2013年10月19日

そして父になる(ネタバレ)

テーマ:新作映画(2013)
そして父になる

三角絞めでつかまえて-そして父になる

2013/日本 上映時間121分
監督・脚本・編集:是枝裕和
製作:亀山千広、畠中達郎、依田巽
エグゼクティブプロデューサー:小川泰、原田知明、小竹里美
プロデューサー:松崎薫、田口聖
アソシエイトプロデューサー:大澤恵
撮影:瀧本幹也
照明:藤井稔恭
録音:弦巻裕
美術:三ツ松けいこ
衣装:黒澤和子
助監督:兼重淳
スクリプター:冨田美穂
キャスティング:田端利江
制作担当:熊谷悠
ラインプロデューサー:新野安行
出演:福山雅治、尾野真千子、真木よう子、リリー・フランキー、二宮慶多、黄升げん、風吹ジュン、國村隼、樹木希林、夏八木勲、中村ゆり、ピエール瀧、高橋和也、田中哲司、井浦新
パンフレット:★★★(700円/記事が充実してるし、デザインも良いし、普通に良い出来)
(あらすじ)
申し分のない学歴や仕事、良き家庭を、自分の力で勝ち取ってきた良多(福山雅治)。順風満帆な人生を歩んできたが、ある日、6年間大切に育ててきた息子が病院内で他人の子どもと取り違えられていたことが判明する。血縁か、これまで過ごしてきた時間かという葛藤の中で、それぞれの家族が苦悩し……。(以上、シネマトゥデイより)

予告編はこんな感じ↓




95点


※今回の記事は、「ねじれた絆―赤ちゃん取り違え事件の十七年」の内容に触れているので、知りたくない人は気をつけて!
※今回の記事は、なんとなく「トールマン」のネタバレに触れていて、「トールマン」はオチを知っちゃうと微妙な作品だったりするので、知りたくない人は読まないで!
※今回の記事は、決してしっかりした映画の感想文ではなく、読みにくい上によくわからない文章がダラダラと垂れ流されているだけなので、ちゃんとした文章が読みたい人は別のブログを読んで!


一応、前評判が良いので興味はありつつも、「“赤ちゃんが取り違えられた話”なんて、キン肉マン王位争奪編で通過済み! (`∀´)」といった感じで舐めてたんですよ。ところが、ツイッターでフォローさせていただいているスターリング・エレファントさんがとにかく絶賛されてまして。「これは観なくては… (;`Δ´) ヌゥ」と思い、接待が早く終わった某日、新宿ピカデリーに足を運んだら、危うく泣き死ぬところでした… (ノДT) アブナカッタ...


お酒が入っていたせいか、ついソフトアイスを食べちゃいました…って、どうでもいいですな!
三角絞めでつかまえて-ソフトアイスを買っちゃった...


最初に、驚くほど雑にあらすじを書いておきますね。ヤリ手ビジネス野郎の野々宮良多は奧さんのみどり(尾野真千子)と6歳になる1人息子の慶多(二宮慶多)とそこそこ幸せに暮らしていたんですが、しかし! 名門小学校へのお受験の真っ最中、慶多が出産時に取り違えられてたことが発覚しまして。取り違えられた“実の子ども”琉晴(黄升炫)とその両親である斎木雄大(リリー・フランキー)&ゆかり(真木よう子)たちと、あーだこーだ考えたり揉めたりした結果、「慶多はそんなに優秀じゃないし、血が繋がっている琉晴はやっぱり自分の小さいころに似てるし、取り替えちゃおうぜ!ヘ(゚∀゚*)ノ ヤッチャオーゼ!」と子どもを交換するんですね。

だがしかし! 琉晴が超懐かない&相手の家族に「ウチが2人育てても良いんですよ?川・∀・) ニヤニヤ」と、自分が前に言った台詞を突き付けられて、良多の生来の負けん気が発動→真剣に子育てに向き合ったところ、「オレって、思いやりがなかったカモ… (´・ω・`)」と海より深く反省。さらには「実は慶多がデジカメで良多の写真を撮っていた→愛されてた!ヽ(TДT)ノ」ことがわかって、慶多をないがしろにしていたクズ野郎の自分に気付いた良多は焼き土下座で謝罪しまして(一部ウソ)。最後、慶多に「スパイダーマンが蜘蛛って知ってた?」と聞かれて、「全然知らなかったッス!(・∀・)」と答える→今まで勝つことしか頭になかった男が自ら負けることを選んで、映画は終わってました。

