2016年05月21日

アイアムアヒーロー(ネタバレ)

テーマ:新作映画(2016)
アイアムアヒーロー※ムービーウォッチメンのリンクなどを追記しました(6/5)

アイアムアヒーロー

2016/日本 上映時間127分
監督:佐藤信介
原作:花沢健吾
脚本:野木亜紀子
製作:市川南
共同製作:寺島ヨシキ、久保雅一、中村理一郎、田中晃、岩田天植、弓矢政法、高橋誠、千代勝美、吉川英作、都築伸一郎、板東浩二、宮本直人
エグゼクティブプロデューサー:山内章弘
プロデューサー:山崎倫明、城戸史朗
共同プロデューサー:岡本順哉
プロダクション統括:佐藤毅
ラインプロデューサー:竹山昌利、桜井勉
韓国ユニットラインプロデューサー:鈴木勇
撮影監督:河津太郎
録音:横野一氏工
美術:斎藤岩男
装飾:大坂和美、篠田公史
特撮:神谷誠
特殊メイク・特殊造形統括:藤原カクセイ
衣装デザイン:宮本まさ江
編集:今井剛
音楽プロデューサー:志田博英
音楽:Nima Fakhrara
音楽コーディネーター:杉田寿宏
助監督:藤江儀全
キャメラオペレーター:田中悟
ガファー:中野創平
CGディレクター:土井淳
アクションコーディネーター:下村勇二
スクリプター:田口良子
製作担当:大谷直哉
出演:大泉洋、有村架純、長澤まさみ、吉沢悠、岡田義徳、片瀬那奈、片桐仁、マキタスポーツ、塚地武雅、徳井優、風間トオル
パンフレット:★★★(720円/キャスト&関係者のインタビューが充実してました)
(あらすじ)
漫画家アシスタントとしてパッとしない日々を送る、35歳の鈴木英雄(大泉洋)。そんな彼の恋人が、人間を凶暴に変貌させるウイルスに感染して襲い掛かってくる。慌てて趣味の射撃で所持する散弾銃を手に外に飛び出す英雄だが、街はZQNと呼ばれる感染者であふれていた。出会った女子高生・早狩比呂美(有村架純)と逃げるが、彼女は歯のない赤ん坊のZQNにかまれて半分ZQN半分人間という状態に。比呂美を連れてショッピングモールに逃げ込んだ英雄は、そこで藪(長澤まさみ)という勝気な看護師と顔を合わせる。(以上、シネマトゥデイより)

予告編はこんな感じ↓




90点


なんとなく観ようかなと思いながらも、そんなに面白くなさそうな気がして、食指が動かなかったんですけれども。ツイッターで相互フォローさせていただいているそちゃさんとか、結構趣味の合う方々の評判がすこぶる良かったので、観ることに決定。5月上旬、横浜の親友夫婦とTOHOシネマズ新宿で一緒に観て来ました。「見事じゃ… (ノ∀T)」と思ったり。ちなみに原作漫画は未読でございます。


6番スクリーンで鑑賞。祝日というのも関係してるかもしれませんが、ほぼ満席でした。
6番スクリーン

映画を観た直後の僕の心境を代弁する徳川光成の画像を貼っておきますね。
見事じゃっ!


まず、雑にお話を書いておくと、「人間がゾンビ化するウィルスが蔓延することで鈴木英雄の日常が崩壊→逃げる過程で女子高生の比呂美と出会う→彼女はウィルスに感染するも人を襲わないので(そして剛力を得る)、守ることを決意→崩壊後の世界で上手くやっているコミュニティに合流→実は上手くいってなくて、コミュニティが崩壊→葛藤の末にずっとヘタレだった鈴木英雄が覚醒して活躍→鈴木英雄と比呂美と親切にしてくれた藪だけが生き残ったので、3人で旅立って終了」という感じでしたよ。


