近代建築の三大巨匠の中でも、日本になじみの深い建築家フランク・ロイド・ライト
6月ももう半ばを越え、そろそろ本格的に夏がはじまろうとしています。
さて、今年の6月は、世界的な建築家、フランク・ロイド・ライトが生誕150年を迎える月でもあります。ライトが手がけた建築物は、日本国内でも国の重要文化財に指定されている兵庫県芦屋市のヨドコウ迎賓館や、東京都豊島区の自由学園明日館などが現存しています。
ライトの日本での活動のきっかけとなったのが、大正時代、当時スキャンダルに巻き込まれ失意のどん底にあった建築家に新館の設計を依頼した、帝国ホテルでした。今回は近代建築の三大巨匠の一角をなすライトの偉業に触れていきましょう。
さて、今年の6月は、世界的な建築家、フランク・ロイド・ライトが生誕150年を迎える月でもあります。ライトが手がけた建築物は、日本国内でも国の重要文化財に指定されている兵庫県芦屋市のヨドコウ迎賓館や、東京都豊島区の自由学園明日館などが現存しています。
ライトの日本での活動のきっかけとなったのが、大正時代、当時スキャンダルに巻き込まれ失意のどん底にあった建築家に新館の設計を依頼した、帝国ホテルでした。今回は近代建築の三大巨匠の一角をなすライトの偉業に触れていきましょう。
フランク・ロイド・ライトってどんな人?
世界的にも著名なアメリカの建築家、フランク・ロイド・ライト(Frank Lloyd Wright)は今から150年前、1867年6月8日にアメリカ合衆国のウィスコンシン州に生まれました。
チェコ、ブルノにあるトゥーゲントハット邸で有名なルートヴィヒ・ミース・ファン・デル・ローエ、上野の国立西洋美術館本館の設計でも知られるル・コルビュジエと並んで、近代建築の三大巨匠といわれています。
「東洋の宝石」とも称された帝国ホテルの「ライト館」や、国の重要文化財にも指定されたヨドコウ迎賓館を手がけるなど、私たち日本人にとっても、最もなじみの深い建築家の一人です。
ライトの人生をたどると……、道ならぬ恋におち、一時期は仕事も家庭も捨ててヨーロッパにわたったり、また痛ましい事件に巻き込まれ家族を失うなど、人生の大きな波に翻弄され、その名声が地に落ちた時期もありました。しかし、70歳くらいから再び代表作ともいえる作品を世に出し、世界の耳目を集めることとなります。
チェコ、ブルノにあるトゥーゲントハット邸で有名なルートヴィヒ・ミース・ファン・デル・ローエ、上野の国立西洋美術館本館の設計でも知られるル・コルビュジエと並んで、近代建築の三大巨匠といわれています。
「東洋の宝石」とも称された帝国ホテルの「ライト館」や、国の重要文化財にも指定されたヨドコウ迎賓館を手がけるなど、私たち日本人にとっても、最もなじみの深い建築家の一人です。
ライトの人生をたどると……、道ならぬ恋におち、一時期は仕事も家庭も捨ててヨーロッパにわたったり、また痛ましい事件に巻き込まれ家族を失うなど、人生の大きな波に翻弄され、その名声が地に落ちた時期もありました。しかし、70歳くらいから再び代表作ともいえる作品を世に出し、世界の耳目を集めることとなります。
日本からの依頼がライトを救った?
オープン当日に証明された優れた耐震性
ライトに「ライト館」のデザインのインスピレーションを与えたのは、1893年のシカゴ万博で、平等院鳳凰堂をモチーフに日本人の大工によって建立された「日本館 鳳凰殿」だったといわれています。
また、外見上の左右対称の美しさもさることながら、いくつものブロックをつなぎ合わせたその構造や、さらに世界初といわれる全館スチーム暖房を取り入れるなど、地震や火災に強い造りも特徴でした。
奇しくも開業当日、9月1日は関東大震災が日本を襲った日でもあります。完成したばかりの「ライト館」は、不幸にも震災に見舞われましたが大きな損傷もなく、ホテルは被災した人々に客室を避難所として開放したり、諸外国の大使館や、メディアの仮の事務所として、場所を提供しました。
「ライト館」は残念ながら1964年に取り壊されてしまいましたが、愛知県犬山市の博物館明治村に、その中央玄関の部分が移築され、今なお当時の面影を残しています。
また、外見上の左右対称の美しさもさることながら、いくつものブロックをつなぎ合わせたその構造や、さらに世界初といわれる全館スチーム暖房を取り入れるなど、地震や火災に強い造りも特徴でした。
奇しくも開業当日、9月1日は関東大震災が日本を襲った日でもあります。完成したばかりの「ライト館」は、不幸にも震災に見舞われましたが大きな損傷もなく、ホテルは被災した人々に客室を避難所として開放したり、諸外国の大使館や、メディアの仮の事務所として、場所を提供しました。
「ライト館」は残念ながら1964年に取り壊されてしまいましたが、愛知県犬山市の博物館明治村に、その中央玄関の部分が移築され、今なお当時の面影を残しています。
帝国ホテル東京&大阪で、さまざまな催しも!
