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6月22日水曜日









台所で朝の支度をする京介の横に
大輔がす~っと寄って来た。








京介が気が付き
布団の中で朝の挨拶を済ませたのに・・・と
不思議な表情を浮かべた。









~何ですか?~






そんな瞳の色を覗かせると
大輔は、
おもむろに京介の腰に手を回し引き寄せた。




「あ・・・・」





驚いて
その近い顔を上目遣いで見上げた。









大輔は
素早く頬に口付けし
驚いてその身を引こうとした京介を
逃さないように
腕に力を込めた。








「だ、だいすけさん・・・どうしたんですか?
みんなに見られますよ・・・」






俯いて
頬を赤らめた京介に
更に大輔は、耳元に顔を近付けた・・・





「明日、二人で出掛けよう」





「えっ?・・・どこへ?」









「今年の誕生日のお祝いに・・・
俺と旅に出よう」






「あ・・・」




「誕生日」と「旅」という言葉が
京介をときめかせた。








「誰にも邪魔されない場所へ・・・・」








「二人っきりでですか?」







「そう~二人っきりの旅
どう?行きたい?」









「あ、・・・・・・行きたい・・・」







素直な想いを
その瞳に浮かべた京介に
素早く口付けて
その身体から離れていった。










暖かかった大輔のぬくもりが
京介の身体に余韻を残し
触れていた部分が一気に冷えて
寂しさが募った・・・










「僕は、ダメだなぁ・・・・・」







大輔が居ないと
自分は、きっと生きられない・・・・










漠然とした想いは
紛れもない事実だと
痛感させられる。









「坊っちゃん・・・何がダメなんですか?」





気が付くとフミが隣に立っていた。







「あ、いや、なんでもないよ・・・」










京介は、
目で大輔を追うと
その目を合わせてニコリと微笑んでくれた。







「フミさん・・・明日、僕は、だいすけさんと
少しお出掛けしてきます」






「大輔さんに聞きました~
ここの事は、気にせず
二人で誕生日を過ごしてきてくださいね」





「あ、うん。・・・ありがとう・・・」









asayake☆☆







朝一番列車に乗る為
京介と大輔は
下宿の玄関を出た。






フミだけが見送った。






「きっと滝口さんや内藤さん達が
起きて来たら
怒るでしょうね~・」






「フミさん~悪いがあいつらを
なだめておいてくれ」







「はいはい、大輔さん~任せておいて~
坊っちゃんもしっかり楽しんできてくださいね」






「ありがとう~フミさん・・
それじゃ~行って来ます」












旅は、歩くと聞いて
京介は、洋服を選んだ。







クリーム色の開襟シャツから覗く
白い鎖骨は
どこまでも京介の美しさを
妖しく漂わせていた。








朝靄の中
大輔は、その手を伸ばし
京介の手を取った。









「だいすけさん、行き先はどこですか?」









「それは行ってからのお楽しみ~」




駅で切符を買う地名にも
京介は、見当も付かなかった。








汽車に乗り込んで
席に座り
開けた窓から
爽やかな初夏の風が
京介の髪をなびかせた・・・・









「気持ちいいです・・・」











「もうすぐ暑い夏がやって来る・・・」









「そうですね・・・・季節が巡るって
幸せですよね」







「そうだね・・・」









「ここ数年、やっと季節感が掴めました。
前は、良くわからないうちに時が流れていたので・・・・」








大輔は、
あの屋敷の離れで過ごす京介の横顔を
思い浮かべた・・・・









じっと時が流れるのを
何も感じる事なく
自分の殻の中で過ごしていたのだろう~










汽車から降りると
京介は、まだ分からず
ただ大輔の後に付いていった。










キョロキョロと辺りを見回し


「だいすけさん・・・・ここはどこですか?」





「まだわかりませんか?」







「・・・・・?」






程なく歩くと
青々と茂った高い垣根が現れ
その家の門を潜った。






「だ、だいすけさん?ここは?」









そこは、小さい庭ながら
人の手が加えられたもので
見覚えがあった・・







「覚えてない?」





「・・・・・・・」









「あ、こりゃ~庭師の大輔さんじゃないか・・」




家の主が現れた。









「こんにちは~
お邪魔してます。」







「お?今日は京介さんも一緒なのか?」





「あ・・・・」







京介の頭の中で
かつて二人で旅をした、
あの光景が浮かんだ。








何も分からず
大輔に連れられて
一緒に庭仕事をしたあの日を・・・















「想い出した?京介さんと
旅した場所だよ」








「あ・・・・思い出しました・・・
この庭、僕もお手伝いしましたよね」








「そう~当たり」






あの頃は、秋から冬になろうとしていた。










