2017年01月28日

沈黙 サイレンス(ネタバレ)

テーマ:新作映画(2017)
沈黙 サイレンス※ムービーウォッチメンのリンクを追加しました(2/3)

沈黙 サイレンス

原題:Silence
2016/アメリカ 上映時間162分
監督・製作・脚本:マーティン・スコセッシ
製作:エマ・ティリンガー・コスコフ、ランドール・エメット、バーバラ・デ・フィーナ、ガストン・パブロビッチ、アーウィン・ウィンクラー
製作総指揮:デイル・A・ブラウン、マシュー・J・マレク、マニュ・ガルギ、ダン・カオ、ニールス・ジュール、チャド・A・ベルディ、ジャンニ・ヌナリ、レン・ブラバトニック、アビブ・ギラディ、ローレンス・ベンダー、スチュアート・フォード
原作:遠藤周作
脚本:ジェイ・コックス
撮影:ロドリゴ・プリエト
美術・衣装:ダンテ・フェレッティ
編集:セルマ・スクーンメイカー
音楽:キム・アレン・クルーゲ、キャスリン・クルーゲ
音楽監修:ランドール・ポスター、ジョン・シェーファー
エグゼクティブ音楽プロデューサー:ロビー・ロバートソン
出演:アンドリュー・ガーフィールド、アダム・ドライバー、浅野忠信、キアラン・ハインズ、リーアム・ニーソン、窪塚洋介、イッセー尾形、塚本晋也、小松菜奈、加瀬亮、笈田ヨシ、遠藤かおる、井川哲也、PANTA、松永拓野、播田美保、片桐はいり、山田将之、美知枝、伊佐山ひろ子、三島ゆたか、竹嶋康成、石坂友里、佐藤玲、累央、洞口依子、藤原季節、江藤漢斉、菅田俊、寺井文孝、大島葉子、西岡秀記、青木崇高、SABU、渡辺哲、EXILE AKIRA、田島俊弥、北岡龍貴、中村嘉葎雄、高山善廣、斎藤歩、黒沢あすか
パンフレット:★★★★☆(720円/落ち着いた作りで、記事も充実してて、オススメの一冊)
(あらすじ)
17世紀、キリスト教が禁じられた日本で棄教したとされる師の真相を確かめるため、日本を目指す若き宣教師のロドリゴとガルペ。2人は旅の途上のマカオで出会ったキチジローという日本人を案内役に、やがて長崎へとたどり着き、厳しい弾圧を受けながら自らの信仰心と向き合っていく。(以上、映画.comより)

予告編はこんな感じ↓




90点


「あのマーティン・スコセッシ監督が日本の小説を原作にした映画を撮る」ということでボンヤリと興味が湧いて、なんとなく前売り券を買ってましてね。で、愛聴するラジオ番組「ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル」の週刊映画時評コーナー「ムービーウォッチメン」の課題映画になったので、今週月曜日にTOHOシネマズ新宿で観てきました。「いい勉強させていただきました… ( ;∀;) イイエイガダナー」と思ったり。


4番スクリーン、ほぼ満席だったような。
4番スクリーン

鑑賞後の僕の気持ちを代弁する北辰会館の志門剛俊を貼っておきますね(「餓狼伝」より)。
いい勉強させていただきました


僕はそのタイトルから「沈黙のサイレンス!? Σ(゚д゚;) マサカ!?」なんてスティーブン・セガール最新主演作と誤解するほど安い男ではありませんが(苦笑)、どんな話かはあまり知らなかったというか。「なんか切支丹が弾圧されて、『ぱらいそさ、いくだ!ヘ(゚∀゚*)ノ ホエホエ!』みたいな感じなんでしょ?」なんて思ってたレベルでしてね。で、たぶん本作を本格的に批評しようとしたら、遠藤周作先生による原作小説の読破はもちろんのこと、1971年の映画化作品を観たり、マーティン・スコセッシ監督がイエス・キリストを描いた「最後の誘惑」の内容に触れたりすべきなんでしょうけれども。当然ながら小説は未読だし、1971年の映画も観てないし、「最後の誘惑」だけはずいぶん昔に観ながらもすっかりうろ覚えということでね、これから雑かつ乱暴な感想をダラダラ垂れ流すので、適当に読んでいただければ幸いです。


なんとなく貼っておきますね(「妖怪ハンター」より)。
ぱらいそさ、いくだ!


