• 27 Dec
    • 2016年11月の読書量

      2016年11月の読書メーター読んだ本の数:1冊読んだページ数:162ページナイス数:12ナイスルチアさんの感想「どこか遠くのきらきら輝く水色の国」。その存在を想像するだけで幸せな気持ちになるということと、その想像力を持てる自分でいることの大切さやはかなさを教えてくれた作品。とにかく装丁がきれいで一目ぼれして買い、登場人物たちの魅力に惹かれて一気読み。児童書だとはまったく思わずに読みました。立派に、大人のための本です。読了日:11月8日 著者:高楼方子読書メーター

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  • 30 Nov
    • 2016年10月の読書量 ~3冊でしたかまあそうか~

      2016年10月の読書メーター読んだ本の数:3冊読んだページ数:596ページナイス数:75ナイス殺人出産 (講談社文庫)の感想「生と性」というよりももっと濃い「命とセックス」について描いているのに生々しくない不思議な感覚を味わいながら読んだ。それらのポイント以外はなにひとつ泡立たない平静とした日常であるからこそ、突拍子もないとも言える設定なのに少しも逸脱していると思えず、むしろ現代が抱える問題のすべてを確かに解決してくれるような説得力を感じ、納得させられてしまったことが怖かった。自分の中の「命とセックス」に関わる部分に何の違和感もなく入り込んできた気がする。感情に波が立たない衝撃作。読了日:10月4日 著者:村田沙耶香掏摸(スリ) (河出文庫)の感想又吉や綾野剛が絶賛していた本書。ヒリつくような日常が繊細な描写で描かれていて、隅々まで張り巡らされ息づく毛細血管を感じるような作品だった。運命に翻弄される人生を自覚しながら自棄になりきらない主人公のヒューマニズムのぬくもりと、揺るぎのない哲学めいた思想をかざす木崎の冷徹な悪漢ぶりの対比が鋭い。「お前がもし悪に染まりたいなら、善を絶対に忘れないことだ」に唸って付箋をはりました。読了日:10月18日 著者:中村文則10分あれば書店に行きなさい (メディアファクトリー新書)の感想ふと見つけて衝動買い。「目次」「まえがき」「あとがき」「解説」の四項目をチェックすればその本の内容を把握できるという説に、なんとなくそれで済ませていた自分を振り返り、それで大丈夫なんだとホッとしました。書店に行くと時間が経つばかりで何もできていない気がして焦るのですが、この本から学んだポイントを押さえて、なるべく経過時間に見合った何かを得るよう努力していきたいです。読了日:10月31日 著者:齋藤孝読書メーター 明日から12月というこの時に10月の読書量を振り返ってみている作業に違和感を禁じえません。ダメだやっぱり月明けたらすぐに投稿しなくちゃ~。ともかく3冊分の感想をアップできていたことにホッとしました。記憶がないわぁほんとにもー。 11月もほとんど読んでいません。「本とはそなわち積んでおくもの」というセリフを(もちろん、そうはならないようにという使われ方をしていたのですが)昨日の新聞に見た覚えがありますけど、「積んでおくもの」という意識が芽生える危機感を初めて覚えてしまいました。「手元にあれば必ず読む」「読んだら必ず読了の印として感想をアップする」という使命を感じていたはずが、気が付けばずいぶん薄らいています。まずい。これはまずい。 とはいえどうにもこうにも追われているため読みかけの本が積みあがっています。いかんせん期間限定(?)半年間のバイト先(●●●オフ)でのめくるめく誘惑に負けました。 ともあれ明日から泣いても笑っても師走。えーと今年は今のところ22冊しか読んだことになっていないなあ~。絵本や民話はたくさん読んだし勉強したので、冊数だけを意識するのもヘンだけど、せめて積読本の嵩を少しは減らしてからお正月を迎えたいものです。     ムリかもなあ。 

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  • 11 Oct
    • 2016年9月の読書量 ~うーん、2冊 ?~

      2016年9月の読書メーター読んだ本の数:2冊読んだページ数:289ページナイス数:22ナイスビブリオバトル ハンドブックの感想やってみて一度ではまったビブリオバトル。本好きの大人間はもちろん、PTAとして関わる中学校で生徒さんの間でもぜひ開催して欲しいと思い、読みました。『多くの子どもたちは、自分のことを話したい。理解してもらいたいという欲求を持っている』『読書の世界を旅する背中を押すコミュニケーションゲーム』他、開催推進のために使いたい言葉がいっぱい。読了日:9月3日 著者:ビブリオバトル普及委員会回転ドアは、順番に (ちくま文庫)の感想穂村弘、東直子両名によるこんな本が書かれていたなんてと驚いた。ボツボツとたどたどしいくらいにピュアで瑞々しい言葉のひとつひとつが、心の奥に潜んでいた感性をひっぱりだしてくる。小中学生の頃、こんな詩を書いていたような、こんな言葉をボツボツとたどたどしくいろいろな紙にこぼしていたような。描かれているストーリーよりもよほど濃く、自分自身を読み直した気がしました。読了日:9月21日 著者:穂村弘,東直子読書メーターうーん、2冊ですかーですねー。絵本をたくさん読んだり、素話を身につけるためがんぱったり、ビブリオバトルで自分では選ばない本に触れたり、とてもたくさんの情報が通りすぎていきましたが、読書メーターに記録できたのは2冊でした。ちょっとやっと最近、本を読む時間を取るよう頑張れるようになってきたので、年末(!?)に向けてスパートかけたい。なにせ手元に未読の本の山……。

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  • 13 Sep
    • 2016年8月の読書量 ~なんとか3冊~

      2016年8月の読書メーター読んだ本の数:3冊読んだページ数:800ページナイス数:13ナイス追想五断章 (集英社文庫)の感想久しぶりに読んだ米澤作品。やっぱり好きだ~と再確認しました。幾重にも畳み込まれたミステリーに何重にも仕込まれた複雑な心情がじわじわと締め付けてくるような独特な読後感。一筋縄にいかない感やすっきりさせてくれない感に、米澤作品を読んだなぁという満足感を得ました。本当にすごい、頭のいい作家さん。その頭脳をして小説家という仕事を選んでくださったことに感謝したい思いにかられます。読了日:8月1日 著者:米澤穂信閃光スクランブル (角川文庫)の感想『ピンクとグレー』に魅了され、期待をこめて読んだ本作。絞り込まれた前作に比べると情報が多く、作者の引き出しの多さや豊富な語彙力につくづく感銘を受けつつ、ラストの二人に感動しつつも物足りなかったのは、その他の登場人物の収拾が弱かったからかなと。坂木と小日向は冷淡すぎるし、尾久田夫妻はどうなった?みたいなところがひっかかってしまった。ラノベ寄りにも感じたし。けれどそれらを補う満足感を得ました。「小説も書けるアイドル」ではなく、「才能あふれる上り調子の小説家」として信頼度アップ。他の作品にも期待。読了日:8月29日 著者:加藤シゲアキ小説怒りと映画怒り - 吉田修一の世界の感想原作を読んでいる時にあてはめていた綾野剛がそのままのキャストで出演することでなお映像作品への期待に胸ふくらませていたところ、書店で見かけて即購入。小説からの抜粋部分と、原作者・吉田修一が撮影現場で得た感触、監督や役者へのインタビューなど盛り沢山ながら散漫とした印象はなく、映画への期待がますます高まって興奮しました。個人的には「吉田修一全作品解説」のところと、妻夫木聡と吉田修一の対談部分の内容が嬉しかった。『悪人』に続き、妻夫木聡の熱量がすごい。読了日:8月30日 著者:吉田修一 

