なりたて看護師の試験対策ブログ

看護師の国家試験を受験する前に学ばなければいけない事や、知っておいて損のない情報を垂れ流しています。なにかの参考になれば幸いです。かなーりマニアックな内容ですので専門用語ばかりです全部説明はしていられないのでフツーの人は外国語感覚でサラっと流してくださいな


テーマ:
IABPの挿入患者の標準看護計画

IABP(Intra-aortic Balloon Pumping, 大動脈内バル-ンパンピング)とは
 大腿動脈ないし外腸骨動脈から胸部大動脈内にバル-ンカテ-テルを挿入して行なう補助循環方法である。バル-ンをしぼませて大動脈の収縮期血圧を低下させ、心臓の後負荷を軽減して心拍出量を増加させる効果と、バル-ンを膨らませて大動脈の拡張期血圧を上昇させ、冠状動脈の血流量を増加させる効果がある。急性心筋梗塞や心臓手術に引き続いて起こる急性の心不全、心原性ショックおよび低心拍出量症候群などの病態において、この二つの効果により、IABPが心臓機能を回復させる機械的補助手段となる。

アセスメントの視点
 心筋梗塞後の心原性ショックや開心術後のショック、低心拍出量症候群は、薬物による内科的な療法では予後が極めて不良である。IABPはこのような病態に対し、まず最初に最もよく使用される機械的補助循環法である。



IABPの適応
1.急性心筋梗塞
心原性ショック,僧帽弁閉鎖不全,心室中隔穿孔,難治性虚血性不整脈
2.待期的心臓手術
術前からの予防的使用:左冠状動脈主幹部狭窄,不安定狭心症,左心機能低下(左室駆出率40%以下)
手術中の人工心肺離脱困難,手術後の低心拍出量症候群(LOS)
3.重篤な心臓疾患を合併した一般外科手術
4.ハイリスクのCAGやPTCAにおける予防的使用

IABPの適応とならない病態
1..高度の大動脈弁閉鎖不全(Sellers分類Ⅱ度以上)
2.慢性心不全
3.高度の大動脈病変(解離性大動脈瘤,腹部大動脈瘤,動脈硬化性変化による動脈の狭窄や閉塞)
4.心原性以外のショック
5.不整脈による心不全
6.アシド-シスや低酸素血症


IABPの挿入方法
1.バル-ンカテ-テル挿入法としては、
1)経皮的挿入法(Seldinger法): (1)シ-スを使用する (2)シ-スを使用しない
2)外科的に血管を露出し挿入する方法:(1)人工血管を使用する(2)人工血管使用しない
2.準備するもの(経皮的挿入法について)
大動脈バル-ンカテ-テルセット、IABP装置、滅菌手袋・術衣、帽子、マスク、滅菌デッキ、消毒薬(イソジン、ハイポアルコ-ル)、滅菌生理食塩水、ヘパリン、金属シャ-レ、局所麻酔薬、縫合セット、固定用糸針(ブレ-ドシルク1-0、角針5~7号)
3.手順と介助
1)意識のある患者には、IABPの挿入手順を簡潔に説明し協力を得る。
2)必要に応じて、抑制や鎮静剤の準備をする。
3)患者の準備
 (1)患者を仰臥位にし、両鼠径部を剃毛清拭し、下肢を軽く外転させた状態で固定する。
 (2)挿入前に足背動脈が触知できることを確認の上、マ-キングを行い、ドップラー血流計を装着する。
4)駆動源の電源部、ボンベのヘリウムガスの有無、心電計に接続して駆動状態をあらかじめ点検しておく。
5)ワゴンの上に滅菌デッキを広げ、必要物品を出す。術者は、帽子、マスク、滅菌術衣、手袋をつける。
6)イソジンで挿入部位を広範囲に消毒し、滅菌デッキをかける。
7)バル-ンのAir抜きをする。バル-ンカテ-テルの先端が第2肋骨のところにくるように体外で長さを測定する。
 カテ-テルの内腔はヘパリン加生理食塩水でフラッシュし、長いガイドワイヤ-を通しておく。
8)局所麻酔を行なう。
9)穿剌針で大腿動脈を穿剌し、短いJガイドワイヤ-を挿入して穿剌針を抜き、ダイレ-タ-で穿剌口を拡張した後、シ-ス挿入しJガイドワイヤ-を抜去する。
10)バル-ンカテ-テルのマ-クをつけたところまでゆっくり挿入したら、中のガイドワイヤ-を抜去し、耐圧チュ-ブをとりつけ、圧測定システムに接続し、正しい動脈波形がでることを確認する。
11)胸部X線で位置確認後、カテ-テルとシ-スを皮膚に固定する。
12)バル-ンをIABP器械に接続して駆動を開始する。

IABP挿入後の管理
1.精神的サポ-ト
IABP挿入中の患者は器械に対する恐怖感、操作音や体動制限によるストレスや不眠が生ずることが多い。
2.IABP挿入位置の確認
胸部X線撮影を毎日行い、IABPの先端部が、大動脈弓部直下にあり移動していないことを確認する。
3.挿入バル-ンおよび血管に起因する合併症の予防および早期発見
血栓形成による閉塞や、バル-ン自体での閉塞、血管周囲の血腫による圧迫などにより下肢虚血となる。その為、下肢の温度の左右差、チアノ-ゼの有無、足背動脈の触知の有無をチェクする。又、下肢虚血の進行は、下腿筋の腫脹によるコンバ-トメント症候群を引き起こし、神経圧迫による下腿疼痛、知覚運動麻痺へと進展するので、下肢に関する訴えを聞くことも大切である。
4.挿入部局所の管理
バル-ンを挿入していることにより、血小板の破壊が起こりやすく、抗凝固剤を使用するため、出血傾向に陥り易い。股関節の屈曲を避け、ベッド挙上は20度以内とし、挿入部の安静を保ち、出血、ガ-ゼ汚染に注意する。又、発熱の原因となりやすいので、挿入部は清潔に保ち、感染兆候がないかを確認する。
5.血液デ-タ
血栓症予防のため、ACT値は150~180秒前後を目安として抗凝固療法を行なう(術後のIABP挿入においては行なわない)。バル-ン挿入による血小板減少、出血傾向、溶血、貧血などが問題となってくるため、血液検査の結果に注意する。
6.IABP装置の管理
1)充分な容量を有するコンセントへ電源プラグを接続し、外れないよう固定する。
2)IABPが効果的に行なわれているかどうか、動脈圧波形およびバイタルサインの変化に注意する。
3)ECGモニタ-のR波でトリガ-している場合は、ECGを除去すると、IABPが停止する。
 清拭や体位変換などで外れないよう、電極板の接着状態に注意する。
4)不整脈出現時は、IABPが有効に作動しにくくなるので注意し、できるだけ不整脈を抑制する。
5)ヘリウムガスの残量をチェックする。
7.IABPの離脱
血行動態の安定改善が得られたら、心拍に対するIABPの補助回数を1:1から2:1次いで、4:1、8:1と減少させ、最後に補助を停止する。