まず、あらすじをボンヤリと書いておきますよ。映画の舞台は江戸時代初期の長崎。フェレイラ神父(リーアム・ニーソン)の目の前で、他の神父たちが「グツグツ状態の温泉をジュージューかけられる」というアツアツおでんのハード版的な拷問描写から始まりましてね。そのフェレイラ神父が棄教したことを手紙で知った弟子の若き宣教師ロドリゴ(アンドリュー・ガーフィールド)とガルペ(アダム・ドライバー)が「そのウワサを確かめるッス!ヽ(`Д´)人(`Д´)ノ シンジナイ!」と、棄教した日本人キチジロー(窪塚洋介)の手引きにより、マカオ経由で長崎のトモギ村に行ってみれば、隠れ切支丹たちが歓迎してくれて。なかなか布教活動が順調なので、五島列島にも行ってみれば、幕府の取り締まりがスタートですよ。踏み絵をやらされるだけでなく、イエス・キリスト像にツバをかけることを強要されると、村長のイチゾウ(笈田ヨシ)や熱心な信者モキチ(塚本晋也)らは拒否して処刑されるも、キチジローだけはスムースにツバを吐いて難を逃れるというね。


雲仙地獄谷にて、熱湯責めをされる神父たちを見て絶望するフェレイラ神父から映画は始まりまして。
絶望するフェレイラ神父

そんな彼を追って、ロドリゴとガルペは日本に渡来。信徒たちとつかの間の宣教師ライフを送るんですが…。
隠れキリシタンとの出会い

何者かの密告により、幕府の取り調べが始まっちゃったから、さぁ大変!∑(゚Д゚) タイヘーン!
幕府の取り調べ

キチジローはキリスト像にツバをはきかけて事なきを得るものの…。
キリスト像を突きつけられるキチジロー

他の人たちは海辺で処刑! 江戸幕府、容赦せん!m9`Д´) ビシッ
処刑!


で、危険が迫っているということで、ロドリゴはガルペと別れて姿を隠すんですが、キチジローが幕府に売ったせいで捕まりまして。長崎奉行の井上筑後守(イッセー尾形)に棄教を迫られて拒否すると、通辞(浅野忠信)がニヤニヤ見守る中、棄教しない信徒(加瀬亮)を目の前で斬り殺されたり、簀巻きにされて海に放り出された信徒(小松菜奈)を救おうとしたガルペが溺死するのを見せつけられたりと、心を折られるエブリデイ。さらに、沢野忠庵と改名した転びバテレンのフェレイラに「日本にキリスト教は根付かないよ ┐(´ー`)┌ ヤレヤレ」なんて語られた挙げ句、目の前で信徒たちが穴吊りの拷問を実施されるのを見せられる地獄ですよ。それでも踏み絵をするかどうかに苦しんでいたら、踏み絵のイエス・キリストが「踏んだっていいんだよ ( ´_ゝ`) イインダヨ」と言ってくれたので、泣く泣く踏んで棄教するんですが、しかし。その後も内心はキリストLOVEであり、何度も棄教しながらも節操なくキリスト教を信じるキチジローのこともなんとなく見直して仲良く付き合うようになったりして。日本に定住したロドリゴが寿命で死んで火葬される際、奥さんは「ロドリゴがイチゾウからもらった手作りの十字架」を遺体に忍ばせたのでしたーー。


捕まったロドリゴは、井上筑後守によって、さまざまな角度から試されることになりまして。
井上筑後守(イッセー尾形)

あんまりすぎることが目の前で繰り広げられるので、最終的には棄教してましたよ (´・ω・`) シカタナシ
あんまり顔のロドリゴ


僕的に本作の好きなポイントは3つありまして。1つ目は、超勉強になったこと。「江戸時代のキリシタン話」というと、「宮本武蔵が島原の乱に参戦した」とか、「魔界転生」の天草四郎とか、その他、「時代劇にちょっとした味付け要素として出てきました」程度の知識しかなかったので、「大変だったんだなぁ… (´・ω・`)」と(44歳の社会人の文章)。鑑賞後、wikipediaでロドリゴのモデルになった人とかの関連項目をいろいろ読んでみれば、現代人目線でこういうことを書くのは偉そう&失礼な話ではありますが、ごめんなさい、「キリスト教を信じるor信じない」程度のことで多くの人が迫害されたなんて心底くだらないというか。現代の日本に生まれて本当に良かったと思いましたよ。まぁ、僕は「さっさと踏んじゃえばいいじゃん (゚⊿゚) ホラホラ」なんて上から目線で考えがちなんですけど、当時の人は結構真面目だから、そういった心の折り合いがなかなか付けられなかったんでしょうな。


こういうのをお役人から「形だけでもいいから、踏みなさい」的に勧められるんですが…。
踏み絵

僕だったら、この渋川剛気級の勢いで踏むと思ったり(「グラップラー刃牙」より)。
ダメ押しィッ


2つ目は、作品のキリスト教観が好きでした。最初は、裏切っては赦しを求めるキチジローにイラッとしたんですが、最終的には「人と宗教の距離感はこのぐらいで良いんじゃないか」と考えさせられるようになって。そりゃあ殉教する人はスゴいけどさ、僕は“疑い深くて浅い人間”だから「神様とやらが本当に慈悲深いなら、信じる人をそんな目に遭わすなよ」ってどうしても思っちゃうんですよね。だから、生き延びるために「それはそれ」として割り切ってウソをついたって仕方ないと思うし、クライマックスでロドリゴにキリストが「踏んでいいよ ( ´_ゝ`) イインダヨ」って夜回り先生ライクに語りかけてくるシーンはグッときましたよ(よくよく考えると「もっと早く言えよ ( ゚д゚)、ペッ」とか「他の信者にも言ってやれよ ( ゚д゚)、ペッ」って思わなくもないんですが、ロドリゴの脳内のことなので仕方ないのかしらん)。


