『読書について』ショーペンハウアー(光文社古典新訳文庫) | かんちくログ

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1発屋どころか、まだ1発も打ち上がってませんが。勝負は、これから。

Kindle読み放題プランで見つけました。

 

読書について (光文社古典新訳文庫) 読書について (光文社古典新訳文庫)
 
ショーペンハウアー


ショーペンハウアーさんが自国民についてディスるディスる! 流行作家たちを一刀両断しまくる!
そんな本です。
「自分の頭で考える」「著述と文体について」「読書について」という3つの章がある。痛快な部分もあり、自分に突き刺さることもある。

新訳のおかげか、わかりやすく、するすると読める。でもいくら表現はわかりやすくても内容は深い。1回目はするすると読むだけであまり響かなかった。ふと思いついて、Kindle端末の文字表示を大きくしてみた

。小学校低学年の教科書くらいの大きさにすると、ようやく書かれていることがちゃんと頭に入るようになった。

文章には密度がある。逆に密度の薄い本は字を小さくして一画面にたくさんの文章を入れて、写真を撮るように読んでいく。必要な情報をそこから拾い集めるイメージ。

小林秀雄の講演を録音したCDがとても好きで何度も聞いていて、本も読みたいのだけど、本は何度挑戦しても頭に入らない。わたしの普段の読書速度では駄目なのだと思う。しかも持ってる本は字が小さくてぎゅうぎゅうにつめてある古い文庫本だし。Kindleで文字を大きくして読んだら頭に入るかもしれない。

話がそれましたが、ショーペンハウアーさんが、こんなことを言っていました。

あらゆる概念形成は比喩をふまえている。概念は多種多様な事物の中から、似ている者を拾い上げ、似ていないものを捨て去ることで、しだいに形作られてゆくからだ。

 

比喩は認識の強力な推進力となる。だからこそ意外性に富み、しかもぴったりの比喩を駆使できれば、深い理解力のあかしとなる。アリストテレスも言っている。「ずばぬけて偉大なのは、比喩を見出すことだ。言い換えれば、これだけは他人から学べるものではなく、天賦の才のしるしだ。すぐれた比喩を駆使するには、同質性を見抜かねばならないからだ」(『詩学』)。

比喩は同質性を見抜くこと。気になる。もう少し考えたい。

書いてあることにハッとして、本を閉じてしばらく考える。最近はそんな読み方をできるようになった。前はむさぼるように読んでいたのに。むさぼるように読みまくる時期も必要だったのだろうけれど。


Kindleで文字大きく作戦はかなり有効かもしれない。

 

今日はひさしぶりに家に1日いられる日だった。ずっと外出仕事続きだったから、ほっとする。こういう時間をどれだけ取れるか、小説家寒竹泉美のマネージャーの腕のみせどころである。マネージャーって、まあ、自分なんだけどさ。スポンサーも自分ね。わたしが良い小説を書けるには、どうしたらよいかを常に考えている。時間と資金と環境と。


わたしはどうしたいんだろうと考えた。読んでくれる人を増やしたいのか、もっと小説家の腕を磨きたいのか、小説の収入を増やしたいのか。いろいろ考えて最終的に出てきたのは「小説家として認められたい」ということだった。でもしばらくして、「小説家として自分を認めたい」と書き換えた。
誰が何と言ってくれようと、自分で自分を認められなければきっと満たされることはない。逆に、誰に何と言われようと自分で自分を認められていれば揺らぐことはないし。

はあ、もう一度、賞獲るしかないんだよなあ。そうしないと自分で自分を認められないみたい。


いまのところ、ひとつ、電子書籍で書かせてもらえる話があって、それ以外は何もないので、そのひとつを書いて、応募作品を、今度こそ!今度こそ書く!

最近自分の来し方をふりかえって文章にする機会があり、たくさん仕事は広がっているけれども、小説家としてはこのままじゃいかんよね、そろそろやらねばね、と考えている日々であります。