2011年02月12日

GANTZ(ネタバレ)

テーマ:新作映画(2011)
GANTZ

三角絞めでつかまえて-ガンツ映画

2010/日本 上映時間128分
監督:佐藤信介
原作:奥浩哉
脚本:渡辺雄介
アクション監督:下村勇二
出演:二宮和也、松山ケンイチ、吉高由里子、夏菜、本郷奏多、白石隼也、伊藤歩、Merii、田口トモロヲ、山田孝之
(あらすじ)
まったく就職が決まらない大学生の玄野(二宮和也)と、彼の幼なじみで正義感の強い性格の加藤(松山ケンイチ)は、電車にひかれて命を落としてしまう。しかし、黒い謎の球体“GANTZ”が彼らを呼び出し、“星人”と呼ばれる異形の敵との戦いを強いる。加藤は争いを避けるが、玄野はサバイバルに身を投じることを決意する。(以上、シネマトゥデイより)

予告編はこんな感じ↓




46点


最初に実写映画化すると聞いた時は1ミリも観る気が起きなくて。一応、漫画は連載当初からずっと読んでまして。なんか集めそびれちゃったので、今のところは連載を追うだけですが、いつか落ち着いたらコミックスを揃えようと思っていて…。まぁ、熱狂的ファンってほどではないけど、「それなりに大好きな漫画」ではあるんですね(たぶん中学生の時に読んでたら、人生が変わってた気がします)。

そんな僕にとって「GANTZ」の魅力というのは、“人間が無惨に殺されていく残酷な世界の中で必死に戦って生きる人の姿”だと考えているので、ゴア描写は必須なワケですよ。どうせヌルくなるだろう実写版に何が期待できるのかと…。

な~んて思いつつも、予告編を観たらそこそこ頑張ってる感じがするし、岸本役の夏菜さんが体当たりなヌードを披露してるっぽいということで、気がつくと「…観に行ってあげても良いかな?」と思うようになりまして。先日、新宿バルト9で観ちゃいました。感想は、「惜しいなぁ… (´・ω・`)」と思いましたよ。

ハッキリ言って、序盤は予想以上に面白かったです。ちょっとテンポの悪さも感じましたが、田中星人あたりまでは普通に楽しめたというか。ビジュアル作りはかなり頑張っていて、小道具も素晴らしい出来だし、原作の雰囲気を上手く出してたと思います。<PG-12指定>ということですが、ネギ星人との対決シーンは思ったよりも凄惨に描写されていて、心から「よくやった!」と。

そして、岸本の全裸転送シーンも良かった! 転送される時に「あの角度で乳輪すら見えないのはどうか?」とは思った…。思ったけれども! 夏菜さんの頑張りには心から敬意を表したいというか、僕的に夏菜さんは100点! 「終盤に加藤を守って死んじゃったけど、生き返って続編に出演する」か、「この映画に出た記憶を消されて関わってないことにできる」かのどちらかを選んで良い資格があると思いましたね。


夏菜さん。岸本を頑張って演じてましたな!
三角絞めでつかまえて-夏菜


ただ、何が残念ってこの映画展開が進むごとに面白さがしぼんでいくんですよね…。仏像編まで入れちゃったせいで、全体的にかなり駆け足な感じになってしまったような印象を受けました。

個人的には「話が原作と違う」というのは全然良いと思ってて。いくら前後編にしたからって、たかが4時間程度で原作を再現できるワケがないんだから、むしろ実写ならではの「GANTZ」が観たいくらいの気持ちもあったんですが、今回の映画化のために加えたオリジナル要素はことごとくイマイチだった気がします。その一番の改悪は多恵ちゃんでして…。


原作の多恵ちゃん。地味に可愛い感じに萌えますな。
三角絞めでつかまえて-多恵ちゃん


例えば、原作では、玄野自身は怖い目に遭ったら人を置いて逃げちゃったりする“普通の高校生”なんですよ。だから、ミッションをクリアするごとに才能を発揮するようになるけど、岸本と加藤の関係にジェラシーを抱いたりとか、基本的に“普通の小さい人間”だったりするワケです。

そんな彼が、からかい半分で付き合った多恵ちゃんのおかげで人間的に成長するのが原作のキモじゃないですか! あの初カノに夢中になる感じ。「もし彼女がいなくなったら…?」と勝手に想像して泣いたりする、あの感じ。玄野が多恵ちゃんと付き合うことで変化していくのは、ある意味、「(500)日のサマー」にも通じる萌え&燃えポイントじゃないですか! 人がバンバン死ぬ凄惨な世界だけど、でも、“それでも人は愛で強くなれる”という奇跡に感動するワケじゃないですか!

