なりたて看護師の試験対策ブログ

看護師の国家試験を受験する前に学ばなければいけない事や、知っておいて損のない情報を垂れ流しています。なにかの参考になれば幸いです。かなーりマニアックな内容ですので専門用語ばかりです全部説明はしていられないのでフツーの人は外国語感覚でサラっと流してくださいな


テーマ:
尿失禁患者の標準看護計画



尿失禁とは

 尿失禁は尿禁制がとれた状態であり「尿の漏出が社会的ないし衛生的に問題であり、しかも他覚的に認め得る状態」をいう。尿失禁の発生は、膀胱や尿道、脊髄や中枢神経系における排尿機構そのものに異常があって起こるばかりでなく、ADL障害や痴呆などにより排尿動作が適切になされない場合にも起こる。特に高齢者では2つの原因が絡まって複雑な状態で発生することも多い。


子どもの前でやってはいけないこと55

アセスメントの視点

 尿失禁は、身体的、心理的、社会的に患者の生活に大きな影響を及ぼし、尿失禁の世話をしている家族の生活にもさまざまな影響が出てくる。また、尿失禁ケアが不充分であると尿路感染症や褥創を引き起こす原因となる。さらに溢流性尿失禁は放置しておけば、腎不全を起こす。従って、尿失禁の発生を予防し、かつ発生した尿失禁に対しては素早く適切な対応をして、失禁を改善していくことが大切である。


症状

 1)腹圧性尿失禁
 腹圧が一過性に上昇するような咳、クシャミ、笑い、立ち上がるなどの動作の際に尿が不随意的に漏出する状態をいう。腹圧の上昇に伴い受動的に膀胱内圧が上昇するが、尿道括約筋機構に欠陥があってこれに耐えられないために起こるもので膀胱排尿筋の収縮は認められない。主に中年以降の女性に多く、妊娠4回以上の経産婦に有意に多い。また、経尿道的前立腺切除術後、前立腺摘出術後、膀胱脱、子宮脱などとも関連がある。
 2)切迫性尿失禁
 一度尿意を催すと、我慢して排尿を引き延ばしておくことのできる時間が短くなったために速やかに排尿しないと漏らしてしまう状態をいう。うまく排尿していれば頻尿、尿意迫にとどまる。
(1)運動切迫性尿失禁
大脳の排尿中枢の障害による排尿の抑制不能のために起こる。原疾患として脳硬塞、脳内出血、痴呆、脳腫瘍、多発性硬化症、パーキンソン症候群などがある。
(2)感覚切迫性尿失禁
下部尿路疾患(急・慢性膀胱炎、膀胱腫瘍、膀胱結石、初期の前立腺肥大症、尿道炎など)による排尿の抑制不能のために起こる。
 3)溢流性尿失禁
 腹圧の上昇や腎よりの尿の流入による膀胱内の尿量の増加により膀胱内圧が上昇したために、膀胱から尿が押し出されて漏れて出る状態をいう。尿閉が続いたために膀胱壁が過伸展するのみならず、尿道括約筋機構にも影響をきたし膀胱内圧の上昇にわずかながら耐えられなくなった状態である。高度の前立腺肥大症、前立腺腫瘍、直腸癌・子宮癌術後、抗コリン剤やジソピラミドなどの薬剤が関連している。
 4)反射性尿失禁
 少量の尿がたまると尿意なしに不随意に尿が漏れる状態をいう。脊髄の排尿中枢よりも上位における完全な損傷(脊髄損傷、腫瘍など)のため、膀胱からの尿貯留の連絡が脳に達することなく、脊髄の下部排尿中枢を経由する短絡的な経路で膀胱に戻り排尿命令が出されるという形をとる。
 5)真性尿失禁
 尿意なしに尿を漏らす状態をいう。反射性尿失禁や完全尿失禁、また意識障害や情緒障害における錯乱状態や知能障害による尿失禁は真性尿失禁といえる。ただし、知能障害によるものは尿意を感じているか分からず判定できないことが少なくない。
 6)完全尿失禁
 膀胱内に尿を全く貯留することができないためにほぼ連続的に漏らす状態をいう。尿道括約筋の完全損傷によるもので、外傷、前立腺手術後、長期バルンカテール留置による萎縮膀胱などが原因として挙げられる。
 7)不完全尿失禁
 膀胱内に貯留した尿を何らかの形で不随意的に排出する状態をいう。完全尿失禁以外の腹圧性、切迫性、溢流性、反射性尿失禁を合わせたものと考えてよい。
 8)機能性尿失禁
 泌尿器科的には異常はないが、認識力、および肉体的機能、精神的な意欲、又は、環境的な障害のために尿器使用ができないことによる尿の漏出をいう。
(1)知能障害による尿失禁
 直接的に尿失禁を来す疾患として、正常水頭圧症、パーキンソン病に伴う痴呆、脳血管性痴呆が挙げられる。また、知能低下は基礎に頻尿状態がある場合、尿失禁の間接的促進因子として重要である。
(2)情緒障害による尿失禁
 精神的な錯乱状態や欲求不満、不安、怒り、恐怖など種々の心理的不安定に基づく意識的ないし無意識的に行われる異常な場所での排尿という形の尿失禁がある。
(3)意識障害における尿失禁
 重症、熱性疾患による錯乱状態などの意識障害がもとでは、溢流性尿失禁ないし外見的には反射性尿失禁のような何らかの形の尿失禁となっている。
(4)ADL障害による尿失禁
 ADL障害に頻尿のような素因因子が素地にあると促進因子として働いて尿失禁に発展する可能性がある。


