豆ソリス(ポップン)

 

 

その家は

埃が積もり

蜘蛛の巣が張っていた。

 

 

 

「一馬さん・・・誰も居ないっすか?」

 

 

「・・そうみたいだな・・・」

 

 

「まさか、ずっと実家に帰ってないっすか?・・・・」

 

 

 

豆丸は

仏間を見つけ

その位牌に手を合わせた。

 

 

「一馬さんは、いつからここに帰ってないっすか?」

 

 

 

「・・・・・・」

 

「親御さん・・・ずっと一馬さんに会いたかったんじゃ・・」

 

 

 

 

 

 

 

「いい加減に俺への詮索はやめろ」

 

 

 

 

一馬は

豆丸の頬を掴んで引っ張った。

 

 

 

「いはい!いはい!(痛い!痛い!)」

 

 

 

 

その頬を離すと

 

「痛~っ・・・・すんません・・・俺、思ったことが口に出て・・・」

 

 

 

 

「・・・・父との折り合いが悪く

俺は若いうちに家を出た」

 

 

「まさか・・・葬儀にも出てないっすか?」

 

 

「・・・・」

 

 

一馬は

豆丸をジロリと睨みつけた。

 

 

 

「一馬さん・・・重ね重ねすんません」

 

 

「俺がこの家も親たちも全て捨てただけだ」

 

 

「・・・・一馬さん・・・」

 

 

 

一馬の後ろ姿には

後悔の想いが

伝わって来た。

 

 

 

「・・・・一馬さん・・・」

 

 


 

 

 

「・・・・豆丸~もう寝るぞ・・・」

 

 

「へ?」

 

 

「疲れた・・・・遠征から帰ってきて

豆丸を探して

俺は、もうくたびれた」

 

 

 

「あ、本当にお手数掛けてすんません・・・」

 

 

「ついて来い」

 

 

「はい・・・・」

 

 

長い廊下を歩く

一馬の歩調は

馴れ親しんだ家だと知らしめた。

 

 

その一馬の後を

豆丸は、キョロキョロしながらついて行くと

ある部屋の戸を開けたが

一馬はしかめっ面をして

また閉めた。

 

 

「どうしたんすか?

一馬さんの部屋でしょ?」

 

 

「いい思い出は何もない・・

客間に行こう」

 

 

「あ・・・一馬さん」

 

 

家を出るほど

父親と不仲だったと言う一馬・・・

 

その表情はどこか辛そうに見えた。

 

 

 

言葉少ない一馬には

いつも影を感じていた。

 

 

 

語らない一馬の心の奥底を

探ろうとして豆丸は

首を竦め

出そうになった言葉を押し止めた。

 

 

 

そして、豆丸は、

この家が大きな屋敷だと気が付いた。

 

 

「一馬さん・・・家・・・大きいっすね」

 

 

「ああ~明日、見せたいものがある」

 

 

「見せたいもの?」

 

 

「まずは寝る」

 

 

やっとたどり着いた部屋は

客間で

押入れを開けて

二組の布団を引っ張り出した。

 

 

「少しカビ臭いが我慢しろ」

 

 

「あ、手伝います」

 

 

二人で敷いた二組の布団に

豆丸は

鼓動が早くなった。

 

 

「か、一馬さん・・・・」

 

 

「早く寝ろ・・・俺は、もうだめだ・・・」

 

衣服もそのままに布団に転がり

スヤスヤと眠ってしまった。

 

 

「あ・・寝ちゃった・・・・・」

 

 

眠る一馬に

豆丸もトロリとなって

隣の布団に同じように転がり眠ってしまった。

 

 

 

 

豆丸は

夜中目を覚まし

自分が

行儀よく布団に入っていることに気が付いた。

 

 

天井を見つめ

座長の事を想い

胸が痛んだ。

 

 

「ふぅ~」

 

ため息とともに

豆丸は

ムクッと起き

一馬の方を見た。

 

 

背中を向けて眠る一馬の布団が

上下し

それだけで豆丸は

違う胸の痛みを感じた。

 