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  • 06 Jun
    • 2016年5月の読書量 ~やっぱり2冊~

      2016年5月の読書メーター読んだ本の数:2冊読んだページ数:462ページナイス数:22ナイスつむじ風食堂の夜 (ちくま文庫)の感想色鉛筆で描かれた美しい絵本を読んだような感覚です。しとやかではかない幻想の世界をちょうどいい距離感で現実に近付けてくれたといった感じでとてもうれしくなりました。果物屋さんのオレンジの光が印象的。読了日:5月1日 著者:吉田篤弘「少年A」この子を生んで……―父と母悔恨の手記 (文春文庫)の感想重大な犯罪をおかした我が子をどう受け止めればいいのかわからず戸惑いながら懺悔に徹する親御さんの苦悩に満ち満ちた本だった。とても普通の、というより普通以上に優しく良心的なご家族に思えてならず、だからこそ自分の中の悪魔を認めた彼は親を憎むしかなくなり、当たり散らし、会うことを拒否し続けたのかと考えるしかない。それにしてもどこをどう読んでも本人に反省や後悔が芽吹く予感を見いだせないことが不気味だった。唯一彼の本質に気づいていた節のある先生や同級生の客観的な視点をこうした犯罪の抑止力に活かせる道はないだろうか。読了日:5月31日 著者:「少年A」の父母読書メーターなにかこのところ、これまでの生涯で一番忙しいです。自虐レベルです。ほぼ目いっぱい予定が埋まったところに、アルバイトを始めてしまったからです。週4です。やりたいことを存分にやる資金のために始めた仕事ですが、やりたいこと(趣味関連)がおろそかになってます。本すら読めないシクシクシク。あまりにも余裕がなくなったので、一度優先順位を思い浮かべてみたら家族→趣味→仕事という結果でした。まあそうよね。というかそれより前に自分の健康が一番だけど。心身の。というわけで、現在は筋肉痛を伴う身体的な仕事疲れに悩みつつーの、すきまに趣味の活動(朗読・ギター)をぶっこみーの、学校や図書や町内会の役員活動の日程を忘れずチェック、といった日々です。なるべくはやく少し落ち着きたい……。

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  • 28 May
    • なんでもないこと

      開設したばかりのHPを毎日少しずつ、ちまちまと調整しています。こんどこそマジメに情報発信する場にする予定だったのにまたもや油断をかまして、好きに書いている箇所が出てきてしまいました。その中で漏らしたことだけど、それにこちらを読んでくださる方はご存知でしょうけど、ネット内での暮らしもずいぶんと永くなっていて、お会いしたことはないのに、心の友といった親近感が持てるかたもおられます。そうしたお一人が、数年前から毎月一度、翌月のカレンダーが印刷された葉書を送ってくださいます。おかげさまで、それまであまり積極的に足を向けようという気のなかった「郵便局」を利用しようかという気持ちになりました。頂戴する葉書には毎回それは素敵な切手や消印がいくつも付いていて、消印をいくつも押してもらえるという事実や、切手を貼る場所ってこんなに制限がなかったの、と驚かされたりの連続。楽しませてもらうのと同時に、自分も出してみたいと思うように自然になっていきました。で、最近、郵便局の窓口付近に並んでいる季節の絵葉書を買ってきて、母親に出してみるようになりました。今日選んだのは「水ふうせん」。手前の一枚です。それこそ月イチくらいで、葉書なのにわざわざ封筒に入れて82円切手を貼って出してます。なんでもない一言だけしか書いてないけど。なんというか、母という人がイロイロと気にするヒトだからです。本当はだから、本人しか読めないメールで普段の何でもないことを伝え合えたら安心なんだけどという言い分はひっこめて、ちょっとした近況なんかを一言を書いて出しています。何でもないだけを選んで伝えることで、お互いの間にある甘えや干渉といったやっかいな感情が修復され、霧散し、相手への理解と敬愛が芽生えることを期待しています。……いやいや。「期待」こそが干渉ですね。「何でもないこと」は、ことのほか難しいのです。

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  • 01 May
    • 2016年4月の読書メーター ~小説含まず2冊~

      2016年4月の読書メーター読んだ本の数:2冊読んだページ数:454ページナイス数:25ナイス本音で生きる 一秒も後悔しない強い生き方 (SB新書)の感想最近のコメントにいちいちなるほどと思わされていたホリエモンに興味が湧いて立ち読み、即購入。貪欲に生きるため徹底して無駄を省く生き方の伝授。ちょうど今の自分の状況と心境に合致していたので全部取り入れようと思えるくらい参考になりました。ただ、時間はともかく「お金は関係ない」だけはちょっと疑問。ある程度お金は回せる余裕がなければやはり動けないのではないでしょうか。激貧じゃムリだよね?と思うんだけど。やりたいことが多過ぎるのに全部やろうとして人生の使い方について考える昨今、とても励みになりました。読了日:4月21日 著者:堀江貴文ビブリオバトル 本を知り人を知る書評ゲーム (文春新書)の感想「ビブリオバトル」にすっかりはまり、さらに踏み込むために読みました。理系大学の研究室から生まれた経緯を知ったことで、ゆるく楽しく進行する中にあっても、公式ルールだけは厳格に守ることを求め、似て非なる読書会に大いに疑問を呈す姿勢の理由がとてもよく理解できてよかった。根拠と基礎あってこそのビブリオバトル。普及活動に貢献したい思いでいっぱいです。読了日:4月23日 著者:谷口忠大読書メーター

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  • 07 Apr
    • 2016年3月の読書記録 ~1冊と文藝春秋の1作品と、お話色々~

