幕が上がる(ネタバレ) | 三角絞めでつかまえて2

幕が上がる(ネタバレ)

※今回の記事は、映画とは関係のない文章が書かれていたりするので全然読まなくてOKというか、くららがたったさんのブログ(元・ももクロファン)やそーす太郎さんのブログ原作ファン)がオススメだから読むべし!m9`Д´) ビシッ

<ザ・どうでもいい備忘録的な前置き>

僕は「ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル」というラジオ番組をこよなく愛しており、その中のムービーウォッチメンという映画j時評コーナーがまた大好きでして。「課題映画を観た方がより楽しめる」ということで、課題になった作品はすべて観に行ってるんですね。←ここまでテンプレ

で、今回の「幕が上がる」ですよ。正直なところ、本広克行監督作を観て面白いと思ったことが1度もないため(評判が良い「サマータイムマシン・ブルース」は未見)、観る予定はなかったんですが、しかし。ちょっと調べてみたら、原作があの平田オリザさん&脚本担当が「桐島、部活やめるってよ」の喜安浩平さんと、ちょっと信頼できるムードじゃありませんか。しかも、ごめんなさい、主演のももいろクローバーZ自体にはあまり興味がないものの(歌はちょっと聴いてる)、演劇がテーマとなれば、昨年、娘のマナ子(仮名/3歳)の芝居「三びきのヤギとトロル」を観た時の気持ちが重なって、かなり楽しめそうな予感がしてきたのです。

そんな感じで迎えた3月3日。仕事の関係で埼玉県の大宮に行きましてね。あーだこーだと用事を済ませた後、ちょろっと調べてみたら、イオンシネマ大宮で上映しているじゃありませんか。大宮(というか、隣の日進駅が近いんですが)の映画館に行く機会なんてあまりないだけに、いそいそとイオン大宮店に足を運んでみましてね。中に入ってた中華料理屋で遅めの昼食を摂ってから4Fの劇場に向かうと、平日なのでロビーにはあまり人がいない様子。ももクロのファン(モノノフ…っていうんですよね?)らしき青年たちが熱く語り合っているのを尻目に、プレミアムミックス(ストロベリーとキャラメルプレッツェルポップコーンが混ざったもの)とチョコレートドリンクを購入。一番広い1スクリーンに入って席に着くと、モリモリ食べながら映画を鑑賞したのでした。

JR日進駅の周辺はちょっと閑散とした雰囲気。
日進駅

駅前には「カガミの鹿」なんて巨大オブジェが雑に置かれてました。
カガミの鹿

徒歩12分ほどでイオン大宮店に到着。
イオン大宮店

「幕が上がる」が上映中なのだ!ヽ(`Д´)ノ ミルゼ!
上映中

1Fにあった中華料理屋「江南春」では「薄氷の殺人」に出てきたミニ肉まんを発見した…ってのは置いとくとして。
江南春の肉まん

イオンシネマ大宮は4階にありましてね。
イオンシネマ大宮

「壁ドンで写真を撮ろう」なんてコーナーがあったりして。
壁ドンで写真を撮ろう

ロビーはこんな感じ。まぁ、そこそこ広め。
中はこんな感じ

モノノフたちを見てこんな気持ちになった…ってのはどうでも良いですな(「グラップラー刃牙完全版」第13巻より)。
もののふだ

プレミアムミックスとチョコレートドリンク、合計1150円と散財しちゃった (ノ∀`) テヘ
プレミアムミックスとチョコレートドリンク












幕が上がる

幕が上がる

2015/日本 上映時間119分
監督:本広克行
原作:平田オリザ
脚本:喜安浩平
音楽:菅野祐悟
出演:百田夏菜子、玉井詩織、高城れに、有安杏果、佐々木彩夏、黒木華、ムロツヨシ、清水ミチコ、志賀廣太郎
パンフレット:★★★★☆(1080円/高いけどボリュームぎっしり。演出ノート&台本ノートの再現ページ、メンバーに宛てた手紙などもあって、今作が好きな人はマストバイ!m9`Д´) ビシッ)
(あらすじ)
北関東にある県立富士ケ丘高等学校。演劇部所属の高橋さおりは、まもなく演劇部最後の一年を迎えようとしていた。個性的な部員たちとともに、年に一度の大会で地区予選突破を目標に掲げたさおりだったが、東京の大学で演劇をやっていたという美人の新任教師・吉岡先生に後押しされ、全国大会を目指すことになる。(以上、映画.comより)

予告編はこんな感じ↓




80点


素晴らしい青春アイドル映画でしたYO!ヽ(TДT)ノ ウワァァァン!


