看てらす5月号

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日本の総人口 6年連続で減少

総務省が発表した2016101日現在の人口推計によると、在日外国人を含む総人口は、12,6933,000人と、前の年に比べ、162,000人(0.13%)減って、6年連続の減少となった。1564歳の生産年齢人口が総人口に占める割合は603%となり、ピークだった1992年の698%に比べ1割近く減少した。また65歳以上の人口は、3,4591,000人と、前の年に比べて、723,000人増え、65歳以上の人口が総人口に占める割合は27.3%と、比較可能な昭和25年以来過去最高となった一方、15歳未満の人口の割合は12.4%と逆に過去最低を更新し、少子高齢化の進行に歯止めがかかっていないことが明らかになった。

 医療・福祉の資格、養成課程の一部を共通化へ

 厚生労働省は、保育士、介護福祉士、看護師など12の医療・福祉分野の国家資格などについて、養成課程の一部を共通化する方針を固めた。労働力が減る中、人材不足が深刻な保育や介護分野などへの労働力の移動を容易にすることで、人材の有効活用を図るのが狙い。

医療・福祉分野の資格を取得するには、国が指定した専門学校や大学などで学ぶ必要があり、養成課程は資格ごとに異なる。このうち、社会福祉、保健、心理学など、学習内容の一部の教科や実技を再編成し、職種横断的な「共通基礎課程」(1年程度)とし、それに加えて、資格ごとの「専門課程」を学ぶことによって、それぞれの資格を取れる仕組みに改め、複数の資格を取りやすくすることとした。今年度中に有識者らによる検討会を発足させ、2021年度から順次実施していきたいとしている。

看護師養成のカリキュラム拡充検討へ 4年制も視野に

厚生労働省は看護師養成のカリキュラムについて拡充の方向性に関する議論を検討会などで行う方針を固めた。46日に公表された「新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会」の報告書で、教育カリキュラムの見直しを求められたことなどを踏まえた措置で、日本看護協会も教育時間は約30年間変化がないことを指摘。在宅看護領域の教育内容の増加が必要とし3年制の看護師基礎教育の4年制化を要望しており、カリキュラムを見直す際、教育期間についても議論する可能性が出てきている。

医師国家試験、出題数100問減に

 厚生労働省は来年行われる第112回医師国家試験について、出題数を現行の500問から400問に減らすと発表した。それに伴い試験期間も3日間から2日間に短縮されることになった。

 医師国家試験をめぐっては、医師国家試験改善検討部会が20153月、出題数について全ての医学部生が56年時の臨床実習前に受ける共用試験と出題内容に重複がある「医学総論」と「医学各論」から計100問程度減らせると提言しており、それを受け、この度、医道審議会医師分科会が答申を取りまとめた。なお、医学部の臨床実習開始前に行う共用試験は、習得した知識の到達度を見るため2005年から正式に始まっている。

医師を補佐する新資格「フィジシャンアシスタント」を提言

 

 新たな医療の在り方と医師の働き方を議論してきた厚生労働省の有識者検討会は、性別によらない多様な働き方やキャリア形成を実現するため、簡単な診断や術後管理といった一部の医療行為をカバーする「フィジシャンアシスタント」PA(physician assistant)と呼ばれる新たな資格の創設や、看護師などとの業務分担を進めることも提言し、医師は高度な業務に専念すべきだとした。

 フィジシャンアシスタントの制度はすでにアメリカやイギリスで導入されており、医師の監督のもとに診察、薬の処方、手術の補助など、医師が行う医療行為の8割方をカバーしているという。アメリカでは現在約7万人がフィジシャンアシスタントとして従事しているという。

診療報酬、介護報酬 同時改定向け本格的議論を開始

厚生労働省は介護と医療の連携について話し合う専門家会議を立ち上げ、来年度に行われる診療報酬と介護報酬の同時改定に向けて、医療と介護の連携を強化し、切れ目のないサービスを受けられる体制づくりを目指して本格的な議論を開始した。