IABP抜去の手順
1.抜去部の消毒を行なう。
2.術者は滅菌手袋をつけ、穴あきデッキをかける。
3.固定の糸を切り、陰圧をかけてバル-ン内ガスを抜いた後、バル-ンがシ-スの手前までくる程度にカテ-テルを引抜き、次いで、カテ-テルとシ-スを同時に抜去する。
4.止血するまで十分に用手圧迫をする。
5.用手圧迫による止血確認後、弾性テ-プで圧迫固定し、抑制帯を巻く。最低24時間は局所の安静を保つ。


IABP挿入による合併症
1.下肢虚血
 バル-ン挿入側の下肢の虚血は、原疾患による末梢循環不全が素因としてあると共に、多くの例に合併する閉塞性動脈硬化症による挿入側腸骨動脈、大腿動脈の狭窄が基礎にあることが多い。そのため、カテ-テルによる血流障害、二次的な血栓形成、動脈損傷による内膜剥離等が原因である。可能な例では挿入前に血管造影にて、挿入側を可及的に硬化狭窄のない大腿動脈にて行なうことが肝要である。そして、注意深い下肢の観察が大切である
2.動脈損傷
挿入時の合併症である。損傷内容としては、動脈解離と穿孔がある。出血が確認されれば、緊急手術が原則である
3.血栓・塞栓症、アテロ-ム塞栓症
1)挿入時の局所のアテロ-ムプラ-ク遊離による下肢塞栓症や、挿入側動脈の狭窄・うっ滞に伴う二次的血栓形成およびそれに伴う塞栓症は、同様に下肢虚血による症状、所見を呈する。
2)IABPバル-ンに付着した血栓遊離や、バル-ンが接触する下行大脈壁のアテロ-ム、血栓の遊離による塞栓症は、下肢動脈のみならず、腹腔動脈、腸間膜動脈、腎動脈等のび慢性塞栓症による血行障害をきたす。
4.IABPバル-ン破裂
 挿入時のバル-ンの粗雑な扱い、シ-スでのバル-ン損傷とともに、バル-ン留置部位の下行大動脈内面の石灰化部位でのバル-ン慢性損傷・過膨張等が誘因となる。破裂の徴候としては、駆動装置ガスリ-クアラ-ムが頻回に作動するようになったり、バル-ン駆動内圧低下、およびそれにともなう拡長期圧低下を認めたり、カテ-テル内に血液を認める場合等である。多くはピンホ-ルからのバル-ン内血液流入を起こすものである。
5.挿入部局所の出血・仮性動脈瘤
挿入部局所の出血は、開心術後症例や、動脈硬化の強い大腿動脈を挿入部として用いた例、凝固系の異常を認める例等にみられ、局所圧迫止血、あるいは局所皮膚の縫合止血では不十分なことが多い。その場合、局所を切開し、挿入部大腿動脈を露出しての止血が必要である。IABP抜去後の仮性動脈瘤は、局所の圧痛を伴う拍動性腫瘤がある場合に疑う。局所の超音波ドプラ-検査にて、血管外に血流の腔を認めることで診断する。

看護計画

Ⅰ.アセスメントの視点
 IABP挿入患者は、心臓のポンプ機能が低下しているため、全身状態、特に循環動態の管理が必要である。IABP装置の管理と共に、カテ-テル挿入による合併症の予防と早期発見、早期対処が大切となる。又、体動制限による苦痛、器械に対する恐怖感、操作音による不眠など、身体的・精神的苦痛の緩和も重要である。

Ⅱ.問題リスト
♯1.心臓ポンプ機能の低下に関する低心拍出量症候群状態

♯2.IABP作動障害およびタイミングのずれに関連して、循環動態が悪化するおそれがある

♯3.IABPバル-ンカテ-テル留置による感染
   [要因]・挿入部位(ソ経部)が排泄物により汚染されやすい

♯4.褥創、肺合併症の併発
   [要因]・IABP挿入による体位の制限

♯5.精神的不安
   [要因]・器械に対する恐怖感
       ・死への恐怖感
       ・治療、処置に対する情報の不足
       ・予測できない治療の効果や結果

♯6.肉体的苦痛
   [要因]・体動制限による腰痛
       ・操作音による不眠

♯7.下肢血行障害
   [要因]・IABP挿入による血栓形成
       ・下肢虚血
       ・バル-ン損傷、破裂よるガス閉塞
       ・長期臥床による下肢血流のうっ滯

♯8.IABP挿入部位の出血、血腫形成
   [要因]・挿入手技による血腫形成
       ・抗凝固剤の使用

#9.IABP抜去に関連した挿入部からの出血、血腫形成や局所での血栓形成にもとずく下肢の血行障害

Ⅲ.看護目標
1.異常の早期発見、早期対処
2.精神的、肉体的苦痛の緩和

Ⅳ.看護問題
  &IABP療法により低心拍出量症候群状態が改善する
  $IABPが抜去されるまで

♯1.心臓ポンプ機能の低下に関する低心拍出量症候群状態
O-1.バイタルサイン,不整脈,ECG
  2.血行動態:心拍出量,心係数,肺動脈楔入圧,1回拍出量
  3.自覚症状:胸部症状,呼吸困難
  4.血液ガス値
  5.in-outのバランス
  6.末梢循環状態:末梢動脈の拍動の有無,強さ,色調,温度
  7.意識レベル
  8.顔色の変化
  9.精神状態,不穏状態の有無

T-1.IABP挿入の準備,挿入中の介助
    1)経皮的動脈穿刺法
    2)血管を露出し人工血管を介しての挿入法
  2.心筋を保護する
    1)指示された酸素療法の管理を行なう
    2)身体の保温をはかる
    3)カテコ-ルアミン,昇圧剤など確実な薬物管理
    4)確実な補液管理
  3.身体の安静と安楽を図る
    1)安楽な体位,姿勢の工夫
    2)疼痛を緩和するためリラクゼ-ション法や医師の指示により鎮痛剤の投与を行なう
  4.精神的援助
    1)十分に訴えを聞き、不安や恐怖を緩和する。必要時、医師の指示により鎮静剤の投与を行なう
    2)現在の状況を医師と共に、分かりやすく説明する

E-1.患者、家族に対して処置前に十分な説明をする

♯2.IABP作動障害およびタイミングのずれに関連した、循環動態の悪化
  &IABPを効果的に作動させ循環動態が安定し、IABPからの離脱がスム-ズに行なえる
  $IABPが抜去されるまで