映画主題歌「青春賦」のトレーラーを貼っておきますね↓




ちょっと舐めてました。いや、以前、「少女たちの羅針盤」を見て、「女子高生演劇モノ」の破壊力は知っていたハズだったのに、まさかこれほどだったとは… (`Δ´;) ヌゥ まぁ、最初に予想した通り、娘のマナ子が思いっきり重なってしまって、全編ほぼ泣きながら観たというか。観る前はメンバーが何人なのかもウロ覚えだったんですけど、鑑賞後は全員の笑顔が網膜に焼き付いて離れなかった…ということで! 雑にキャラクター紹介をしておきますよ↓


本編の主人公、さおり。苛立ちながら青春を送っていたら、型破り女教師と出会って演出家に開花するのでした。
百田夏菜子 高橋さおり(さおり)

“お姫様”ユッコ。演劇部でナンバー1の実力と“華”を持つ少女なのです。
玉井詩織 橋爪裕子(ユッコ)

ガルルはムードメーカーで…って、やだ、間違えちゃった!(わざとらしい文章)
ガルル人間体

こちらが本物のガルル。母子家庭だけど、明るくて苦労を感じさせない良い子なんですね~。
高城れに 西条美紀(がるる)

演劇強豪校からの転校生・中西さん。実は滑舌に自信がないんですが、アカニンジャーと比べたらノー問題。むしろアカニンジャーが頑張れ!
有安杏果 中西悦子(中西さん)

最後は2年の有望株・明美ちゃん。スランプになって落ち込んだりもしたけれど、私は元気です (o^-')b
佐々木彩夏 加藤明美(明美ちゃん)


もうね、この5人が織りなす青春模様は素晴らしいのひと言。基本的には主人公を演じた百田夏菜子さんの出番が一番多いんですけど、他の子たちにもちゃんと見せ場&エピソードが用意されていて、全員、“等身大の女子高生”にしっかりなりきっていて。彼女たちが一喜一憂しながら演劇にのめり込んでいく姿を見ているだけで、自分の娘の青春を先取りして観ている気分になってましたよ… (ノω・、) リッパニナッテ...

そんな彼女たちに変化のキッカケを与える“学生演劇の女王”吉岡美佐子先生を演じた黒木華さんもスゲー良かった! ヽ(`Д´)ノしっかりと“タダ者じゃない説得力”があって、「小さいおうち」の健気な家政婦と同じ人が演じているとは思えないほど見事でした。非常に魅力的なキャラクターであり、映画を観て以来、トラブルに直面すると、「こんな時、吉岡先生だったらどうするんだろう… (´・ω・`)」なんて思うようになったのは僕だけじゃないハズです(勝手な決めつけ)。


この2人の師弟関係を観ているだけでもホッコリしたというね…(しみじみ)。
黒木華 吉岡美佐子(吉岡先生)


ストーリーも良かった! 簡単に書くと「やる気のない生徒の前に型破り教師が登場→影響を受けて生徒にやる気が出る→教師が去ってしまう→でも、その志はキッチリ引き継がれている→オレたちの戦いはこれからだッ!」って感じなので、既視感バリバリではあるんですけれども!(今、思いつく限りでは「逆境ナイン」とか) 「ロッキー」のような“負け犬たちのワンスアゲイン映画”や「ドラゴン怒りの鉄拳」のリメイクは何本作られてもOKなように、王道テイストの青春ストーリーは似たような話でもノー問題(※個人の意見です)。むしろ「学生演劇」というあまり知られていない題材を取り上げたことで実に興味深い内容になっていたと思います(全国大会があるなんて知らなかったし、しかも3年生は出られないなんて超ビックリ!)。


