
 咽喉の詰まりに使う漢方薬を簡単にまとめてみました。ネットやツムラの情報では、半夏厚朴湯がまず第一に上がってきますが、実際に見てみるといろんなタイプがあるのに気づきます。

 その症状の程度というか重症度は、もう息ができないほどつらい、気になって眠ることもできないという酷いものから、何もしてないときにちょっと気になる程度のものまで、大きな差があります。また、その症状の受け止め方も、手術して咽喉の詰まりを除けたいと考える人から、心因性のものと聞いて、あー、そーなの、で済ます人までさまざまです。


 写真はこの春、うちの庭で咲いた花。上から、ツバキ、アミガサユリ、ナルコユリ、エビネラン
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    張景岳と呉清源




 このカードの束は、この1年くらい、仕事が終わってから、まだ元気が残っていれば、2、3枚ずつ、ボールペン習字よろしく書き写してきたものです。検索しやすく50音順に並べてあるので、先頭は「阿膠」(山東省のロバの皮のゼラチン)になっています。
 写していた元の本がこれ。




 書き写していたのは、この本の上下1710ページのうちの、下巻のほんの60ページ分です。
 
 本のタイトルは『景岳全書』。中国は明の時代の終りがた、日本なら江戸時代はじめに、中国の名医、張 景岳によって書かれました。
 「全書」というくらいですから、漢方医学の基礎理論、陰陽・五行から虚実、気血・津液、経絡に始まって、各種の病理病候、診断法、治療のための漢方処方までが、『素問』『霊枢』などの漢方の古典の記述を引用しながら説明が尽くされています。

 私が写したのは、治療法の基礎になる薬草の効能、効果を述べた「本草」の部分。ちょうど切りよく300種の薬草が取り上げられていますが、私がカードに写したのは、その中の約半分。残りはわたしが聞いたこともないもの、あるいは知ってはいるけど使うことは無かろうというものです。

 ただ、このカードを作りながら、景岳先生のお説はあまりスマートではなくて、生薬の大まかな性質の説明と、具体的な効能の説明が重複して、こちらの頭に入りにくい印象があります。






 こちらの古い手垢まみれのカードは、30年くらい前から書き足してきた薬草のカード。約250枚あります。取り出しやすいように、ア・カ・サ・シ ----- などタグが付けられています。こちらも先頭は「阿膠」です。

 書いてあるのは、主には下の5種の本草書から抜き書きしました。




 この中でいちばん古い書物が左奥の『名医別録』 この中に最古の(2千年前?)本草書の『神農本草経』が含まれていて、そこに数百年後に付け加えられた部分が『名医別録』です。

 次がその隣の『本草備要』。時代はざっと1500年下って清の時代。
 中国の本草書は、常に古い記述に新しい知見を加えていく形で、積み重なって膨大な長さになっていきます。それでは臨床にも学習にも実用的でないので、コンパクトに記述をまとめたのが、この書物。「備要」とはいざという時に備えて、要点をまとめたというような意味でしょうか?
 この本は中国でも日本でも、薬草の効能を学習するのに、いまに至るまで重宝される書物です。この『備要』のバランスの取れたまとまった記述と比べると、景岳先生のほうは、個人の思い入れや独自の見解を交えていて、ちょっと分かりづらい感じがあります。

 右奥が現在の中国で出された『中薬学』。 出版は成都中医学院。この手の現代の中国の薬草の効能をまとめた本は無数にあるでしょうが、その中でまあ普通のランクの本でしょう。長所はとにかく収載された生薬の数が多いこと。短所は索引が無いことと、担当者によって記述のポイントや形式がまちまちなこと。

 前列は昭和の日本の漢方家、荒木性次師の著書。左が『新古方薬嚢』。右が『方術説話』。
 荒木先生は2千年まえの漢方医学書『傷寒論』を当時のままの姿で理解し、応用しようとしてきた稀有の漢方家です。
 『新古方薬嚢』も、『傷寒論』を読み進めていく順に、出てくる生薬の解説が、いまの日本人に分かりやすいように書いてあります。漢方を勉強しようとする人には、読んで漢方の実力の着いていく優れた書物です。

 『方術説話』は、先生の死後に出版された『傷寒論』の解説書です。全5巻で10万円というお値段。
 その中で第5巻の後半が、傷寒論の処方の構成する原理を解き明かそうと、先生の独自の理論で生薬の効能が説明されています。生薬が身体のどこに働くのか、「外・中・内」という「深さ」で表現します。
 半年くらい、先生独自の身体観を理解すべく書き写したり、図に書いたりして、やっと薄ぼんやり見えてくるような難しさ。このお説をよーく読み込むと、生薬の使い方の理解が少し深まります。




 このように昔の本をせっせと書き写すのは、りっぱなノートや情報カードを作り上げるためではありません。もし書き写して、それで覚えてしまえるのなら、それは大したものですが、そんな記憶力は凡人にはありません。
 結局、漢方の勉強は患者さんを前にして、頭の中から良いアイディアがスルッと出てくるようにするためです。何百枚のカードをきれいに作っても、臨床の場で自分の頭がキラッと閃かないと意味がありません。そのために結局は、昔の本を自分の手で書き写すのがいちばん良いのかな、と思ってやっています。
 たくさん書き写すうちに、頭の中に沈殿物、ワインボトルの底の澱のようなものが、溜まってくるんじゃないか、そのストックの量が大事なのではないかと思っていました。 




 ところが、この4月の漢方陰陽会の特別講演で、関西棋院のプロ棋士、今村俊哉・九段のお話があり、その中で予想外の言葉を聞かされました。
 それは戦前、戦後に活躍した大名人、呉 清源(ご せいげん)の言葉です。囲碁の上達を目指す努力を鏡を磨くことに例えます。
 昔の名人の棋譜を並べたり、定石を研究したり詰碁を考案したり、という囲碁の手段の研究の過程は、鏡に積もった埃を払う作業だと。

 この言葉は意外でした。私の考えでは、漢方を勉強することは、ストックを積み上げていくこと、堆積物を増やすことだと思っていたのに、呉清源は鏡の表面に溜まった埃を拭い去るように、それまで自分が捕えられていた考えを一新するために勉強するのだと。
 昔のことをたくさん覚えてもなんの意味もない。勝負の現場でハッと閃く新しい考え、新たな境地に立つために勉強はあるのだと。
 なるほど。そういうお勉強をしないといけないらしい。しかし我ら凡人にはなかなか難しいことではありますね。

 さらに呉清源の言葉には続きがあって、鏡を磨くのに、手段の研究だけを尽くしても足りないものがある。鏡を奥底から、真の底から光り輝かせるためには、人間の精神の修養が欠かせないのだと。
 精神の修養。うーん、こちらはさらに難しそうなので、しばらく置いておくことにしましょう。

 この文章は、4月の始めに景岳全書の本草部をカードに写し終えたのを機に書き始めたのですが、月末の陰陽会で呉清源の言葉を聞いて、考えがまとまらなくなりました。さらにそのころ、家のリフォームを手がけたせいで、半分引っ越ししながらのような生活になって、難しいことが考えられなくなっていました。
 しかし今日、ようやく工事も終わり、あとはオーディオ装置の配線をすれば、リフォームは終わります。ここまで1月いじょうかかって、この記事を書いています。
 もし大名人の言葉の通りなら、漢方の勉強も、漢方の手段だけをいくら追求しても、本当の上達は望めないということになるようです。これは難しいことになりました。
 
 
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