O-1.血行動態、末梢循環:BP、PR、不整脈、心拍出量、心係数、肺動脈楔入圧、胸部症状、末梢循環状態、冷感、下肢の血行状態、
    足背動脈触知の有無、刺入部位からの出血の有無
  2.IABPの作動状態
    1)X-P上のバル-ンの位置
    2)動脈圧波形
    3)IABPが至適タイミングで作動しているかどうか
    4)トリガ-の状態
      ・圧トリガ-の場合はBP低下に注意
      ・収縮期血圧50㎜Hg以下、脈圧30㎜Hg以下の場合は作動ストップの原因となる
      ・ECGトリガ-の場合は不整脈、ハム波、電極のはがれに注意
    5)バル-ンのエア漏れの状態
    6)へリウムガスの残量
  3.安静、下肢伸展の保持
  4.患者の精神状態

T-1.IABP作動の停止及びタイミングのズレが起こった場合は原因の追求と医師への報告
  2.ガスの補充とバル-ン内圧の保持
  3.バル-ンが破裂すれば、アラ-ムが鳴りパンピングが停止するが、駆動停止による血栓形成を避けるため直ちに抜去する
  4.指示による抗凝固剤の投与および出血時の対応
  5.トリガ-設定
    1)ECGトリガ-
      ・不整脈に対しての治療
      ・ECG上ハム波防止のため、ベット・MEのア-ス確認
    2)圧トリガ-の場合
      ・BPの維持
  6.下肢伸展の保持(必要時患肢の抑制)
  7.循環動態が安定すればIABPを2:1→4:1と離脱するが、その際心不全症状に注意

E-1.IABP挿入部の安静の必要性を説明する

♯3.IABPバル-ン留置による感染の可能性がある
  &感染が起こらない
  $IABPが抜去されるまで

O-1.バイタルサイン(発熱、BPの低下、脈拍の増加に注意)、熱型、悪寒
  2.WBC、CRP、血液培養
  3.末梢循環
  4.挿入部位の腫脹、発赤、疼痛の有無

T-1.IABPバル-ンカテ-テル挿入、抜去時の清潔操作
  2.挿入中の清潔保持、消毒
  3.指示による抗生物質の投与

E-1.安静、清潔保持の必要性を説明する

♯4.IABP挿入による体位の制限により、褥創、肺合併症を併発する可能性がある
  &褥創の発生や、肺合併症を起こさない
  $IABPが抜去されるまで

O-1.皮膚の状態(発赤、水疱、び爛の変化)
  2.褥創の物理的誘発因子の有無(圧迫、摩擦、湿潤や不潔)
  3.知覚の異常、疼痛の有無
  4.体動制限の範囲
  5.栄養状態
  6.循環機能
  7.施行したケアの有効性
  8.呼吸状態、X-P所見、血液ガス分値

T-1.許可される範囲内での体位変換(下肢の屈曲に注意)
  2.殿部など圧迫部のマッサ-ジ
  3.円座、エアマットなどの使用
  4.栄養管理
  5.身体の清潔保持
  6.ネブライザ-吸入、タッピングの施行

E-1.褥創の危険性と予防方法について説明

#5.精神的不安
  &精神的不安が軽減できる
  $IABPが抜去されるまで

O-1.性格傾向、過去の問題解決行動や耐性、コ-ピング行動、社会的役割行動
  2.治療、予期される結果についての受け止め方
  3.病者役割行動(治療への参加態度)
  4.不安、恐怖の言語的表現の有無
  5.不安、恐怖の徴候や症状
    1)生理学的変化(血圧、脈拍数、呼吸数)
    2)情動の変化(落ち着きがない、拒否的になる、注意力が増すなど)
    3)睡眠状況
    4)身体、筋肉の緊張度(身震い、手の震え等)
  6.家族や重要他者のサポ-トシステム
  7.施行したケアの有効性

T-1.スタッフメンバ-は、常に傍らにいることを保証する
  2.共感や無条件な関心を寄せ、受容的な一貫した態度で接する
  3.説明は患者の分かりやすい言葉で行なう
  4.不安や恐怖の言語的表現を促し、フィ-ドバックして調整する
  5.患者のニ-ド、理解レベルに応じた情報の提供に心がける
  6.頻回に言葉かけやスキンシップを行い、勇気づけの励ましを送る
  7.静かで十分休息のとれる環境を調整する
  8.可能ならば、家族や重要他者との面会の時間を多くもたせる
  9.不安、恐怖がつよく、治療や病態に影響を及ぼすようであれば、医師と相談し適切な鎮痛鎮静剤を用い、その効果をモニタ-する

E-1.治療の目的、効果、現在の病態、今後の進展などを患者の状況に応じ適宜説明する
  2.心身の安定を図ることが、治療の効果を増し、早期回復のつながることを説明し、緊張を緩和する方法を指導する
  3.家族、重要他者にサポ-トの継続が重要であることを説明し、勇気づける

#6.肉体的苦痛
  &肉体的苦痛を緩和する
  $IABPが抜去されるまで

O-1.苦痛に対する患者の訴えの有無
  2.睡眠状況

T-1.十分なコミュニケ-ションを図る
  2.許可される範囲内での体位変換、円座の使用
  3.気分転換、面会
  4.必要時鎮静剤の投与
  5.眠れる環境をつくる

E-1.現在の病状、今後の治療方針、器械について分かりやすく説明する
  2.苦痛などを我慢しないように説明する

#7.下肢血行障害
  &下肢の血行障害を起こさない
  $IABPが抜去されるまで

O-1.足背動脈拍動の有無
  2.下肢皮膚の色調、温感と左右差
  3.血行障害を示す患者の訴え(冷感、疼痛、しびれ感)
  4.血行動態(血圧、心係数、心拍出量)
  5.施行したケアの必要性

T-1.下肢の皮膚の色調、体温、脈拍を確認する
  2.バル-ン挿入肢の屈曲を避けるため、抑制を行なう
  3.指示された抗凝固療法を施行し、その効果をモニタ-する
  4.抗凝固療法の管理のためACT値を監視する(コントロ-ル目標180前後)
  5.下肢の保温を図る
  6.下肢動脈の拍動の減弱、消失時は、ドプラ-での聴診を試みる
  7.血行障害を示す徴候、症状が出現した場合は速やかに医師に報告し、上記の診察・ケアを厳重に継続する
  8.皮膚損傷時は、適切な処置を施行し、感染を予防する

