ラッセン展示会情報はこちら

育児パパのあったか・やさしい発達障害談義

10歳の発達障害児の育児や、発達支援活動を通して、「あたたかく」「優しく」そして「易しく」発達障害を語っていきたいと思います。略して「あ・や・しい発達談義!V(^^」・・いやいや怪しく無いっす!

時にはひとりの「人」としても、つぶやきますよ!


テーマ:

さて、今回はBさんの認知分析です。今日は、Bさんご自身にその時の様子を振り返っていただきましたので、まずはご覧頂きたいと思います。


(この記事は、こちらを筆頭 とする連載ものです。)

【視知覚認知テストからみる発達障害のこだわりの実例  目次】

(1)出題

(2)正解ご披露!

(3)Aさんの認知(発達障害のこだわりの原因)

(4)C君の認知(認知のゆがみの実情)

(5) C君の認知(10歳頃の成長の不思議)

(6) Bさんの認知(凡化とは異なる精査の仕方)

(7) Bさんの認知(成長し続ける認知能力)


一応、Bさんのご回答です。

クリスマスの朝、

サンタさんから届けられたプレゼントを開けて、

「パパ、ママ、見て見て!

 こんなものをもらったよ!」

興奮して(喜んで)親に見せている女の子の図。



所要時間:用心深く絵とにらめっこして、数十秒(本人弁


さて、この結論を出すところで、Bさんがされた認知は次の様なプロセスだったそうです。(今回は、この様子を実感していただく為にも、ご本人の許可を得て、ノーカットで掲載することにします)

**********************************************************


まず、パッと写真を見て、
【A】
「色」に目が行く。
 「全体的に淡く西洋風の色合いが好み!明るいピンクがアクセントでおしゃれな風景!」という感想をまず抱く。
   ↓
で次の瞬間、「いやいや、ちゃんと集中して、この絵の状況を掴まなきゃ」と、じっくり絵を精査し始める。★子供のように、自分の好きなことを考えたりやろうとしたりする傾向にあり、その場の社会的な本題を意識しにくい性質!?)
   ↓
【B】真ん中の女の子をとらえる。
・何をしているのか? →何か物を掲げて、訴えているようだが、まだ意味が分からない(→周りを見てから判断しよう、と)。
・表情から、その「感情」を読み取ろうとする(それが一番、 “肝”だと感じる。どういう絵か理解するための……)→物に「喜んでいる」様子だ(パッと見でそう感じたが、これから周りを見てその確証を得なければならない、とも)
   ↓
【C】周りの部屋の様子をみる。→「クリスマス」のようだ

・赤い靴下や、クリスマスリースなどから(雪だるまは目に入ったか微妙……)。
・床に散らばったほかのおもちゃなどは、気にしなかった。
   ↓
【D】女の子がなにか「物」をうれしそうに掲げていて、もう一方の手には赤い靴下が握 られている。→「クリスマスの“朝”」だとわかる。
・ちょうど赤い靴下からプレゼントを出したところのようだ →ということは、これはクリスマスの朝だ! (通常、クリスマスイブの夜にサンタさんがプレゼントを赤い靴下に入れてくれているものだから、そのプレゼントを開けるのは翌朝だ)
・ちなみに、その状況(ちょうど赤い靴下からプレゼントを出したところ)がわからなければ、これが朝とは確信できなかった。だって女の子も親もパジャマを着てはいるが、それはもしかしたら寝る直前の「夜」かもしれないし、と。
・女の子はサンタさんが入れてくれたと信じているんだな。だからこそ、両親に(本当はそれを入れてくれた本人とは知らず)それを自慢げにうれしげに見せているわけだな。うん、やっぱりこれは「女の子は喜んでいる」図で間違いないな、と第一印象(喜んでいる表情だ)の確証を掴む。しかもプレゼントを開けたばかりで、それが気に入るものだったから、うれしさで「興奮」しているぞ、その勢いで親にブツを見せているんだな、と。
・しかし、女の子が喜んでいる「物」が何かはわからなかった。何かなー?とは気になったが。なにかカラフルなおもちゃかな!?と。それを突き止めることは、この場ではさほど重要ではないと感じつつ、一応少し眺めてみずにはいられない。何か分かったほうが自分で気が済むから(自己満足という自覚もありつつ、やめられない)。軽い「とらわれ」現象(笑)。
でも最近は諦めることも多少は身についてきて、今回も、何かわからないままでも、さほど執着せず次に移れた
   ↓
【E】親らしき人のパジャマ姿の膝が目につく。→親(おそらく父親だろう(?))の存在を確認。
・ちらっと見える膝から、体格がよさそうなのと膝の開き具合がなんとなく男性っぽく、またネグリジェではなくパジャマだし、八割がた父親だろうと(もしかしたら、ネグリジェを着ない体格の良い母親かもしれないが(^_^;))。それにこの朝の時間帯、ふつうは母親はキッチンで朝ごはんの用意などをしているものだし、ソファでゆっくりしているのは父親だろうし、とも。
   ↓