今月はフランク・ロイド・ライト生誕150周年を記念して、ライトがデザインした照明器具の復刻版が発売されるなど、さまざまな催しが行われています。
東京千代田区の帝国ホテル東京でも、特設スペースでライトにまつわるさまざまな展示が行われているほか、館内のバーではフランク・ロイド・ライト生誕150周年記念カクテル、「THE TIME(ザ タイム)~その時"現在"そして、これから~」も楽しめるそうです。
【フランク・ロイド・ライト生誕150周年記念展示】
■展示場所 : 帝国ホテル東京の本館1 階メインロビー内「インペリアル タイムズ」
■時 期 : 2017年6月8日(木)より ※鑑賞無料
また、帝国ホテル大阪の「オールドインペリアルバー」でも、「THE TIME(ザ タイム)~その時"現在"そして、これから~」を楽しむことができます。
東京千代田区の帝国ホテル東京でも、特設スペースでライトにまつわるさまざまな展示が行われているほか、館内のバーではフランク・ロイド・ライト生誕150周年記念カクテル、「THE TIME(ザ タイム)~その時"現在"そして、これから~」も楽しめるそうです。
【フランク・ロイド・ライト生誕150周年記念展示】
■展示場所 : 帝国ホテル東京の本館1 階メインロビー内「インペリアル タイムズ」
■時 期 : 2017年6月8日(木)より ※鑑賞無料
また、帝国ホテル大阪の「オールドインペリアルバー」でも、「THE TIME(ザ タイム)~その時"現在"そして、これから~」を楽しむことができます。
「グッゲンハイム美術館」もライトの作品
波瀾万丈の人生を駆け抜けたライトは「火宅の人」としての側面も強かったのですが、反面、時代を超越した発想力と数々の偉業は「天賦の才能」であり、両者があいまって後世に語り継がれるライトも魅力となっているようです。
国内では帝国ホテルのほか、冒頭でもご紹介した山邑邸(現 ヨドコウ迎賓館、兵庫県芦屋市)や、自由学園明日館(共同設計:遠藤新、東京都豊島区)は国の重要文化財に指定されています。
国外でも同様に、木材、石、レンガなどの窯業素材を巧みに使い分けながら、徹頭徹尾ディティールにこだわった建築様式が数多く存在しますが、ながでもニューヨーク(アッパーイーストサイド)の「ソロモン・R・グッゲンハイム美術館」はとくに有名。ライトの偉業を体感できる名建築物のひとつといえるでしょう。
── 階上に向かって巨大な螺旋状になった奇抜な円形様式の「グッゲンハイム美術館」では、来館者は螺旋の廊下を歩きながら美術品を鑑賞する仕組み。一度訪れれば「絶対立ち寄りたいニューヨークの名所ベスト5」に選出されている理由が、きっとわかるはずです。
国内では帝国ホテルのほか、冒頭でもご紹介した山邑邸(現 ヨドコウ迎賓館、兵庫県芦屋市)や、自由学園明日館(共同設計:遠藤新、東京都豊島区)は国の重要文化財に指定されています。
国外でも同様に、木材、石、レンガなどの窯業素材を巧みに使い分けながら、徹頭徹尾ディティールにこだわった建築様式が数多く存在しますが、ながでもニューヨーク(アッパーイーストサイド)の「ソロモン・R・グッゲンハイム美術館」はとくに有名。ライトの偉業を体感できる名建築物のひとつといえるでしょう。
── 階上に向かって巨大な螺旋状になった奇抜な円形様式の「グッゲンハイム美術館」では、来館者は螺旋の廊下を歩きながら美術品を鑑賞する仕組み。一度訪れれば「絶対立ち寄りたいニューヨークの名所ベスト5」に選出されている理由が、きっとわかるはずです。
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