ぼくは幸いにして、この２年４ヶ月の間に、二つの支援団体で当事者さんとのかかわりを多く持たせていただきました。またその中でも、大人の当事者との関わりは、息子の将来を考えていく上で、沢山の経験として積みあがってきているように感じています。もちろん、それらはまだ完了したものでもなく、完成したものであるわけもないのですが、これを一人の知識として持つのではなく、ここに書いていくことで、皆さんとの共有知識として暖めていけたらと思っています。そのところで、「発達障害児の社会適応の為に、親が出来ること」というシリーズで、これから書いて行きたいと思います。
さて、「社会適応」と簡単に書きましたが、
ここでは、次の３つを定義としてあげたいと思います。
1.沢山でなくとも良いから、心許せる友人が居ること
2安定就労が出来ること
(3).安定した家庭を築けること
月並みですが、こうしたことは親の願いとして、
皆さんが思い浮かべることではないでしょうか。
上の３つを見て、「おやっ！？」と思われた方がいらしたでしょうか。
３だけが、（）付きなんですよね。
3って、要は「結婚」と言うことになると思うのですが、
この部分に関しては、僕にも一人の親として、
当然、願望としてあるものの、
それが、発達障害の当事者本人にとって、
絶対不可欠なものかどうか・・・というと、
今は迷いがあったりします。
また、自分の息子個人として考えた時に、
彼がパートナーを見つけて人生を歩んでいくのが良いのか、
それとも独身でやっていった方が良いのか、
それは彼自身が決めることであって、
また、結婚していないからと言って、
社会適応していないとは、全くいえないとの思いから、()を付けています。
さて、話は変わりますが、
定型発達の人生と、発達障害の人生で、
ひとつ決定的に違うものを挙げるとするならば、
僕はそれを、
「発達障害は、『自分』と言うものを、
まるで積み木ブロックを組み立てるように、
ひとつひとつ丁寧に、
自分自身で造らなければならない」
・・・と表現したいと思います。
もちろん、定型発達もこのプロセスを経て大人になるわけですが、
それは社会にもまれる中で、ことさら自覚することも無く、
積みあがって確立されていくのだと思うのです。
しかし、発達障害の場合は、
こうしたことはオートマティックには完成されないので、
自分で言語化した人生観を、
自分でひとつずつ積み上げて、
自分自身を作っていかなければならないということです。
（うぬぬ・・・すでに、予想外の展開です。
この記事がこんな展開になるとは、
正直、書き手も戸惑っています。
ちょっと、大風呂敷すぎますね・・・あせっ）
定型であれば、学校やクラブ活動・職場などで、
社会にもまれる中で自然と確立する「自分」というものが、
発達障害の場合、そうは行かないように感じるのです。
そんなところで、発達障害児を育てる親としては、
単に、学校で成績優秀なら大丈夫とか、
エスカレーターの学校に入れたので何とかなるだろう・・・では、
お子さんは、まず間違いなく、つまづくことになるだろうと感じます。
個性的な彼らには、
ほんとうに一杯の可能性が秘められていると思うのです。
ただ、それは日本的な教育システムに、
ただ漫然とのせているだけでは、
うまく彼等の長所が伸ばされていくことは、
まず難しいと感じるのです。
ここまで書いて、なんだか、本当、
随分と大風呂敷になってしまいましたが、
（ここまで書いて、正直、かなり焦っています・・・ははっ）
ぼちぼちと、徒然なるままに、
思うところを書いていってみたいと思います。
このシリーズは、連載と言うよりも、
ライフワークに近いものになるような気がします。
末永く、ぼちぼちと、是非、お付き合いくださいね。
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