【F】このあたりで、結論に至る。

念のため、もう一周、絵を見渡して、とどめに
女の子の表情が「喜び」ということで間違いなさそうだ。
と確かめて、
「うん、こういうストーリー設定で間違いなさそうだ」と結論付ける。

要は、「女の子が何を言いたいのか、どう感じているのか」を把握することが、すなわち「この絵の概要」だと私は感じていて、無意識にそれ(女の子の感情)を一番気にしていたようです。私は。

   ☆.∴..∴..∴..∴..∴..∴..∴..∴..∴..∴..∴..∴.☆


【おまけ】

【G】左にある大きな緑のバッグは、目に入らなかった。

 靴下が入れられていたショッピングバッグだったのかもしれないが、フツー赤い靴下は子供の目につくようバッグの外に出されるはずだから。ここでは状況把握のためには、赤い靴下からプレゼントが出されたことさえわかればよかったので、無意識にそれ以上は精査しなかったと思われる。

 ちなみに今あらためて見てみると、紙バッグではなく、不織布のバッグだなと。さすが何でもサイズの大きいアメリカ(?)ではこういうショッピングバッグも一般的なのかなー? 緑なのはクリスマスシーズン限定かな? いいなー!などと、“紙バッグ・フェチ”の私は考えたりする……。
***********************************************************


ご本人が、このメールを書いて振り返られているのですが、「当初所要時間でこたえた数十秒は体感時間であって、こうして書いてみるときっと1分をかるく越えていたのだと思う」・・・・と伝えてこられました。



たしかに、この文章を見るたところでも、早くても、きっと1~2分は要しただろうなぁと感じます。


Bさんは、Aさん以上に詳細を検証され、認知度としては120点満点の結果を残されています。しかし、こうして振り返っていただいたものを見る限り、定型の認知のように効率よく・・・とはいっていないことが判ります。しかしながら、Aさんの認知手順である①~⑨ と同じプロセスを踏み、必要な答えにたどり着かれています。(これは彼女が経験と成長の中で身に付けたスキルだと認識されているようです。)


またその途中に幾度か細部にとらわれそうになりながら、意識して注意の集中を解き、次の精査に移っていかれている様子が見て取れます。


今日の分析は、このあたりとしておきます。

明日以降、もう少し掘り下げてみたいと思います。


みなさんのクリックが大変励みになります!

ぜひ、ポチっとご協力をお願いします。

にほんブログ村 メンタルヘルスブログ 発達障害へ    にほんブログ村 メンタルヘルスブログ 広汎性発達障害へ


AD
いいね!した人  |  コメント(3)

テーマ:

日本ブログ村 「発達障害部門」人気記事ランキング 2位獲得! 

「クリックしてくださった方々、ありがとうございます!」



今日は予定を変更して、昨日少し話題で触れた、10歳頃の発達障害に訪れる認知の劇的成長についてお話したいと思います。


(この記事は、こちらを筆頭 とする連載ものです。)

【視知覚認知テストからみる発達障害のこだわりの実例  目次】

(1)出題

(2)正解ご披露!