ラスボスは高飛びゾンビでした。
高飛びゾンビ

まぁ、最後は「いかにも生き残りそうな人」がちゃんと生き残りましたな。
生き残った3人


ファーストゾンビ映画として、「バタリアン」を鑑賞して以来、それなりにはゾンビ作品を観てきた僕ですけど、上位に来る面白さでした。特に、僕が観て来た“邦画のゾンビモノ”の中ではズバ抜けて素晴らしかった印象。今まで佐藤信介監督作は「アクションは良いけど他の要素が微妙」というイメージでしたが、今作はそんなに粗を感じなくて、スゲー見直しました。「バクマン。」や「ちはやふる」、「進撃の巨人」など、普通にエンタメとしてよくできてる漫画原作実写映画に感心させられることが多い今日このごろ(一つ怒られそうなラインナップ)、本作もそういう印象の1本でしたよ。

まず、ゾンビの造形が良かった! 特殊メイク・特殊造形統括担当の藤原カクセイさんのインタビューによると、「リアルな肉体崩壊」を目指したそうで。「ゾンビモノは低予算で撮れる」ということで、日本でもいろいろと映画にゾンビが出てきましたけど、やっぱり作り物感が強かったというか。心優しい観客は“少し目をつむってあげる雰囲気”だったわけじゃないですか。でも、今作のゾンビは、“感染者”っぽくありながらも、しっかり肉体が壊死してたりする感じも作られていて、リアルにおぞましいというか。この点だけでも「“日本のゾンビ”を作った」と感心しましたよ。恥ずかしながら、僕は今まで藤原カクセイさんって意識したことがなかったんですけど(汗)、「よくぞ“この技術”を積み上げてきたなぁ」と尊敬の念を抱いちゃいましたね。


なんとなく偉そうな範馬勇次郎を張っておきますね。
よくぞ そこまで積み上げた


次に、ゾンビ関連の描写も良かった! 流れるニュース、公園にいた変な人などによって、徐々に日常が侵食されて、恋人のゾンビ化で爆発! 「28日後...」「ドーン・オブ・ザ・デッド」のヒットから流行するようになった、ダッシュ系ゾンビの“先”を見たというか。「エクソシスト」のリーガン以上に体をあらぬ方向に曲げながらアグレッシ部に英雄を襲う恋人てっこはマジで恐ろしくて、演じた片瀬那奈さんは100点の素晴らしさでしたな…(しみじみ)。あのドアをかじって歯がボロボロ折れていく場面とか、笑いながらも超怖かったです (´Д`;) イヤーン その後、職場での惨劇からの「ドーン・オブ・ザ・デッド」の冒頭を日本ナイズしたかのような“街の崩壊描写”も最高で、ここまでで十分観た価値はありましたよ。


このパニック場面は何度でも観たい面白さでした。
崩壊する世界


そして、クライマックスが良かった! 日本人の場合、いくら文明が崩壊したとしても、すぐには暴走できない人が多い気がしてて。本作の「銃を撃たないし、撃てない」という主人公の英雄は、演じた大泉洋さんの見事な演技もあって、イラッとしつつも結構納得が行く感じでしてね。でも、そんな英雄が終盤、「隠れているロッカーを飛び出して殺される」という妄想を何度も何度も繰り返して自分と葛藤しながらも(映画ならではの良いシーンだと思う)、守るべき人を守るために立ち上がる場面は超テンションが上がるし、満を持して発砲する時はスゲー気持ちいい!ヽ(`Д´)ノ

そこからのゾンビ大量殺戮は、ゴア描写がいっぱいで楽しいわ、「撃たれて足がちぎれる→そのまま歩いてくるゾンビ」といった気が利いた描写もいくつかあったわと、実に見応えがありましてね。恐怖をこらえながら射撃する際の“型”をキッチリと守って淡々とゾンビを破壊していく姿は、草食系の人が粗暴な人を相手に格闘技術を冷静に繰り出して倒す姿にも見えて、ある意味、これも1つのガン=カタと言えるのではないかと思うと、余計にグッとくる感じ(電波な意見)。さらにラスト、弾薬が切れてからの高飛びゾンビへの“銃床でのとどめ”もまた、“型”から1歩進んだ“ヒーローとして目覚めた男の一撃”って思ったりして、スゲー感動いたしました ( ;∀;)イイイチゲキダナー その他、韓国で撮ったというカーアクションも迫力があったし、アウトレットモールに籠城してる設定も上手いと思ったし、とにかく褒めるところまみれでしたね~。


英雄がとうとう銃を撃ったその瞬間!
とうとう撃つ!