E-1.下肢血行障害の症状について説明し、自覚症状のある時は看護婦に話すようにつたえる

#8.IABP挿入部位の出血、血腫形成
  &挿入部からの出血、血栓形成が起こらず下肢の循環が良好に保てる
  $IABPが抜去されるまで

O-1.出血:挿入部からの出血の有無、ガ-ゼ汚染、全血凝固時間
  2.末梢循環、下肢の血行障害:膝下、後脛骨、足背動脈触知の有無(不明瞭時ドップラ-)、麻痺、知覚障害、しびれ感、疼痛の有無

T-1.挿入部からの出血持続時は縫合
  2.末梢循環を良好に保つ
  3.砂のう、圧迫帯による止血
  4.下肢の伸展

E-1.下肢の安静について指導する

#9.IABP抜去に関連した挿入部からの出血、血腫形成や局所での血栓形成にもとずく下肢の血行障害
  &創部からの出血、血栓形成が起こらず下肢の循環が良好に保てる
  $IABP抜去当日

O-1.出血:穿入部からの出血の有無、ガ-ゼ汚染、全血凝固時間
  2.末梢循環、下肢の血行障害:膝下、後脛骨、足背動脈触知の有無(不明瞭時:ドップラ-)、麻痺、知覚障害、しびれ感、疼痛の有無

T-1.穿入部からの出血持続時は縫合
  2.末梢循環を良好に保つ
  3.砂のう、圧迫帯による止血
  4.下肢の伸展

E-1.下肢の安静について指導する

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CABGバイパス術の標準看護計画

CABGバイパス術とは
 CABGバイパス術=CABG(coronary artery bypass graft)
 冠動脈の狭窄部より末梢と大動脈をバイパスでつなぎ、末梢の血液を確保するための手術である。
 CABGバイパス術に用いられる血管は、内胸動脈(IMA)、大伏在静脈(SVG)、胃大網動脈(GEA)がある。
 
適応
1.左冠動脈主幹部病変が50%以上の狭窄例
2.高度な三枝病変の長さが1cm以上など、PTCA施行困難例
3.冠動脈末梢枝が狭窄、不整がないこと
4.左心機能として駆出率(EF)20%以上、左室拡張末梢圧(LVEDP)20mmHg以下であるもの
5.PTCAあるいはPTCRが試みられた後に、緊急手術が必要な事もある
 
手術治療目的
1.狭心痛、心不全の改善
2.生活の質の向上
3.寿命の延長
 これらの目的を達成するためには、症状、冠動脈造影所見(冠動脈病変)、左室機能、弁機能等から総合的に検討し、手術選択の決定を行う。

アセスメントの視点
  CABGバイパス術は虚血性心疾患の代表的な治療の一つである。しかし近年、内科的にPTCAやカテーテルによるステント留置が行われるようになってきている。そのためCABGバイパス術症例は、内科的治療困難症例(多枝病変、重症度の高い症例)が適応とされるようになってきている。また、人工心肺を使用できない高齢者に対しては、心拍動下CABGバイパス術や、小切開胸CABGバイパス術が行われるようになってきている。

 

 


検査
 胸部X線撮影、安静時心電図、血液凝固検査、生化学検査及び血液一般検査、負荷心電図(Mastar=階段テスト、Treadmill テスト)、心エコ-図、心筋シンチグラフィ-、カテ-テル検査(心拍出量、心内圧)、冠動脈造影、左室造影、心機能の評価を目的とした特殊検査(既に内科医によって検査がすんでいる事が多い)及び麻酔科、手術のためのル-チン検査を並行して施行する。

手術直前の管理
1.患者と家族への手術についての説明
冠動脈病変の程度、狭心症の重症度、予後及びCABGバイパス術の方法、人工心肺手術の危険度、術後経過及び合併症の発現等についての主治医の説明を把握する。
2.術後管理についての説明
術後に患者の協力を得るため、また不安を軽減するためにも、術前パンフレットを用いて強化治療室の収容について人工呼吸器の役割、各種モニタ-の重要性、多くの点滴ラインが挿入される理由を説明する。

術後の経過と管理
  手術を終えた患者は、未覚醒の状態で強化治療室に収容される。強化治療室へ入室直後複数の看護婦で、ライン類の接続および観察を、素早く行うことが要求される。
 以下の処置を行う。
1.人工呼吸器の装着(設定条件の確認)
2.心電図モニタ-電極装着。動脈圧ライン,スワンガンツカテーテルの肺動脈圧(PAP),中心静脈圧(CVP)ラインとモニターの接続。心拍数,血圧,肺動脈圧がモニタリングされ観察する。
3.スワンガンツカテーテルと末梢輸液ラインへ、指示された薬剤・量の注入開始
4.心嚢、前縦隔、胸腔などのドレ-ンを低圧持続吸引器に接続

精神的サポート
 患者の多くは、外科病棟に入院する直前、多かれ少なかれ循環器専門医の精査、濃厚な内科治療が行われ、既に外科的適応が十分検討されている。患者は外科的治療に対して納得し、一大決心のもとに入院してくるが、やはり手術に対する患者の不安、緊張感は計り知れない。

1.循環動態の管理
1)血圧(Aライン上からデジタル表示される)
状態が安定するまで15分ごと、その後30分~1時間ごとに観察。Aラインモニタ-用カテ-テルよりモニタ-に波形と数値が表示される。波形がゆるやかな場合は、ラインの閉塞か、血圧下降が考えられるので輸液量と尿量のバランス、出血量、中心静脈圧など、その他の状態と合わせて、数値の意味を判断し医師に報告する。
2)心拍数
状態が安定するまで15分ごと、その後30分~1時間ごとに観察する。不整脈出現時は種類と頻度を観察する。特に心室期外収縮(PVC)の頻発や心室性頻脈は、心室細動に移行する危険性があるので医師に報告する。
心拍出量の増加や、心室期外収縮の頻発の抑制などの目的で術中に心房や心室に一時的ペ-シングワイヤ-が縫着される。使用中は、ペ-スメ-カ-設定条件や効果などを観察する。
3)肺動脈圧(PA圧)
正常値は、15~35/8~13mmHg(平均20~25mmHg)
左右短絡疾患により、肺動脈血流量が増加した場合や左心不全のときに上昇する。
4)中心静脈圧(CVP)
連続的にモニタ-され、バイタルサインチェック毎に観察する。スワンガンツカテ-テルで測定するCVP圧は、循環血液量と心機能、右心不全の程度の指標となる。
正常値は5~10の範囲で、5以下では循環血液量の不足、15以上では心不全を疑う。
5)心嚢・縦隔・胸腔ドレ-ン
出血量・性状の経時的変化に注意し観察する。ドレ-ンが凝血により閉塞すると、心嚢・胸腔内に血液や浸出液が貯留し心タンポナ-デや、呼吸不全の原因となるため必要時ミルキングを行う。出血が多く続き、頻脈・血圧下降・Hb・Htの減少等の症状が続くときは、再開胸止血術が行われる。
6)尿
バルーンカテーテルが留置される。1時間ごとに尿量・比重・性状を観察する。尿は心拍出量・循環血液量・腎機能などに影響されるので、多くの情報が得られる。尿量減少は、心機能の低下による心拍出量の減少、循環血液量の低下、腎機能の低下などが考えられる。尿量増加は、輸液の過剰投与なども考えられる。
7)輸液
術後、種々の薬剤投与や輸血が行われるので、3~5本の輸液ラインが確保されるそれぞれの輸液が、どのラインから注入されているかを確認し、滴下速度を調節する特に強心昇圧剤・抗不整脈剤・血管拡張剤は、自動輸液ポンプで確実に滴下し、他の薬剤の注入は同ラインからは行わない。また、電解質液であるK製剤は、倍量あるいはそれ以上に希釈して投与する。