検査

・ 問診
・ 一般神経学的検査
・ 検尿:尿感染(濃尿の有無)、尿糖が特に重要
・ 外陰部の診察:尿失禁による皮膚炎の程度と範囲をみる
・ 尿失禁定量テスト
・ 内視鏡検査
・ 排泄性腎盂造影(IVP)
・ 排泄時膀胱尿道撮影(VCG)
・ 膀胱造影(CG): 腹圧性尿失禁を疑う症例では鎖尿道膀胱造影を行う
・ 膀胱内圧測定
・ 尿道内圧測定
・ 尿流量測定
・ 尿道括約筋筋電図


治療

 1)薬物療法
(1)反射性及び切迫性尿失禁
膀胱平滑筋の弛緩を惹起する抗コリン作用のある薬剤が用いられる。
(2)腹圧性尿失禁
尿道を収縮させる作用のあるα刺激薬や三環系抗うつ剤が用いられる。これらに加えてβ刺激薬が有効であるとの報告もある。
(3)溢流性尿失禁
尿道抵抗を下げる意味でα遮断薬が用いられる。

 2)手術療法
(1)恥骨後式手術
(2)内視鏡的膀胱頸部つり上げ術
(3)スリング術
(4)経腟的手術
(5)尿道周囲注入術

 3)骨盤底筋訓練
 骨盤底筋訓練は、腹圧性尿失禁が軽症で、患者の年齢層が若く、十分な動機づけがなされている場合により効果をあげやすい。手術をした場合でも、再発予防の意味で骨盤底筋訓練を続けることは有用である。また、改善効果の出た後も、生活習慣として一生継続するよう指導する必要がある。

 4)自己導尿法
 神経因性膀胱の慢性期の尿失禁や、術後尿閉となった場合、また残尿がある場合に対して行われる。



看護計画(術前)


Ⅰ.アセスメントの視点(術前)

 尿失禁定量テストが10g以上でかつ尿失禁の日常生活への影響が大きいものは手術の対象となることが多い。手術は、患者への侵襲の少ない針式膀胱頸部つり上げ術(ステイミー法など)が選択されることが多い。関連症候群がある場合は、それに対する手術も同時に行うことが大切である。腹圧性尿失禁などは中高年の女性に多く、精神面へのケアが重要となる。


Ⅱ.問題リスト(術前)

#1.不安
   〔要因〕・入院による環境の変化
       ・尿失禁に対する不安
       ・疾患及び検査、治療に対する情報不足
       ・尿の臭いに対する気がね
       ・回復に対する期待
       ・仕事の維持が困難
       ・社会的役割の変化(社会的孤立への心配)

#2.排尿パターンの変調
   〔要因〕・尿道筋に分布する神経障害
       ・排尿自立への意欲の低下

#3.自己尊重の障害
   〔要因〕・疾患の理解不足

#4.尿路感染
   〔要因〕・尿漏れによる陰部汚染


Ⅲ.看護目標(術前)

1. 2. 3. 精神的に安定した環境の調整ができる。


Ⅳ.看護問題(術前)

#1.不安
   〔要因〕・入院による環境の変化
       ・尿失禁に対する不安
       ・疾患及び検査、治療に対する情報不足
       ・尿臭に対する不安
       ・回復に対する期待
       ・仕事の維持が困難
       ・社会的役割の変化(社会的孤立への心配)