さて、感想を書くと、まず、映画としてクオリティが高いと思いましたよ。かなりスターリング・エレファントさんの受け売りになっちゃうんですが、無駄な説明台詞がなくて、役者の表情やさりげない台詞のやり取りだけで、登場人物たちがどんな性格でどういう環境で育ってきたか、ちゃんとわかるようになっているのが本当にスゴい(例えば、「夏八木勲さん演じる父親が近所のピアノの曲の正確なタイトルをサラッと言える→教養がある人なのがわかる」とか)。あと、いくらでもエモく演出できるのをあえて押さえてたりするのも上品で(例えば、良多が風吹ジュンさん演じる母親に電話するシーンとか)。「歩いても歩いても」の時も同じように感心したんですけど、またもや是枝裕和監督の手腕に唸らされた次第。

役者さんたちは全員素晴らしいんですが、僕的に最もグッときたのが福山雅治さん! 失礼な文章になりますけど、彼という人間から漂う“完璧超人臭”を見事に逆手に取ったというか。ちゃんと“上っ面を作るのは上手いけど人の気持ちがわからない勝組野郎”に見えたのがスゲー良くて。だからこそ、クライマックス、慶多に初めて「6年間はパパだったんだよ、出来損ないだけどパパだったんだYO!ヽ(´Д`;)ノ」と自分の弱さを告白するシーンが死ぬほど胸を打つワケで…。福山さん、非常に好きになりました。


福山さんも良かったし、血が繋がってない息子役の二宮慶多くんも良かった!
三角絞めでつかまえて-福山さん、最高!


つーか、ごめんなさい、唐突に脱線して映画とは全然関係ないことを書きますが、最近、“未婚のプロ”として知られるジェーン・スーさんの著作「私たちがプロポーズされないのには、101の理由があってだな」を読んだんですけど、良多を観ていると、こんな感じで項目が脳裏をよぎりまくったりもして↓


実の息子の育ての親を内心バカにしている→027
仕事が忙しくて子どもと過ごせない→052
琉晴の意志を無視して、勝手なルールを押し付ける→073
嫁の母のどうでも良いひと言にも噛みつく→075
偉そうで可愛げがない→081
子どもを2人とも自分が育てようと勝手な野望を抱いてる→085

赤い数字は本の項目のナンバーです。


なんて言うんですかね、「良多が女性だったら結婚できなかったのかもなぁ」と思いつつ、ジェーン・スーさんって… (ノω・、)」と切ない気持ちになった…って、本を読んだ人以外にはサッパリわからない話を書いてすみませんネー (´∀`;) エヘヘ


宣伝動画を貼っておきますね↓ 男でも身に染みる名著なのでぜひ読んで!




閑話休DiE(なんだこれ) 「凶悪」「地獄でなぜ悪い」を先に観ていると、ところどころ不穏なムードを感じなくもなかったけど(悪意から子どもをすり替えた看護婦の旦那役がピエール瀧さんだった時は黒幕かと思った)、福山さん以外の役者さんたちもスゲー良かったです。子役たちの演技も本当に見事であり、これまた是枝監督は大したモンだなぁと(偉そうに)。


奧さん役の尾野真千子さん、憔悴していく様子が良かったです。ただ、「あの時、実はこう思ってた!」なんて後出しはナシだぜ?
三角絞めでつかまえて-金持ち夫婦

この2人も素敵な夫婦でした~。
三角絞めでつかまえて-貧乏夫婦


不満をちょっと書いておくと、僕も娘マナ子(仮名/2歳)がいる父親ですけど、昨年、ドキュメンタリー「隣る人」を観て、「誰が生んだとかの前に、愛情を注いであげることが大事」と痛感させられていただけに、ラストの着地は「そりゃあ、そういう結論になるだろ (・ε・)」って思った部分もあったというか。「貧乏子沢山な家がハートウォームでござい!」的なベタな設定にも、ちょっと「なんだかなぁ」と思ったり(一応、「金に汚い」とかマイナス描写も入れてたけどさ)。

