LIFE!(ネタバレ) | 三角絞めでつかまえて2

LIFE!(ネタバレ)

※今回の記事に関しては、映画の内容とは関係のない前置きがダラダラと続くので、グッときた人は小覇王さんのブログとかカゲヒナタさんのレビューを、微妙だった人ははちごろうさんの感想とか読むと良いんじゃないですかね。
※今回の記事に関しては、非常に醜く心の狭い文章が書かれていて、この映画や岡村隆史さんが好きな人は不快になる怖れがあるので、読まないで!



<非常に心が狭い前置き>

映画の内容とは関係のない前置きを書きますね。先日、渋谷のアシッドパンダカフェにて開催された「タマフル・トップ5オフ会」に行った時のこと。初めて来た方と映画の話をしていたところ、どういう流れかは失念しましたが、「『LIFE!』がイマイチだった」的なことをおっしゃって、それを聞いた僕は「我が意を得たり!ヽ(`Д´)ノ」とエキサイト。というのは、僕はチラシや予告編を目にして、非常に不快感を覚えていたのです。


例えばチラシの裏面を見ると…。
チラシの裏

項目があって、“3つ以上Yesと答えた人のための映画”なんだってさ (゚⊿゚) シラネ-ヨ
なにこの項目!

予告編では「この映画の主人公はあなたです」だって。おい、いつの間に僕を撮りやがった!(面倒くさい観客)
この映画の主役はあなたです


なんていうんですかね、この自己啓発セミナー的な胡散臭さ? 「お前ら下層階級の愚民どもの日常なんて退屈でつまらないのがデフォなんだから、たまにこういう映画でも観れば、多少は生き甲斐が湧くんじゃねーの? (`∀´) ヘラヘラ」的な上から目線? 僕が上記の項目をチェックすると、「仕事で大きな失敗をしたことはある」し、「『ジーナ・カラーノに三角絞めをかけられたい… (´Д`;) ハァハァ』と空想することもある」し、「常に変わりたいと思っている」から、3つ以上当てはまるけどさ、その勝手な分析ヅラがムカつくというか。リクナビNEXTの「子どもに夢を託すな」CMの時に湧いた「テメエが知った風な口を叩くな!(`Δ´) クソガ!」的な感情? こういうCM、マジで大キライなのでね、もし僕が転職する時は絶対リクナビNEXTは使わないようにしよう…って、話が脱線しちゃいましたな ┐(´ー`)┌ ヤレヤレ

敵意を剥き出しにして申し訳ないんですけれども、未見なのに予告編だけで憤死しそうになる「食べて、祈って、恋をして」の時のような、生理的にイライラしちゃう感じ。一応、ベン・スティラー監督・主演作だから「観たい映画の覚え書き」では△マークを付けたものの、さらに「ナインティナイン 岡村隆史さん、主人公ウォルターの声優に決定!!」なんてことをデカデカと宣伝されるのも、「また話題作りに芸人の起用かよ ( ゚д゚)、ペッ」としか思えなくて超不快だし…。って、そんな思いの丈を、その場でついブチまけてしまったというね。


いや、岡村さん自体は悪くないんですがー。
ウォルターの声優に決定


ところが! その場に同席していた“以前、お話したことがある方”が「僕は大好きな映画なんですよね… (´∀`;)」みたいなことをおっしゃったから、「しまったー!ヽ(´Д`;)ノ」と。ただ、彼の話によると、どうやら予告編みたいな内容の作品ではないそうで。まぁ、僕も映画自体ではなく“宣伝方法への憎悪”ではあったので、そう聞くと逆に興味が湧いてきたということで! 昨日、池袋のシネマ・ロサに行ってまいりました。


仕事を抜けて、昼間の回を観ることに。劇場は意外と混んでてビックリ(7割ぐらいの入り)。
池袋シネマ・ロサ


金券ショップを回っても前売り券は売ってなかった→夜は接待が入っていたのでレイト割引を活用できなかった→1800円での鑑賞…。これはね、ちょっと悔しかった。しかも、本編前の予告編が始まると、「僕たちの家族」では「この家族の中にきっと、『あなた』がいます。(・∀・) ニヤニヤ」と、「プリズナーズ」では「この映画、ひと事じゃない。(・∀・) ニヤニヤ」と、やたらとコッチに関係があるみたいにスリ寄ってくるから、またまたイラッとして。「やっぱり観に来なければ良かったカナー (・ε・) ウーン」なんて思いながら映画を観たんですが…。


「きっと」とか付ければ、適当なことを言っても許されると思っているのでしょうか。
この家族の中にきっとあなたがいます。

こんな風に不安を煽られたら、映画なんか観るのを止めて、娘に会いに帰宅したくなるじゃない!ヽ(´Д`;)ノ アアン
ひと事じゃない














LIFE!