その時の庭とは見違える程、
見事な緑で覆われていた。





京介は
目を細め
しばし、その光景を見入っていた。









「京介さんと共に手掛けた庭は
今、こんなに素敵になったって見せたくて・・・」










「・・・・・無我夢中でお手伝いしたお庭・・・・
こんな風に綺麗になったんですね」








「二人共~お茶でも飲んでいかんかい?」






「ありがとうございます。」






京介は、縁側に座って
その庭を眺めた・・・









必死に大輔の後に
付いて歩く自分が見えた。







「あの時、だいすけさんに迷惑掛けないように
僕は必死でしたよ」










大輔もあの頃を想い出した。











互いがまだ分からない中
戸惑いながらも
一緒に居ることがどれほど幸せだったか・・・・











京介の瞳には
自分を受け止め
しっかりと愛してくれた。










それは、今も変わらない・・・










「あの頃の僕と、
今の僕は違いますか?」








不安でも
必死に大輔を愛し
付いて行った自分は
今は、どこか違うような気がした。










「さて・・・どうかな?」





大輔が意味深な笑みを浮かべた。











左手の
その指に光るものを見つめた。










いろんな事があった・・・
不安になった事もあった。














二人で試練を乗り越え
大輔と共に生きてきた・・・・















魚いいい



二人は
想い出の道を歩いた・・・




「だいすけさん!この川ですよ。
釣りをしましたよね」







「ああ~そうだね~京介さんは
釣りが上手だった」






「魚・・・焼いて食べましたね~」





「ああ~美味しかった・・・」




ふふっと二人は見つめあい
あの時を懐かしんだ。













その時
ポツポツっと雨が降ってきた。





「あ、雨です」








京介は、
素早く大輔の手を取り
近くの木の下に
連れて入ると






「だいすけさん~ほら、もっとこっちに寄って・・・
濡れますよ・・」






肩口が濡れないようにと
京介は、大輔を引き寄せ
自分の腕で抱き締めた。






ハンカチを出し
大輔の濡れた髪を優しく拭った。










甲斐甲斐しく世話をする京介を
大輔は、優しく見つめた。









「京介さんは、本当に変わった・・・」





「えっ?」







大輔が、
嬉しそうな表情に
京介は尋ねた。


「僕はやはり変わりましたか?」








「こんなに気が利く俺の伴侶になった・・・」





「あ・・・・・・」








すっかり大輔に慣れ
自分の思うままに傍に居られる事を
許してくれている・・・











「だいすけさんに、あの頃まだ慣れなくて・・・・
どうしていいのか僕は
正直戸惑ってました」









「そうだね・・・俺も同じだったかもしれない・・・・」







今の京介の瞳には
不安は感じられなかった。









毎日の積み重ねで得た互いの関係は
どこまでも居心地の良いものだった。








「さて~雨が降ったって事は
俺は、熱を出したあの頃を
振り返らなければ・・」







「えっ?」








「あの寝込んだ宿が
今日泊まる宿・・・」








「あ・・・だいすけさん・・・
僕にあの時と同じ事をさせようとしてるでしょう」










「ばれたか・・・・」









熱にうなされた大輔を
京介は、ずっとその身を合わせ
抱きしめ続けた。








大輔が目覚めた時
その裸身が目に入ったが
その前の記憶がなかった。







「ダメですよ~熱のない人は
介抱しませんからね~」









頬を染めた京介の純情は
今もあの頃と変わらない・・・







「京介さんのケチ・・・・」





思わず言った言葉に





「だいすけさん!ひどい!
ケチってなんですか?」





「お?怒った・・・・」





「怒りますよ・・・・」






「じゃ~機嫌直して~
美味しいもの食べに街まで行きましょう」







「はい!美味しいもの、たくさんご馳走してくださいね~」






気が付くと
雨は上がり
青空が広がっていた。







二人が手を取り
街に向かって歩き出した。







あの頃と今と
少しの時を経て
自分たちは、変わった。







それは、
互いの絆を確かめる旅になった。






どんな事があっても
あの頃を忘れない。








そして、「今」もしっかりと大切にしようと
二人の想いを一層深めた。







魚魚魚金魚魚





おまけ



25日の夕方
二人は下宿の玄関の前にやって来た。








そこには、張り紙があり






「大輔、京介殿
帰宅後すぐに高台屋敷まで来たれ」







「ん?屋敷?」






「皆、屋敷の鶴じいさんのところなんですか?」






「行ってみましょう」






二人は、その道を歩き







「あの屋敷の庭師になりたいと
何度も通った事・・・思い出す」







「ここの高台に
素敵な庭があると聞いて、
二人で走りましたよね~」






