ボルネオ7番観戦記 復活!同志社大学vs早稲田大学ラグビー定期戦
テーマ:ブログ既報の通り、7対88という一方的なスコアで同志社が敗れております。
先ずは、このゲームの準備にご尽力下さいました校友の皆さま、応援に駆け付けて下さったファンや校友、学生の皆さまに御礼申し上げるとともに、期待に応えるゲームをお見せできなかったことをOBとしてお詫び申し上げます。又、勝敗が決した後も攻撃の手を緩めず、最後まで緊張感をもってゲームに臨まれた早稲田大学フィフティーンにも御礼申し上げます。敵ながらお見事でした。ありがとうございます。
さて、ボルネオ観戦記には賛否両論あり、「分かりやすい」「面白い」という好意的な感想もあれば、「強引やなぁ」「ちょっと独断的すぎひん?」という批判的なものもあります。今回もそういう両極端な感想が寄せられるかも知れませんが、思い切って本音を書くことにします。
①見劣りしなかった体格。おお、逞しくなってるやん!
両校のフィフティーンが現われ、「あれっ?」という声が回りから起こりました。回りは同志社の校友やラグビー部のOBが多かったのですが、「おい、同志社の方がデカイんちゃう?デカイは言い過ぎかも知れんけど、体格だけは互角やなぁ・・・」という声です。私も全くの同感で、明らかに昨シーズンに比べ、大きく、逞しくなった選手が増えていました。
これはどういうことか。中村ヘッドコーチが厳しい練習を課しているとは聞いていましたが、要するに「同志社には厳しい練習に耐えられる精神力のみならず、何より、厳しい練習で花開く素質がある」ということです。まずは整列したフィフティーンの逞しい身体をご覧下さい。お前ら、よう頑張った。けど、もっと身体を鍛えて、次に見るとこは更に逞しくなっててくれ!(写真「見劣りしなかった体格」)
②ファーストスクラムを押した同志社。やるやん!
ただ、ラグビーは体格だけで戦うものではなく、あくまでも活動量やスピード、回復力で競い合う格闘技(兼)球技です。「体格は互角でも、先ずはスクラムがどうかですよね!」というOBの声に全員頷きました。スクラムが安定しているとゲームも安定して組み立てられます。逆にスクラムが劣勢になると、攻守両面でハンディを負うことになり、ゲームは不安定に、そして受身になります。
私達には「スクラムが互角なら・・・・」という期待があったのです。そして注目のファーストスクラム。良いスクラムというのは、組んだ瞬間、動きが止まって全体が静かに沈み、見た目には楽そうに組まれているスクラムです。セカンドローやサードローの体重がフロントローに無駄なく乗り、フロントローがその力を100%相手側に伝えている、そんな感じでしょうか。そして、正しく、ファーストスクラムはそういうスクラムでした。「おい、ええスクラムや!これ、押せるで」と後ろに座っていたフロントロー出身のOBが予言し、その予言通り、同志社はマイボールスクラムを押しました。私たちは興奮しました。逆に、早稲田は焦ったのではないかと思います。(写真「ファーストスクラム」)
③前半15分までは見応えあり。早稲田もビビッたんちゃう?
