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さて、今日は、5項目の最初として、安定就労を目指すところで、大切な要素と成る「自尊心」について考えてみたいと思います。(この記事は連載記事です。→こちら


ひと言で「自尊心」といいますが、ぼくはこれを「自己肯定感」と「自立心」に分けたいと考えています。というのも、発達障害に「自己肯定感」が大切なのはよく言われるところなのですが、実際、社会適応や安定就労をしていくところでは、それだけではなくしっかりとした「自立心」が共存して、始めて可能になるように思うのです。


特に発達障害の方には、そこが大切なように感じるのです。


【1-1.自尊心・・・自己肯定感】

では、まずそのうちの「自己肯定感」です。


月並みなのかもしれませんが、

ある種これに尽きるともいえるくらい大切な事だと、感じます。


発達障害の安定就労にとっての最大の敵は「二次障害」です。二次障害は、うつ病やパニック障害・睡眠障害や、場合によってはパーソナリティー障害・統合失調症などに発展し、安定就労どころか、社会生活すら出来ない状況を作ってしまいます。


二次障害の主な原因として、「積み上げられた自己否定」があるのは、よく言われるところです。発達障害の当事者にとって、「自己否定」は全ての行動をしばってしまう「鎖」であり、「重石」です。また、防衛的な自分を作ってしまうことになり、「鎧」を着込むことにつながります。


でも、二次障害は精神疾病なので、

発達障害本来の障害特性ではありません。

つまり直せる病気だという事です


ただ、この病気は、大抵の場合、

薬だけで治せるものではないと僕は考えます。

薬を補うものは何かと言うと、「体験」「経験」です。

「自己否定」を積み上げ、

鎖や重石・鎧で塗り固めてしまった自分を

作り直すだけの「体験」「経験」です。


以前ここの記事でも書いた事がありますが、

発達障害の方にとって、

頭で理解して、ただそれだけで人生を変えていくのは、

どうも難しいようなのです。

自ら「成功体験」を積み重ねて

「自己肯定感」を「経験」として積み上げることこそが、

「鎖」や「重石」にしばられず、

「鎧」を着なくても生きていける自分をつくることに繋がるようなのです。



まだ、幼い子であるなら、二次障害を起こさないように「成功体験」をスモールステップで積み上げ、「自己肯定」をしっかし根付かせてあげて欲しいと思います。


もし、既に二次障害を起こしてしまっていたとしても、その方は決して悲観する必要はないと考えます。疾病は治せるので、必要に応じた適切な投薬治療と、「経験」の積みなおしで「自己肯定感」を取り戻していただきたいと思います。



【1-2.自尊心・・・自立心】

さて、発達障害に「自己肯定感」が大切なのはよく言われるところですが、ぼくはそれだけでは安定就労にはつなげられないと感じています。もうひとつ大切なのが「自立心」だと感じています。


悲しい現実として、発達障害の当事者さんには依存的な人が多いように感じます。人の言う事に引きずられやすく、また自己判断を人任せな方も少なくありません。中には、「なんでも人のせい」と考えるタチの方も居るようです。


障害特性として、想像性に困難があり、また状況把握や状況説明に苦手があるため、つい人に依存的になったり、判断を人に頼ることが多くなるのかもしれません。確かに、障害特性のところで、複雑な状況を把握する事が難しいことは、僕も否定しないのですが、難しいことや出来ないことの指示を支援者に頼るのは良いとして、何もかも人に依存的な態度というのは、職場で致命的な阻害要因になると、僕は考えています。


こうした依存性や自己判断が出来ない性質は、

仕事をこなす上でも上手くいかない事が多く、

また、非難や叱責に対しても脆弱な自己の原因となりやすいからです。


自分で判断し、自分で決断していくチカラは、

自分が生きていく上での行動基準や判断基準を、

しっかりとした強いものにしていきます


定型発達が成人する時に、

だんだんとしっかりしていくところには、

この要素が大きく関わっているように感じるのです。


依存心が強く、決断力が弱いという事は、

「自立心」が弱いという事になり、

他人の言動に影響されやすく、

他社に依存的で、

周囲からの影響に揺るぎやすい人格へと

繋がるように思うのです。


障害特性ゆえにこうした事は起こりやすいのですが、

決して全ての当事者さんがこうなっている訳ではなく、

またこうした傾向が弱い方ほど、

社会適応し、安定就労しているところを見ると、

親や支援者の働きかけや、

本人の自覚の芽生えのところで、

発達障害を持っていても、

しっかりとした「自立心」を育てることは出来ると考えるのです。


【自己肯定感と自立心は、行動力の両輪】

人にとって、「自己肯定感」と「自立心」は、その行動を支える基本になるものだとぼくは考えます。車に例えれば、両輪に当たるものだと考えるのです。


「自立心」があるということは、

自分の行動を自分で判断し、

自分の行動に責任が取れるという事です。


そして、こうした姿勢を支えるのが「自己肯定感」だと考えるのです。


自分を否定していては、決して自分を信じることが出来ません。

自分を信じられてこそ、

自信を持って判断をしていき、

自分のやる事に信念をもてるのだと思うのです。


こうしたことは、障害のあるから出来ないのではなく、

発達障害の多くの特性を抱えている自分であっても、

社会を前向きに生き抜くチカラに成ると思うのです。


では、今日はここまでとして、次は「判断力」について考えていきたいと思います。




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