      2016年3月の読書メーター読んだ本の数:2冊読んだページ数:490ページナイス数:39ナイスピンクとグレー (角川文庫)の感想うーん、すごかった。アイドルを仕事にしながらこんな小説が書ける彼がすごいとなにより思ったし、「文章表現や言葉の一つひとつが気になって、さらっと(本が)読めない」というほどのこだわりを知った巻末のインタビュー記事にいたく唸らされた。文章という形で表現する悦びをどこまでも求める体質の人で、エッセイなり小説なり、とにかく書き続ける人なんだと感じた。繊細さや若さに朝井リョウの作品を思い、比べてしまい、朝井氏、巧すぎてまとめすぎてる ? と感じてしまった。この作品の粗さと勢いが瑞々しい美しさに直結している。読了日:3月11日 著者:加藤シゲアキ異類婚姻譚の感想「文藝春秋」で読みました。人同士の希薄な関わり方とデジタル感覚を示してなお生々しい筆致の独特の湿り気が、やはり本谷氏だなあと感じました。旦那という生き物の弱々しさと、妻となった女の逞しさ。結局残った印象はこれらだったので、個人的にはあまり好きではないかもしれないです、すみません。もともと本谷氏の作品はあまり好きではないので、受賞作だからといって「がんばって読む」という作業をするのはよくないなと痛感してしまいました。ほんとすみません。参考にしないでください。読了日:3月26日 著者:本谷有希子読書メーター3月が終わってしまった衝撃の余韻さめやらぬタールです。こんなに早く過ぎた3月は初めてではないか。そんなこといったら昨年の一年間も尋常な速さではなかった。……歳のせいと言ったら終わっちゃうハナシだけども、でも、時間の使い方は再考してみます。あー、むりかな(コラコラ)。本は常に何冊も持ち歩いていて首と肩を痛めて整骨院に通ってしまっているくらいなのに冊数はのびません。なぜか。素話用に覚えるためのお話の冊子と、朗読のために読みかえす本と、最近はまった「ビブリオバトル」を開催する人になるための本と、ビブリオバトルで紹介するためチョイス中の本。これらを常に意識して、うち何冊かを持ち歩くせいです。整骨院の先生に荷物を減らすよう言われたのに、じわっじわっと増えています。冊数にはこだわらないようにしたいんだけど、メモ魔の習性がそれを許してくれないので困る。今年の読了本リストページの空欄の多さが気になる。うう。というわけで。今年の目標(いまさら!)は、「メモを気にせず実を取る」と決めました。余計に早く月日が過ぎてゆきそうだ……。

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  • 15 Mar
    • 加藤シゲアキ『ピンクとグレー』~傑作 !~

      2016年 3ヶ月連続で更新中ピンクとグレー加藤シゲアキKADOKAWA/角川書店605円Amazonで購入書評ジャニーズの子が書いた本という色眼鏡と、ジャニーズにいるのに書き上げ、評価され、映画化もされたストーリーへの興味との狭間で過ごしていました。文庫本が借りられることになりさっそく読みましたが……すごかったです。いきなりファンになりました。別の作品もぜひぜひ読みたい。芸能界で頂点に上りつめた「ごっち」の姿をテレビで眺める「りばちゃん」の独白から始まる物語は、小学生時代の二人の出会いにさかのぼり、謎めいた25歳のひと時を挟んで再びデビュー前の二人に戻り、行きつ戻りつしながら丁寧に繊細な心情をなぞっていきます。りばちゃん目線で語られるりばちゃんの心情がやがてごっちと交わって。ネタバレになるといけないのでここは止めますが、二人が二人とも本当に素敵で、その存在を想像するだけで泣けそうなほど切なくなる。この気持ちは手の届かないアイドルに恋するときの想いに似ているかもしれない、とたった今思いました。こうした切なさを表現できるのは、作者がアイドルだからこそなのかもしれない。だとしたら、ジャニーズの子が書いた、ということは特別な色眼鏡で見るようなことではなくて、世間のあらゆる事情の中で生きている人とまったく同じ立場で書かれているということなんでしょう。そうしてみるとますますこの作家さんの力量が際立って感じられます。たとえば、冒頭がなぜ「二年前」なのかとか、繰り返し出てくる、流星のくだり・ごっちの姉のこと・「ファレノプシス」の歌詞の意味(この歌詞もいい!)と二人の関係との絡みとか、とことん練られ考えつくされた構成とストーリーに、作家の中でこうであれ!と願ったであろう「究極の美」を彷彿とさせられます。読了後の余韻の中でどのページに戻っても、ラストにつながる細く美しい絹糸が見えるようで、何度もページを繰ってとまりませんでした。文庫のうれしいところは「あとがき」があるところ。ここで作家・加藤氏は述べています。文庫化にあたり全編をくまなくチェックして改稿しました。(中略)シンプルで読みやすい文章に変えても、この作品で伝えたかった本質が損なわれることはないんだと気づいたので。表現にこだわる作家さんと感じながら読んだので、やはり、という気がした部分です。単行本と比べてみたい。また、「加藤シゲアキインタビュー」で、聞き手の書評家・タカザワケンジ氏の質問に答える中では『文章表現や言葉の一つひとつが気になって、さらっと読めない』『言葉にはずっと意識的に触れてきたという気持ちがあります』といった言葉があります。こだわりの塊みたいな人ですね。ジャニーズとかもう関係ないなと心から思わせてくれました。好きな作家さんに出会えて嬉しいという気持ちでいっぱい。他の作品もガシガシ読ませていただきます。

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  • 02 Mar
    • 2016年2月の読書記録 ~4冊と、文藝春秋で芥川賞受賞作を少しだけ~