2.呼吸の管理
 心機能の低下や低酸素血症などの予防のため、人工呼吸を行う。人工呼吸器装着中は、呼吸方法・回数・酸素濃度・一回換気量などの設定条件、気管内チューブの位置やカフ圧などを確認する。呼吸機能は、胸部X線、動脈血ガス分析などにより評価される。1時間ごとに呼吸数を測定し、呼吸音や分泌物の有無・性状などの観察をする肺雑音聴取時や気道内圧上昇時は、肺合併症の原因である分泌物の貯留が考えられ、吸痰が必要となる。心拍数・血圧に注意し定期的に短時間で吸引する。人工呼吸器の離脱(ウイニング)は、重症患者以外は通常術後第1病日までに行われ、気管内チューブが抜去される。

3.手術後の苦痛の管理
1)気管内チュ-ブ挿入中は、苦痛や欲求などの訴えを会話で表現できないため、簡単な問い掛けで答えやすいように話す。また、文字盤、筆談などでコミュニケ-ションを図る。
2)長時間、床上安静を強いられるので、背部痛や腰痛を強く訴えることが多い。体交や湿布を考慮する
3)強化治療室に長期間滞在した場合、患者によっては、異常な言動、情緒不安定などが見られる場合がある(ICU症候群)。原因として、ICUの環境に慣れないこと、モニタ-音や処置の物音などに耐えられず、自分自身の症状にも不安が募ってくること等がある。経過が順調な場合、病室に戻り数日で回復する場合が多い。

術後合併症
1.呼吸器合併症
術後無気肺、肺炎、低換気、気道閉塞などがある。原因として、気道内分泌物の貯留が最も多い。気管内チュ-ブ挿入中は、吸痰を頻回に行う。抜去後は、呼吸訓練を実施し、容易に喀痰させる。また、吸入やトリフロ-などの肺理学療法を積極的に行う。
2.循環器合併症
出血、心タンポナ-デ、低心拍出量症候群、不整脈、術後ショック、心停止等がある。バイタルサインの測定やモニタ-の監視、排液ドレ-ンからの出血量や尿量などその他の一般状態の観察により、異常の早期発見に努める。合併症に応じて、輸血や強心昇圧剤、抗不整脈剤などの投与が行われ、状態によっては、緊急蘇生が必要となる場合もある。
3.泌尿器合併症
急性腎不全が最も重要である。原因としては、低心拍出量による腎血流量の減少、循環血液量の減少などがある。電解質や尿素窒素、クレアチニンなどの検査結果、尿量・比重測定、特に血圧下降に注意する。
4.中枢神経合併症
術後の麻酔は、通常正常な時間内に切れ、覚醒する。しかし、長時間覚醒が認められない場合は、中枢神経系障害が考えられる。症状として、意識障害、痙攣発作、対光反射の消失、瞳孔の左右差などがある。
5.発熱と感染
体外循環後、数日間発熱をみることが多いため、予防的に抗生剤が投与される。スワンガンツカテ-テル、排液ドレ-ン、バル-ンカテ-テルなどが感染の経路となりやすいため、清潔操作での取り扱いが、必要である。抜去時には、挿入されたカテ-テル類やドレ-ンなどの先端を培養し、感染の有無を検査する。その他、発熱の原因には、手術創の感染、気管内分泌物貯留による肺炎などが考えられる。


看護計画(術前)

Ⅰ.アセスメントの視点(術前)
 CABGバイパス術の適応疾患には、狭心症と心筋梗塞がある。心臓疾患は、生命維持に直結する臓器であり、その手術をすることは、大きな不安を抱く。又、手術を控え、抗凝固剤や、強心剤の内服を中止することで、発作を起こす危険性があるため、心身共に安定した状態を保つことができ、手術に望むことが重要になってくる。

Ⅱ.問題リスト(術前)
♯1.疾患や手術に対する不安
   [要因]・疾患そのものへの恐れ
       ・病気の兆候(胸部こうやく感、動悸、胸痛等)
       ・手術そのものへの不安
       ・検査や治療に対する情報不足
       ・入院という慣れない環境
       ・社会的役割が果たせない
       ・手術後(疼痛、合併症等)や退院後(社会復帰、ライフスタイル等)の予期的不安
       ・手術にともなう自尊心の喪失

#2.疾患による苦痛
   [要因]・胸痛などの胸部症状
       ・症状からくる精神的苦痛

♯3.冠状動脈の虚血により心筋梗塞に移行する危険性
   [要因]・不安、ストレス
       ・情報や知識不足による不適切な健康管理
       ・労作による心筋酸素需要の増大
       ・血圧の上昇
       ・冠状動脈の攣縮

♯4.手術後の肺合併症
   [要因]・麻酔薬により気道や肺胞が乾燥することによる絨毛運動の低下
       ・麻酔薬や鎮痛剤による胸筋、骨格の運動低下
       ・創痛による咳嗽や呼吸運動の抑制
       ・高齢、肥満、喫煙歴、呼吸器疾患、神経疾患の合併
       ・術前、発作予防のため十分呼吸訓練が行なえない

♯5.抗凝固療法による副作用
   [要因]・出血時間の延長

♯6.家族の不安
   [要因]・疾患そのものへの恐れ
       ・患者の予後や経済面への不安
       ・家庭内の役割の変化(サポートシステムの不足)
       ・患者と家族間の人間関係(コミュニケーション)

Ⅲ.看護目標(術前)
1.術前の病状悪化防止を図るとともに手術に向けての体力増進に努める
2.コミュニケーションを十分に取り、精神的苦痛を緩和し、精神的に安定した状態で手術が受けられるよう援助する
3.患者の身体的、精神的苦痛の軽減

1)心不全の強い患者に対しては強心剤、利尿剤を確実に内服させ病状の悪化の防止に努める
2)心筋梗塞急性期は、冠拡張剤投与により血圧コントロールに努め、安静を守り再発作防止に努める
3)手術に対する不安、恐怖心等をできる限り軽減するため、患者の訴えを傾聴し術後経過が順調にいくよう人間関係を作る
4)上気道感染予防と食事摂取量観察