先制トライこそ早稲田に許しましたが、その後、早稲田ゴール前に迫った同志社はゴール前のラインアウトからモールを形成し、力強く安定した揺さ振りを繰り返しながら前進し、トライを奪いました。ゴールも成功して7-5。一瞬ではありましたが、リードを奪った瞬間でした。(写真「一瞬のリード」)
この前半15分までは早稲田の動きに硬さが見られたこともありますが、同志社FWが優位性を保ち、ゲームそのものも支配していたように思います。この優位性を保てたのはFWの逞しい体格と重量、そして運動量でしょう。それはスクラムでもラインアウトでもモールでも十分に発揮されていたと思います。
その後、激しいディフェンスから村上主将が負傷退場したこと、練習不足からか次第に運動量に低下が見られたことから早稲田ペースの展開になりますが、この15分間の感覚を是非忘れないでいて欲しいと思います。偶然保てた優位性ではなく(そんなことを許す早稲田ではありません)、同志社FWは確かに強かった。早稲田も逆転トライを許す結果となったラインアウトからモールへの流れではビビッたんとちゃうかなと思います。
又、この前半15分までは、特にFWのサイドアタックにも安定感がありました。流石に早稲田のディフェンスは強力で、安易にゲインを許してくれませんでしたが、これも身体が一回り大きくなった成果かなと思います。(写真「サイド攻撃」)
④敗因について。
「ファイティング・スピリッツの欠如」や「ディフェンスの崩壊」を敗因に上げる声が多かったと思います。更に、「早稲田の途切れぬ緊張感」があって、大きな点差になってしまったのだと思います。後で気が付いたのですが、後半、私は一枚も写真を撮っていませんでした。私自身も呆然とゲームを観ていたのかも知れません。
ただ、私の率直な印象を言わせて頂くと、「早稲田の近代戦法」に戦いを挑んだ「同志社の中世の騎士」・・・みたいな「ちぐはぐ感」でしょうか。例えば、同志社はボールを持つ選手が均衡を崩すことを期待して待っているのに対し、早稲田はそんな個人への過大な期待などせず、最初からボールを持つ選手を頂点に三角形を築き、三人で均衡を崩しに行くという感じです。
同志社は中世の騎士っぽく、一人で攻撃におもむく。その結果、均衡が崩れればその後ろに従う選手がフォローに入り、更に攻撃を続ける。逆にタックルされて倒れると、後ろの選手はそのボールの確保に向かう。そこにコンマ1秒以下とは言え、間隔が空いているように思うのです。ところが、早稲田の場合、誰かがボールを持つと、その近くにいる選手数人に「攻撃スイッチが入る」とでも言いますか、そのボールを持った選手だけでゲインできる訳がないんやから、さあ、一緒に行くで、みたいな一体感を持った三角形が突き進むという感じなんです。それに立ち向かう同志社勢は当然、ボールを持つ敵選手の対面一人ですから1対3で容易にゲインを許してしまう。
ディフェンスも同じ感じです。同志社の一次攻撃で「同志社の騎士」が一騎打ちを求めて前進する。迎える早稲田はそれが二次攻撃用のポイント作りと分かっているから、対面の選手とフランカーの二名で同志社の騎士に浴びせ倒しのタックルを見舞う。そしてそのままボールを確保しターンオーバーする。
いや、見応えがあるというより、同志社の騎士が気の毒でなりませんでした。一方、同志社にも素晴らしいタックラーがいて、胸のすくようなタックルを何度も敵に浴びせた猛者がいるんです。ところが、その後に続く選手との間にやはりコンマ1秒以下の間隔があくので、残念ながら「ナイスタックル!」という余韻に浸っている内に、早稲田の攻撃が再開されてしまう。同志社はディフェンスにおいても中世の騎士ではなかったかと思います。
又、これはいつものことですが、早稲田のラインディフェンスは美しいほどの直線で、オフサイドかと思えるほどのスピードで同志社BKにプレッシャーを掛けてきました。同志社BKはこれに個人技や早いパス回しで対抗しようとしていたように見えますが、あの早いラインディフェンスを逆手に取る攻撃プランはなかったのか、是非、誰か教えて下さい。
⑤総括。
以上、ファイティング・スピリットの欠如、ディフェンスの崩壊、練習不足、村上主将退場によるリーダーシップ不在・・・・等など、いろいろな反省点が上がっていることと思いますが、今年に入ってからの練習の効果も間違いなく出ています。選手には「やったことの成果は出る」という実感こそ大事にして欲しいと思います。今週は明治、来週は立教、その次は慶應・・・とゲームは続きます。この時期に関東の強豪とゲームができる幸運に感謝し、全力を出し切って欲しいと思います。その結果、自分たちに何が足らないかが良く分かる筈。それらをじっくり強化
しましょう。
私たちも人間なんで一喜一憂はします。しかし、どんなゲームを見せられても応援を止めることはない!という人がいることを忘れないように! アトムの仲間も応援を続けてくれることでしょう。(写真「アトムの仲間」)
ボルネオ7番