      2016年2月の読書メーター読んだ本の数:4冊読んだページ数:1253ページナイス数:64ナイス現代の民話: あなたも語り手、わたしも語り手 (河出文庫)の感想「実は民話にさして興味を持っていなかった」という一文や、かつては語り手と呼ばれるたびに打ち消していた、という事実が意外で、親近感を持って読み始めた。足を運んでは直に話を聞き、丁寧に時代と背景を分析し収集しまとめあげる著者の精力的な活動ぶりは、松谷さんに課せられた使命だったのではと思わせるものがある。「聴きたいと願う心があれば、現代の民話はどこにでもある」「語りをぴしりと凝縮させるのは(中略)豆腐を豆腐たらしめる苦汁の一滴なのである」など胸に刻みたい言葉がたくさん。話を「置く」という使い方の手仕事感が良い。読了日:2月3日 著者:松谷みよ子とりつくしま (ちくま文庫)の感想朗読会の開催に合わせて購入し、一気読み。一編が短く優しく切なく、確かに朗読したくなります。あとがきにも「出版後、朗読に使いたいという申し出が多数あり」ということが書かれていました。亡くなったばかりの人の未練と、心残りのある人のそばに「モノ」として残る切なさが胸に迫り、自分だったらどうするだろうか、身近なあの人ならどうするだろうか、もしや何かにとりついていたりするだろうか、ということをずっと考えながら読みました。「モノ」を粗末にしにくくなるなあ。読了日:2月15日 著者:東直子わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)の感想放映中のテレビドラマが面白いので読んでみた。ちょうど半ばまで進んだドラマのストーリーと連動したせいかとてもスムーズに読めた。こうした現実の中で自分が生きさせてもらっているかのようで、パラレルワールドを体感した思い。ラスト近くの『ルーシー先生が正しいと思う。エミリ先生じゃない』の言葉の重みと、「あっち側」の恐怖の印象の他は、テーマの重みとは裏腹の冷淡なほど浅く軽い印象で読了し、そうした冷淡さを思い知るストーリーだったのではと再び思い知らされました。読了日:2月24日 著者:カズオ・イシグロ新美南吉30選 (名作童話)の感想童話をたくさん読んでみたくて書店へ行き、これを選びました。どれを読んでも、作者である新美南吉の優しさ繊細さが感じられて心が安らぎます。セリフの末尾の「~だげな」とか「~だら」、「とろくせえ」などの、出版物ではほとんど見ない方言が新鮮で貴重で、愛知県出身のワタシがこの作家の本に魅力を感じる所以かと思いました。子どもの頃読むたび泣けた『ごん狐』と、絵本で知った『手袋を買いに』のキツネの表現の優しさが心に沁みます。『でんでんむしのかなしみ』を、作者の思いに合った朗読にして表現してみたい。読了日:2月29日 著者:新美南吉読書メーター素話と朗読のために伝承民話を探っていて、数多い出版物の中から何か一冊購入しようと思っても、高価だし図書館で借りたほうがやっぱりいいかなと触手が伸びずにいたところで、新美南吉の童話集を見つけて即買ってしまいました。高価と感じた本の2倍のお値段でしたけども。欲しい、と思ったらもう仕方ないです。こうした専門書に関しましては。感想にも書いたけど、三河弁かなあ、出版物ではほとんど見かけない方言を使った優しく繊細なお話ばかり。波風の立たない穏やかな丸みのある世界にいやされました。買ってよかった。★『文藝春秋』は受賞作が載っている時だけ買うんだけど、いろいろなページに飛びながら読んでしまうのでなかなか落ち着いて受賞作を読み進めることができません。さくさく進めたい。他に、今日は『ピンクとグレー』を借りてきまして、ずっと読みたいと思っていたからすごく楽しみです。映画、観たかったなあ~。1、2月ともに4冊。ううーん。できれば5冊ペースに戻したいけど、朗読や素話のためのお話し選びに難航しているため、短い民話や詩やを読んだり、青空文庫から選んでみたり、読むこと自体は比較的こなしているかと思うです。はい。この調子でいきましょうワタシ。

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  • 27 Feb
    • 「アコギ1本!コネ無し。人脈無しの全国47都道府県ライブツアー」~~近田心平・正解へと還る道~~

      「そういうふうにしか生きられない」最近なんだかいやに頻繁に思い浮かぶこの一文が、心に探りをいれさせる。きちんとした女子とかまともな母親とか、そういった大人なヒトに近づくことが困難なことを自覚しながら生きてきた。なげやりだったり諦めだったり仕方なく流されたりの局面も多かった。だけど、こうして人につっこまれにくい程度に歳を取り、代わりにそれなりに厚くなった自分史に顔をつっこんで眺めてみると、案外人生の選択において大きな間違いは回避できていたのではと気づいたりもするこの頃だ。「そういうふうにしか生きられない」だから「仕方ない」という残念感はもちろんある。でも「そういうふう」の中にしかない正解を探り当てることができてたのかもと頷く昨今のワタシなんである。――さて。こんなオノレの性質にくっつけて書くのも大層気が引けるんだけども、彼に思いを馳せたらこうした書き出しになってしまったのです。ごめん。ほんとごめんなさい。前半を削除あるいは別の記事にしろって話である。でもいったん手放すとそのまま放置するかもしれない無精者なので書かせていただきます。彼とはこの人シンガーソングライター 近田心平彼の活動および彼自身のことを思うと、「そういうふうにしか」というタイプについ分類してしまう。ただしここが重要、流されるワタシとは違って「いつの間にか」ではなく「仕方なく」などでもなく、ましてやなげやりとか諦めなどとは縁もゆかりもない。それが彼だ。彼の親御さんの年齢に近いであろうワタシは応援しながらついつい彼を息子に見立ててしまい、「せっかく大学を出たのだしーフツーに就職してフツーに結婚して孫の顔を見せてはくれぬか」的余計な思いを抱きがちになるけれど、一般常識という名の色眼鏡をはずして見えてくるのは、清々しい逸脱者のイメージで立ち現われてくる彼の姿なのだ。たとえば岐路を前にして、みんなが当然とばかりに右の道を選んだその時に、「あボク、こっちだから」と左を指差したと思ったら、誰も行ったことのないその道に軽々と一歩を踏み出して、自宅に戻るみたいにさっさか歩いて行ってしまう。まるで彼にとっての正解が待つ場所に導かれていくかのように。取り残された者たちは止めるでもなく焦るでもなく「ああ、そっちなんだ」とあっさり別れる。誰も行かない道なのに、彼が行くなら行きつけるはずだと安心して見送れる。そして彼の真摯な活動に信頼を寄せる者たちは、どんなところへたどり着くのか気になって、こっそりあとをつけたくなる。もしかすると彼の本能は、彼自身気づかない正解をすでに導きだしているのではないだろうか。到達地点ではなく「還る場所」として存在するはずの「正解」を信じられるからこそ、どんなに逸脱しているように見える方向にでも彼は迷いなく一歩を踏み出すし、そんな彼についていくことにも不安が生じないのではないだろうか。――近田心平。彼にとっての正解を、彼と一緒に見に行こう。アコギ1本!コネ無し。人脈無しの全国47都道府県ライブツアー

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  • 12 Feb
    • 2016年1月の読書記録 ~4冊~