 

 

 

「一馬さん・・・・

迎えに来てくれて本当に嬉しかったっす・・・

一馬さんの気持ち・・・」

 

 

 

知らずに涙が込み上げてきた。

 

 

 

「俺も一馬さんが大好きっす・・・

でも、茶屋に戻らなきゃ・・・

本当にすんません・・・」

 

 

豆丸は

布団から抜け出し

一馬に深く一礼した。

 

 

 

 

部屋を出ようとした時、

何かに足を掬われ

物凄い音を立て

床に転がった。

 

 

「"/(;-_-) イテテ・・・」

 

 

気が付くと

自分の足首に紐が結わえられていた。

 

 

「な、なんすか?これ・・・」

 

 

手繰り寄せると

それは

一馬の布団の中に続いていた。

 

 

「え?まさか・・・」

 

 

 

 

 

 

「そのまさかだ」

「一馬さん!!」

 

 

その紐は

一馬の手首にしっかりと結ばれていた。

 

 

「お前の考えることは

こっちもお見通しだ」

 

 

「ひぃ~~!!」

 

自分の言葉を聞かれた恥ずかしさに

豆丸の口から

飛んでもない声が出た。

 

 

「どうせ、俺に悪いとか

座長の借金は、ちゃんと払うとか

そんな事しか考えてないだろう」

 

 

「うっ!・・・」

 

 

「俺の気持ちにも気が付いて

知らない顔をして・・・」

 

 

 

「・・・・・・一馬さん・・・俺・・・」

 

 

「言ってみろ。俺をどう思ってるって?」

 

「・・・聞いてたんすか・・・

酷いっす・・・」

 

「お前がすっとぼけるからだ」

 

 

「じゃ、答えたんだから、茶屋に帰してください」

 

 

「駄目だ」

 

 

「何故っすか!

もう、俺の事は忘れて欲しいっす」

 

 

顔を上げた豆丸は、

いつになく思い詰めた眼差しだった。

 

 

「おまえの気持ちが分かった以上

茶屋で働かすわけにはいかない」

 

 

「どうにもならないっす!」

 

大きく被りを振り

きつく目を閉じた。

 

 

 

 

 

 

 

「お前を身請けする」

 

 

 

 

 

「!!!」

 

 

突然の申し出に

豆丸は、

驚きに目を瞠った。

 

「今・・・なんて・・・・」

 

 

 

「だから、俺が豆丸を身請けする」

 

 

 

 

「ま、待って!

身請けってお金が掛かるの分かってるっすか?」

 

 

「この家を売る」

 

 

 

「!!!

親御さんと一馬さんの想い出の

この家を売ってしまうなんて

絶対だめっす!!」

 

 

「こんな家、残したい想い出などない。

お前は一生あの茶屋で働く気か?」

 

 

 

 

「座長は、必ず俺を迎えに来てくれる!」

 

 

「お前は裏切られたんだぞ!

まだ、分からないのか!!」

 

 

 

「座長は、悪くない!!」

 

 

「豆丸!!」

 

 

 

 

「座長は、裏切らない・・・・」

 

 

膝に乗せたこぶしに

豆丸の涙がポトリポトリと落ちた。

 

 

 

 

「・・・・豆丸・・・・分かった。

お前の人を見る目に間違いがないと思いたい・・・

でも、俺の身請けを受けてくれ」

 

 

「一馬さんのこの家を売ったお金で

身請けは、俺、絶対受けないっす!」

 

 

「お前が客に抱かれる俺の気持ちが分からないのか!!」

 

 

「うっ!!」

 

 

「豆丸には、誰も触れさせたくない!」

 

 

「一馬さん・・・・」

 

 

 

豆丸は

堪らず一馬に抱きついていた。

 

 

滲む涙に

一馬の顔がぼやけた。

 

 

「俺・・・一馬さん・・・好きっす」

 

 

「やっと言ったな」

 

 

「一馬さん・・・・」

 

 

 