(3)Aさんの認知(発達障害のこだわりの原因)

(4)C君の認知(認知のゆがみの実情)
(5) C君の認知(10歳頃の成長の不思議)

(6) Bさんの認知(凡化とは異なる精査の仕方)

(7) Bさんの認知(成長し続ける認知能力)


発達障害の当事者の方々と話す中で、よく聞くのが「10歳頃に急にいろいろなことがわかるようになってきた」という話です。


それまでの困難が、この時期にある程度まで解消されることがあるようなのです。

・先生の話が中々聞き取れずに困っていたが、判るようになってきた。

・黒板に書いてあることが判らず、ノートへの書き写しが苦手だったが、少し改善してきた。

・九九が出来なかったが、覚えればよいことがわかって、急に計算が得意になった。

・ストーリーのあるお話などに興味がなかったが、理解出来るようになり、面白みがわかるようになった


もちろん、個人差があるので、全ての人が全項目こうなるというわけではないのですが、その人なりに何らかの認知改善がみられることが多い・・・というお話です。


ひとつ考えられるのは、視知覚認知の改善です。


「見る」というのは、単に眼球に像が写り、脳に認識されることではないそうです。眼球のピント調整機能・動体追尾機能・輻輳動作などを正確にコントロールできることや、脳に伝達された画像の認識能力(凡化機能や空間認識、図形回転能力・・・)が備わって初めて「見たものを正しく認識」出来るそうです。


この機能や能力は、定型発達の子なら5~6歳で身に付くそうなのですが、発達障害のこの場合、個人差はありますが、10歳前後まで成長が遅れる傾向にあるそうです。


このお話は非常に濃い中身があるので、また後日に致します。(ひとつ予告しますと、うちの子は、1年生時に板書きをノートに写すのがとっても苦手でしたが、1日15分をたった3ヶ月トレーニングしただけで、劇的改善がありました。)


もうひとつ考えられるのは、この頃、神経回路に大きな変化があるそうなのです。杉山登志郎先生の著書では、(発達障害の子どもたち (講談社現代新書) こう書かれています。


「新生児から2歳までの神経細胞の数は増える事はなく、むしろ減っていく。いかし神経と神経をつなぐネットワークが網の目状に張り巡らされていくのである。そしてこのネットワークは5歳にしてすでに完成していまう。


それから後は、今度は神経の剪定と呼ばれる現象が起きるようになる。つまり使用される経路は残り、使用されない経路は消えていく。この神経の剪定が終了するのは10歳である。


この神経の剪定に伴って、ミエリンという物質が軸索を覆い、絶縁が施されるようになる。この過程が進むと、神経間の伝達速度は飛躍的に速くなり、同時に興奮が他に漏れない構造となるのである。


つまり、こうした変化により、感情のコントロールが出来やすくなり、また神経信号の伝達スピードが上がることで、思考もより複雑に働くようになり、発達障害の利点である思慮深さがより発揮され、困難を補って行動していけるようになるのではないかと、想像します。(これはあくまで想像で、医学的な根拠に基づくことではありません。)


また発達障害は、不安定な状況におかれたり、感情に溺れてしまうと、急速に能力を低下する傾向があるように思います。情動面が改善されることで、本来持っていた能力が、発揮され始める効果もあるのではと想像します。




一方、この時期から友人との関係に悩み始めた当事者さんも多いようです。この時期は、発達障害の子達にも、大きな成長と変化をもたらしますが、定型発達の子も、急に大人びてくる時期にあたります。それまでは、定型児でも多少の多動傾向がありますが、自我も確立され始め、対人関係が複雑化してきます。


きっと周囲が急速に成長していく中で、付いていけなくなるようですね。


いろいろな面で転機を迎える、発達障害児の10歳前後ですが、

息子もそこを切り抜けていけるように、

見守っていきたいと、ひとりの親として思っています。


さて、次回は、Bさんの認知分析です。





みなさんのクリックが大変励みになります!

ぜひ、ポチっとご協力をお願いします。


日本ブログ村 「発達障害部門」人気記事ランキング 2位獲得! 