      2016年1月の読書メーター読んだ本の数:4冊読んだページ数:1585ページナイス数:73ナイスマリアビートル (角川文庫)の感想「グラスホッパー」映画化を気にしたタイミングでこの本を古本で見つけたので読んでみました。何年も前に読んだ「グラスホッパー」の内容はあまり思い出せなかったけど、他の伊坂作品同様、さらりとしたつながりを皮膚感覚として感じながらスピーディな展開を楽しめました。伊坂さんのことだから王子のようなキャラは中学生といえど容赦してはもらえないんだろうなと思いながら読んでいたらやっぱり。心身共に若々しい祖父母の大活躍も伊坂さんならではの味わいで、爽快でした。読了日:1月4日 著者:伊坂幸太郎友罪の感想少年犯罪に関する作品で興味があった作家さん、初読み。犯罪者の心理のつかみ切れなさ、知らずに友人や恋人として関わった場合の苦悶、矯正すべき少年に心砕くあまり我が子を放置せざるを得なかった母の苦悩、マスコミの態度など、考えさせられる場面の連続だった。それぞれの問題や心理描写に一定の距離感が保たれているおかげで気分が沈み過ぎずに「どうすることがより正しいか」といった冷静な判断について常に考えさせられながら読ませてもらえた。『親は自分の子供に対してだけは絶対に諦めてはいけないんです』の一文が心に残りました。読了日:1月13日 著者:薬丸岳ステキな奥さん ぶはっの感想伊藤理佐さんのトークショー会場で購入。朝日新聞の連載を毎回楽しみに読んでいるので知っている話が多かったけど、ツボを抑えてテンポよく短くまとめられたエッセイは何度読んでも笑えます。鹿賀丈史登場シーンの言い表しにくいもやもや感を説明してもらえてスッキリしたり、年号と西暦に惑わされて『1990年が何年前かわからない』感に強く頷いたり、あるあるネタにとどまらない追究ぶりには嬉し泣きしそうでした。トークショーも楽しかった !読了日:1月26日 著者:伊藤理佐Aではない君との感想日々の生活を優先せざるを得ない親と、そんな親に捨てられたと感じる子ども。わずかな亀裂が底なしの闇に直結する10代の子の繊細さが切ない。こうであって欲しいと願っていた通りの心優しい息子に成長してくれていたにもかかわらず、というよりそれだからこそ招き寄せてしまったかもしれない経緯に親子の関わり合いの難しさを痛感した。大人からすれば精一杯の愛情で接しているつもりでいてすら闇を抱えてしまうのが子どもなのか。薬丸氏の本は登場人物との距離感が適正できちんと考えさせてくれる。読了日:1月27日 著者:薬丸岳読書メーター今年こそ月5冊ペースに戻したかった。残念。この他、待ちに待った「坂本ですが ?」の 4巻が出ていたので勇んで購入し、1巻から通して読みました。これが最終巻だなんてさびしすぎ。アニメ化がちょっとだけ楽しみ。坂本ですが? 4 (ビームコミックス)/佐野 菜見¥670Amazon.co.jpまた、特に1月は、2月はじめの朗読会に向けて、田川未明さんの『ミ・メディア』を再読熟読音読しておりました。右側は朗読用。読む作品を抜粋してあります。中は多色多線で書き込みだらけ。瑞々しく逞しく、ほのかに昏く適正にエレガントなミメイワールドは、いつなんどき手にしても夢中になってしまう魔力を秘めてます。朗読会では、詩「喰らう」とエッセイ「水琴窟」の読み分けと、「喰らう」の瑞々しさと生命力にどこまで迫れるかにチャレンジ。かむことなくリラックスして読むことはできたけど、さてどうでしたか。人前で読ませていただいてみないとわからないことが多いので、またの機会を作っていく所存です。読書と朗読とギターとビール。今年のテーマはこれでいくのでよろしく(?)

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  • 09 Jan
    • 2015年12月の読書記録

      2015年12月の読書メーター読んだ本の数:2冊読んだページ数:541ページナイス数:24ナイスわらしべ長者―日本の民話二十二編 (岩波の愛蔵版)の感想素話の勉強会でこの中の『たぬきと山伏』を巧みに語った方がおられたので手に取りました。病気のおっかさんを支えてまじめに働く藤六、終始明るいこの母子が魅力的な『ききみみずきん』をはじめ、聞いたことがあるストーリーが説得力と躍動感のある話としておさめられています。いくつか覚えてぜひ素話にチャレンジしたいと思います。読了日:12月16日 著者:木下順二加害者家族 (幻冬舎新書 す 4-2)の感想少し前に読んだ被害者側の家族の話『心にナイフをしのばせて』を思い出ししながら読み始めたけれど、後半からは東野圭吾『手紙』を思った。加害者家族、特に子どもにとって肉親が犯罪者という事実を背負って生きていくのはすさまじい負荷。ネットによる誹謗中傷をはじめとする個人攻撃の激しさは『胸が悪くなるほど』だという。怖くても、どうしてそうなってしまうのかを考えても、いざとなったら周囲に同調してしまいそうでもっと怖くなる。「言葉一つで人間の考え方を変えられる」「問われるべきは僕ら一人ひとりなのです」を胸に刻みたい。読了日:12月25日 著者:鈴木伸元読書メーター

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  • 07 Dec
    • 2015年11月の読書記録 ~そろそろ年末……~

      2015年11月の読書メーター読んだ本の数:2冊読んだページ数:624ページナイス数:27ナイスチア男子! ! (集英社文庫)の感想この登場人物たちの仲間になれないのが悔しい。……という意味のことを著者が語っていたのを読んでから、魅力的な子たちが描かれているんだろうと期待していて遅まきながらやっと読んだ。確かに魅力的な子ばかりで気持ち良く読めた。大事なポイントを分断させて小出しにする時間軸の回し方に著者のクセが出ていて感じ入ったり、感情表現に朝井氏の気持ちの入り方を想像したり、朝井ファンならではの楽しみ方を味わった。ラスト、演技が終わってしまうのを惜しむハルの気持ちはそのまま、この物語を終えたくない朝井氏の気持ちのような気がした。読了日:11月23日 著者:朝井リョウ蜘蛛の糸 (280円文庫)の感想朗読勉強中、はずせない一冊としてあらためて読んでみました。イメージが劇画調に頭に浮かんでくるので、それをそのまま朗読に反映できたら迫力があるだろうなあと感じました。同時に、その筆力に敬服。やはりはずせない一冊。読了日:11月30日 著者:芥川龍之介読書メーター―― 11月も速かった……。大げさじゃなくまばたきしてる間に過ぎた感覚です。こわすぎる。けどしかし振り返ってみたらありがたいことに発表会やらイベントがあったおかげのこと。というか11月に限らず今年はずっとこんなでした。だから一年が短かったのだな。仕事もしてないし家事もおろそかにして自分のことばかりやっていることにつきまして、大いに懺悔の気持ちを表明いたしたいと存じます。黙って送り出してくれる家族と、つきあいの悪いワタシに懲りずお茶や飲み会に誘ってくれる友人のみなさん本当にありがとうです(泣)12月はあまり予定がないのでどうか飲みにさそってくださひませ。とりあえずまずカラオケにいきたいよ~。昨年の紅白でお姿見て封印を解いたきりの明菜を歌いたい。定番のDOESやポルノグラフィティも歌いたい~。ヒトカラいこうかなっ。

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  • 01 Nov
    • 2015年10月の読書記録 ~児童書含めかろうじて5冊~

