北条石仏 加西の五百羅漢
写真のように、加西市の羅漢寺には、沢山の素朴な造形の石仏があります。その造形一つ一つはスバラシク、『笑とる仏』の表紙、裏表紙にも採用したごとく、ほとんど、石仏界の円空仏という趣きです!下手、上手いなんて超越した無心の美です。
造年代は諸説あり、基本的にナゾと言われているのですが、最近読んだ古い史料には、小谷城主 赤松祐尚が嘉吉の乱の戦没者を弔うために造ったらしいとあり、少々、なるほどーなぁと思っています。
小谷城は、羅漢寺から北へ約700mくらいの陽松寺の裏山に、今も城跡があるそうですよ。
年代判定の有力史料として、このモノクロ写真の左の仁王さんには、慶長十六年(1611年)の銘が彫ってあるらしく、嘉吉の乱とは170年ものへだたりがあるのですが、もしかしたら、この仁王像は、江戸時代の後付けだったのかもよ…??
そう言えば、彫りの様子が羅漢とはちょっと違うような気もしないでは、ありません…???
説明し遅れましたが、このモノクロ写真は大正10年の写真。このように昔は薮の中にバラバラに散乱していたものを、大正15年に羅漢寺が一箇所にまとめたものだそうです。
携帯写真の複写なので、ちょっとボケてますが、奥に4人、着物を着た当時の人が立っています。(この写真はクリックすると大きくなりますよ。よく見るとなんだか「あの世の入り口」みたいな趣きのある写真ですネ。奥へ行っちゃうと別世界になっちゃいそうな…笑)
「五百羅漢」と書いてある看板は、どう見ても当時の写真合成で、後から手書きで書いたものですね。当時は看板も無く放置されていたのでしょう。
嘉吉の乱説が正しければ、戦で死体の山を見た時、供養のために、石仏を一体一体造った、その気持ちはとてもよく解ります。バラバラに散乱していたのも、実際は、亡くなった人の場所だったりして…??
でも、裏表紙の石仏のように、スゲー笑っているのもイイですね。表紙の顔は、全てを見てきたようなアルカイックスマイルですね。まさに仏の笑顔です。
真宗の妙好人 浅原才市は
●『わしのこころは あなたのこころ
あなたのこころが わたしのこころ
わしになるのが あなたのこころ』
と言ってます。才市は「あなた=阿弥陀」という感覚で詠っているのでしょうが、この言葉は阿弥陀のみならず、こうした造形を前にすると、私は石仏であり、あなたであり、私であり、草木であり、万物や地球ですらあることに、ふと思いをはせることがあります。これは華厳経の言うところです。
北条石仏に訪れると必ず、親や知り合いに似た石仏に出会えるというそうです。
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造年代は諸説あり、基本的にナゾと言われているのですが、最近読んだ古い史料には、小谷城主 赤松祐尚が嘉吉の乱の戦没者を弔うために造ったらしいとあり、少々、なるほどーなぁと思っています。
小谷城は、羅漢寺から北へ約700mくらいの陽松寺の裏山に、今も城跡があるそうですよ。
年代判定の有力史料として、このモノクロ写真の左の仁王さんには、慶長十六年(1611年)の銘が彫ってあるらしく、嘉吉の乱とは170年ものへだたりがあるのですが、もしかしたら、この仁王像は、江戸時代の後付けだったのかもよ…??
そう言えば、彫りの様子が羅漢とはちょっと違うような気もしないでは、ありません…???
説明し遅れましたが、このモノクロ写真は大正10年の写真。このように昔は薮の中にバラバラに散乱していたものを、大正15年に羅漢寺が一箇所にまとめたものだそうです。
携帯写真の複写なので、ちょっとボケてますが、奥に4人、着物を着た当時の人が立っています。(この写真はクリックすると大きくなりますよ。よく見るとなんだか「あの世の入り口」みたいな趣きのある写真ですネ。奥へ行っちゃうと別世界になっちゃいそうな…笑)
「五百羅漢」と書いてある看板は、どう見ても当時の写真合成で、後から手書きで書いたものですね。当時は看板も無く放置されていたのでしょう。
嘉吉の乱説が正しければ、戦で死体の山を見た時、供養のために、石仏を一体一体造った、その気持ちはとてもよく解ります。バラバラに散乱していたのも、実際は、亡くなった人の場所だったりして…??
でも、裏表紙の石仏のように、スゲー笑っているのもイイですね。表紙の顔は、全てを見てきたようなアルカイックスマイルですね。まさに仏の笑顔です。
真宗の妙好人 浅原才市は
●『わしのこころは あなたのこころ
あなたのこころが わたしのこころ
わしになるのが あなたのこころ』
と言ってます。才市は「あなた=阿弥陀」という感覚で詠っているのでしょうが、この言葉は阿弥陀のみならず、こうした造形を前にすると、私は石仏であり、あなたであり、私であり、草木であり、万物や地球ですらあることに、ふと思いをはせることがあります。これは華厳経の言うところです。
北条石仏に訪れると必ず、親や知り合いに似た石仏に出会えるというそうです。
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