裏切っては懺悔するキチジロー、人間らしくて嫌いになれなかったです。
キチジロー(窪塚洋介)

なんとなくサカキバラ・ゴウの画像を貼っておきますね(「逆境ナイン」より)。
三角絞めでつかまえて-それはそれ!!


3つ目は、役者さんたちが素晴らしかった。主演級の人たちはみんな良かったんですが、ビックリしたのが海辺の磔シーン。笈田ヨシさんと塚本晋也監督が実際に磔になっていて、「マジか!Σ (°д°;)」と。笈田ヨシさんは80歳オーバーの高齢だし、役者として参加した塚本晋也監督も激やせ状態で波をザッパンザッパン受け止めていて、非常にガッツ溢れる良い処刑を見せていただきましたよ。ガルペ役のアダム・ドライバーの痩せっぷりにも驚かされましたねぇ…(しみじみ)。あと、通辞を演じた浅野忠信さんも「淵に立つ」に続いてその実力を見事に見せつけられた印象。ただ、一番好みのタイプだったのは菅田俊さんで、あの「引っ立てぃ!ヽ(`Д´)ノ」感が最高でして。今後はもっともっと重宝されてほしいというか、例えば年末に「笑ってはいけない江戸時代」などに出演して(勝手な企画)、月亭方正さんあたりを「お前…キリシタンだな!? (`Δ´)」なんて詰めてほしいと心から願っております。


この処刑シーン、スゲー良かったですよ。塚本監督の痩せ具合が凄惨さを倍増させるというか。
ハードな処刑シーン!

ガルペの半裸もキツかったですな… (ノω・、) カワイソウ
激やせ状態のガルペ

浅野忠信さんも「敵だけど微妙に親近感が湧いている」みたいなムードが素敵でした。
通辞(浅野忠信)

だがしかし、イチオシはこの菅田俊さん! この人のスピンオフが観たいぐらい好きです(誇張アリ)。
ツバを吐けと迫る菅田俊!

なんとなく仮面ライダーZXに変身する菅田俊さんを貼っておきますね(「平成ライダー対昭和ライダー 仮面ライダー大戦 feat.スーパー戦隊」より)。
村雨良


それ以外の部分では、パンフやサイトでマーティン・スコセッシ監督の「映画化への情熱」を知ってね、その心にも感動したというか。「戦後日本文学の代表作」という日本の小説を海外の実力のある監督が愛してくれて、それを誠実にアプローチして映画化してくれたというのは、なんかスゲーうれしくて。それだけでも高得点を付けちゃいたい気分だった次第。


監督やキャストのインタビューが入った特別映像を貼っておきますね↓




正直なところ、もっとハードな拷問描写が観たかった気持ちはあるし(火あぶりとか首チョンパとか凄惨なシーンはありますが)、一部キャストに違和感を感じたりもしたんですが(高山善廣選手の登場は笑った)、いい勉強させていただきました… ( ;∀;) イイエイガダナー 本作がヒットすれば、ハリウッドの有名監督が時代劇を次々に撮ってくれる可能性がなくはない気がしないでもないかもしれないということで、多くの人が観てくれたらうれしいです。そして、日本の黒歴史である「江戸っ子大虐殺」とか映画化されたらいいな…なんて余計な文章を書いて、この駄文を終えたいと思います。おしまい。

宇多丸師匠による実にわかりやすい時評がアップされたので、ぜひ読んで!




遠藤周作先生による戦後日本文学の代表作。kindle版を買ったけど、まだ1ページも読んでないぜ!



篠田正浩監督による1971年の映画化作品。観ようかなぁ…どうしようかなぁ… (・ω・;) ウーン



マーティン・スコセッシ監督の前作。僕の感想はこんな感じ



マーティン・スコセッシ監督がイエス・キリストを描いた映画。どんな内容だったか、まったく思い出せません (ノ∀`) テヘ



ラージクマール・ヒラーニ監督による宗教の欺瞞を描いたコメディ。僕の感想はこんな感じ



キリスト教について考えさせられたイ・チャンドン監督作。オススメ!



「キチジローが天草四郎化して一悶着起こす映画」として観直せば面白いような、そんなことないような。



実は今さら森達也監督のこの本を読んでいたんですが、ちょっと共通点を感じたりもしたというね。








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