  &不安が軽減又は消失したことを言葉で表現できる。
   不安や羞恥心をもたず排尿行動がとれる。
  $手術前日


-1.以下のことを観察し、アセスメントする
     1)排尿様式(失禁の程度)
     2)失禁対策の状況(おむつ使用、集尿器使用、尿器使用)
     3)排尿行動の状況(自立しているか、介助が必要か)
     4)精神状態(不安、当惑、恐怖、羞恥心の有無と程度)
     5)睡眠状態
     6)食欲、食事摂取状況
     7)活動状況

-1.対象に合った排尿様式と排尿行動の援助を行う
  2.患者の抱えている問題を受け止め励ます
  3.排尿行動に対する環境調整として以下のことを行う
     1)プライバシーの確保
     2)トイレに近い部屋、入り口に近いベットにする
     3)室内にポータブルトイレを置く
     4)保温に気をつける
  4.失禁に対する器具類の選択の援助を行う
  5.睡眠がとれるように、水分は昼間に多く摂取し就寝前は飲まないよう調整する
  6.尿失禁しても大丈夫なように、ベットに防水シーツを敷いて安心させる
  7.失禁を訴えた場合は、待たせることなくすばやく援助する
  8.日常生活がスムーズにいくように、個人に合った排尿訓練を行う

-1.自分が思うほど他人は尿臭などを気にしていないことを話す
  2.夕食後の水分摂取は控える、適度の運動を行う等、睡眠がとれるような方法について指導する

#2.排尿パターンの変調
   〔要因〕・排尿筋に分布する神経障害
       ・排尿自立への意欲の低下

  &尿失禁がなくなる。
   自然排尿ができる。
   不眠、疲労が出現しない程度の尿回数になる。
  $手術前日


-1.以下のことを観察し、アセスメントする
     1)尿失禁の程度
     2)排尿時痛、違和感、残尿感、排尿状態(回数、量、性状)
     3)不眠、疲労感の有無と程度
     4)排尿に関する患者の訴え

-1.陰部の清潔保持に努め、尿漏れ、下着の汚染の状態をみて、陰部の清拭・乾燥、下着交換等の援助を行う
  2.夜間、尿意切迫のある場合は、不眠、疲労を軽減するため尿器、ポータブルトイレの使用を勧める
  3.プライバシーの保護に努め、室内環境を整える

-1.夜間の尿意切迫に対して不眠、体力の消耗を軽減するための工夫について指導する
    (安楽尿器・ポータブルトイレの使用、水分はできるだけ日中に摂取するようにする)
  2.陰部の清潔の必要性について説明する

#3.自己尊重の障害
   〔要因〕・疾患の理解不足

  &疾患による尿失禁を受容できたことを言葉で表現できる。
   排尿コントロールができる。
  $手術前日


-1.以下のことを観察し、アセスメントする
     1)言葉による表現、表情、態度、動作
     2)疾患の理解度
     3)排尿状態(排尿回数、時間、排尿量、残尿感の有無)
     4)尿失禁の状態(失禁量、おむつの使用状況、集尿器使用の有無と種類、尿器使用の有無)
     5)排尿様式(自然排尿、失禁等)
     6)尿の性状(血尿の有無、混濁の有無、悪臭の有無)
     7)皮膚の状態(外陰部の発赤、褥創の有無)
     8)水分摂取状況
     9)精神状態の観察
     10)バイタルサイン
     11)コーピング
     12)サポートシステム

-1.的確な情報を提供し、共感的な態度で接することで尿失禁に対する受容を促す
  2.精神的苦痛・不安を除去するため以下の援助を行う
     1)排尿行動に対する説明、激励、調整
     2)環境の調整、器具類の選択

-1.指示された治療は続けるように励まし、困ったことはいつでも相談してよいことを話しておく
  2.1日の飲水量、飲水時間、排尿時間、尿量、失禁量を記入するよう指導する

#4.尿路感染
   〔要因〕・尿漏れによる陰部汚染

  &感染を起こさない。
   感染の徴候が早期に発見され、速やかに対処できる。
   感染時の随伴症状が軽減または消失する。
   腎機能が保持されている。
  $手術前日


-1.以下のことを観察し、アセスメントする
     1)排尿様式(自然排尿、失禁性排尿等)
     2)排尿状態(尿の性状・回数・量)
     3)発熱の程度、熱型、悪寒戦慄の有無
     4)水分摂取状況
     5)腎機能
     6)感染の誘発に関する以下の項目
       (1)外陰部の皮膚の観察
       (2)飲水との関連
       (3)失禁パット交換頻度

-1.感染予防のため身体(特に陰部)の清潔保持に努める



看護計画(術後)