Ⅳ.看護問題(術前)
♯1.疾患や手術に対する不安
  &不安や恐怖が軽減されたことを表現する
   入院にともなう規則、疾患、診断のための検査、治療、手術方法、術後の状態について理解していることを言葉で表す
   術前準備のための処置や練習に参加する
   ありのままの自己の感情・意思を表現できる
   不安を認識し、洞察力を深め、適応のための対処行動が取れる
  $手術当日まで

-1.以下のことを観察しアセスメントする
     1)性格傾向、健康観、社会的役割行動、過去の問題解決行動、過去の生活習慣、人生観、ボディイメージ
     2)入院および手術経験
     3)入院による役割変化
     4)病者役割行動
     5)疾患、治療、予期された手術結果に対する受けとめ方
     6)ストレス、コーピング行動 
     7)家族のサポートシステム 
     8)不安の徴候
     9)施行したケアの有効性

-1.以下の方法で患者との間に建設的な人間関係を作る
     1)共感的態度、受容的態度で接する
     2)説明は、患者の理解できるわかりやすい言葉で行なう
  2.看護記録、カーデックスを参考に不安、恐怖を明確にする
  3.適切な時期、場面をみて、不安、恐怖を言葉で表すよう励ます
  4.術前の検査、治療計画について説明する
  5.医師の説明に対する理解の程度を確認し、理解の不十分な部分は補ったり、再度医師の説明を依頼する
  6.必要時、手術体験者の話しが聞けるよう環境を整える
  7.積極的な質問を勧め、提供した情報を明確にしたり、補ったりする
  8.気分転換を促す
  9.混乱しているときは、心理的対応をするための時間を与える
  10.不眠が続いているときは、医師と相談し、睡眠剤の投与を行なう
  11.強度の不安、恐怖を示す場合は、医師と相談し、薬剤投与や精神科医のコンサルトを行なう
  12.必要に応じ、重要他者、家族のサポートを仰ぐ

-1.入院環境、病院の規則を十分説明する
  2.ニード、理解レベルに応じ、以下のような情報の提供、説明を行なう
     1)入院から退院までの経過
     2)利用できる社会資源の紹介
     3)手術目的と予測される手術結果
  3.指示された手術の治療計画に基づき、以下のような術前オリエンテーションを実施する
     1)手術日程、時間、所要時間
     2)手術方法と体外循環
     3)全身麻酔と術前麻酔医訪問
     4)必要物品
     5)術前の処置(剃毛、禁食、薬剤の内服など)
     6)術後の状態と回復、離床の経過
     ・人工呼吸器、各種圧ラインモニター、点滴、ドレーン、創処置、抑制などについて
     ・活動、食事、排泄、清潔ケア等について
♯2.疾患による苦痛
 &発作回数が減少することにより心身ともに落ち着いた状態で手術に望める
 $手術当日

-1.患者の知識、理解度

-1.医師の説明内容を確認し、必要により追加説明を行なう

-1.安静度の説明
  2.指示の食事療法を守る
  3.薬剤の量、時間を間違えないよう説明
  4.発作時の連絡、安静方法
  5.ニトログリセリンの舌下方法

♯3.冠動脈の虚血により心筋梗塞に移行する危険性
  &心筋への酸素の需要が減少しない
  $手術当日

-1.以下のことを観察し、アセスメントする
     1)心筋酸素供給の減少を示す徴候症状(胸部の圧迫感、こうやく感、重圧感、肩・上腕への放散痛、呼吸困難、冷汗、めまい等)
     2)心臓カテーテル等の所見と心機能
     3)活動負荷に対する耐性レベル
     4)胸痛発作時は部位・程度・性質・持続時間・誘発因子など
     5)胸痛発作の軽減因子と薬物投与の効果
     6)胸痛発作の予防対策、治療計画に対する理解度とコンプライアンス
     7)施行されたケアの有効性

-1.指示されたCa拮抗剤、血管拡張剤、降圧剤などを確実に投与し、その効果をモニターする
  2.心筋の酸素需要を減少させ、心筋の保護を図る
     1)血圧チェックを定期的に行ない、血圧のコントロールを図る
     2)指示された活動制限と安静を推奨する
     3)胸痛発作を引き起こす活動を中止する
     4)便通を調整し排便時の努責を回避する
     5)塩分制限(7g/日)の食事指導を行なう
     6)十分な睡眠と休息を促す
     7)不安、ストレスを緩和し精神的安定を図る
  3.ニトロール錠の作用、副作用、使用方法を指導し、常時携帯させる
  4.胸痛発作時は速やかに医師に報告し適切な処置を施行する
     1)バイタルサインのチェックを行なう
     2)胸痛の部位・程度・性質・持続時間などを観察する
     3)12誘導のECGをチェックし、モニターする
     4)ニトロール錠を舌下させ、その効果をモニターする
     5)胸痛発作後鎮静後に再度心電図にてST等の波形をチェックする
     6)心筋梗塞との鑑別をアセスメントする
  5.症状の改善がみられないときは、さらに以下の処置を施行する
     1)心筋の酸素需要を減少させるため厳重なベッド上安静を維持させ、禁食とする
     2)鎮痛剤、鎮静剤により胸痛の除去を図る
     3)指示された酸素療法を効果的に行なう
     4)各種の輸液ライン、圧ラインの確保とECGモニターを装着する
     5)バイタルサイン、ECGモニター、血行動態を厳重に監視し、異常時速やかに医師に報告する
     6)指示された輸液、カテコールアミン、血管拡張剤を確実に用い、その効果をモニターする
     7)指示により、IABP、体外式ペースメーカー挿入の準備を行なう
     8)不安や恐怖を軽減し、精神的安定を図る
     9)急変時に備え救急カート、除細動の準備を整える

-1.胸痛発作の誘発因子と予防対策について説明する
  2.適切な日常生活の管理方法を具体的に指導する
  3.胸痛発作時の対処方法について指導する
  4.手術前は心筋の保護のため、なるべく安静を保持するよう説明する
  5.胸部症状出現時は安静にし、速やかにコールするよう指導する

♯4.手術後の肺合併症
  &手術後に肺合併症の起こる危険性の高いことが理解できたと表現する
   肺合併症の予防の必要性がわかったと表現する
  $手術当日まで

-1.呼吸状態
  2.咳嗽、喀痰の有無と程度
  3.リスクファクター(高齢、喫煙歴、喫煙量、閉塞性肺疾患の有無と程度)
  4.胸部X-Pの結果、胸郭変形の程度
  5.動脈血ガス分析の結果
  6.手術の受けとめ方