僕は「正中線四連突きを放とうとする息子を見た愚地独歩」の顔になっていましたよ。
晴れやかな愚地独歩


とは言いつつも、いくつか些細な不満点はあって。最初、アウトレットモールで藪が完全防備の姿で出てきた時はうれしかったんですよ。というのは、僕は「噛まれたらアウトの世界」で半袖の奴とかいるのが結構納得できないタイプだから、「そうだよな、やっぱりそういう装備を身につけるよな」と。ところが、終盤に英雄が大量の高級時計を腕に身につけて防御する割は、普通に袖をまくる奴とかいるから、ちょっとガッカリしたというか…。それと、「28日後...」では、「カラスが落とした血液(わずか一滴)が目に入っちゃった… (ノД`)」程度で心優しいお父さんが感染→凶暴化しちゃってただけに、もう少し飛沫に気をつける描写がほしかったなぁと(本作の世界観では、噛まれなければ大丈夫なのかもしれませんが)。


一番右の奴とか、袖をまくる意味がわからない。むしろ「ゾンビなんて怖れていないアピール」とかなんですかね。
袖をまくるんじゃない


あと、ゾンビを殺戮するフィーバータイム自体は好きだから、あまりこういう野暮な文章は書きたくないんですが(汗)、クライマックスはどう見てもゾンビたちがスローになってたし、味方とゾンビの位置関係とかも「気にしないでください(o^-')b」って感じだったのは微妙だなぁと。デブのゾンビとか笑ったけどさ、押し倒された時点で英雄はアウトだったわけで。全体的にスゲー好きだっただけに、そういう部分にもこだわってほしかったです。

“人間の意思を保ちながらゾンビの剛力を手に入れた女子高生”比呂美にも失望しました。英雄を守るために猫パンチから首をもぐ展開は予想外だったからかなり驚いたし、「そういう映画か!( ̄ー ̄) ニヤッ」と。英雄が銃で戦う側で、彼女は素手で倒していくのだろうと凄まじくワクワクしていたら、あとは生意気な奴を簡単に投げ飛ばす程度の活躍しかしないというね…。この部分だけはとても残念でした ('A`) ガッカリ


発症したら、剛力を手に入れた比呂美でしたが、意外と“守られる一方”なのです。
ゾンビ化して強くなった!

例えば、鮮やかなクソ野郎・伊浦にボウガンを向けられた時も…。
ボウガンを向ける伊浦

二指真空把を見せてくれるって思ってたって、すみません、無理な注文を書きました。
二指真空把


まぁ、何はともあれ、基本的にはスゲー良いゾンビ映画でしたヨ (´∀`) ウフフ 僕は「GANTZ PERFECT ANSWER」の後は佐藤信介監督作を観てなかったんですけど、まさかこんなに面白い和製ゾンビ映画を作れるとは思っていなかったからかなりビックリしたし、本当にうれしかったというか。「監督、三作品会わざれば刮目せよ」ですな(知った風な口調で)。で、当然ながら原作漫画にも非常に興味が湧いたんですが、20巻も出ていることを考えると、二の足を踏んでしまうのでした。おしまい。

宇多丸師匠の愛情溢れる時評がアップされたので、読むべし!m9`Д´) ビシッ




花沢健吾先生による原作漫画。面白そうなんですけど、20巻かぁ… (・ε・) ウーン



劇場で観た佐藤信介監督作。話は面倒くさいけど、ドニー・イェン兄貴演出のアクションは好き。



公式原作本。こういうのを読めばいいのかしらん。



「映画秘宝」の21世紀ゾンビ映画ランキングに便乗すると、僕の1位はこれですかね。








カミヤマさんの読者になろう

ブログの更新情報が受け取れて、アクセスが簡単になります