LIFE!

原題:The Secret Life of Walter Mitty
2013/アメリカ 上映時間114分
監督・製作:ベン・スティラー
製作:サミュエル・ゴールドウィン・Jr.、ジョン・ゴールドウィン、スチュアート・コーンフェルド
製作総指揮:ゴア・バービンスキー、メイヤー・ゴットリーブ、G・マック・ブラウン
原作:ジェームズ・サーバー
原案・脚本:スティーブ・コンラッド
撮影:スチュアート・ドライバーグ
美術:ジェフ・マン
衣装:サラ・エドワーズ
編集:グレッグ・ヘイデン
音楽:セオドア・シャピロ
音楽監修:ジョージ・ドレイコリアス
出演:ベン・スティラー、ショーン・ペン、クリステン・ウィグ、シャーリー・マクレーン、アダム・スコット、パットン・オズワルト、キャスリン・ハーン
パンフレット:★★★(720円/コラムが3本とも良かった。デザインも素敵で、写真も多いし、オーソドックスに良いパンフ)
(あらすじ)
1936年の創刊から2007年に休刊されるまで、世界で幅広く読まれたアメリカのグラフ誌「LIFE」の写真管理部で働く臆病で不器用な男が、人生変える波乱万丈の旅に出る姿を描く。LIFE誌の写真管理者として毎日地下鉄に乗って通勤し、変化のない日々を過ごすウォルター・ミティ(ベン・スティラー)。彼の唯一の楽しみは、むなしい現実から逃避する刺激に満ちた空想をすることだった。そんなある日、LIFE誌の最終号の表紙を飾る大切な写真がないことに気付いたウォルターは、カメラマンを探すため一大決心をして一歩を踏み出す。(以上、映画.comより)

予告編はこんな感じ↓




75点


思ってたよりグッときました (・∀・) イイネ まぁ、アッサリめの感想を残しておきますよ。


劇中で使われるデヴィッド・ボウイ+クリステン・ウィグによる「Space Oddity」を貼っておきますね↓




前述したように、予告編からは「本当にお前ら愚民の生活って毎日が同じで退屈でつまらなくて無価値なんだから、チョロッと旅にでも出て、“本当の自分”を探せばぁ~? (`∀´) ヘラヘラ」的な臭いを感じたというか。インドに旅行した後、いきなり偉そうに浅い死生観を語るようになった高校の同級生を思い出して、心底不愉快になっていた…って、予告編への不満が被害妄想レベルに突入しちゃって、ごめんなさい♪ 川o^-')b kissing you!

ところが、実際に観ると、確かに主人公ウォルターは事あるごとにボンヤリと夢想するほど日常に飽いていたし、突然、旅立つことを決意して、冒険を経て成長するんですが、決してイヤミではないというか。オチを書くと、探し求めた「25番のネガ」は、長年表紙の写真を現像してきたウォルターを映したものであって、「普通の生活だって輝いているんだよ (´∀`)」という結構好きな着地だったのです。


人との会話中でも、隙あらば即ボンヤリと妄想を始める男・ウォルター。
主人公ウォルター


「書を捨てよ、町へ出よう」というか、あらためて「人間、少しは“冒険”した方が良いんだよなぁ」と思いましたよ。もちろん「宇宙最大のお宝を探すぜ!( ̄ー ̄) ニヤッ」というレベルまでいかなくても、それこそ普段はやらないようなことをしてみたり、好きな人に想いを伝えたりとか、“勇気を出して自分のテリトリーから逸脱する”だけで、十分“冒険”なんですよね。