「クリックしてくださった方々、ありがとうございます!」



Amazonへ

発達障害の子どもたち (講談社現代新書)


この本は、ぼくが発達障害の勉強を始めたころに、出合った本です。

既に数冊読んだ後でしたが、

この本で、ようやく発達障害と言うのがどんなものなのか、

ようやく実感できた気がしました。

何冊か読んでみたけど、どうも発達障害ってわからない・・・

と言う人にはおすすめです。







にほんブログ村 メンタルヘルスブログ 発達障害へ    にほんブログ村 メンタルヘルスブログ 広汎性発達障害へ
AD
いいね!した人  |  コメント(7)

テーマ:

さて、次はC君の認知分析です。今日は、息子の認知状態を通じて、子どもの頃の認知に関する成長についてお話をしたいと思います。


(この記事は、こちらを筆頭 とする連載ものです。)

【視知覚認知テストからみる発達障害のこだわりの実例  目次】

(1)出題

(2)正解ご披露!

(3)Aさんの認知(発達障害のこだわりの原因)

(4)C君の認知(認知のゆがみの実情)

(5) C君の認知(10歳頃の成長の不思議)

(6) Bさんの認知(凡化とは異なる精査の仕方)

(7) Bさんの認知(成長し続ける認知能力)



C君は、現在8歳の「特定不能の高機能広汎性発達障害」児である、うちの息子です。


彼の回答のおさらいです。


息子「①なにか、見せてる」(たぶん、女の子のことを語っていると思われます)
息子「②あっ、クリスマス」(赤い靴下を見て気付いたと思われる)

そして、数秒のち・・・・

息子「③ほらね、これ。(といいながら、画面中央のクリスマスリースを指差して)やっぱり、クリスマスや」

さらに、数秒の沈黙ののち・・・

私 「他になにかない?」
息子「ない・・・・・」

所要時間:30秒程度


特徴を述べるなら、クリスマスである事は認知しているものの、パーツから連想しているに過ぎません。女の子についても、動作は認識しているようですが、その表情や行動の持つ意味に意識は向かっていない様子です。親の存在にも気がつかず、この絵の持つストーリーにまでは、思考はたどり着いていない模様です。(実際、たったこの1問では学術的には判断しきれないのでしょうね。実際には入力は出来ていて、出力がないだけの可能性もないとはいえませんが、ここでは次に話を進めてまいります。)


しかし、3つの事は出来ているといえます。

【A】まず絵の中心に意識が行き、

   それが何かを認識している。・・・①

【B】その次に周囲を見回し、状況判断をしている。・・・②

【C】更に、周囲の精査を続け、

  【B】を裏付けるパーツを見つけ出し、

  認知を確信している。・・・③


ぼくは、彼がこの回答をした時、お恥ずかしいのですが、目頭があつくなってしまいました。嬉しかったのです。彼が5歳の頃、同様のテストを保育園でやった事があるのですが、その頃から、確実な成長があったからです。


もし、5歳の頃の彼なら、たぶんこんな回答になっていたでしょう。


出題者「ハイ、テストを始めますね!

     これは、何の絵でしょう?」

息子 「あっ!ゆきだるまやぁ!かわいいなぁ!」

    「お菓子!ほしいなぁ!」

    「クレヨン!きれいやなぁ!」


script_magicalmaker,http://www.magicalmaker.com/js/ameblo.js.php?upwh=2713518-1289021106-479-372


まさに、とらわれです!

当時の彼の認知は、その時捉えてしまったパーツに釘付けになり、中々全体を見回すという事に行き着きませんでした。気になったものに気を散らし、課題に集中して取り組む事が出来なかったのです。(この状況は、単に幼児性の落ち着きのなさ・幼さではありません。息子は、6歳児に医師に「発達障害」と診断されたときも、この認知特性の強さが、診断のひとつの基準になったと聞いています。)


それを考えると、今回の結果は・・・・。


ひょっとしたら、息子の回答は8歳の子にしては、まだ幼いものかも知れません。しかし、こうした小さな成長にも気持ちを動かされる・・・ぼくは、そんなことも、楽しんで、彼との暮らしを続けています。それに、これから彼は、発達障害の多くの方が、それまでの認知のゆがみを大きく改善したといわれる10歳頃を、まもなく迎えます。そのあと、どんな彼が現れてくるのか、今から楽しみだったりもします。


