戸隠連峰「西岳」 | 峠の我が家

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我が家から峠に峠から峰に、そして帰るべき我が家を中心に足跡を残そう。

昨年登り残した、P1尾根から西岳に登って来ました。

パートナーは信州を代表する山男「カモシカ永井」さん

此処を一緒に登ってくれるのは、あのオッサンしかないと思ってました。

戸隠でもP1尾根は未踏でしたので、長い永井夢がかないました。


ルートは鏡池からP1尾根~P1~西岳~八方睨み~奥社です。

なにせ合わせて135歳なので、安全第一で歩き11時間程かかりました。


すでに紅葉の終わった西岳山頂

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本院岳を過ぎ西岳を振り返る。
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この方向から見る八方睨みは約38年振り
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10月19日  晴れ 「戸隠連峰 西岳・本院岳・八方睨」

         メンバー  カモシカ永井さん&たか


10/16日は雨で中止にしたが、この19日が今年最後のチャンスと思い平日ではあるが決行する事にする。

自宅を明け方の5時にでて奥社Pにて永井氏と5時30分の待ち合わせ。

空も白々と明るくなり始め今日一日は好天が期待出来そうだ。

車を此処に1台デポして、永井氏の車で鏡池に向かうが、鏡池Pは満車状態で吃驚!

朝焼けの西岳狙いのカメラマンで池の周りは人で溢れている。

やっと奥に一台停めるスペースをみつけ車を入れると、隣の車の方が「どちらえ?」

と聞いてくるので「西岳」と答えると、昨日P1尾根を下って来たとの事。

午前中は雨模様で大分苦労した様子で、情報を仕入れ2人で登山口に向かう。


車道から林道に入り、すぐ左に西岳登山口の標識をみて小沢に沿ってゆるゆる下って行く。

暫くで上楠川からの登山道に合流して楠川へ下り2回程川を渉る。

渓流釣りをやっていた頃、よく此の沢を釣り上がり、魚止めまで行ったので懐かしい。

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100m程高度を下げ、天狗原への登りにかかる。

空が開けてくるとかっての牧場跡の天狗原に着く。

前方に西岳・本院岳が青空に映えているが、どうやら紅葉はすでに終わっていそうだ。


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望岳台まで来ると西岳連峰のギザギザが一層の迫力で迫ってくる。
永井氏と今日登るルートを目で追い、期待感でワクワクする。


最初の鎖場だけど、ここまでの間に獣の匂いが気になる場所が何箇所か?

そばでキャキャと騒いでいる猿の群れがいるので、彼らのテリトリーなのでしょう。

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いよいよP1尾根の核心部に入ります。

先頭を永井氏に譲って頂いて、鎖場に取り付きグングン高度を上げて行きます。

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↓永井さんが撮ってくれたワンショットです。
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長野方面は雲海の下らしい。

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「熊の遊び場」が「能の遊び場」になってしまった。
連続して鎖場が現われ、変化があり面白いが慎重に登って行きます。

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大分上がってきたので少し余裕が出てきました。
絶対遭難出来ない永井氏は、私の滑落の巻き添えにならない様用心して距離を開けて来ます。

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景色が開け「無念の峰」に着き、暫くの休憩。スタートの鏡池が光ってます。

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無念の峰から一旦鎖と梯子で下がった所が「蟻の戸渡り」幅は1mあり高度感はありません。
梯子に移るのに、少し躊躇しますがボルトが打ってあるので左足を乗せ、右足で次のステップを探せばOK。

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梯子を降りるとすぐP1の核心部の蟻の戸渡りですが、八方睨に比べて高度感はありません。
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蟻の戸渡りを余裕で歩くカモシカ永井さんです。
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蟻の戸渡りから長い鎖場を上り、草付きの滑りやすい泥道を笹を掴んで高度を上げて行きます。

     上方にちょっとしたバットレスの様な岩場が見えてくるとP1(弁慶岳」のピークです。


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スタートから4時間20分、やっとP1に到着です。

2人の健闘を称えあって握手しました。やっと長い間のつかえが取れました。
ここで景色を楽しみながら暫しの休憩、今日は昼食時間は取らないので各自で行動食です。

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まだ先は長いのでゆっくり出来ませんし、危険個所も幾つかあります。
西岳と本院岳の間から高妻が見えてます。

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断崖絶壁の淵を登山道が伸びてます。最近刈り払いが行われたみたいで明瞭です。
それにしても、こんな破線ルートまで登山道に整備に頭が下がります。

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西岳の山頂は紅葉も終わりひっそりと2人を迎えてくれました。

38年前に八方睨から来ただけなので懐かしい、でも帰りに疲れた思い出を思い出します。

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今日は本当に良い天気だ!高妻・乙妻が大きく迫り、裾花源流が手に取る様にわかる。

20年程前に一不動から裾花源流に下降して源流のイワナを調査したルートが良く見えている。

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八方睨も此方からは久々。

さて、次の難所の西岳キレットに向かいます。

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キレットを降りかかると、鎖が途切れ次の鎖まで3m位の草付きの嫌らしい下降。

足が滑っても捕まるものが無く躊躇してたら、下からの本日初めての登山者

「鎖が無くて上に上がれない」と言うので迷う事なく持参したザイルを張る事にする。
先に上がって貰い情報を交換して、鎖とザイルで下降、此処が本日一番の危険個所かな。
下り終わってホッとしながら本院岳の急登に入る。

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登山道は↑のような断崖をへつってます。

笹に覆われてるが一歩間違えると奈落の底です。
雨の降った後などは鎖場より、むしろこの笹付きの登山道が怖いかも。

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本院岳を過ぎ振り返ると、辿ってきたルートが如何に険しいか分かる。

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さていよいよ、最低鞍部から200mの八方睨への登り返し。

心配した足の痙攣が始まる気配、永井さんに待ってもらい小休憩を何度もとりカメ足走行に切り替える。


何とか八方睨に到着。

此処からは、子供の頃から登っているルート。


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↓の写真は永井さんから頂きましたが、蟻の戸渡りの高度感もあり雰囲気が良く出てます。(感謝)

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幾ら慣れたルートでもやはり一番の難所。
慎重に蟻の戸渡りを下ります。登りは立っても歩けるけど下りは四つん這いが安全です。

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以前も疲れた時は捲き道エスケープでしたが、今回は迷わず捲き道を下降します。

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その後は夕暮れと競争で鎖場を降りて、百閒長屋で一休み。

長い緊張から解放され、無事踏破した満足感に浸りながら奥社に向かいました。

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此処の水は美味しかった。実は今回は水の不足で喉がカラカラ

カモシカ永井さんも水無しでは唯のカモ、喉を鳴らして飲んでました。

奥社参道はすでに夕暮れの帳、杉並木をトボトボ歩きながら

2人とも何故か口数少なく、きっと達成感で一杯なのだ。

言葉はいらない、今日この日12時間の長い時間を共に支え合った事に感謝します。



*コースタイム(休憩も含みます)


  鏡池6:05ー天狗原6:50-望岳台7:30-熊の遊び場8:52-P1(弁慶岳)10:25-西岳11:25


  本院岳12:35-八方睨14:55-奥社16:42-奥社P17:15


カモシカ永井さんのレポは「http://kamoshikanagai.jp/