      2015年10月の読書メーター 読んだ本の数:5冊 読んだページ数:1308ページ ナイス数:72ナイス  リカ (幻冬舎文庫) の感想 書店のポップで「ミザリー」が引き合いに出されていたのにつられて手に取り立ち読みで読破 ! こんなことは初めてです。飛ばし読みした部分も多く読了したとは言えないのかもしれないけど、とはいえお持ち帰りして読みなおす勇気は出ない怖さで、貴志祐介の『黒い家』に比べれば耐えられそうだし頑張って読もうとか、なにより立ち読みごめんなさいとか色々考えながら必死の心境で店頭で最後まで読んでしまった。夢みそう~。40代サラリーマンが軽い気持ちで出会い系サイトに登録する冒頭から、ここまで怖い展開になるとは。 読了日:10月4日 著者:五十嵐貴久  それからはスープのことばかり考えて暮らした (中公文庫) の感想 書店でたまたま見つけ強烈に惹かれた『うかんむりのこども』からこの作家を知り、どんな本を書く方かと調べて出会ったこの作品。「読み終えたくない」「登場人物と一緒に過ごしたい」という気持ちになれる貴重な一冊になりました。読み終えて早速スープを作ってしまった。何気ない日常でありながらすてきな魔法にかけてくれるようなファンタジックな魅力のあるお話。この本とこの作家さんに出会えたことに感謝しきり。高価だし迷ったけどやっぱり『うかんむりのこども』も買ってきます~。 読了日:10月5日 著者:吉田篤弘  心にナイフをしのばせて (文春文庫) の感想 救済の道なく、苦しんで苦しんで苦しみ抜く生き地獄に陥らされた被害者一家の数十年に比べて、法に守られ、事件をほとんど「なかったこと」としているかのような加害者の日常と精神が衝撃だった。法の改正も行われているらしいが現在どこまで進んだのだろう。犯人を憎むという段階にさえ至ることができない被害者一家の繊細さが胸に迫り、息子と娘を持つ親としていちいち身にもつまされて、人ごとじゃない思いで読みました。 読了日:10月12日 著者:奥野修司  ベロ出しチョンマ (新・名作の愛蔵版) の感想 「ベロ出しチョンマ」「死神どんぶら」「花さき山」などをきちんと読みなおしたくて借りてきました。うつりかわる時代の狭間に落としこまれたような貧しく厳しい生活を逞しく生きる人々の力強さに励まされる思いがします。強くならざるをえない子どもたちの生きざまが切ない。 読了日:10月26日 著者:斎藤隆介  野ばら―小川未明童話集 の感想 小川未明といえば「赤いろうそくと人魚」。逆にそれしか知らずに生きてきたところ、朗読の勉強中に多くの作品に触れると同時に、書店でこの美しい装丁の本を発見! 茂田井武氏の独特な画風がレトロで幻想的な味わいを生みだし、手にしているだけで幸福感に包まれてしまう本。書店ではどこにも一冊は見つかったけど、どれも長年置きっぱなしらしくよれていたり破れていたりしたので、通販で一か月近く待ったあげく入手しました。書店の本棚の中から救い出してあげたい。 読了日:10月26日 著者:茂田井武 読書メーター   他に絵本を数冊。 読み聞かせ活動や朗読の勉強が定着してきたおかげで、必要に迫られ本の選択肢が増えているっぽいことになってはいるけど、やはり小説のみをカウントしたい気持ちはぬぐえず、物足らない昨今。 今はやっと入手した朝井リョウの「チア男子 !!」を嬉々として懐にいれているけれど、なぜかちっとも読み進まない。気がそぞろっぽい。 決まっている予定に追われているっぽい。キャパ不足なんだろうな。なにせ今年は毎月毎月月末になる度驚愕の雄たけびをあげていた。明日から来月だとぉ~ !?みたいな。 いまだ夏が終わらない気分なのに11月だぜおい。なんとかしてよん、である。

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  • 02 Oct
    • 2015年9月の読書記録 ~4冊~

      2015年9月の読書メーター 読んだ本の数:4冊 読んだページ数:722ページ ナイス数:63ナイス スクラップ・アンド・ビルド の感想 文藝春秋で読みました。芥川賞受賞作、という視点につい固執して、どう読めばいいのかわからないまま読了してしまい、反省しきり。この作家ははじめてでしたが、テンポのよい素直な筆致とストーリーに好感が持てました。持てましたけども、それ以上に心掴まれるものはなかったかなあ。老いた父親に暴言を吐く娘(主人公の母)や、絶縁状態の叔父の謎など、濃い縁者ならではの解決不可能な問題が明示されていたところは興味深く読みました。もう一歩そのあたりで踏み込んでもらえたら心に残る作品になった気もします。 読了日:9月7日 著者:羽田圭介 初対面でもアッという間に話が弾むメソッド の感想 かつて「どうしようもないくらい人見知り」で「アガリ性で、緊張するタイプ」だったという著者が、アガリ性を克服し、「話のプロとして30年以上人前で話してきた経験」から見つけ出したアガリ性克服法を、文字通り初めの一歩レベルから説く本。微に入り細を穿つような心構えを説いているので、全体の印象としては、うんまぁそうよね的に感じられるけれど、わかってるしなんとなくやってるつもりでいても、実際の活用ができていなかったらしいと気づけたことは収穫だったかも。『データの血肉化』は参考になりました。 読了日:9月18日 著者:松本幸夫 戦争童話集 (中公文庫) の感想 『火垂るの墓』の野坂氏の、こうした短編が童話集として刊行されているとは知りませんでした。ノンフィクションとして書かれたものではないにせよ、戦争によっておきた実際の出来事として肌感を伴う話ばかり。かわいらしいタイトルや長さ、そして易しい口調はいかにも童話だけど、読み終えてずんと心が沈む重みが、不用意には子どもに提示できない気にさせられます。でも、それでも、リアルだからこそ、戦闘シーンに憧れを持ちがちな子どもたちにこそ手にして欲しい。積極的に薦めていきたい一冊です。 読了日:9月26日 著者:野坂昭如 繰り返し読みたい日本の名詩一〇〇 の感想 「日本語で編まれた日本」の「優れた詩」にこだわった序の言葉に感嘆したのと朗読勉強のためもあり購入。詩を読む難しさに悩むの中、こうした名詩に触れるのは意義がある、はず。はい、まだまだ未熟者のおいらです。中原中也・高村光太郎・金子みすずなど、それぞれ昔詩集をもっていたっけな、と思い出しながら懐かしく読んだ。35人の詩人のプロフィールが読めるのも貴重。 読了日:9月29日 著者:彩図社文芸部 読書メーター 以上、4冊だったらしい。少ない気もするけど、9月の予定の多さを思えば読めた方だと思われる。 最近はとにかくヒマさえあれば……ヒマないときほど、が正しいかな、ひたすら朗読演習積んでます。 洗濯ものを干しながら大声で「外郎売り」の口上を叫ぶ。 車の運転をしながら朗読課題作品を読みあげる。 しかも発声と滑舌の鍛錬が重要なため、思いきりよく大声張り上げるワタシ。 放っておいてくれる家族のみなさんありがとう。 ( どーでもいいけどこのハッチの絵には毎度驚く。好きだけど。好きだったけど。他にもっとこうなんかないかなあ~。ハンドルネームの由来の「樫の木モック」とかなら最高なんだけど。。。 )

