食べたものが上手に処理できずに、

体に不調を来している状態を食積と言います。

 

食積には防風通聖散を使います。

 

大黄、芒硝、甘草は承気湯で、

胆汁を通して大便から食毒を排出します。

 

麻黄、荊芥、防風、薄荷は発汗作用に働きかけますので、

汗として排出します。

 

滑石、山梔子は尿に排出します。

 

桔梗は去痰作用で気道から外へ出します。

 

防風通聖散は体の色々なルートを通じて

毒物や余ったものを体外に排出させます。

 

 

血液中の毒は肝臓で解毒されます。

 

肝臓は食事で吸収されたものの代謝も行います。

 

食事の質が悪いと肝臓の働きが増えて

解毒に手が回らなくなります。

 

また質が良いものでも、

量が多すぎると解毒の力が弱まります。

 

アトピーなどの皮膚病は、

質の良い食べ物を食べ過ぎないのが、

良くなる基本です。

アトピーなどの皮膚病は

皮膚からの毒の排泄です。

 

毒の原因は食べ物です。

 

食べ物は胃で消化されて、

小腸で吸収され、

大腸で便となり排泄されます。

 

吸収された食べ物は肝臓で代謝され、

血液に乗って全身を巡ります。

 

肝臓の解毒能力の限界を超えると、

毒が体中を巡る事になります。

 

その毒を排泄するの場所が皮膚です。

 

アトピーは毒を体外に排泄してくれている

ありがたい病気なのです。

 

アトピーは先ず食事を変えないと治りません。

自汗の特殊なものに盗汗があります。

盗汗とは寝汗の事です。

 

起きている時は汗をかかず、

寝ている時に汗をかきます。

 

これは陰虚の症状の一つです。

 

陰と陽はバランスがとれているのが

健康な状態です。

 

陰虚とは陰が陽に対して少ない状態をいいます。

 

陽気は覚醒時には体表を巡って体の防衛に働き、

睡眠時には体内で内臓などの組織の修復にあたります。

 

陰が陽に対して相対的に少ないと

陽が余ってしまい、

その余分な陽が寝汗となって

体外に放出されてしまうのです。

 

 

汗の調節は衛気が行っています。

 

汗腺を漢方では腠理といい、

腠理の開閉で汗の調節をしています。

 

汗にも虚証の汗と実証の汗があります。

 

虚証の汗とは、

衛気が少なくて腠理を閉じる事が出来ず、

開きっぱなしになっているので、

ちょっとした運動などで、

汗が出てきます。

自汗と言います。

 

自汗には黄耆が入った漢方薬を使います。

防己黄耆湯、玉屏風散、桂枝加黄蓍湯、黄耆建中湯、

補中益気湯などです。

くしゃみ、鼻水が出て、冷えが強い場合、

小青竜湯に附子を混ぜるか、

麻黄附子細辛湯を合方します。

 

麻黄附子細辛湯は、

麻黄、附子、細辛の三味から出来ていて、

風邪の初期、

のどがチクチクして寒気があり、

症状がそんなに激しくない時に使います。

 

小青竜湯には麻黄、細辛が入っているので、

附子を加える事で、

麻黄附子細辛湯の合方にもなるのです。

 

冷え性の花粉症には良く効きます。

小青竜湯は、

くしゃみ、鼻水、咳の時に使う漢方薬です。

 

最近は花粉症でよく使われるようになりました。

 

体に冷えと水滞があって、

風邪や花粉をきっかけにして、

くしゃみや鼻水が出ます。

 

乾姜、細辛、桂皮で体を温めながら、

麻黄、芍薬、半夏で水を内側に引き込み、

五味子で収斂して鼻水が漏れるのを防ぎます。

 

小青竜湯は眠くならないので、

冷え、水滞がある人の花粉症には

とても重宝します。

麻杏甘石湯は

傷寒論では汗が出て喘する者に

使うように書いてあります。

 

汗で風邪を追い出すのに失敗して、

邪が肺に入って邪正闘争で

肺に熱を持って呼吸困難が起きている時に、

麻杏甘石湯がいいよと書いてあります。

 

麻黄を発汗に使うのは良くないのではないか

と思われますが、

麻黄は衛気を走らせるだけで、

発汗の作用は弱いのです。

 

麻黄湯や葛根湯のように、

麻黄と桂皮の組み合わせで発汗させます。

桂枝湯は葛根湯、麻黄湯のように

無汗の風邪ではなく、

自汗の風邪のひきはじめに使います。

 

自汗とは暑くもないのに汗が出たり、

ちょっと動いただけで出る汗の事です。

 

汗は汗腺から出ますが、

衛気が汗腺の開閉をコントロールしています。

 

衛気が少ないと感染が開きっぱなしになって

汗が漏れ出てきます。

 

桂枝湯を風邪の初期に使う人は、

衛気が少なく、

風邪が侵入しやすい人です。

 

普段から汗が出やすいので、

葛根湯や麻黄湯のように、

強力に発汗させる薬を使うと体力が失われてします。

 

桂枝湯は体の内部を整えて、

風邪を内部に侵入させないようにして、

少しずつ汗で追い出します。

 

桂枝湯は発汗させる力が弱いので、

桂枝湯を飲んだ後

布団をかぶって汗を出すように指示があります。

麻黄湯も葛根湯と同様に

風邪を汗で排泄します。

 

最近ではインフルエンザに

麻黄湯を使う場面をよく見かけます。

 

麻黄湯も発汗するまで飲まないと、

効果がありません。

 

麻黄湯は葛根湯よりも強力に発汗させます。

 

老人や虚弱な人には注意が必要です。