「そうだ!!」

大輔は、いきなり駆け出した。






「あ、ちょっと待ってください!!
だいすけさん!ずるい!!」





京介も大輔を
追い掛けた。






「ほら!早く!
京介さん」






「待って!」







二人は、その道を
あの頃と同じように駆けっこをした。









大輔の笑い声は
いつもと変わらず京介を幸せにしてくれる。








その腕に京介は自分の腕を絡ませた。








あの時は、
こんな大胆な事も出来なかった。







見つめる瞳は変わらない。





~この人は変わらず僕を愛してくれる~









素敵な旅は、
京介の心に想い出として
忘れることのない宝物になった。
















「到着!!」


「だいすけさん!早い・・・・」


息を切らして
京介は、その胸に飛び込んだ。









しっかりと抱きしめる大輔の腕の中は、
京介の幸せな場所となった。






「さて~この屋敷・・・
どうなってるのかな?」


「ちょっと怖いです」


















恐る恐る玄関に入ると
その屋敷の使用人が案内してくれたのは、
奥座敷だった。


そこから漏れ聞こえる歓声は
京介と大輔を
戸惑わせた。







そっとふすまを開けると








「おお~ご両人~
遅いからもう始めちゃったよ」






滝口がお銚子を持って
既に酔っ払っていた。






そこは大宴会場と化していて、
ご馳走を前に
酒盛りの真っ最中だった。








その中には
京汰と史郎も居た。





「あ・・・京汰さんに史郎さん・・・」




「京介~誕生日なんだって?
お前たち~どこ行ってたんだ?」







「京介さん~お誕生日おめでとう~
この日、御呼ばれされていてね~
ついやって来ちゃったよ」









京汰と史郎は
仲良く並んで座っていた。








「おお~綺麗どころの京介~
もう、宴もたけなわ~
ささ~座って乾杯じゃ~」









亀じいさんも既に鶴じいさんの横で
しっかりと酔っ払っていた。







「坊っちゃん~誕生日おめでとう」
「おめでとう~京介さん」
「旅は楽しかったかい?」






フミに内藤、良馬~
すっかり顔を真っ赤にさせていた。










「みんな・・・ありがとう・・・・・
すっかり酔っ払ってますね・・」






はははっと苦笑いした京介を
大輔は促し二人は並んで座ろうとした時






「京介~せっかくだから、あの部屋で
珈琲淹れてくれないか?」


鶴じいさんが言った。


「あ・・・はい」










奥の部屋のカフェ仕様の部屋も
京介にとって懐かしい場所だった。








あの時、鶴じいさんを前に
京介は、珈琲を入れることに没頭して
時を忘れてしまった・・・









~カフェで働きたい~








その想いから始まった
この街での生活・・・











仲間とともに暮らす日々を
いつか当たり前のように思っていた。







「だいすけさん・・・幸せは
噛み締めないと
その有り難みを忘れてしまいそうです」







「ああ~幸せだってことに
慣れてしまう・・・
それこそが幸せなんだろうなぁ・・」







「たまに思い出しましょうね」







ふふっと二人は見つめ合い
流れた時をしみじみと感じた。







京介は
25歳の誕生日の想い出を
また一つ心に刻み込んだ。






ケーキ京介さん~25歳の誕生日おめでとうケーキ








皆様~こんにちは~

ぺこ <(_ _)>


先日は、まおくん誕生日企画にご参加くださりありがとうございました。
そして、画像提供された方々~本当に素敵画像をくださり、ありがとうございました。


今日は、もう一人の京介さんの誕生日を書かせてもらいました。


今年の大輔は、想い出の地を旅する贈り物~
二人っきりで出かけることが大好きな、京介さん・・

あの最初の旅を想い出し、いろいろと考えさせられちゃいました。


「今の僕は変わりましたか?」


そりゃ~いろいろと変わりましたよ~

時を重ねて、二人は互いを良く知り尽くしてます。
それが伴侶として、互の一番を理解してるのです。

甲斐甲斐しく尽くす京介の自然な行動~
もう、いい奥様です。

大輔とともにあの頃を想い出し、また今の幸せを噛みしめる~

楽しい旅だったことでしょう~

屋敷には、たくさんの知人が集まり、またそれもあの頃とは違います。
時の流れを感じつつ、仲間との日々が、また京介の生活を楽しいものにしています。

京汰と史郎は、前から誘われていました。
きっとフミが京汰に話したのでしょうね~

きっと、この宴会で、史郎と京汰の舞いをさせたであろう~鶴亀じいさん~ご満悦。



幸せは、何事もなく過ごせる事がとても大切なのだと京介は
感じたのかもしれませんね~


あ、この話を読んだ後に、「京介と大輔~番外編~回想録」を読むと
またそれはそれで楽しめます。



では、今日は、これからお仕事ざます~


皆様にとって、幸せとはなんぞや~って噛みしめる一日にしてくださいね~(なんぞや)





マタネッ(^ー^)ノ~~Bye-Bye!
















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