もし、定型発達の子だけを育てていたら、

こんな小さな事は感じるセンサーもなかったでしょうし、

こんな感激をする事もなかったでしょう

ぼくは、自分にこうした感受性を育ててくれた、

息子に感謝をしています。


さて、話を戻します。発達障害の認知特性や認知のゆがみですが、それは一生消えてなくなる事はないそうです。しかし、このように一歩一歩ちいさな歩みではあっても、成長し改善されていくのだと思います。そして、これが成人の当事者さんになると、さらに思考を駆使して、経験を積み重ねて、困難を克服していかれるようです。


発達障害は、たしかに先天的な脳の機能障害ですが、

今のぼくは、「乗り越えていける可能性があるのだ!」と考えています。


妻や兄弟を含めた家族全員で、

彼とのかかわりを大切にし、

発達障害を持つ長男に

肯定的な体験を沢山積んでもらうことで、

彼が二次障害にならずに、

成長していけるようにしていきたいと思っています。


さて、今日はここまでとします。

次回は、発達障害児に10歳頃に訪れる、劇的な認知成長について考えてみたいと思います。



みなさんのクリックが大変励みになります!

ぜひ、ポチっとご協力をお願いします。



にほんブログ村 メンタルヘルスブログ 発達障害へ    にほんブログ村 メンタルヘルスブログ 広汎性発達障害へ


AD
いいね!した人  |  コメント(0)

テーマ:

日本ブログ村 「広汎性発達障害部門」人気記事ランキング 1位獲得!

「メンタルヘルスブログ部門」 人気記事ランキング 18位獲得!

「クリックしてくださった方々、ありがとうございます!」



今日は、まずAさんの認知について考えていきます。その中から、定型の認知パターンや特性、またそれに対する発達障害の認知パターンから、細部へのこだわり(とらわれ)が起こる原因について、考えてみます。



(この記事は、こちらを筆頭 とする連載ものです。)

【Aさんのご回答】

クリスマスにプレゼントをもらって、親に見せながら喜んでいる女の子。



所要時間:5秒程度



Aさんは定型発達ですが、今回の回答を数秒で行っており、効率よく認知し、判断し、材料を関連付け、想像力も活かして、結論を導いておられるようです。


どういう風に絵を見ていかれたのか、ご本人に聞き取りをしてみました。


「あまり意識もしていないし、覚えていないけど、

 思い出しながら話してみます。

 【A】まず、絵の中央の女の子が目に入りました。

   左手を掲げながら、何かをアピールしているのがわかりました。

 【B】次に、赤い靴下が沢山あるのに気づいて、クリスマスを直感。

   中央に、クリスマスリースがあるのをみて、確信。

 【C】次に目に付いたのは、女の子の足元の品々。

   左に緑色の紙袋があるところから、

   袋からプレゼントを次々と出し、

   その中からお気に入りを誰かに見せていると思いました。

 【D】次に、女の子が興奮している表情が目に入り、

   視線の先に誰が居るのだろうと思いました。

   絵の右端にパジャマの模様らしきものが見え、

   パパかママだろうなぁと思いました。

 【E】また、女の子の服装もパジャマな事から、

   これはクリスマスの朝の光景だなぁと想像しました。

 【F】(ボク:雪だるまやお菓子などは、目に入りませんでしたか?)

   途中はあまり、気にかからなかったですね。

   そう言えば、一通り見回した最後に、

   ようやく目に入り、それが冬を指す事で、

   【E】までの推理を確信しましたね。

・・・・・・・・・ということでした。


普段、定型発達なら何も意識せず認知していますから、こうしたことは気にもしていないでしょうが、1枚の絵を素早く判断するにはこうしたプロセスがあるのだろうと思います。


簡単に整理すると。

『①絵の中心要素を見つける』

『②周囲を素早く精査する』

『③ひとつのものにとらわれず、どんどん見ていく』

『④パーツの関連性を想像する』

『⑤そこに人物が居る場合は、表情・身振り手振りなどから、感情を想像する』

『⑥映っていないものまでも想像し、絵のストーリーを組み立てていく』

『⑦推理完成』

『⑧再度、周囲を見回し、推理の裏づけを取る』

『⑨確信して、回答』

・・・・・となるのだろうと思います。


こうしたことを瞬時に行うのに重要な役割を果たす認知能力を「概念化」(発達障害の子どもたち (講談社現代新書) より)というそうです。


kh-net 旧HP管理人のつぶやき-コップ

画像提供:http://tom.daa.jp/material/


一言で見るといっても、たとえばコップを見る場合、発達障害の方にありがちなのが、表面にある傷が気になってしまったり、取っ手の形状に意識がとどまってしまったり、表面のツルツル感にとらわれてしまう事が多いようです。


