〈77〉消費増税 | 【要】通信

〈77〉消費増税

8日夜の野田・谷垣会談での合意により、社会保障・税一体改革関連法案が今国会で成立しようとしている。この「一体改革」を礼賛してきたマスコミは国民の反発を恐れて「バンザイ!」とも書けず、国会解散はいつか、というあたりに問題をずらしている。

難しい話は分からないから、見える範囲で書く。この春から出版業界の売り上げがさらに急速に落ち込んでいるのは何故か。いろいろな原因が複合しているが、どうせ電子書籍になっていつでも必要なときに必要な部分だけ買えるのなら、いま買って積んでおく必要はない、という読者の判断もあるだろう。しかし、どうしても必要なものしか買わない、買えないという状況のなかで、消費増税は確実に買い控えを増やす。税金を上げて景気が良くなることなどあり得ないだろうに。

エコカー減税というのがある。環境性能に優れた自動車を購入すると、自動車重量税や自動車取得税が減税、または免税になる制度だ。またエコカー補助金というものもある。自動車が売れて喜ぶのは自動車産業+関連産業だけだろう。こんな制度をつくるなら、東北大震災・原発被災者だけに適用されるようにする、あるいは安く買えるというより営業・生活に必要な自動車を被災者には無料で配布する制度を作るべきだったと思う。

消費増税論者は言う。国の借金を未来につけ回しするわけにいかない、いま痛みを分かち合うべきだと。しかし単純な話であって、税収を上げたければ大企業優遇税制を是正すればいい。歳出を減らしたければ、ダム、高速道路、新幹線、新型戦闘機に無駄な税金を投入するのを止めればいい。「政権交代」を経て、3.11を経て、まだこんな話をしていなければならないのは情けない。(2012年8月9日)

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