-1.パンフレットを用い、深呼吸、咳嗽、喀痰の仕方等、合併症予防の説明を行なう。なお、発作を誘発する危険性があるため積極的には行なわない

-1.術後訓練の良否が、経過を左右することを説明し、理解を促す
  2.禁煙の必要性を説明し、理解を促す

♯5.抗凝固療法による副作用
  &効果的な抗凝固療法が行なわれる
  $手術当日まで

-1.皮下出血、消化管出血等
  2.検査データ、止血機能
  3.胸部症状

-1.正確な薬剤内服の確認
  2.採血後の止血の確認

-1.薬剤の必要性
  2.安全の説明、外傷を避けること
  3.出血、塞栓症状のあった場合はすぐ看護婦の報告

♯6.家族の不安
  &家族のケア、家族サポートを通して患者が支えられる
  $手術当日まで

-1.家族の表情、言語による表現、態度
  2.家族と患者の人間関係
  3.家族、患者間の疾病の理解、認識の差
  4.家族間のサポートシステム
  5.家族の状況判断能力
  6.家族がとらえている患者の性格傾向、コーピング
  7.経済的問題の存在

-1.家族とコミュニケーションを取り、不安や心配事を表出しやすいように受容的態度でかかわる
  2.家族の考えと医療者の考えの違いがないか、また、患者の考えを尊重してかかわる方法について相談し検討する
  3.家庭内で起きている問題の対処ができているか、解決困難なときは相談にのる

-1.家族が患者の今後についてイメージできるように、術後の状況、入院期間、社会復帰の時期などについての知識を与える
  2.家族に患者のサポートの必要性を説明する
  3.社会資源の活用(更生医療、身体障害者第1級〈心筋梗塞〉、3級〈狭心症〉の取得)

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高脂血症患者の標準看護計画


高脂血症とは
 リポ蛋白の産生亢進や処理障害により血清コレステロール(220㎎/dl以上)および中性脂肪(150㎎/dl以上)が上昇した状態である。高脂血症は自覚症状が少ないが、発症すると動脈硬化を引き起こし、虚血性心疾患誘発する危険性が高い。コレステロールには善玉と悪玉があり、善玉はHDLというリポ蛋白にのっているコレステロールである。HDLは、細胞や動脈壁から余分なコレステロールを運びだして肝臓に戻す役目をし、動脈硬化を予防しているといわれている。一方、悪玉はLDLにのっているコレステロールであり、血管壁にしみこんで動脈硬化の原因になる。病因は、先天的・遺伝的に発生する原発性高脂血症(家族性高脂血症)、食事や他の脂質代謝異常をきたす基礎疾患が原因として起こる続発性高脂血症とにわけられる。

アセスメントの視点
 高脂血症は動脈硬化の最大の促進因子である。しかし、高脂血症そのものだけでは、自覚症状もほとんどないため、患者自身がきちんと理解していないと治療は放置され、虚血性心疾患など重篤な合併症を引き起こす可能性がある。高脂血症の治療は自己管理の確立が必要とされるため、患者自身の理解と受けとめ方は大変重要となる。


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症状
 高脂血症それ自体は自覚症状はない。しかし、長期間高脂血症の持続により、脂質の組織への蓄積をきたし、眼瞼、手、肘、膝、アキレス腱、足に黄色腫(キサントーマ)が出現したり、網膜脂質血症を呈することがある。合併症として代表的なものは虚血性心疾患であるが、他に閉塞性動脈硬化症、脳動脈硬化症や急性膵炎がある。また、高脂血症に併発しやすいものとして糖尿病、肥満、痛風がある。

検査
診断
・総コレステロール
・中性脂肪
・HDLコレステロール
・アキレス腱肥厚判定
・角膜輪・眼瞼黄色腫
・結節性黄色腫(キサントーマ)

合併症判定
・体重、身長
・血圧
・心電図
・トレッドミル
・冠動脈造影
・空腹時血糖
・HbA1c
・肝・腎機能検査

治療
1.食事療法
年齢、性別、肥満の有無、職業、合併症(特に糖尿病、腎不全、ネフローゼ)が考慮されるが、基本的にはコレステロールを多く含む食品が制限される。
2.運動療法
年齢、性別、合併症(特に冠動脈疾患)により異なるが、心臓に負担のかからない有酸素運動が効果的である。
3.薬物療法
食事療法、運動療法の併用にて3~6か月経過を見ても血清脂質値に改善が認められなければ、薬物療法を開始する。
 1)HMG-CoAリダクターゼ阻害剤(メバロチン、リポバスなど)
コレステロール合成の阻害、LDLレセプターの活性化
 2)プロブコール(シンレスタール、ロレルコなど)
コレステロール合成の抑制、LDLレセプターを介さないでLDLの取り込みを増やす。胆汁酸への異化を促進する。
 3)ベサフィブレート(ベザトールSRなど)
コレステロールについては、合成抑制、胆汁中への排泄促進、トリグリセリドについては、肝での合成抑制、LPL、肝性トリグリセリドリパーゼの活性を高めてVLDLの異化を促進する。
 4)コレスチラミン(クェストランなど)
LDLレセプターの活性化、胆汁酸への異化を促進、胆汁酸の再吸収の阻害をする。
4.LDLアフェレーシス
LDLアフェレーシス療法とは
悪玉(LDL)コレステロールだけを取り除く血漿浄化療法
適応
      薬物療法が無効な場合
      体質的な高コレステロール血症
      重症の冠動脈硬化症
      ホモ複合性家族性高コレステロール血症
効果
      治療前の総コレステロール値を約60~80%程度低下させる。
      理想の血清コレステロール値150~180㎎/・にコントロールすることが可能
      黄色腫などが比較的容易に改善
      狭心症の減少が可能
      冠動脈硬化の進行を防止、改善
方法
      LDLアフェレーシス療法は、血液を体外で循環させ血液中の悪玉コレステロールだけを除去するシステム。
      他の有用な血漿・血液成分はほとんど変化がない。体外に出ている血液及び血漿の量は約400㏄、治療終了後は体内に全部回収される。繰り返し治療するために動静脈シャント造設が必要である。
治療時間: 約3時間
頻度: 1~3週間に1回 治療前の値に戻る値をめどにする。
目安: 動脈硬化に対する改善効果が現れてくる2~3年
食事
高脂血症は食事と密接な関係にあり、食事療法は治療の基本である。基本的には総エネルギーの制限を行うが、年齢、性別、肥満の有無、運動量、合併症などが考慮される。食事状況(食欲、回数、時間帯、外食状況、1回の食事にかける時間、食事を作る人、食事内容)を把握する必要がある。そして、調理者が患者本人でない場合、本人はもちろん調理者に対しても十分な指導を行う。その他、飲酒量、喫煙量など把握し、嗜好品の見直しを行う。
運動
個々の患者の身体測定や身体活動状況、血液・生化学検査等により、合併症との関連をみながら運動の処方が行われる。合併症が特にない場合は、有酸素運動(歩行、ジョギングなど)が効果的である。運動の強度としては脈拍120回/分前後で、1回の持続時間は少なくとも20分以上、できるだけ毎日(少なくとも週3回以上)行う。
薬物
原発性の高脂血症には、薬物治療は欠かせない。2次性の高脂血症には食事療法で3~6か月経過を見ても血清脂質値に改善が認められなければ、薬物療法を開始する。薬物療法を受ける患者に対し、薬物療法の効果・重要性について説明し、薬の服用方法、時間、量、副作用を説明する。また、血清脂質値が正常化しも薬剤中止によりリバウンドがみられることが多いため、長期にわたり服用が必要になること場合が多いことを説明する。