しかし、定型発達ではこのような事は起こらず、そうした細部も見てはいるけれども、それが「コップ」であると認知した瞬間に意識から外れて、周囲の次のものを精査し始めるそうです。この瞬時判断を「概念化」と言うのだそうです。この作用こそが、定型発達の認知スピードを生んでいると思われます。


script_magicalmaker,http://www.magicalmaker.com/js/ameblo.js.php?upwh=2713518-1289281367-340-264


一方、発達障害の場合は

細部に「とらわれて」しまう為、時間がかかるものと思われます。


発達障害の方の場合は、下手をすると、とわれたまま認知が終わってしまい、次のものへの精査が始まらなかったり(上記の②③が起こらない)、想像性の障害のところで、パーツ間の関連性に思考が行き難いのだと思います。息子を見ていると、「見えているけど、見えていない。意識に映っていない」と感じることがあります。これが「認知のゆがみ」のひとつの原因なのだろうと想像します。


しかし、こうしたことは一生改善されないかと言うと、決してそうではないようです。また、ボクは、このことをもって定型発達の認知が一方的に優れているとか、発達障害の方の認知が劣っているのみだとは思っていません。この認知特性を活かして、特技にすることが可能なケースもあるからです。


このあたりについては、また後でお話したいと思います。


今回は、定型の認知パターンについて振り返ってみました。回答結果だけを見ると、「なんだ、そんなことか。あたりまえの答えだね」となるところですが、そのプロセスを掘り下げるところで、次の話題につなげていきたいと思っています。



みなさんのクリックが大変励みになります!

ぜひ、ポチっとご協力をお願いします。


日本ブログ村 「広汎性発達障害部門」人気記事ランキング 1位獲得! 

「メンタルヘルスブログ部門」 人気記事ランキング 18位獲得!

「クリックしてくださった方々、ありがとうございます!」




↓凡化のプロセスに興味が湧いた方はこちら↓

Amazonへ

発達障害の子どもたち (講談社現代新書)


この本は、ぼくが発達障害の勉強を始めたころに、出合った本です。

既に数冊読んだ後でしたが、

この本で、ようやく発達障害と言うのがどんなものなのか、

ようやく実感できた気がしました。

何冊か読んでみたけど、どうも発達障害ってわからない・・・

と言う人にはおすすめです。








にほんブログ村 メンタルヘルスブログ 発達障害へ    にほんブログ村 メンタルヘルスブログ 広汎性発達障害へ



いいね!した人  |  コメント(0)

テーマ:

さて、写真のテストに話題を戻しますね。今回は、正解を明かしますが、それだけをみて、「なぁんだ、そんなことか」と思わないで下さいね。大事なのは、正解ではなく、それを導き出す認知パターンの違いなのです。少し長い連載物になりますが、お付き合いくださいね。

2010.11.8 追記有り:Dさんのご回答を追加しました。


(この記事は、こちらを筆頭 とする連載ものです。)

【視知覚認知テストからみる発達障害のこだわりの実例  目次】

(1)出題

(2)正解ご披露!