劇中劇「銀河鉄道の夜」の動画があったので、貼っておきますね↓




正直、映画の冒頭でさおりのモノローグが連発された時は、かなりウザかったんですけど、「彼女が自分の意見をしっかり伝えられるようになるとモノローグがなくなる」という演出は、なかなか考えられているなぁと。メンバー同士の“百合”を連想させる場面を入れるサービス精神も好感が持てました。それ以外の場面も、女子同士の友情を超イイ感じで見せていて。個人的には、さおりを巡って微妙な距離があったユッコと中西さんが「空をかける、アイツ! 川`∀´)」「海を守る、アイツ!(´∀`し」「大地を走る、アイツ~♪ 川`∀´)人(´∀`し ワカサハプラズマ!」と意気投合するシーンで嗚咽を漏らした次第(何かが混同した文章)。


女子同士って、1つのベッドで寝ても変じゃないのが…なんか…イイですよね…。
さおりとユッコの百合!

こういうジャレ合い、僕も女子になって体験してみたいです… (´Д`;) ハァハァ
さおりと明美ちゃんの百合!


ハッキリ言って、不満点というか、イライラした部分もあるんですよ。序盤に出てくる脚本が「ウィンタータイムマシン・ブルース」だったのは気にしないとしても、“雑音”がスゲー多い。天龍源一郎選手がユッコの父親役というのは、まだ何度も出てきてドラマにも少し絡む上に僕がプロレスファンだから許すとしても(信用をなくす文章)、職員室に三宅正治アナがいたり、がるるの祖父が笑福亭鶴瓶さんだったり…。

特にゲンナリしたのが明美ちゃんの父親役の松崎しげるさんで、感動的なラスト直前、思わせぶりに登場するのが意味不明でして。で、あとから考えるに「明美ちゃんが芝居『肖像画』の中で自分の父親の手が黒いと言っていた」ことの伏線回収なのかもしれませんが、「だからなんだよ( ゚д゚)、ペッ」って心境。せっかく映画に没頭していたのに、一気に現実に引き戻されて超萎えちゃうじゃないですか…。

それと、ラスト、地区大会を勝ち抜いた主人公たちが次の大会に挑む→幕が上がってエンドロールに突入して、「走れ! -Zver.-」が流れた時はマジで感動したんですよ。あの瞬間は100点だと思ったし、映画が終わった後、本当は帰社しなくちゃならなかったのに、「娘の元へ、走れ!走れ!走れ!ヘ(゚∀゚*)ノ」と帰宅してしまったほどだったんですけど…(社会人失格な文章)。なんて言うんですかね、劇中の妄想シーンや準備シーンでももクロの歌をすでに流していた→「あっ、そういえばこの子たちはアイドルなんだっけ!∑(゚Д゚)」と何度か現実に立ち戻っていたため、エンドロールの破壊力が目減りしていた印象。劇中では「インストでももクロの歌を流す」だけにして、実際の歌は最後の最後まで取っておいた方が良かったのではないか…ってのは面倒くさい指摘ですかね (´∀`;) スミマセン


ちなみにこの妄想シーンでうどん脳が出てきたのもイラッとしました。
妄想シーン


な~んて文句を書いてしまいましたが、基本的にはずっと泣きながら観ていたし、凄まじく感動したのです ( ;∀;) イイエイガダナー 本広克行監督のこと、非常に見直しました(どことなく偉そうな文章)。ももクロに興味がない人でも、青春映画やアイドル映画が好きな人だったら、普通に楽しめると思いますよ。おしまい。




本広克行監督作の中でも評判が良い映画。ううむ、観ておこうかなぁ。



平田オリザさんによる原作小説。スゲー面白そう。



こっちは小・中学生向けのノベライズだそうです。



映画主題歌が収録されたCDでございます。



映画のサントラ。「走れ! -Zver.-」とかは入ってないので注意!



オフィシャルフォトブック。お父さん、買っちゃおうかな…。



今作を特集したクイック・ジャパン。今はkindleでも読めるのね (゚⊿゚) ヘー



想田和弘監督による平田オリザさんの観察映画。演劇が好きな人は必見。僕の感想はこんな感じ



ちょっと思い出した女子高生演劇サスペンス。僕の感想はこんな感じ