オシム監督の苦笑い。 | プールサイドの人魚姫

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うつ病回復のきっかけとなった詩集出版、うつ病、不登校、いじめ、引きこもり、虐待などを経験した著者が
迷える人達に心のメッセージを贈る、言葉のかけらを拾い集めてください。


オシム
急性脳梗塞で倒れたオシム監督が治療を受けている「千葉・順大浦安病院」は、わたしの娘が産まれた病院で数回訪問しており馴染みが深い。最新の医療体制は日本でも有数であり、最新の治療を受けられる。その点に於いては不安材料は今のところない。後はオシム監督自身の持つ体力と精神力に任せるしかないだろう。
脳梗塞はわたしのように心臓疾患を抱えている者にとっては、命取りの病気である。健康体でも高齢になれば罹患しやすい疾患のひとつだ。オシム監督自身も心臓に持病を抱えての、監督就任だった。
日本のサッカーに不足しているもの、それは猫の持つ俊敏性と毛玉にじゃれ付く子猫のようなサッカーボールに対する執着心だろう。
そしてもっとも大切なことは走り続けること。これは従兄弟が現役の時代によく言っていた言葉でもある。従兄弟も2年前脳内出血で倒れたが、奇跡的な回復を成し遂げた。
監督という立場はグラウンドでボールを追う選手と同じほどハードで過酷なもの。自分の思い描いた通りに試合が展開しなければ、ストレスも増幅し血圧も上がるだろう。増してや、遠い国からはるばる日本にやって来て、生活環境も大きく変化し、言葉の壁や毎日の食事など仕事以外でも大きなストレスを受ける。どれほど強靭な体力と精神力を持ってしてもこれらのストレスを跳ね返すことは不可能に近い。
オシム監督が回復しても拭えない不安はその後遺症である。元の身体に戻ることは奇跡でも起きない限り、まず無理だろう。例え引き続き監督を続けることが出来る状態であったとしても、日本はそれを受け入れるべきではない。
今後はオシム監督の生涯を見据え、出来るだけ長く生きて貰いスタンドの外からアドバイスを受ける形を取るのが懸命な判断だと思われる。
日本の全てのサッカー選手よ、今こそ君たちは野生のハンターになるのだ。狙った獲物は逃さない、敵に奪われることなく、オシム監督の待つゴールへ突き進むのだ。
オシム監督の苦笑いを見る為に。