(3)Aさんの認知(発達障害のこだわりの原因)

(4)C君の認知(認知のゆがみの実情)

(5) C君の認知(10歳頃の成長の不思議)

(6) Bさんの認知(凡化とは異なる精査の仕方)

(7) Bさんの認知(成長し続ける認知能力)




テストと書きましたが、あれは何のテストかというと、視知覚認知度(もしくは認知パターン)テスト」なのです。レベルとしては、めちゃくちゃ初歩編にあたると思います。


(ただし、最初にお話しておきますが、恥ずかしながら僕は、心理学専攻でも脳科学者でもないので、専門的な分析ではないことをご容赦ください。また最新科学ではすでに覆された常識を語っているかもしれません。その節はご失笑ください。また、4人のご回答については、本人許可を頂いた上で、公開しております。)




Aさん 30代 女性のお答え


クリスマスにプレゼントをもらって、親に見せながら喜んでいる女の子。



所要時間:5秒程度


この方は、定型発達の方です。認知度としては、80(~120)点。

説明に、「朝」が抜けていること。そして、サンタからのプレゼントであることには気付いていると思われるが、説明していないところで80点としています。この説明が文章にあれば120点でした。でも、あえて説明しないところが、定型的であるとも言えます。(そこまで語らなくても、状況説明には事足りると自動判断している可能性も感じます。)



Bさん 30代 女性のお答え


クリスマスの朝、

サンタさんから届けられたプレゼントを開けて、 

「パパ、ママ、見て見て!

 こんなものをもらったよ!」

興奮して(喜んで)親に見せている女の子の図。


所要時間:用心深く絵とにらめっこして、数十秒(本人弁



kh-net 旧HP管理人のつぶやき-xmas


イラスト提供 : http://kota001c.blog.shinobi.jp/Entry/12/



回答は120点満点。

しかし、この答えを導くのに時間を要しているところからも、年齢とともに認知能力とスキルがあがり、状況認識能力が高くなった発達障害の方という分析が出来ます。実際、この方は、アスペルガーの診断を受けておられます。



C君  男の子(ちなみにうちの息子です。)


彼の台詞をそのまま書きますね。

息子「なにか、見せてる」(たぶん、女の子のことを語っていると思われます)

息子「あっ、クリスマス」(赤い靴下を見て気付いたと思われる)


そして、数秒のち・・・・


息子「ほらね、これ。(といいながら、画面中央のクリスマスリースを指差して)やっぱり、クリスマスや」


さらに、数秒の沈黙ののち・・・

私 「他になにかない?」

息子「ない・・・・・」


所要時間:30秒程度


認知度 30

幼さという要素を加味しても、非常に浅い認知であることが示されています。パーツを認知して判断することは出来ても、パーツとパーツの関連性には考えが及ばない様子が見て取れます。ちなみに、うちの子は「特定不能の高機能広汎性発達障害」の診断を受けています。


◆Dさん 高校生のお子さんを持つお母様です。

 クリスマスの朝です。
 イヴの晩、サンタさんに届けていただいたものや、
 家族や知人からのプレゼントを空けることができる朝。
 待ちに待った朝です。
 早速、大きな靴下に入ったプレゼントを1つづつ確認しています。
 1点ごと、期待を込めて、靴下の中身を確認しています。
 「あ、ママ、見て見て~
  私の欲しかったクレヨンセット~
  これでお絵かき出来るよねぇ」
 と、家族に見せながら、プレゼントを喜んでいる・・・・
・・・・・・そんなクリスマスの朝の光景を想像しました。
子どもの良い表情が、色々な想像を掻き立てられます。
これが、風景や、成人で無表情の方だったら、

想像心は掻き立てられない私です・・

所要時間:15秒


認知度 120点

この方は、限りなく定型だと思われるのですが、ご本人曰く「細部にこだわりがつよい。また欠損した認知を想像で埋めるクセがある」ということで、何らかの発達障害的親和性をお持ちの方かもしれません。(認知の自己分析で、非常に興味深いことを寄せてくださったので、追記しました。2010.11.8追記)



・・・・という、回答が寄せられました。

模範解答は、Bさんのご回答ですね。


ひとつ、言い添えますと、このテストで大切なのは正解を答えることではありません。成人発達障害当事者であっても、かなりの方は認知レベルも上がり、経験から状況を推理する能力をお持ちで、正解を導けた方は沢山いらっしゃったでしょう。しかし、その認知パターンや要する時間には違いがあります。このあたりを次回から、分析していきます





皆さんはこちら↓を使って、自己採点お願いします。


①クリスマスの場面であることに気付いた。(赤い靴下・クリスマスリース・雪だるま・暖炉などから) 10

②女の子が持っているもの(あるいは、前に散らばっているもの)が、クリスマスプレゼントであることに気付いた。 10

③女の子が喜んでいることに気付いた。 20

④クリスマスの朝であることに気付いた。(女の子の服装・行動から) 20

⑤絵の右下の縞模様が、親のパジャマの足であることに気付いた。 20

⑥女の子が⑤の親に話しかけている(もしくは、プレゼントを掲げている)のに気付いた。 20

⑦女の子のプレゼントが、恐らく、寝ている間にサンタさんから届けられたものであることに、気付いた。(女の子の服装や、プレゼントを親に掲げているあたりから、想像できますね) 加点 20点。

 

さて、みなさんは何点とれましたか?

