2011-10-13 14:14:36

小谷石仏(よばりこき地蔵) の逸話

テーマ:石棺仏(石仏)
 前回、橋に使われていた石棺仏繋がりで、小谷石仏を御紹介。観光地の北条石仏(これとかコレね)を見に行ったら、近いですので、ぜひ見て欲しい加西市の石棺仏です。

$『Talking with Angels』西洋墓地の天使像と『笑とる仏』 : 写真家 岩谷薫-小谷_1 全長170cm、幅110cmの大型の家型石棺の蓋に中央に阿弥陀様と、周りに6体の地蔵様が彫られています。
 この石棺仏には銘があり、康永4年(1345年)鎌倉時代のものです。摩滅して細かくは解りませんが、鎌倉時代の石棺仏は、彫りが細かく丁寧なのが特徴です。
 よーく見ると、左下の地蔵様が、少々、赤みがかっているのは、おそらく彩色跡ではないでしょうか?石棺仏は彩色されていたこともありました。いや、昔はほとんど彩色されていたのかもしれません…。

 少なくとも、昭和の後期まではこの石仏は「よばりこき地蔵」と呼ばれていました。「よばり」とは、夜尿症やよだれのこと。夜尿症、よだれ封じに御利益があるとして、当時は遠方からのお参りの人も多かったとか。
 さすがに、このネーミングがカッチョワルイかは知りませんが、この頃の史料では、「小谷石仏」と書いてあります。そもそも、メインは地蔵ではなく阿弥陀様で、地元の人が古くから阿弥陀様を、地蔵様と呼んでしまっていたわけですが…。

 この石棺仏には、逸話があり、その昔、牛が橋を渡ろうとすると、どうしても動かなくなってしまい、調べてみると、橋がこの「よばりこき地蔵」だったというお話です。

 このお話と全く同じ逸話をもつのが、姫路の細川地蔵です。

 この石仏は、『笑とる仏』のデザイン編集時に発見してしまい、間に合わず、本編に入れられませんでした…。スミマセン。笑。
 盃状穴という非常に珍しい穴のある地蔵さまで、私は実物を見たことがないので、なんとも言えませんが、石棺石材である可能性もありますね。
 盃状穴って、取材中は知らず、意識していませんでしたが、ひょっとすると『笑とる仏』の中にもよーく見ると盃状穴のある石棺仏があるのかも知れませんね。

 この橋と牛の話は、珍しい霊験譚として、人口に膾炙されたものでしょう。こんな共通点を発見すると、プチ柳田國男さん気分になれますネ。ちなみに柳田國男さんも播磨出身なんですよ。

 もう一つ、この小谷石仏の興味深いところは、石棺上部左右に、キレイに湾曲にえぐれている点です。
 これは、なんと昔の農民が、農作業の鎌を研いだ痕らしいです!笑。

 田の橋に使われていたり、鎌を研いだり、この阿弥陀様は農作業を手伝いすぎですね。笑。 約650年の間に結構、ぞんざいに扱われていた時代もあったのでしょう。

 この「よばりこき地蔵」の隣にも小さな、阿弥陀の石棺仏があります。この阿弥陀の膝にははっきりと、朱が残っており、彩色されていたことが解ります。

 こんなお堂で丁寧にお祀りしてあります。$『Talking with Angels』西洋墓地の天使像と『笑とる仏』 : 写真家 岩谷薫-小谷_2
$『Talking with Angels』西洋墓地の天使像と『笑とる仏』 : 写真家 岩谷薫-小谷_3

小谷石仏には、一遍のこんな言葉を添えました。

●『称うれば仏も吾もなかりけり 南無阿弥陀仏 南無阿弥陀仏』 

以前にも書きましたが、キリストやアラーが私であるとは、決して言いませんよね。仏教は(特に真宗は)、「仏も吾もなかりけり」がいいですね!
 小谷石仏には、「称うれば、橋も砥石もなかりけり」ですが。笑。でも、きっと阿弥陀さまもそれで良かったのでしょう。

 一遍は、「捨ててこそ」の姿勢や、踊り念仏で有名ですが、以前、兵庫大学の釈徹宗先生の講義で、先生が『一遍上人絵伝』の事について言及されており、長身で強いカリスマ性を持つ一遍ですが、「踊りの最中は、いつも一遍の表情だけが暗い…」と指摘していたことを妙によく覚えています。何を思い、あるいは何を憂い、踊っていたのでしょうね…。

 ちなみに、一遍は教信を慕っており、教信寺に向かう途中、神戸の真光寺で亡くなりました。
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