個人的に連想したのは、水道橋博士さんが何かで書いていた、故・百瀬博教さんの「出会いに照れるな」という言葉。まぁ、社会人である以上、それが当たり前ではあるんですけれども。僕は自分が底辺のクズに思えたりして、つい気後れしちゃって、仕事なのにいろいろな人と話すのが億劫になったりすることがあって。正直、いつも実践しようと心掛けつつもスゲー苦手なんですよ。でも、そういうことだって“冒険”であり、自分を成長させるチャンスでもあるんだろうなぁって、なんとなく思ったり。


ホセ・ゴンザレスの「Step Out」を貼っておきますね↓ ブロディが刺殺された事件を思い出します… (ノω・、) ナゼシンダ




映画の感想に戻ると、幾何学的なニューヨークや、それと対照的に雄大なグリーンランド&アイスランド&アフガニスタンの自然とか、ド派手な妄想シーンの数々とか、とにかく映像はスゲー良くて、大画面で観た方が良いのは間違いないです。あと、役者さんたちも素晴らしくて、主人公役のベン・スティラー、あれほど観ている顔なのに、いつの間にかウォルター本人にしか見えないのがスゴいなぁと。シングルマザーのシェリルを演じたクリステン・ウィグも「ブライズメイズ」の時と全然違ってて、驚きました。ショーン・ペンも超カッコ良かったですな~。


クリステン・ウィグ、素敵すぎて「ブライズメイズ」の時と同じ人とは気付かなかったですよ。
シェリル(クリステン・ウィグ)

ショーン・ペン、スゲー渋かったです。こんな大人になれればなぁ…(遠い目)。
ショーン(ショーン・ペン)


僕的にこの物語の終わり方が結構好きでして。例えば、新しいボスになってウォルターをリストラするテッド(アダム・スコット)ですが…。確かにイヤな奴だけど、最後、ウォルターがドヤ顔でネガを持ってきて、イヤミをカマしたにも関わらず(「“額”にでも入れて飾っとけ」なんて台詞まで引用して!)、それをちゃんと表紙に起用したのは、改心したからだと思ってて。それまでは手足の爪をはがしたいくらいムカついてましたが、そう考えるとなんとなく許せる気分。


ボスのテッド。ウォルターの超ボンヤリ振り&ネガがない事実を報告しない姿勢を考えたら、解雇するのも仕方ないような。
テッド(アダム・スコット)


それと、よくよく考えれば、シェリルとの関係は復活したものの、職は失っているし、ウォルターの状況はそれほど良くはないんですよね。でも、とりあえず成長した彼が、彼女とそっと手をつなぐラストシーンは素敵なハッピーエンドであって、凄まじくグッときた。なんかね、多くの人がこんな風に頑張れればなぁと思って、涙が出ましたよ…。

な~んて、褒めつつも、イヤだったのが、“スケボーの達人”設定。坂道を一気に降りるシーンとか、なかなか爽快だったけどさ、主人公にあんな一芸に秀でられたら、申し訳ありませんが、やっぱり「自分の映画」だなんて1ミリも思えない。だって、僕はスケボーには乗れないから… (ノω・、) グスン

「自分の殻に閉じこもってないで、勇気を出そうよ!」的なメッセージは非常に素晴らしいけど、でも、「うん、アンタはスケボーが上手いもんな… (´・ω・`) ボクハムリ」って、切なくなっちゃうじゃないですか。「平凡な主人公が~」って話なら、一芸は装備させないでほしかったです(つーか、職場も特殊だしね)。ついでにイヤなことを書くと、普通は人から財布をもらったら隅々までチェックすると思うだけに、「ネガが財布に入ってた」ってオチは微妙に飲み込みづらかったです(母親が拾っといてくれた展開は好きだけど)。


スケボーがこれだけ上手い時点で、乗れなかった…って、心が狭い? ねぇ、狭い?
スケボーが上手いのかよ!


ということで、実際に観てみれば、項目が3つ以上当てはまったにも関わらず、僕はこの映画の主人公じゃありませんでしたが(しつこい)、非常に良い作品でしたヨ (・∀・) イイネ! チョロッと検索してみると、今週一杯ならまだ上映している映画館はそこそこあるので、気になる人は足を運んでくださいな。




ベン・スティラー監督&主演作では、これが一番好きかしら。



国内盤のサントラです。輸入盤スコア盤もあります。



映画のベースになった「虹をつかむ男」が収録された短編集。kindle版が出たら読むんですが…。



同じ原作を元に作られた1950年のダニー・ケイ主演作。有名らしいです。