中世に迷い込んだような・・・ | みんななかよく

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 パリのテロ事件。世界が「中世化」しているのか、という何ともいえない不安を感じます。

 ISという存在を、「イスラム過激派組織」とか呼んでみてもねえ。従来のような根無し草のテロリスト集団ではない。ある領域を支配する存在であって、しかし、これまでのような「国家」を作って、国際社会の中に地歩を築こうというわけではない。これまでの内戦当事者の軍事組織なら、独立とか国家としての承認とかの目的があったでしょうけど、ISは違いそう。


 でも、ある領域を支配している。その領域というのは、テレビにしばしば出てくる図によると、べったりとした面というより、アメーバ状に広がったような不思議な形。都市と交通路を中心とした領域なのかもしれないけど。イラクやシリアやヨルダン国境の不自然な直線は、かつての欧米の中東に関する仕切りを示していますが、ISの支配地域の図は、領域国家が陸地を分け合って支配している従来の世界が、これまで通りにいくのか、との懸念を感じさせます。

 そうでなくても、現在の世界地図に印刷された国境線って、民族集団とはかかわりなく引かれたものですからね。

 アフリカでは、主権国家が統治できていない地域だってあるし。


 移動性が高まっているから、移民や難民はおびただしい数に上る。情報網が発達しているから、個人の行動も変わってくる。ヨーロッパからISに参加した人がいるというのも、どう考えたらいいものか。

 


 国民国家を超えた組織や価値観が広がる世界を「中世」と呼ぶ趣味に習うと、多国籍企業や国際NGOなどばかりでなく、テロリズムや宗教対立などネガティブなものも含め、国民国家の中で生活している自明さが、掘り起こされているような不気味さを感じます。



 よし。グレゴリアン・チャントでも聞こう。

 https://www.youtube.com/watch?v=fKLxgRH95Ns