Ⅰ.アセスメントの視点(術後)

 内視鏡的膀胱頸部つり上げ術とは、恥骨上から長い針を腟前壁にむかって刺入し糸を通し、腟壁、膀胱腟隔壁などを下方の支点、腹直筋筋膜を上方の支点として膀胱頸部をつり上げる方法である。術後、排尿筋の緊張が回復するまで尿閉などの排尿困難の可能性があり、自己導尿が必要となることもある。また、膀胱頸部の挙上の具合によっては、再び尿失禁の起こる恐れがある。このような場合、排尿や生活を主体的にうまくコントロールして、より豊かな充実した生活を送ることができるように支える必要がある。


Ⅱ.問題リスト(術後)

#1.疼痛
   〔要因〕・手術による組織の損傷
       ・術後の体動制限
       ・尿道バルンカテーテルの挿入
       ・不安、緊張による精神的要素

#2.排尿パターンの変調:尿閉、頻尿
   〔要因〕・膀胱刺激症状
       ・排尿筋の過緊張

#3.尿路感染
   〔要因〕・術前からの尿路感染
       ・尿道バルンカテーテル挿入による逆行感染
       ・尿道粘膜の炎症
       ・残尿
       ・膀胱尿充満(膀胱内に長期停滞)

#4.尿失禁
   〔要因〕・腹直筋筋膜の脆弱さ
       ・膀胱頚部の挙上の程度


Ⅲ.看護目標(術後)

1. 術後合併症の発症がなく早期に回復できる。
2. 3. 術後状態の変化が理解でき、体力の回復とともにセルフケアができる。



Ⅳ.看護問題(術後)

#1.疼痛
   〔要因〕・手術による組織の損傷
       ・術後の体動制限
       ・尿道バルンカテーテルの挿入
       ・不安、緊張による精神的要素

  &手術に伴う身体的苦痛が緩和され、日常生活が安全、安楽に行うことができる。
  $術後7日

-1.以下のことを観察し、アセスメントする
     1)痛みの部位、程度、頻度、持続時間
    2)尿道バルンカテーテルの挿入状態
    3)尿道バルンカテーテルよりの尿流出状態、尿量、状態
    4)バイタルサイン
     5)表情、行動、体位、可動状況、睡眠状況、コーピング状況、性格
     6)不安の有無と程度
    7)身体状況、セルフケア能力の程度とその意欲

-1.必要な処置に対する安楽への配慮
  2.尿道バルンカテーテルの圧迫、屈曲がないよう実際の可動範囲を考慮して管理する
  3.不安が表出できるよう環境作りを行う
  4.頻回な訪室による不安の緩和に努め、精神的援助を行う
  5.自立していないセルフケア行動を援助する

-1.疼痛や苦痛があれば不必要に我慢せず表現できるよう説明する
  2.安楽な体位や体位変換を指導する
  3.不安や疑問はいつでも表現できるように説明する

#2.排尿パターンの変調:尿閉、頻尿
   〔要因〕・膀胱刺激症状
       ・排尿筋の過緊張

  &尿流出が保たれている。
   尿閉や頻尿による疲労感、不眠、焦燥感が軽減または消失したことを言葉で表現できる。
  $退院前日


-1.以下のことを観察し、アセスメントする
     1)排尿状態(回数、量、排尿に要する時間、尿線、1回尿量の変化、残尿感)
     2)夜間の排尿回数
     3)排尿に対する言葉による表現
     4)排尿状態の行動への影響
     5)睡眠時間
     6)食事摂取量
     7)水分摂取の量、時間と夜間の排尿関係

-1.トイレの近い部屋を用意し、ベッドの位置を入り口に近いところにしたり、ベッドの高さを調整する
  2.プライバシーの保護を図る
  3.ベッドサイドに尿器を準備し、安眠を図る
  4.昼間に必要な水分を取り、就寝前の水分摂取は制限する
  5.陰部の清潔を保ち、十分に乾燥させる
  6.残尿が多い場合や尿閉の場合はカテーテルを挿入し、導尿を試みる(自己導尿が継続して必要な場合は、神経因性膀胱の援助計画を参照)

-1.1日に必要な水分の摂取計画を助言する
  2.陰部の清潔の必要性について説明する

#3.尿路感染
   〔要因〕・術前からの尿路感染
       ・尿道バルンカテーテル挿入による逆行感染
       ・尿道粘膜の炎症
       ・残尿
       ・膀胱尿充満(膀胱内に長期停滞)

