スラムドッグ$ミリオネア~Jai ho!~

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いんや~

”これぞ映画”って感じですんごくよかったです。


ダイナミズムってやつですかね。

ほとばしり感、疾走感がハンパじゃないっす!









愛情いっぱい!家族ブロ!-この色使い、さすがです。



さすが、ダニー・ボイル、映像も色使いも素晴らしく、

インドの混沌とした様子が映画に生き生きと活写されている。←行ったことないけど。


もともとダニー・ボイル監督の作品は大好きで、

ほとんど観てるわけですが、とりわけ前作の「ミリオンズ」は

わたしのベストテンに入る作品ですわ。


それをあっさり塗り替えるかというとちょっと微妙ではあるのですが、

それでもよかったです。力強さははんぱないって感じです。

ちなみに「ミリオンズ」よりも上位に「ザ・ビーチ」が来たりする場合も・・・



コールセンターのお茶汲み係(インドらしくチャイだった!)

ジャマールが「クイズミリオネア」に出演する。

するとあれよあれよと正解してしまう。

彼はなぜ答えを知っているのか・・・・そして彼は大金を手にすることができるのか?

本編の司会役を務めたのがアニル・カプール。

彼はこの映画のギャラを国際NGOになんと全額寄付したんだそう。


ひとつひとつの問題が次々にジャマールの過去を浮き彫りにしていくのも

まったく飽きることなく、次は何?その次は?って楽しみになっていった。

そして反面、浮き彫りになっていく過去、

そのクイズの答えを知っていったいろんなエピソードがかなり重いものなんです。

すべてがスラムでの実体験。知識として覚えたんじゃないんですね。


あと一問を残したところでジャマールは逮捕されてしまう。

ジャマールはスラム街出身の孤児。だからズルをしているはず。

警察の拷問がはじまる。

刑事の役は「マイティ・ハート」や「その名にちなんで」などで活躍するイルファン・カーン。


インドのムンバイ(旧ボンベイ)は超高層ビルが立ち並びながら、

そのすぐ横にはうずたかくゴミが積まれている街。

日本で言ったら、戦後のバラック小屋とバブル最盛期が一度に同居しているといったところか。





愛情いっぱい!家族ブロ!-急成長したムンバイの街



あまりに急成長しすぎたつけは

スラム街に倍返しとなってやってくる。

ジャマールはそんな劣悪な環境でも強くたくましく日々を暮らしていた。


あるときは映画スターバッチャンにうんちまみれでサインをもらう「あきらめない子。」


ある日、自分達とはちがう宗教を持つ人々の暴動で、母親を亡くしてしまう。

自分達が信じていた神様とはちがう神様がいることを知った兄弟。

そしてこどもを商売の道具としてしかみない大人たちとの出会い。


愛情いっぱい!家族ブロ!-インドの貧しい部分にスポットがあたる


クイズが出されるたびに、ジャマール自身、何度も辛い経験がフラッシュバックする。


なのに、なぜこの番組に出なければいけなかったのかという理由が

あまりにもシンプルなもので、

あまりにも一途すぎて、

よくもま~すれずにまっすぐに育ったな~。ただもう健気よの~と素直に思えた。


愛情いっぱい!家族ブロ!-インドでもトレイン!


ラティカに会いたい一心でしゃにむにがんばってきた姿に・・・

ジャマールは”三銃士”として過酷な世界を一緒に生きてきたラティカの存在に希望を見つけた。

救えなかった彼女をいつか救いにいく。それはジャマールが”聖人”である証拠なんだ。

ただそれだけでこの暗黒社会に染まらずに抜け出してる。

やっぱりいっとう必要なものは愛だというこのストレートな

カウンターパンチにはぐっと来る。


今までの実体験がすべてクイズの答えと関係しているという

この展開は一種の寓話なんだと思う。

貧困、スラムの現実、宗教による暴動・・・寓話の形で

世界の構造や本質まで語ってしまうのはやはり特筆すべきだと思った。


そのあたりに賛否両論あるようだが、誰もまだ描いたことのないインドの姿があるんだと思う。


そしてすべては運命だってさらりといってしまう姿。

アメリカやイギリスが舞台だとこの説得力はなかったと思う。


愛情いっぱい!家族ブロ!-こういうセンスがバツグン!


お兄ちゃんのサリームみたいにギャングになっても誰も責めることはできない。

それはサリームのせいではなく、こどもを食い物にしてる悪いやつがいるから。

こどもたちもどこかであきらめてしまうんだとも思う。


少なくとも現実問題はそうなってる。

だけどジャマールは「あきらめない」なぜならそれは運命だから。

その姿勢がクイズ番組に出たジャマールをみなが応援するところなんだろう。


お兄ちゃん役の人はかなり有名な俳優さんらしい。

サミュエル・L・ジャクソンやどこかディカプリオにも似た風貌で影のある役をうまく演じてた。


愛情いっぱい!家族ブロ!-お兄ちゃんも見せ場がふんだんにあり

ジャマールがなるはずだった盲目の歌手、

歌がうまい子はスプーンで目をつぶされてしまう。

そのほうが同情されて稼ぎがよくなる。この残酷な社会。

身代わりともいえるともだちのあの若さにして達観した姿もかなりつらいものがあった。

そしてベンジャミン・フランクリンを知っていた経緯も・・・


これほどひねりもなく、直球ど真ん中路線でアカデミー賞に輝いてしまった。

その勢いとジャマールの無垢なキャラクターがよいです。


ラティカ役の子はジャマールが思い続けるのもムリはないと

納得してしまうほど、美しいし。


愛情いっぱい!家族ブロ!-ラティカはジャマールのミューズとなる


すべてがインドの空気、息遣いを内包しており、

単に外国人が傍観してる映画ではなく、ぐぐっと寄って行って撮ってる。

そのあたりがゲリラ撮影に現れてますね。


”テレフォン”の使い方も憎かったね♪

そしてなんといっても子役達の可愛らしさ、たくましさ!

ピュアーで一途な青年のみずみずしさも好印象。



愛情いっぱい!家族ブロ!-ここで”ウン”がついたわけだね(笑)







愛情いっぱい!家族ブロ!-お兄ちゃんは悪にそまっていく



愛情いっぱい!家族ブロ!-小さい頃からしっかりもののラティカ


ナイーヴな青年ジャマールもいいんだけど、

子役とつなげて観たときに多少違和感があるかな?

大絶賛のレビューが多いなか、これはちょっと気になったところ。



愛情いっぱい!家族ブロ!

そして全編にかかるマサラ・ミュージックはなんともいえずスパイシー!

「ムトゥ踊るマハラジャ」がまた観たくなります。




愛情いっぱい!家族ブロ!-サントラはかなりいい!あらゆる細胞が覚醒します。

オールインドロケ、しかも出演者はほとんど無名。

それでアカデミー賞を撮ったという奇跡。


本編でかかる歌「Jai ho!」とはバンザイの意味。

最後の祝祭ダンスも大団円でバンザイ!


お金を描きながら最後にはプライスレスなサプライズをくれたこの作品にもバンザイ!



愛情いっぱい!家族ブロ!-ボリウッドダンスも素朴でいい。



*ダニー・ボイル監督作品レビュー*


「シャロウ・グレイブ」


「ミリオンズ」



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