「ビバ!歌謡曲」特別編です、今回はチェッカーズについて。
チェッカーズは80年代人気を誇ったロックバンドです。
私の印象としては、最高に上手いわけじゃないが、彼らは立派に
演奏をしていたし、バンドとしての水準はそこそこだった。
ヴォーカル・藤井兄の歌も人を圧倒するようなものではなかった
けれど、彼の歌には「顔」があったと思う。要は一聴して誰の歌か
分かるという感じ。
要するに私にはチェッカーズは正にバンドに見えたということ。
それはデビューしたての頃からそう見えた。
だけど、それは演奏面での力量等を見てそう思ったのであって、
決して彼らの発表した楽曲やTVなどで見かける活動を見てそう
思ったのではなかった。
それこそチェック柄の衣装を着て、芹澤・売野コンビの楽曲を歌う、
妙な振り付けを見せる、そんな彼らはアイドルであり、歌謡曲的で
あった。そして、ロックバンドではないように見えた。
そして、こうも思った、
「売れるためにお仕着せの歌を歌わされている」
もちろん、アイドルであることは悪いことではないが、冒頭にも言っ
たように、私には彼らがロックバンドに見えたから、可哀想に思えて
仕方なかったのだ。
彼らは多くのバンドから抜きん出るためにプロダクション側からの
演出を受け入れてあのような形で世に出たように見えた。
もちろん、ロックバンドがアイドルでも構わない。どちらかと言うと
アイドルであるというよりは、あの衣装や楽曲が実に歌謡曲的で
何もこんな格好でこんな歌を歌わせなくても、そんな風に思えた。
そもそもチェッカーズっていう名前もどうかなと思ったかな。
だが、芸能のプロたちが考えることは大したもので、これが売れる。
実際のところ、彼らが活躍している頃、不思議でならなかった。
私にはあの売り出し方のどこがかっこいいのかさっぱりついていけ
なかった。もちろん、芸能のプロが狙った層は私のような年代では
なかったとは思いますよ、当時もう大学生でしたから。
でも、売れる路線とか歌ってどこか分かると思ってた。
「好きじゃないけど、狙いは分かる」とか「好きじゃないけど、いいと
こつくな」とかそういう感覚ってあるものだ。
でも、彼らのデビュー後の路線や歌にはそれが一切無かった。
「ギザギザハートの子守唄」なんて80年代でも一昔前の不良とい
った風情の歌詞だし、「涙のリクエスト」なんて設定がアメグラみた
いで「はっ?」って感じ。
「好きじゃないし、分からない」、正にそんな感じでした。
こんな感覚持っていたのは私だけだったんだろうか?
しかし、そんな私の思いを笑い飛ばすようにとにかく売れに売れた。
彼らはそして男性アイドルとしてはナンバーワンの人気となる。
出す曲出す曲ヒットしていきましたね。
ただ、私は正直好きな曲が一曲もありませんでした。
とにかくね、まず、
「何で彼らにあんな曲歌わせるんだ?」っていう感覚が先に立って
しまってダメでした。
本来ならば、私は歌謡曲派なんですよ。
だから、歌謡曲的な手法でアイドルとして売り出す、これは男性で
あろうと女性であろうと受け入れる方なんですが、彼らについては
全くそれが出来ませんでした。
芹澤・売野コンビの楽曲、狙いすぎなんだよね。
もちろん、チェッカーズのために書いているんだけど、正直一度も
彼らの個性とマッチしていると思わなかった。
彼らは人を見て仕事をしたとは思えない、彼らの作品を評価したく
ない。
そして、こうも思いました、
歌謡曲は歌謡曲として成立する条件を満たしてくれる歌手に歌わせ
るべきだ、ロックバンドにそれをするのは誤りだ。
私は歌謡曲が好きだからこそ、チェッカーズの真似事歌謡曲が嫌
いだったし、ロックが好きだから、チェッカーズにロックを歌ってほし
かった。
しかし、恐らく彼らはもっとしたたかだったんでしょう。
勝手な想像ですけど、彼らは不本意だったかも知れないお仕着せ
のイメージも成功のためのステップと割り切っていたんではないか。
結果、彼らは人気を不動にして、楽曲制作についての発言権を得た
のではなかろうか?
シングル「NANA」が彼らのメンバーによるオリジナルソング第一弾
です。そこにはエセ物語を描いた歌詞も、ただただ売れ線の毒の無
いポップスも、みっともない衣装もありませんでした。
続いて「I Love You SAYONARA」を発表。
こちらも彼らのイメージとしっくりくる楽曲だった。
やっと彼らはロックバンドになれたと思いました。
そして歌謡曲の住人という仮住まいを出て行ってくれた。
これは彼らとっても歌謡曲にとってもいいことだと思った。
私は今でもこの2曲が一番好きです。
私は歌謡曲が好きですけど、これだけは言いたい、
「ロックバンドに手を出すな」
確かにアイドル歌手が本格派の歌手、大人の歌手に成長するという
のはよくある話だ。
ロック色を強めていく歌手がいることも事実だろう。
でも、彼らの場合、最初からロックバンドだったのに、と思う。
商業的な成功ゆえに、芹澤・売野コンビは自分たちが彼らの恩人だ
と思っているだろうし、そういう過程があったからこそバンドオリジナル
の楽曲まで辿り着けたと言うだろう。
結果論として、それは間違いではないのだが、
私には回り道に見えて仕方が無いし、オリジナル前の楽曲やあの衣
装、振り付けはチェッカーズというバンドにとって汚点だと思ってる。
ちなみに、私はレイジーも好きじゃないぞ。
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