医療機関に支払われる診療報酬は2年ごとに、介護サービスを提供する事業者に支払われる介護報酬は3年ごとに、それぞれ見直されることになっており、平成30年度は、6年に1度の同時改定が行われる。専門家会議では、医療機関だけではなく、住み慣れた自宅や介護施設などで最期を迎えられるよう「みとり」を促進することや、リハビリなどを通じて医療と介護の切れ目ないサービスの提供についても議論を進めるほか、生活できる機能も持ち合わせた新たな介護医療院の報酬や、要介護度が低い人の生活援助の報酬などを議論していく予定。年内に診療報酬と介護報酬の改定率を決め、来年2月を目途に医療と介護の具体的な連携方法を取りまとめる方針。

小中高生の自殺 昨年320

 警察庁の統計によると、昨年1年間で320人の小中高校生が自殺で亡くなったことが分かった。小学生12人、中学生93人、高校生215人で、3分の2は男子だった。

自殺者全体の数は、2003年の34,427人をピークに減少傾向で、2016年は21,897人。2006年施行の自殺対策基本法に基づく、各自治体の相談窓口の整備などが実を結んでいると考えられる。

一方、小中高校生の自殺者はこの10年、年間300人前後で推移しており、350人を超えた年もあった。厚生労働省によると1519歳では自殺が死因の1位、1014歳では2位となっている。

2016年の小中高生の自殺の原因(複数の場合あり)を警察庁の統計でみると、「学業不振」など学校問題が36.3%で最も多く、「親子関係の不和」など家庭問題が23.4%、「うつ病」など健康問題が19.7%と多岐にわたる。学校問題のうち、いじめが原因とされたのは6件で全体の1.9%だった。

「オウム病」で国内初の妊婦死亡例

 オウムやインコなど鳥のふんを介して感染する「オウム病」に感染した妊婦が死亡していたことが分かった。オウム病は人と動物が感染する人獣共通感染症の一つで、感染すると、突然の発熱や咳、頭痛といったインフルエンザに似た症状が出て、気管支炎や肺炎を発症。年間数十例の患者が出ていて、高齢者などで数年に一度、死亡例が報告されているが、国内ではこれまで、妊婦の死亡例は報告されていなかった。厚生労働省では妊娠中は抵抗力が弱くなり、胎児に影響を与える場合もあるとし、ペットなど動物との密接な接触は控えるよう呼びかけている。

今回感染が確認された女性は、妊娠24週に発熱のため入院。意識障害などがみられ、その後死亡した。妊婦の感染症を研究する研究班が女性の死後、体内からオウム病の原因となる細菌を検出したことから明らかになった。

経口避妊剤服用で手術延期も

日本医療機能評価機構によると、20131月から172月までに、手術前(4週間以内)の内服は「禁忌」と添付文書に記載されている経口避妊剤の使用を中止せず、手術が延期となった事例が2件あったことが分かった。これを受けて日本医療機能評価機構は、経口避妊剤に関する注意事項をホームページに掲載し、手術前のチェックリストの中に内服が「禁忌」の薬剤を明確に示し、確認を徹底するよう求めている。経口避妊剤は、血液凝固能が亢進され、心血管系の副作用の危険系が高くなることがあるため、添付文書で「手術前4週以内、術後2週以内、産後4週以内及び長期間安静状態の患者」などは「禁忌」となっている。内服に気づかず手術が実施されれば、重篤な医療事故に結びつく危険もあったという。

生涯未婚率、男性23.4%、女性14.1%で過去最高

 厚生労働省の国立社会保障・人口問題研究所の調査により、50歳まで一度も結婚をしたことのない人の割合を示す「生涯未婚率」が2015年に男性23.4%、女性14.1%だったことが分かった。2010年の前回調査から男女とも3ポイント以上増えて過去最高を更新し、生涯未婚の人は男性のほぼ4人に1人、女性のほぼ7人に1人となり「結婚離れ」が鮮明になった。男性は1970年まで、女性は1960年まで1%台が長い間続いたが、その後、増加傾向に拍車がかかっている。

