シンクパール(子宮頸がんワクチン推奨団体)や公明党らが推進している女性の健康支援偽善活動の根拠の一つ、働く女性の婦人科系疾患による損失6兆円との報告書が捏造であることが判明しました。

 

https://twitter.com/komei_koho/status/750208401796313088

公明新聞:2016年10月24日(月)付

党のがん対策について訴える山本さん(中央)ら=23日 大阪・門真市

大阪でピンクリボン街頭
山本さん

 

公明党女性委員会山本香苗副委員長(参院議員)は23日、党大阪府本部女性局(三浦寿子局長=府議)が門真市内で開催した、乳がん撲滅へ早期発見・治療を啓発する「ピンクリボン月間」(10月)記念街頭演説会に出席し、あいさつした。

山本さんは、働く女性が乳がんなどの女性特有の疾患を抱えると、社会に及ぼす経済的損失が年間6兆円に上るとの試算に触れ、「女性の健康リスクは社会全体のリスク」と強調。その上で、女性の健康を生涯にわたって切れ目なく支援する「女性の健康包括的支援法案」の早期成立など、「公明党が命を守る政策実現の先頭に立つ」と訴えた。

http://blogos.com/article/197718/

検診の大切さを再認識した日 NIPPON女性からだ会議®2016

安倍宏行(Japan In-depth 編集長・ジャーナリスト)

特定非営利活動法人日本医療政策機構副事務局長小山田万里子氏は、婦人科系疾患を抱える女性の年間の医療費支出と生産性損失の合計は6.37兆円との試算を示した。これを受け、検診受診率の向上や健康経営の重要性を強調した。

 

さて、問題の報告書は、特定非営利活動法人 日本医療政策機構が作成したものです。

(調査報告)「働く女性の健康増進に関する調査結果」2016-01-21

 

http://www.hgpi.org/report_events.html?article=475

 

報告書の調査チームのメンバーは、五十嵐中、小山田万里子、窪田和巳、宮田俊男の4名で、アドバイザー?として宋美玄氏と吉田穂波氏が謝辞に記載されています。

 

資金提供者は、MSD(メルク ガーダシルのメーカー)とバイエル(子宮内膜症の薬を販売)です

 

 

 

では、問題の報告書を見てみましょう。

 

①働く女性2474万人 × ②婦人科系疾患有病率17.1%

× (③医療費+④生産性損失)

→ 6.37兆円とあります。

 

 

では、何を根拠に②、③、④を算出しているか確認してみましょう。

 

②の引用文献(NOHARA2011)をたどると、なんと、働く女性の生理不順の人数の割合であることがわかります。ただし、報告書にはリンクがありません。リンクを貼らない典型的なゴマカシテクニックがここでも使われています。

 

Michiko NOHARA, Mikio MOMOEDA, Toshiro KUBOTA, and Masao NAKABAYASHI. Menstrual Cycle and Menstrual Pain Problems and Related Risk Factors among Japanese Female Workers. Industrial Health 2011, 49, 228–234

https://www.jstage.jst.go.jp/article/indhealth/49/2/49_MS1047/_pdf

Menstrual cycle(月経周期)
normal menstrual cycle 1,516人 70.0%
irregular menstruation 371人 17.1%(生理不順 17.1%)
menopausal 260人 12.0%
no answer 19人 0.9%

 

次に、③④の疾患の対象者は、本報告にあるように、乳がん、子宮頸がん、子宮内膜症といった頻度も多くない重篤な疾患です。

 

つまり、

 

(乳がん+子宮頸がん+子宮内膜症)の損失

    ×

(生理不順の人数) で計算されたのが、6.37兆円という数字です。

 

言うまでもありませんが、(乳がん+子宮頸がん+子宮内膜症の人数)<<<生理不順の人数です。 

 

考えても見てください。職場を見渡して、6人に1人が乳がん、子宮頸がん、子宮内膜症で手術を受けていますか?

 

中学生でもこのレベルの非科学的インチキは見抜けるはずなのに、なぜかシンクパール等のワクチン推進団体や乳がん検診の推進団体ら、さらには公明党の選挙活動にもこの数字が利用されていました。ジャーナリストも元情報を確認することなく垂れ流しです。

 

 

また、報告書を見てみると、図2-1により、婦人科疾患の平均年齢は46.5歳なのに、

 

各疾患の平均年齢 図2-2では、それぞれの疾患患者の平均が41~42歳とあります。

 

疾患全体での平均が46.5歳なのに、それぞれの疾患の平均年齢が41、42歳ということはあり得ません。何らかのデータ操作があったものと推察されます。

 

 

なお、私個人としては、働く女性の健康支援は総論としては、とても重要なテーマであると考えています。しかし、害が大きく、効果が確認されていない子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)や、過剰診断の弊害が大きく、効果がほとんど期待できない検診に費用をかけ、利権団体の利益を増長する施策は大反対です。

 

報告書を捏造してまで勧めたい施策とは、どれほどの利権が隠されているのか。子宮頸がんワクチンの副反応問題とは切り離して考えたとしても、とんでもない問題であることが想像できると思います。 

 

 

<今日のまとめ>

 

・婦人科系疾患の病気喧伝(子宮頸がんワクチンと乳がん検診推進、子宮内膜症の宣伝)のために、製薬メーカーの資金によって作成されたNPOの捏造報告書が使われた

・製薬会社や検診の利権団体の隠れ蓑として、NPOを使う事例が多い

・医療関係のメディア担当者でも、報告書の中身を理解している人は少なく、ただ製薬会社等に都合の良い情報を垂れ流しているライターが多い

産婦人科医として研究にも関与しながら、問題に気付かないフリをし拡散している

宋美玄氏の罪は重い

 

記事が消されるかもしれないので、早めにコピペ・拡散お願いします。

 

なお、NPOを隠れ蓑として、営利活動を援護する団体は数多く存在します。下記過去記事も併せてご覧ください。

 

<続報>

捏造報告書が国会でも! 乳がん・子宮頸がん検診促進議連の薬師寺みちよ議員 HPVワクチンの闇

 

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(訂正前の最初の記事に基づいた考察ですが、こちらもぜひ見て下さい)

 

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