とは言え、これは良多が“自分に何が欠けていたのかに気付く物語”なので、「まぁ、良いかな」と。僕的には「子どもたちとの関係がどうなるにせよ、良多は“これから父になる”んだな… ( ;∀;) イイハナシダナー」って感動して、劇場が明るくなっても涙が止まらなかったし、スゲー良い余韻を噛み締めながら帰宅する途中でコンビニに立ち寄ってみたら! なんと本棚の「女性セブン」こんな記事が載ってたのです↓


「実在モデル女性が『納得できない!』」ですと!? 思わず買っちゃいましたよ。
三角絞めでつかまえて-女性セブン


正直、この記事にはスゲー水を差されました ('A`) 映画の出来とその周辺のゴシップは関係ないけどさ、劇中に出て来た子どもと己の娘を重ねて、病院側に「早く取り替えた方が子どもたちのタメですから」的な“上から目線”風の物言いをされた時は「こうなったらキル・ストラグル(殺しあい)だッ!ヽ(`Д´)ノ」と超激怒していた僕ですよ。「モデルになった女性がないがしろにされていた」と考えるだけで感動5割減だったので、とりあえず真偽を確かめるべく、「ねじれた絆」のKindle版を買って読んでみたんですが、本当にごめんなさい、「これくらいはしょうがないんじゃないかなぁ」って思っちゃいました…。


一応、「プロレススーパースター列伝」のブロディを貼っておきますね。
三角絞めでつかまえて-キル・ストラグルだッ!


「ねじれた絆」は非常に感動的なルポでして。子どもたちと親たちの葛藤には心を揺さぶられまくって泣きながら読んだし(照光と自分の父親がスゲー重なったり…)、「最終的には片方の家に2人の子が行ってしまう」という苦い展開も衝撃的としか言いようがなくて。ある種、「教養がない親はちょっと…」という「トールマン」っぽい恐ろしさもあって、ハッキリ言って名著なので、ぜひ多くの人に読んでいただきたいと思うほどなのです(特に子どもがいる人は)。

ただ、僕的には映画とは全然別物だと思って。記事では「類似点を挙げたらキリがない」って書いてますけど、そんなキリがないワケでもなくて。世の中には“取り違えモノ”自体がたくさんあって、もちろん「ねじれた絆」の要素も入ってましたけど、このくらいは「影響を受けた」程度なんじゃないかなぁと(これが「ねじれた絆」が原作の映画だと考えたら、逆に頭に来るレベル)。実際に起きた事件を元に別の話を書くなんてことは、世の中の創作活動では普通に行われているし、そもそも映画は父親がメインの違う話だし。“「ねじれた絆」の著者への断り問題”の仁義的な部分は守るべきですが、パンフレットのインタビューでちゃんと触れているのは大きいと思うし…。あと、申し訳ないんですけど、さすがにモデルになった方にひと言報告する義務はないんじゃないかなと(本当に内容が違うんだもの)。まぁ、これらに関しては、窓口になったフジテレビとボタンの掛け違いがあったのでは…って思ってたら、なんか10/11にフジテレビ系列でモデルになった女性のノンフィクションドラマが放送されてたりしたようで、ううむ、何が何やらですな… (´・ω・`) ヨクワカラナイヤ


なんとなく「ねじれた絆」に出てくる「女工節」を貼っておきますね↓




ってことで、読みにくい駄文をダラダラと書き散らかしてきましたが、僕的には今年のベスト邦画でした ( ;∀;) イイホウガダナー 子を持つ親のハートを直撃!地獄拳するだけでなく、そうじゃない人でもいろいろと考えさせられる作品だと思うので、興味がある方はぜひ観てほしいし、「ねじれた絆」も読んでみてくださいな。本当にね、あらためて“娘と過ごす時間の大切さ”を痛感させられたというか、現在、「忙しさは野々宮家だけど、収入は斎木家」って感じなのでね(苦笑)、僕もちょっと仕事やブログを何とかしようと思っております (・ε・) オシマイ




映画のノベライズを貼っておきますね。



サントラもあります。



奥野修司さんによる名著。僕はKindle版で読みました~。



是枝裕和監督作。上手く書けないけど、大好きな映画です。



今年の夏に公開された映画。こちらの福山さんの演技も良かったですな。



是枝裕和監督の初エッセイ集。面白そうです。



そして、映画とは関係ないけど、同じポプラ社から出ているジェーン・スーさんの著作も貼っておきますね。