ライフスタイルが多様化する一方、非正規労働者が約4割に増え金銭的な理由で結婚を躊躇する人も多く、少子化の流れは止まりそうにない。非正規の処遇改善など結婚を後押しする対策が急務で、老後に身寄りがない人が増えるため、介護や医療など受け皿も課題となる。

 離乳食に蜂蜜で男児死亡 乳児ボツリヌス症

 離乳食で蜂蜜を摂取していた東京都内の生後6か月の男児が「乳児ボツリヌス症」で死亡した。蜂蜜は乳児ボツリヌス症を発症する可能性があることから、1歳未満の乳児に与えないよう母子手帳に記載されているが、知らない人も少なからずいるのが現状で、厚生労働省は改めて注意喚起している。

 東京都によると、死亡した男児は、1月中旬頃から市販のジュースに蜂蜜を混ぜて12回、約10g与えられていた。生後5か月だった2月にけいれんや呼吸不全などの症状が出て入院、330日に死亡した。男児の便や自宅の蜂蜜からボツリヌス菌が検出され、それが原因の乳児ボツリヌス症と断定された。

 厚生労働省は死亡事故を受け、1歳未満の乳児に蜂蜜を与えないよう、全国の自治体に対し注意喚起を求める通知を出した。同様の通知は昭和62年にも出され、母子手帳などで注意喚起されている。これまでに30以上の発症例が報告されているが死亡例は初めてという。

 家族は蜂蜜を乳児に与えてはいけないことを知らなかったといい、「栄養豊富で健康にいいと思った」と話しているという。

 食品安全委員会などによると、蜂蜜は離乳後の幼児や大人が食べても問題ないが、1歳未満の乳児は腸が未成熟なことなどからボツリヌス菌の定着と増殖が起こりやすい。微量でも菌が含まれていれば腸内で増殖して毒素を出すため、「与える量や期間に関わらず、乳児に対するリスクは高い」という。

 食物アレルギーを引き起こす卵や小麦粉など「特定原材料」が加工食品に含まれている場合は、食品表示法に基づき容器・包装の面積が30cm2超なら表示義務がある。食物アレルギーは命にかかわるためだが、同様に危険性のある乳児ボツリヌス症については、表示義務はない。

 市販の蜂蜜で見る「1歳未満の乳児には与えないでください」との警告文は任意表示で、全国はちみつ公正取引協議会は会員企業に警告文の表示を要請しているが、数千あるとされる業者の多くが非会員で、表示は徹底されていないという。

 一方で、死亡した男児に与えられた蜂蜜には表示があったといい、小さな表示だけでは注意喚起になりにくいのも事実で、食をめぐる問題に取り組む消費者団体「食のコミュニケーション円卓会議」の市川まりこ代表は「安全にかかわる内容は見ただけで分かるようにパッケージの表に大きく表示すべきだ」とし、「乳幼児の窒息事故をきっかけに表示が始まったこんにゃくゼリーのような警告マークを業界が作ってはどうか」と提案している。

一方、われわれ消費者も、食べさせてはならない食品の他、初めての食品を与える際の注意を再認識する必要があろう。万が一アレルギーなどが発生した可能性を想定し、小児科が開いている平日午前中に食べさせることや、一さじ与えて時間をおき、様子を見ながら量を増やしたり、アレルギーの原因が分かるよう、必ず一種類だけ与えるなど気をつけていくことが必要だ。そして、このような悲しい事故はもう起こしてはならない。

 ※乳児ボツリヌス症=1歳未満の乳児にみられるボツリヌス症。主にボツリヌス菌に汚染された蜂蜜を食べることで発症し、便秘や筋力の低下、呼吸困難などの症状が出て、死亡することもある。ボツリヌス菌は自然界に広く存在し、芽胞を形成する。蜂蜜はこの芽胞に汚染されていることがあり、腸内が未発達な1歳未満の乳児が食べると腸内で芽胞が発芽し、強い毒素が産生され発症する。

 

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