合併症
 虚血性心疾患(心筋梗塞・狭心症)が代表的だが、他に閉塞性動脈硬化症、脳動脈硬化症がある。高脂血症の目標は合併症の予防である生活習慣の改善をはかり、継続していくことは合併症の予防になり、また動脈硬化の改善につながることを説明し、セルフケアへの意欲を向上することが大切である。


血液の闇 輸血は受けてはいけない [ 船瀬俊介 ]


看護計画


Ⅰ.アセスメントの視点
高脂血症は自覚症状がほとんどないため、自己管理が困難である。しかい、高脂血症の状態が持続することにより重篤な合併症を併発しやすい。高脂血症の場合、生活習慣の修正を余儀なくされ生涯コントロールが必要である。高脂血症患者の看護は病態を理解した上で、患者の身体的・心理的・社会的側面をアセスメントし、患者が自ら血清脂質値のコントロールに向かえるように援助していくことが大切である。

Ⅱ.問題リスト
#1.高脂血症の状態が持続することにより、重篤な合併症を併発しやすい。
   〔要因〕・基本的な健康維持活動に関する知識の欠如、または不足
       ・飽和脂肪とコレステロールの高い食事繊維の少ない食事
       ・肥満
       ・喫煙、飲酒
       ・自己管理に対する意識の欠如、または不足

#2.生涯コントロールが必要だが、生活習慣の修正を余儀なくされ、継続が困難である。
   〔要因〕・基本的な健康維持活動に関する知識の欠如、または不足
       ・サポートシステムの欠如、または不足
       ・ストレス管理能力の低下(コーピング能力の低下)
       ・自己管理に対する意識の欠如、または不足

#3.合併症や予後に対する不安がある。
   [要因]・サポートシステムの欠如、または不足
       ・ストレス管理能力の低下(コーピング能力の低下)

#4.LDLアフェレーシスのため、シャント造設。シャント管理困難が予想される。
   [要因]・シャント管理に関する知識の欠如、または不足
       ・自己管理に対する意識の欠如、または不足

Ⅲ.看護目標
1.食事・薬物療法が継続され、適切な血清脂質値にコントロールできる。
2.生活習慣の修正に伴うつらさを乗り越え、新たな生活習慣を確立する。
3.合併症や予後に対する不安が軽減される。


Ⅳ.看護問題
#1.高脂血症の状態が持続することにより、重篤な合併症を併発しやすい。
   〔要因〕・基本的な健康維持活動に関する知識の欠如、または不足
       ・飽和脂肪とコレステロールの高い食事繊維の少ない食事
       ・肥満
       ・喫煙、飲酒
       ・自己管理に対する意識の欠如、または不足

  &高脂血症による合併症の予防、早期発見ができる。
   ・適切な血清脂質値がいえる。
   ・治療、合併症について言える。
  $退院まで


-1.疾病、検査、治療(内服、食事)、関する理解度と受容状況
  2.合併症の有無とその程度
  3.食欲、食事摂取量、患者の嗜好
  4.日常生活状況
  5.サポートシステムの状況(家族、社会の理解・協力度)
  6.性格
  7.対処行動と対処能力

-1.高脂血症の発症する原因や憎悪因子、合併症について説明する。
  2.定期検診、受診を勧める。

-1.嗜好品を見直し、指示された治療(食事療法、薬物療法)を継続する必要について説明する。
  2.合併症の徴候を早期に発見し、対処する。

#2.生活習慣の修正、継続困難
   〔要因〕・基本的な健康維持活動に関する知識の欠如、または不足
       ・サポートシステムの欠如、または不足
       ・ストレス管理能力の低下(コーピング能力の低下)
       ・自己管理に対する意識の欠如、または不足

  &食事療法が継続され、血清脂質値のコントロールができる。
  $退院まで


-1.食生活状況、食欲、食事摂取量
  2.合併症の有無とその程度
  3.サポートシステムの状況(社会、家族の理解・協力度)
  4.性格
  5.対処行動と対処能力

-1.高脂血症の治療には、食事療法が不可欠であることを説明する。
  2.食事療法のポイントとその根拠を説明し、それに応じた行動を指導する(パンフ使用)。
  3.生活習慣の改善をはかることの利点を話す。

-1.患者の生活習慣の修正に伴うつらさを傾聴
  2.生活習慣の改善の結果として改善された検査値を提示し、努力を認め励ます。
  3.生活習慣の変容は患者の意志や意見を取り入れる。
  4.コントロールの苦痛に勝るような生きがいを見つける。
  5.家族、社会からの協力が得られるように働きかける。

#3.合併症や予後に対する不安がある。
   [要因]・サポートシステムの欠如、または不足
       ・ストレス管理能力の低下(コーピング能力の低下)

  &合併症や予後に対する不安が軽減される。
  $退院まで


-1.患者の思い、不安
  2.サポートシステム状況(社会、家族の理解、協力度)
  3.性格
  4.対処行動と対処能力
  5.合併症の有無とその程度

-1.患者の思い、不安の傾聴
  2.家族、社会からの協力が得られるように働きかける。

-1.生活習慣の改善をはかり、継続していくことは合併症の予防になるということを説明する。

#4.LDLアフェレーシスのため、シャント造設。シャント管理が必要である。
   [要因]・シャント管理に関する知識の欠如、または不足
       ・自己管理に対する意識の欠如、または不足

  &日常生活でシャント管理がきちんと行える
  $退院まで


-1.生活状況、職業
  2.知識レベル
  3.患者の性格

-1.シャント観察、シャント音聴取、
  2.シャント肢の運動を行い、血管を発達させる。

-1.シャントの仕組みを指導する(シャントパンフ使用)。
  2.シャントの観察の仕方を指導する(シャントパンフ使用)
  3.腕時計、荷物などでのシャントの圧迫を避けるよう指導する(シャントパンフ使用)
 

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