日本国内にある宗教法人の数は18万弱と言われているが、これらの宗教団体が全て活動している訳ではない。
中には休眠状態もあれば形だけのものもあり、宗教を取り巻く環境は様々だ。
信仰の自由が認められている限り、どの宗教団体に所属しようがそれは個人の自由であり、他者がそれについてとやかく言う必要はない。
だが、現状では宗教に纏わるトラブルが多いのも事実だ。
個人レベルで解決出来るトラブルであれば問題はないのだが、それが個人の範疇を超えて家族や知人を巻き込んでしまったり、警察沙汰にまで発展してしまうのはどう考えても宗教的とは言えない。
トラブルの原因で最も多いのが「霊感商法」。
その商材は多岐に亘り、壺、多宝塔、数珠、印鑑、水晶、表札などが上げられる。
先日、印鑑販売会社を装う販売員らが高額の印鑑を購入させた事件が話題になったばかり。
彼らは「統一教会」のメンバーと思われるが、こうした悪意のある宗教法人が後を絶たない。
どんなに高額だろうと、購入する個人がそれを信じて疑わなければ事件にはならないのだが、その悪質な手口は今も昔も変わらない。
人の弱みに付け込み、脅し文句を並べて個人を追い込む犯行は、人間の心理を巧みに操る詐欺と同じである。
宗教を税金対策や単なる金集めなどに利用し、更には政治にまでも関与する宗教団体の在りかたに対し、国は暗黙の了解のもと、野放しにしている状態である。
法人規制を厳しくすれば、こういった悪質な宗教団体は減少するだろうし、トラブルに巻き込まれる人も少なくなるだろう。
だが、これらの悪質な金が闇ルートに乗って国の権力者たちに流れ込んでいるのも事実だ。
中部地方に幾つかの拠点を持つ「宇宙真理学会」なる宗教法人に至っては、ラブホテルを隠れ蓑にして所得をごまかしていたという、宗教の風上にも置けない呆れた団体まで存在する。
ホテルの売り上げをお布施に利用すると言うのはよく考えたものであるが、そこまでして金に目が眩んでしまったのでは御神体も呆れ顔だろう。
宗教は本来、人を幸福に導くものでなければならない。
人生に躓き、道に迷ったあげく自殺に追い込まれるような人を救ってあげるのが真の宗教である。
それを実践出来ている宗教団体が日本にどれだけあるだろうか。
果てしない疑問がわたしの頭の中に渦巻いて、答えが中々導き出せないでいる。