また、答えを導くのに、何秒かかりましたか?


(他にもコメントやメールで回答を寄せていただいた方々、ありがとうございました。

ぎょんげへさんへ「ひねりなんかなく、そのままで良かったのですよ。ご参加ありがとうございました・・・・^^。」


さて、今日はここまでとて、次回以降、A~Dさんの認知について分析していきます。



予告しておきますと、このお三方のご解答を見ると、定型発達と発達障害の認知に違いが見えてきます。


簡単に言うと、「効率よく認知し、オートマティックに情報収集と推理をしているかどうか」という点に違いがあります。また、逆の言い方をすると、「発達障害の当事者さんも、大人になり成長してくると、認知のゆがみや想像性の障害を克服して、定型と同じ推論が出来る可能性が充分にある」ということも言えると思います。




ただこれが、当事者さんにとって、発達障害が抱える悲劇性を強化している側面もあります。


本人は、特性を補うべく、

経験を積み、試行錯誤して、

ようやく社会適応の為に必要な認知能力を

獲得してこられたのだと思います。

しかし、外見からは、その苦労や、

同じことをするにも、長い時間を要したり、

精神集中で成し遂げているのに、

それをわかってもらえないという悲劇です。


そして、まだ克服できていない苦手が露呈したときに

あんなに出来る君が、どうしてそんなことをしてしまうの?」

と責められてしまう現実です。



「出来ている」といっても本人は、懸命に真面目に取り組んで、時には過剰適応まで起こしているケースもあります。そして、「出来ない事」は、どんなに真面目に取り組んでも出来なくて困っているのに、極端な能力差を「怠けている」とか「むらっ気が強い」「やる気にかける」と取られる悲しみです。



このテストは、そうした事実を世間にお示しするところも目的としております。

次回以降の記事をおたのしみに・・・。



みなさんのクリックが大変励みになります!

ぜひ、ポチっとご協力をお願いします。



にほんブログ村 メンタルヘルスブログ 発達障害へ    にほんブログ村 メンタルヘルスブログ 広汎性発達障害へ




いいね!した人  |  コメント(0)

テーマ:

日本ブログ村 「広汎性発達障害部門」人気記事ランキング 5位獲得! 

「クリックしてくださった方々、ありがとうございます!」



さて、ここで、みなさんにひとつ質問です・・・・というかテストです。

下の写真は、「一体何の写真でしょう。この写真を見て感じたことをお答えください。」

(ブログと記事の構成上、一応、別記事として分けるために再投稿しています。以前UPした画像と同じです。)




kh-net 旧HP管理人のつぶやき-pic_c_jpg

クリックすると、大きな画像で見る事が出来ます。


【視知覚認知テストからみる発達障害のこだわりの実例  目次】

(1)出題

(2)正解ご披露!

(3)Aさんの認知(発達障害のこだわりの原因)

(4)C君の認知(認知のゆがみの実情)

(5) C君の認知(10歳頃の成長の不思議)

(6) Bさんの認知(凡化とは異なる精査の仕方)

(7) Bさんの認知(成長し続ける認知能力)

みなさんのクリックが大変励みになります!

ぜひ、ポチっとご協力をお願いします。

日本ブログ村 「広汎性発達障害部門」人気記事ランキング 5位獲得! 

「クリックしてくださった方々、ありがとうございます!」




にほんブログ村 メンタルヘルスブログ 発達障害へ    にほんブログ村 メンタルヘルスブログ 広汎性発達障害へ
いいね!した人  |  コメント(2)

[PR]気になるキーワード