  &感染をおこさない。
   感染の徴候が早期に発見され、速やかに対処できる。
   感染時の随伴症状が軽減または消失する。
   腎機能が保持されている。
  $退院前日


-1.以下のことを観察し、アセスメントする
     1)排尿様式(尿道バルンカテーテル留置、自然排尿、自己導尿等)
     2)排尿状態(膀胱尿充満の有無と程度、尿の性状・回数・量、残尿の有無と量)
     3)発熱の程度、熱型、悪寒戦慄の有無
     4)水分摂取状況
     5)腎機能
     6)感染の誘発に関する以下の項目
      (1)残尿量との関連
      (2)尿道バルンカテーテルとの関連
      (3)飲水との関連

-1.尿道バルンカテーテルが留置されている場合
     1)留置元を適宜消毒し、ガーゼで被覆し汚染のつど交換する
     2)固定をしっかり行い、屈曲や抜去、逆流を予防する
     3)挿入部、陰部の清潔を保つ
  2.輸液の管理、intake、outputのバランスを図る

-1.自覚症状は我慢せず、すぐ訴えるよう指導する
  2.尿道バルンカテーテルが留置されている場合は屈曲や抜去されないよう体
動に注意することを指導する

#4.尿失禁
   〔要因〕・腹直筋筋膜の脆弱さ
       ・膀胱頚部の挙上の程度

  &尿失禁による苦痛が軽減でき、ADLが充分に行える。
   不眠、疲労が出現しない程度の尿回数になる。
  $退院前日


-1.以下のことを観察し、アセスメントする
     1)尿失禁の程度
     2)排尿時痛、違和感、残尿感、排尿状態(回数、量、性状)
     3)不眠、疲労感の有無と程度
     4)排尿に関する患者の訴え
     5)行動範囲やその状況

-1.陰部の清潔保持に努め、尿漏れ、下着の汚染の状態をみて、陰部の清拭・乾燥、下着交換等の援助を行う
  2.夜間、尿意切迫のある場合は、不眠、疲労を軽減するため尿器、ポータブルトイレの使用を勧める
  3.プライバシーの保護に努め、室内環境を整える。

-1.夜間の尿意切迫に対して不眠、体力の消耗を軽減するための工夫について指導する
    (安楽尿器・ポータブルトイレの使用、水分はできるだけ日中に摂取するようにする)
  2.陰部の清潔の必要性について説明する
  3.重いものを持ったり、腹圧のかかる姿勢や怒責を避けるように指導する
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テーマ:
前期破水患者の標準看護計画



前期破水とは

 前期破水(PROM)とは、分娩開始以前に卵膜の破綻をきたしたものをいう。


アセスメントの視点

 妊娠満期で分娩が開始したあと破水した場合には、あまり問題にならないが、早期産の前期破水では胎児の成熟、特に肺機能の成熟と胎児・母体の細菌感染が臨床上問題となる。妊娠中期での前期破水では、1週間以内に分娩になることが多く早産の原因の3分の1を占めるといわれている。したがって、その診断及び、その後の管理により児の予後もかなり違ってくる。原因はいまだ解明されていないが、前期破水を起こさせると考えられる因子は多数あり以下の通りである。感染(絨毛羊膜炎、腟頸管炎)、頸管無力症、羊水穿刺及び絨毛採取、母体喫煙、母体の電解質・ビタミン不足、性交、内診、前回PROM、外科的処置(頚管縫縮術、妊娠中の虫垂炎の手術、人工妊娠中絶)の既往など、胎児の性別(男児:女児=1.27~1.96:1)、妊娠中の出血、羊水過多、子宮奇形、先天性の胎児異常、胎位の異常(骨盤位)


症状

 羊水の流出(他覚的、自覚的)、破水感、腹部緊満感、性器出血


検査

・ pH測定
・ シダ状結晶証明法
・ 視診、腟鏡診(羊水流出の有無、卵膜の観察)
・ 内診(胎児部分の触知、卵膜を明暸に触れる、胎胞の有無)
・ 超音波検査(羊水腔、児の胎位・発育)・子宮底長
・ 胎児心拍モニタリング(児の状態と子宮収縮状態)
・ 細菌検査(腟培養、羊水培養)
・ 血液検査(WBC、CRP)
・ 羊水検査(シェイクテスト、L/S、マイクロバブル)、胎児肺成熟度