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  • 18 Sep
    • 献本書評『初対面でもアッという間に話が弾むメソッド』

      『初対面でもアッという間に話が弾むメソッド』 松本幸夫 ぱる出版 1512円 Amazonで購入 書評   かつて「どうしようもないくらい人見知り」で「アガリ性で、緊張するタイプ」だったという著者が、アガリ性を克服、「話のプロとして30年以上人前で話してきた経験」から見つけ出したアガリ性克服法を惜しみなく伝授してくださってます。 アガリ性に悩んできたワタシ自身、学生時代から苦心惨憺してきた経験のおかげか、方法論としては、うんまぁそうよね的に感じられるところもあったけれど、「わかっていてもいざ人前に出ると全部飛ぶ」という点がモンダイなのであって、そうした点についても逐一指導があり、呼吸法などとても参考になりました。『ASK』と『データの血肉化』もメモ。 すぐできることや心構えが、ことこまかく数多くわかりやすく列挙されているので、初対面の恐怖を克服したいと切望する方はきっと、欲しかったセンテンスをいくつかチェックするだけで明日からきっと昨日よりも強い気持ちで人に会えるはず。 なにより、初歩的というか、手とり足とりというか、そんな肉親のような優しさや温かさが励みになります。というか、しょせん個人的には営業職でもなく大勝負に出るような場がないのんきな立場のワタシ。こうした本に励まされ、日々対人ストレスと闘う企業人の皆さんってほんとに大変だなあ、そうした方々がこの本の温かみに触れて元気になって欲しいなあ、となんだかしみじみしてしまいました。 で、ですね、どこかで一度書きたかった話なんだけどここで書いていいかしら。 あれはまだ、LINEがおおっぴらに普及する以前の2011年4月のこと(たぶん)。 GWにはいったばかりの4月下旬、私鉄に乗っていた男子大学生二人の会話です。 「あ~明日学校休みだよぉ~。サイコーだなあ~」  入学したばかりの大学で居場所が見つからないらしくハタで見ていても可哀相になるほど激しく嘆くAくん。 そんなAくんの肩を抱く勢いで必死に力づけようとするBくんが、やがて超具体的なアドバイスを次々に繰り出し始めたのです。  B 「kとかいるだろ、kと一緒にいていいんだよ、最初は」  B 「友だちの友だちから広げていくんだ」  B 「ゼミは? ゼミで広げる方法もある」  B 「ゼミってさ、最初ヘンな奴ばっかかと思ってたけど、ちゃんとスポーツマンいたんだ」 「ちゃんと話せない」「シャイに戻っちゃった」「ダメだオレ」 とど~してもうつむいてしか声が出せないAくん B 「『シャイなんで話しかけてください』って、自己紹介の時に言うんだ!」 B 「ニコニコ笑って、"話しかけてok"のオーラを出すんだ!」 B 「おっちょこちょいなことをやって、"ドジなんです"っていうムードにして、笑いをとるんだ!」 そっかぁそっかぁとうなづきながらなお 「自分で自分を追い詰めちゃう」と嘆くAくんに B 「自分で広げなきゃ!」と。 そのあたりで彼らはワタシの前から別の位置に移動したので、こっそりメモ(目の前でメモしてたワタシ)はここまでですが、以後もどうも延々とAくんの嘆きとBくんの励ましは続いていた様子でした。 たぶんAくんとはその電車でばったり会ったんでしょうねえ、高校時代の同級生なのかな。 親身なBくんの励ましは、アドバイスの内容もさることながら、あの投げ出さない優しさや温かさこそがなによりAくんの力になったように思い、とてもとても感動したのでした。 はい、すみません、本の内容とは別の件を長々と。 ただ、この本の、具体的で手が出しやすく、親身で温かいアドバイスには、ちょうどこの時の大学生同士のように、肩に手を置いて語りかけてくれるような、友だち同士の優しさを感じました。 この日のAくんよろしく嘆きの袋小路にはいりそうな方は、この本でぜひ元気になって欲しいです

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  • 07 Sep
    • 「近田心平はサボらない」をサボらずチェック!!

         近田心平 「近田心平はサボらない」 このヒトのことと、このヒトの歌を嫌うような人はいないんじゃないだろうか。 しっかりと耳に届く強い声に乗って、20代の心情が世情に絡んで素直なメッセージとして心に響く。メロディも心地よく、一度聴いたら忘れない上、なんとはなしに安堵させられてしまう。それが近田心平というシンガーの世界だ。   知的だけど、アウトロー   礼儀正しいけれど傍若無人   笑えるけれど深い歌      それを人は   「全く新しい概念」と呼んだ 帯の言葉を大げさな惹句とあなどってはいけない。収録曲を聴けば、この相反した文句のひとつひとつに深く頷かされてしまうのだ。 音楽にそれほど詳しくない身で言うのもはばかられるけれど、せめて歌好きを自認する立場で言わせてもらえるならば、彼のごまかしのない音楽は確かに、ボーダーの曖昧な昨今の音楽の中においてすら「新しい概念」と呼ぶにふさわしい。そんな気がする。 自分の立ち位置や可能性をきちんと判断し、可動範囲を楽観も悲観もせずに確かめている。そんな近田の存在感と音楽は、彼の周囲にいる人や、彼の音楽を聴く人のあり方や立ち位置さえも、ぬくもりのある温度で照らしてくれそうだ。 『愛とか希望とか勇気とか平和とか わざわざ歌わなくたって大切さ』 by「ヨナヨナ」 元来人の持つ優しさや強さを誘発する絵本の役割にも似た歌のメッセージを、掌のようなぬくもりを保ちつつ熱唱することで聴く人に伝える。それは、黙ってそこにいるだけで生徒から慕われる学校の先生のような、じわりとにじみ出る魅力を持った彼だからこそできることだ。 ゆったり構えているように見えて、近田心平は決してサボらないのである。     なにしろCDジャケット絵の居酒屋の雰囲気に惚れまくったワタシ。迷わず購入したところ、あけてびっくりCD本体に描かれた不思議な生き物の味わいにも射ぬかれました。もちろん耳に心地よく後を引く曲もいいし、軽い口調の熱い歌詞も、聞き取りやすさと共にとても好き。 サボらず応援いたします。  近田心平氏のプロフィール(アメブロ)はこちら OFFICIAL SITE