一馬は、

豆丸の泣き顔に

何度も唇を寄せた。

 

「くすぐったいっす・・・」

 

 

「嫌か?・・」

 

 

「ううん・・・雲の上に居るみたい・・・

気持ちいい・・・」

 

 

にこりと微笑む豆丸を

一馬は

大切にその身を重ねた。

 

人の重みが温もりとなって

豆丸の心を優しく溶かす。

 

素肌と素肌が二人を熱くした。

 

「一馬さん・・・」

 

 

 

「豆丸・・・・」

 

一馬は

豆丸を離さないと両腕に力を込め

しっかりと抱き締めた。

 

 

 

豆ソリス(ポップン)

 

 

次の日の朝

豆丸は

一馬に向かってはっきりと告げた。

 

 

 

「俺、茶屋に帰るっす」

 

 

 

 

「・・・・・」

一馬は

ぐっと手を握りしめた。

 

 

 

「ありがとう~一馬さん・・・

俺、茶屋でやっていけそうな気がする」

 

にこりと笑う豆丸に

一馬は、堪らず抱き締めた。

 

 

「頑固者・・・・

豆丸・・・俺が迎えに行く

必ず・・・・」

 

 

 

 

 

「駄目っすよ・・・家売っちゃ・・・」

 

 

 

「分かってる。

お前がぐうの音も出ない

ちゃんとしたお金を用意して

絶対迎えに行く」

 

 

 

 

「うん・・・うん・・・」

 

 

 

豆丸は、

それが叶わないと分かっていても

一馬の言葉が嬉しかった。

 

 

そして二人は

朝早く家を出た。

 

 

 

朝日の中

振り返ると

その家は、大きな酒蔵だと分かった。

 

 

「あ・・・一馬さん・・・・見せたいものって・・・」

 

 

「ほら行くぞ・・・・」

 

 

「あ、う、うん」

 

 

次の日見せたかったのは

きっとこれなのだと

勘の良い豆丸は感じた。

 

 

「絶対家を売っちゃ駄目っす」

 

 

 

「分かってる・・・ほらマツさんが待ってる」

 

 

「うん」

 

 

二人は、その手をしっかり繋ぎ

白桃茶屋に向かって歩き出した。

 

 

桜咲く

 

同じ頃

史郎の家に居た京汰を

壱嶋が迎えに出ていた。

 

 

切なげに涙する京汰を

壱嶋は

そっと抱き締めた。

 

 

 

 

 

つづく・・・・・・

 

 

 

皆さま~こんにちは

 

ぺこ <(_ _)>

 

ご無沙汰してました~遅くなってすんまそん~

いろいろとありまして~なかなか話が書けませんでした~

 

書きたいことはたくさんあっても、尺の問題もあり、削りに削ってこうなりました。

一馬と豆丸の桃色なシーンは、とても簡単に書いちゃいました~(*^日^*)゛グワッハッハ

 

しかし、Pureで何故二人の肌色シーンを撮らなかったんだろうか・・・

それが残念でならない・・・きっときっと馬場っちと大希くんの素敵なシーンが見れたのに・・・

馬場っちのテクも拝見したかったのに!!

“o(><)o”くう~!残念!!(あればここで画像使ったのに・・)

 

さて、これから一馬は、豆丸を身請けするために動き出します。(想像してね~♪)

時を同じくして、心傷付いた京汰が茶屋に戻ってきます。

そして、京介登場~茶屋の人間は、京介をどんな風に捉えたのでしょうか・・・

 

次も乞うご期待~v( ̄ー ̄)v

長くてごめんです。最後までお付き合いください。

 

では、まだ肌寒い日が続きますが・・(; ̄ー ̄)...ン?それはこっちだけ?

ストーブ点いてるよ・・・まだ櫻も咲かない・・・ので、櫻シリーズは、まだ後ね~( ゚ω^ )b

 

 

皆さまお体ご自愛下さいませ~あっちこっち痛い私は、切に思います。

 

 

マタネッ(*^-゜)/~Bye♪

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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