治療・管理

 1.安静
   ・ベッド上安静で羊水の流出防止、臍帯・胎児部分の脱出防止。羊水貯留目的で骨盤高位とすることもある。妊娠週数によりポータブルトイレのみ可、トイレ・洗面可も考慮する。
 2.薬物療法
   ・抗生物質の投与(種類、投与期間に注意する)
   ・子宮収縮抑制剤の投与:薬剤の副作用に注意し、分娩時期を考慮し管理する
    (1)β-受容体作動薬(イソクスプリン、リトドリン)
    (2)硫酸マグネシウム(マグネゾール)
    (3)インダシン
 3.子宮内感染予防
   ・全身、陰部、手指の清潔保持
   ・腟洗浄
 4.胎児のwell-beingの評価
   ・NST
   ・超音波検査
   ・BPS(Biophysical Proflile Scoring)
 5.手術療法
   ・胎児切迫仮死、四肢脱出などの緊急時には帝王切開術が行われる





看護計画


Ⅰ.アセスメントの視点

 前期破水患者においては、破水時の妊娠週数により母児管理が異なってくる。羊水の流出が続けば、細菌感染の頻度が母児ともに増加し、羊水の減少による子宮壁の圧迫で胎児が障害を受ける頻度が高くなる。そのため、まず胎児にとって胎内生活か胎外生活のいずれが望ましいかを評価する事が必要である。児の成熟が十分である場合には、自然経過をみて必要時分娩誘発が行われる。
 待機的管理中は胎児のwell-beingを評価し、胎内生活が望ましい場合はまず安静とし、予防的抗生物質、子宮収縮抑制剤の投与が行われる。前期破水患者の看護において問題となるのがこの時期の管理であり、妊娠継続や生まれてくる児の未熟性に対しての不安も大きくなるため精神面のケアも大切になってくる。


Ⅱ.問題リスト

#1.羊水流出による早産の可能性
   [要因]・破水
       ・子宮収縮の出現

#2.子宮内感染の可能性
   [要因]・羊水流出
       ・腟内pHの低下
       ・帯下の増加による細菌の増殖
       ・妊娠に伴うホルモンの変化
       ・治療による行動の制限
       ・清潔行動がとりにくい
       ・体力低下
       ・STD感染(クラミジア膣炎などの既往)

#3.胎児のwell-beingの低下の可能性
   [要因]・臍帯および四肢の脱出
       ・破水に伴う羊水の減少
       ・臍帯圧迫

#4.前期破水により正常な妊娠経過を辿ることができないことに関連した葛藤と不安の可能性
   [要因]・病状
       ・病状に対する理解不足
       ・妊娠の継続が断たれる可能性
       ・未熟児出生の危険性
       ・加療の長期化
       ・家族のサポート状況
       ・家族の現状の受けとめの程度

#5.セルフケアの不足:清潔、排泄、食事
   [要因]・安静に伴う行動の制限
       ・妊娠に伴う分泌物の増加
       ・努責の厳禁
       ・増大した子宮による圧迫
       ・腸蠕動の低下
       ・運動量低下による便秘

#6.行動制限に関連した心身の苦痛と筋力低下の可能性
   [要因]・安静を強いられることによる、ADLの不足
       ・運動量の低下
       ・精神的苦痛
       ・家族とのコミュニケーション不足

#7.子宮収縮抑制剤による副作用出現の可能性
   [要因]・循環器系への影響
       ・肺水腫出現の恐れ
       ・肝機能障害、無顆粒球症
       ・点滴漏れによる血管炎、静脈炎

#8.持続点滴を長期に行なうことに関連したトラブル発生と苦痛の可能性
[要因]・持続点滴による拘束感
       ・点滴を持続しなければならないことの理解不足
       ・行動制限
       ・不快音がある
       ・入浴ができない

#9.入院により家庭生活における役割行動がはたせないことに関連した葛藤とストレス
   [要因]・入院
       ・家族のサポート状況
       ・家族の現状の受けとめの程度
       ・家族構成


Ⅲ.看護目標

1. 安静の重要性について理解でき、妊娠の継続ができる
2. 3. 4. 5. 子宮収縮抑制剤による副作用に素早く対処し、精神的、身体的苦痛が軽減される






Ⅳ.看護問題

#1.羊水流出による早産の可能性
   [要因]・破水
       ・子宮収縮の出現

  &切迫早産症状が軽減・抑制され、妊娠が継続する
  $胎児の胎外生活が可能であると判断されるまで


-1. 分娩開始徴候の観察
   1)腹部緊満、下腹部痛の有無、程度
   2)ビショップスコア
   3)羊水流出量、色、臭い、混濁の有無
   4)性器出血の有無、量、色
  2.胎児の状態観察
   1)胎児心音・心拍数の状態
   2)ノンストレステスト(NST)
   3)胎動の有無と程度、頻度
   4)超音波による胎児発育状態
   5)肺成熟度評価
  3.母体の一般状態
   1)バイタルサイン
   2)血液データ