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  • 06 Sep
    • 2015年8月の読書記録 ~「火花」「民王」、朝井リョウ ~

      2015年8月の読書メーター 読んだ本の数:4冊 読んだページ数:976ページ ナイス数:79ナイス 民王 (文春文庫) の感想 以前から読むのを迷ってた作品。はじまったばかりのテレビドラマが面白いので入手しました。思った以上のノリの軽さで、池井戸さん、息抜きのために書いたのかなあ、という印象。入れ替りを超常現象扱いしないところは目新しくて良かった。ドラマの配役が魅力的な分、イメージが微妙に違うこの本ではいちいち変換しながら読んだ。ドラマ開始前に読んでおくべきだっかも。 読了日:8月9日 著者:池井戸潤 少女は卒業しない (集英社文庫) の感想 高校生独特の瑞々しさや繊細さを描いたら随一の作家さん。二度と経験できない時間や感性が愛しくなる。それにしても、もしかするとこの年頃が一番、男子はもろくてとことん優しく、女子は強くてたくましいのかも。そして毎度のことながら、朝井作品には付箋がたくさんつくのでした。 『高校の校舎に似合うものは、いつだってとってもかっこわるいものなのだ』 『流れる髪の毛の間に指を通すと、そこに絡まっていた私の幼い部分がちょっとずつちょっとずつ取れていく気がした』 読了日:8月13日 著者:朝井リョウ 火花 の感想 芥川賞受賞を受けて今回「文藝春秋」に記載されたので早速読了。選者のほとんどが肯定的だった中、村上龍氏の「好感を持った」がしかし「推すことができなかった」の理由、「途中から飽きた」というのが正直な感想です。小説内では『3秒に一度の間隔で面白いことを言い続けなければ』という独白があるのに、小説自体は何ページ読んでも似たようなゆるいテンポで辟易してしまった。表現は素晴らしいけれどそれを丁寧に書きこみ過ぎていて重いし、神谷の破滅型の面白さが、徳永の視点経由でしか説明されず、登場人物が立ちあがってこないのも残念。 読了日:8月27日 著者:又吉直樹 花もて語れ 13 (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL) の感想 1巻を手にした時は、柔らかい感じの画にさほど期待なく読み始めたけれど、内容の濃さ深さに驚きました。朗読の場面になるたび号泣する自分が「朗読で伝えるということ」にどれだけ焦がれているかを知った貴重な作品に。文学作品を読み解き、読み手と聴き手の心理を計ることでなし得る究極の朗読に憧れます。勉強になりました。ステップ1~6を極めてみたい。 読了日:8月30日 著者:片山ユキヲ,東百道 読書メーター

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  • 31 Aug
    • 又吉『火花』~無意識の領域からの未分化の奔流のような表現が見たい~

      火花 又吉直樹 文藝春秋 1296円 Amazonで購入  又吉氏が書く過不足のない卓越した文章のファンなので、すぐに読みたいとは思ったものの、いざ発売されてみたら表紙の絵が受け入れ難くて手にできず。芥川賞受賞を受けて今回「文藝春秋」に記載されたのでやっと読めた。  まずは選評から。なにしろ選者のほとんどが肯定的に『火花』を語っていたので期待がますます高まった。しかし読み始めると3分の1くらいでだったか、どうにも退屈になってしまうのと同時に、村上龍氏の「推すことができなかった」理由のひとつ「途中から飽きた」というコメントが思い浮かび、期待感が急速にしぼんでしまって読了が危うくなった。  小説内では『3秒に一度の間隔で面白いことを言い続けなければ』という独白があるのに、小説自体はいつまでも似たようなゆるいテンポが続いて変化が見えにくく、展開を見失いそうになる。繊細な心理描写などの卓越した表現力にはうならされるけれど丁寧過ぎて、正直「くどい !」と感じてしまった。さらっと書いて「へ?」と思わせてくれる箇所 ( 真樹さんが絡むところとかはわりとさらっとしていたような ) をもっと大量投入してテンポよく読ませてもらえていたら、最後の舞台の爆発力が増したり、ラストの意外性が生きたように思う。  登場人物もそれぞれ魅力的なのに、なかなか理解してもらえない神谷の破滅型の面白さが徳永の視点経由の妙に重い説明でしかなされないため、神谷をはじめ登場人物の立ち上がりが浅くてもったいない気がした。  けれどなにしろ又吉氏の文才を充分堪能できたのは嬉しかった。 『その想いを雨が降っていないのに傘を差すという行為に託すことが最善であると信じて疑わない純真さを、僕は憧憬と嫉妬と僅かな侮蔑が入り混じった感情で恐れながら愛するのである』 『自分の肉が抉られた傷跡を見て、誰の太刀筋か判別出来ることを得意気に誇っても意味はない。僕は誰かに対して、それと同じ傷跡をつけることは不可能なのだ。なんと間抜けなことだろうか』 など、傷を負わされることに慣れてしまった優しい人という立場における絶妙な発想は、読書家であり芸人である彼の脳内でしか生成されないセンテンスだと思う。 『夜の気配に言葉を溶かし、あらゆることを有耶無耶にして何事もなかったかのような顔でいた』 『東京には、全員他人の夜がある』  強烈で繊細なセンテンスが頻繁にやってきて、しばらく読み進めてのちに「いちいちくどい」ように感じても「不要」とは言い出せない、そんな魅力とパワーに満ちている。小説を魅力的にするため心を鬼にしてこれらのステキ表現を削って欲しかったとは思うけれど、ヘンな話、又吉氏にこの小説を書かせた編集者も編集を惜しんだのではないだろうかと勘ぐってしまうほどの言葉たちだ。  紅葉の下を歩いている時、なぜか葉を緑色にしたままの一本の楓の木を見つけ、 『新人の神様が塗り忘れた楓と、汚いおっちゃんが塗り忘れた楓、どっちがより塗り忘れてる?』 と言い募る神谷に徳永が 『確かに、おっちゃんです』と認めた時 『せやろがい ! 』 とキレる神谷のセンスが好きだ。こうした場面が描ける又吉氏のセンスに脱帽だ。評価が分かれているラストも、この二人にしか指し示せない悲喜劇の境の目盛りをさしていて好きだ。  気になるステキセンテンスを心を鬼にして削り爆発力を増し、短編に仕上げたらもしかしたら村上龍氏に「ない」と評されたところの  『作者自身にも把握できていない、無意識の領域からの、未分化の、奔流のような表現』が生まれたのかもしれないという気もする。  又吉氏の書くものがますます読みたくなったのは確かだし、オファーもあるはずなので、しばらくはエッセイを書きまくってやがて傑作短編集を刊行して欲しいなと、一ファンとして願っています。

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【プロフィール】 ビールなくしては生きられない店主は、 たまに、エッセイやらのカキモノなどを ...

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