ところが! 映画の多恵ちゃんは中盤に登場するんですが、ずっと玄野に片想いをしていた風の設定で。ロクに話したこともないのにいきなり電話してきたりして(大学って同じゼミだと電話番号を教え合うんですか?)、勝手に玄野を主人公にして描いていた漫画を本人に見せて、「おかしいですよね…」って、おかしいよ! 別に吉高由里子さんは悪くないんですけど、本当によく分からないキャラクター設定でゲンナリしました。最後、「地下鉄で自殺しようとする玄野を引き上げた後、涙ながらに告白→胸を打たれて前向きになる玄野」みたいな感じになってましたけど、まったく意味が分からないというか。僕がもし同じ状況だったら、可愛いからもちろん即付き合いますけどね、エヘヘ。


吉高由里子さん自体は大好きなんですが…。
三角絞めでつかまえて-吉高さん


まぁ、多恵ちゃんがああいう感じになったのは百歩譲るとしても、玄野と加藤と岸本の三角関係を薄めちゃったのも残念でしたね…。あれがあるからこそ、千手観音とのバトルが超燃える&切なかったんじゃないの? しかも、岸本が死ぬシーンとか、側に千手観音がいるのに同じ場所でダラダラと…。一応、千手観音も人格があるという設定だから、待ってあげてたと恐ろしく好意的に考えられなくもないけどさ、ああいうのが一番萎えるというか、本当にバカじゃないの? 「岸本がやられる→玄野が怒って千手観音とバトル→その間に岸本が加藤に告白→玄野がやられる→加藤が~」って展開で全然いいじゃん。つーか、クライマックスの流れが本当にグダグダで、大仏とか心底どうでも良かったです。


このすぐ近くに敵がボーッと突っ立ってます。
三角絞めでつかまえて-死んじゃう岸本


というかね、これは仕方ないんでしょうけど、なんか漫画と比べると登場人物が非常に少ない上に人間ドラマを描いてないから、“人がガンガン死んでいく無情感”が伝わってこなかったのもガッカリでしたね。僕的にはかなりの号泣ポイントだったハズのおばあちゃんと孫のシーンも、唐突すぎてまったく乗れなかったです。

大体、何が残念って、アクションがそんなに面白くなかったんですよね…。原作よりもスーツが弱体化したのが残念だったのもありますが、3戦目になっても登場人物があまりスーツや銃の機能を理解してないのか、敵に向かって全然撃たないんですよ。あんな状況だったらむしろ連射すると思うんですけど、みんな本当になかなか撃たないから、「さっさと撃てよ! (`Δ´)」とフラストレーションがドンドン溜まるというか。画面が暗くてよく見えないシーンもあったし…。

佐藤信介監督といえば「ホッタラケの島 ~遥と魔法の鏡~」は非常に残念な感じでしたけど、「修羅雪姫」ではドニー・イェン兄貴と良い感じのアクションを作り上げてたじゃないですか(映画自体はアレでしたが)。アクション監督の下村勇二さんも「デス・トランス」で素晴らしいアクションを演出されていたのに…。それがなんでこんな出来になってしまったのか、本当に不思議で仕方がないです。

もうね、文句は他にもいろいろありまして。「おっちゃん(田口トモロヲ)は最初から出しちゃダメだろ!」とか「田中星人は1人なの? 中の人は?」とか「白石(Merii)って登場人物、入れる意味あった?」とか「制限時間に意味がないって酷くない?」とか「『人間には役割がある~』みたいなオリジナル要素自体は全然良いけど、繰り返しすぎてクドイ」とか「千手観音、弱体化しすぎ…」とか「千手観音、あれで倒したことになったの?」とか「何度も何度も何度も“100点貯まった時のご褒美”を映してくれてたけど、観客がその程度のことすら記憶できないと思ってるの?」とか…。主演の二宮和也さんと松山ケンイチさんの演技は普通に良かっただけに、いろいろと残念な作品だと思いました(そういえば、西を演じた本郷奏多さんも雰囲気があって良かったネ!)。個人的には謎だ何だというより、テンポ&アクション重視の映画にした方が良かったと思うんだけどなぁ…。

って、やたら叩く感じの文章を書いちゃいましたが、やっぱり田中星人あたりまではそんなに悪くなかったし、ビジュアル自体は結構好きだし、エンドロールが始まって出てきた山田孝之さんの存在感が「おおっ!」って感じだったので(続編で活躍される様子)、そんなに嫌いにもなれない作品というか。エンドロール後の続編の予告編も続きが気になる感じの作りだったで、とりあえず「GANTZ:PERFECT ANSWER」も観る予定です。気になっている人は、あまり期待しないで観れば、それなりには楽しめるんじゃないですかね。




原作コミック。単行本はいつかまとめて買おうと思っております…。
三角絞めでつかまえて-ガンツ漫画
GANTZ 1 (ヤングジャンプコミックス)


映画版のノベライズ。
三角絞めでつかまえて-ガンツ映画小説
映画 GANTZ (JUMP j BOOKS)


アニメ化作品。出来はどうだったんでしょうか。
三角絞めでつかまえて-ガンツアニメ
GANTZ BOX 1 [DVD]


佐藤信介監督作。映画はアレだけど、ドニー・イェン兄貴のアクション演出は素敵。
三角絞めでつかまえて-修羅雪姫釈由美子版
修羅雪姫 (初回限定/特別プレミアム版) [DVD]


酷評されがちな忍者映画。松山ケンイチさんがこの映画で見せた戦闘力を発揮してくれればなぁ…。
三角絞めでつかまえて-umls3
カムイ外伝 [DVD]