-1.腹緊頻発時及び胎児心拍異常時、継続的にNST(CST)施行
  2.症状に応じた安静度の保持
  3.子宮収縮抑制剤の適切な投与、点滴管理
  4.医師より病状と方針の説明をしてもらう
  5.異常時の対応
   1)医師への報告
   2)指示により、安静度の強化、子宮収縮抑制剤の増量
   3)分娩の準備(新生児室及び手術部との連携)
   4)家族への連絡

-1. 疾患と現状を十分説明する
  2.安静の必要性を説明する
  3.腹緊を理解し自覚してもらうために、腹緊時腹部を触れさせて説明する
  4.切迫徴候と関連させて行動できる範囲について説明する
  5.自覚的な腹緊、性器出血など異常時はすぐ連絡するよう説明する
  6.分娩に備え、分娩前教育の実施
   1)パンフレットにより分娩経過などの説明
   2)呼吸法の練習(ビデオなど)
   3)出産のビデオ鑑賞
   4)リラックス指導

#2.子宮内感染の可能性
   [要因]・羊水流出
       ・腟内pHの低下
       ・帯下の増加による細菌の増殖
       ・妊娠に伴うホルモンの変化
       ・治療による行動の制限
       ・清潔行動がとりにくい
       ・体力低下
       ・STD感染(クラミジア膣炎などの既往)

   &清潔の必要性が理解でき、適切な処置により感染をおこさない
   $分娩前


-1.羊水流出量、色、臭い、混濁の有無
  2.バイタルサイン(特に熱型)
  3.胎児の状態
   1)胎児心音・心拍数の状態
   2)ノンストレステスト(NST)
   3)胎動の有無と程度、頻度
  4.検査データ(WBC、CRP、細菌培養)
  5.性器出血・腟分泌物の有無、性状、量

-1.外陰部の清潔保持
   1)陰部洗浄
   2)適宜パット交換
   3)抗生物質の確実な投与
  2.腟洗浄
  3.内診必要時は清潔操作

-1. 身体に異常を感じたときは、すぐ連絡するように説明する
  2.外陰部の清潔保持の必要性について説明する

#3.胎児のwell-beingの低下の可能性
   [要因]・臍帯および四肢の脱出
       ・破水に伴う羊水の減少
       ・臍帯圧迫

  &臍帯および四肢の脱出が予防できる
   胎児仮死の徴候が早期に発見され、安全に分娩が終了する
  $分娩前


-1.胎児の状態
   1)胎児心音・心拍数の状態・変化
   2)CTG
   3)胎動の有無と程度、頻度
   4)超音波による胎児発育状態
   5)肺成熟度評価
  2.臍帯および四肢の脱出の有無
  3.子宮収縮の有無
  4.羊水の量、性状

-1. NST(CST)施行
  2.異常時の対応
   1)医師への報告
   2)指示により安静度の強化、子宮収縮抑制剤の増量、酸素投与、薬剤投与
   3)分娩の準備(新生児室及び手術部との連携)
   4)家族への連絡
  3.医師より病状と方針を説明してもらう
  4.母親を励まし不安を和らげるよう援助する

-1.安静の必要性を説明する
  2.自覚的な腹緊、性器出血など異常時はすぐ連絡するよう説明する
  3.分娩に備え、分娩前教育の実施
   1)パンフレットにより分娩経過などの説明
   2)呼吸法の練習(ビデオなど)
   3)出産のビデオ鑑賞
   4)リラックス指導
   5)帝王切開についてのオリエンテーション

#4.前期破水により正常な妊娠経過を辿ることができないことに関連した葛藤と不安の可能性
   [要因]・病状
       ・病状に対する理解不足
       ・妊娠の継続が断たれる可能性
       ・未熟児出生の危険性
       ・加療の長期化
       ・家族のサポート状況
       ・家族の現状の受けとめの程度

  &不安を表出でき、精神状態が安定する
   分娩前の精神的準備ができる
  $分娩前


-1.病状、現状に対する思い、理解度
  2.表情、言葉、態度
  3.食欲、睡眠状態
  4.分娩に対する意欲
  5.児への愛着
  6.夫や家族の面会状況
  7.分娩、育児用品の準備状況
  8.入院中、産褥期のサポート状況

