2006-08-06 00:42:03

成川一郎氏の「漢方製剤の偽装」を読んで感じたこと

テーマ:漢方と漢方薬の誤解

 建築業界の耐震強度偽装問題になぞらえて「漢方製剤の偽装」という本の題名であるらしい。

 市販される各種漢方薬のエキス製剤や医療用漢方製剤の偽装問題、すなわち煎薬に比して、一日量があまりにも少なすぎて効力に疑問のある製剤が多いという問題のお話。

 

 このことには誰も気付いてなかったということだが、小生のような三十五年近い古株?にとっては、まったく常識的なことであって、今更何を、という感無きにしも非ず。


 葛根湯の力価ばかりを云々しても、はたして葛根湯がそれほど風邪に効きますかね~~?と、そちらの方に疑問を呈したほどだ。

 確かに漢方製剤の品質問題をこれほど徹底的に研究された成川氏には頭が下がり、この分野ではとても貴重な資料となっていることと思われる。


 それだけに成川氏に、もっと注目して欲しいものが、日本漢方で使用される生薬の錯誤問題である。このためにどれだけ漢方処方の効力を低下せしめているか、ということにも目を向けて欲しいということだ。


 生姜と乾姜と煨姜(わいきょう)モドキの錯誤問題。


 漢防已と清風藤の混同問題。


 桂皮と桂枝の錯誤問題。


 人参と党参と竹節人参の問題。


 蒼朮と白朮の錯誤問題。


 浜防風と漢防風の混用問題。


 これらを正しく使用するか、あるいはこれまで通り錯誤したままの漢方製剤が引き続き作られるとしたら、こちらのほうこそ重大問題であり、偽装問題以上の大きな問題が含まれているような気がしてならないのだが、どうだろう。


 ひるがえって、漢方製剤の優劣は各メーカー間でも、各方剤毎に異なり、また重要なことはエキス配合量が二分の一だからといっても、満量配合の製剤よりも効力が遙かに優れた製剤も多い事実をご存知だろうか?(猪苓湯などで顕著!)


 たとえば、これは既に十年くらい前に「和漢薬」誌などにも発表したことだが、顔面に生じた慢性の皮膚疾患に、医師の出された医療用のツムラ猪苓湯とツムラ茵蔯五苓散の配合で全く無効であったものが、市販されているエキス量二分の一の猪苓湯とエキスと粉末が混合された茵蔯五苓散の併用によって比較的速やかな効果を示した例など、患者さん御本人と、主治医に薬剤師2名によって、何度も確認したものである。

 さらに最近しばしば遭遇することだが、複数の女性が医療用のツムラ猪苓湯エキスを出され、小生から見ても適切な投与であると思われるのに、一向に効かないからもっといい漢方薬が欲しいという要求に、濃度は二分の一だが効力の点では長年信頼している某メーカーの猪苓湯エキス製剤を試してもらったところ、速やかな効果を得ている事実をどう解釈すべきだろうか?


 濃いければ良いという問題でもなく、配合生薬の品質問題にも大きく左右されることを忘れてはならないと思うのである。


 以上、様々なことを考えさせてくれる優れた書籍だけに、絶賛するだけに終わらずに、近接する諸問題にも敷衍させてもらった。


関連サイトの記事:http://m-kanpo.ftw.jp/u50272.html#60806

関連HP:間違いだらけの漢方と漢方薬

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