-1.面会時間の配慮
  2.不安を傾聴、受容し一貫した態度で接する
  3.医師と連携をとり、児の発育状況や状態について説明してもらう
  4.夫や家族の協力を求める(コミュニケーションの充実)
  5.準備が不十分な場合、育児準備や産後の生活について家族と話す機会をもつ

-1.個別指導により、母性意識を高めるよう働きかける
  2.分娩前準備教育
   1)週数に応じた胎児の様子が認識できること
   2)児の育児に対して心構えができるように援助する
   3)分娩様式・方法が決定していれば、状況について説明し、主体的に分娩に臨めるように指導する

#5.セルフケアの不足:清潔、排泄、食事
   [要因]・安静に伴う行動の制限
       ・妊娠に伴う分泌物の増加
       ・努責の厳禁
       ・増大した子宮による圧迫
       ・腸蠕動の低下
       ・運動量低下による便秘

  &安静度に応じたセルフケアができる
  $安静解除まで


-1.清潔
   1)全身の皮膚、頭髪、口腔の状態、外陰部の状態(分泌物、臭気)
   2)普段の清潔に関する習慣
  2.排泄
   1)排便回数、便の性状、普段の排便習慣、便秘の有無
   2)排尿回数、量、排尿時痛・残尿感の有無
   3)バルンカテーテル挿入中は、バルンカテーテルによる異和感
  3.食事
   1)食欲、食事摂取量、嗜好、普段の食生活
   2)嘔気、嘔吐の有無

-1. 清潔
   1)体動、腹圧が最小限となるよう援助する(全身清拭、寝衣交換、洗髪、手浴、足浴の介助)
   2)モーニングケア、イブニングケアの施行
   3)外陰部の清潔保持(陰部洗浄、適宜パット交換)
  2.排泄
   1)尿意、便意を我慢しないように説明し、速やかに介助、後始末する
   2)排泄後の臭気が残らないよう配慮する(換気、脱臭機・防臭剤の使用)
   3)バルンカテーテル挿入中は、適宜バルン操作を行い、1回/W交換する
   4)水分摂取を促す
   5)便通コントロール
  3.食事
   1)臥床のまま摂取できるようサイドテーブル、ギャッジUPなど体位の工夫
   2)食事の工夫(おにぎり食、串刺し食、スプーン、ストローなどの使用)

-1. 安静の必要性を説明する
  2.安静度に応じた体位を説明する
  3.排泄、清潔方法などを説明する

#6.行動制限に関連した心身の苦痛と筋力低下の可能性
   [要因]・安静を強いられることによる、ADLの不足
       ・運動量の低下
       ・精神的苦痛
       ・家族とのコミュニケーション不足

  &ストレスの表出ができ、苦痛を最小限にする
    筋力の低下を最小限にし、分娩・産褥のトラブルを予防する
  $安静解除となるまで


-「切迫早産患者の看護問題#4に準ずる」

-「切迫早産患者の看護問題#4に準ずる」

-「切迫早産患者の看護問題#4に準ずる」

#7.子宮収縮抑制剤による副作用出現の可能性
   [要因]・循環器系への影響
       ・肺水腫出現の恐れ
       ・肝機能障害、無顆粒球症
       ・点滴漏れによる血管炎、静脈炎

  &子宮収縮抑制剤の必要性および副作用について理解できる
   副作用の出現を早期に発見するとともに最小限に抑える
  $子宮収縮抑制剤開始時、増量時、および症状増悪時


-「切迫早産患者の看護問題#2に準ずる」

-「切迫早産患者の看護問題#2に準ずる」

-「切迫早産患者の看護問題#2に準ずる」

#8.持続点滴を長期に行なうことに関連したトラブル発生と苦痛の可能性
   [要因]・持続点滴による拘束感
       ・点滴を持続しなければならないことの理解不足
       ・行動制限
       ・不快音がある
       ・入浴ができない

  &トラブルの発生を予防するとともに持続点滴による苦痛を最小限とする
  $点滴中毎日


-「切迫早産患者の看護問題#3に準ずる」

-「切迫早産患者の看護問題#3に準ずる」

-「切迫早産患者の看護問題#3に準ずる」

#9.入院により家庭生活における役割行動がはたせないことに関連した葛藤とストレス

   [要因]・入院
       ・家族のサポート状況
       ・家族の現状の受けとめの程度
       ・家族構成

  &役割行動の変容を理解でき、対処行動がとれる
  $入院中


-「切迫早産患者の看護問題#6に準ずる」

-「切迫早産患者の看護問題#6に準ずる」

-「切迫早産患者の看護問題#6に準ずる」

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