桜咲くクローバー

 

大輔と京介は

汽車の席に寄り添い座っていた。

 

 

 

京介が京汰を

あの滝に連れて行った日の帰りだった。

 

 

 

 

 

いつものように

京介はその指を

大輔の指に絡め

その指輪と戯れていた。

 

 

 

「京介さん・・・また少し

実家に行ってきます」

 

 

「え?」

 

 

京介は、驚きの表情を向けた。

 

 

「大丈夫すぐ帰ってきます」

 

 

「何かありましたか?」

 

 

「・・史郎さんに指輪を頼まれたんです」

 

 

「指輪?」

 

 

「京汰さんにも京介さんと同じように

指輪を嵌めてあげたいって・・・」

 

 

「そうなんですか!!」

 

京汰もこの指輪を

羨ましく見つめていたことは

京介は良く知っていた。

 

 

 

 

 

嬉しそうに微笑む京介は

すこし考え

 

 

「僕も一緒に行ってもいいですか?」

 

っと、小さい声で言った。

 

 

「京介さん?」

 

大輔の実家での悲しい出来事を想うと

その言葉の真意を

確かめたく、瞳を覗き込んだ。

 

 

 

「いろいろありましたけど・・・

ちゃんとご両親には挨拶もしたいし・・・」

 

 

下を向いてしまった京介に

その表情は見て取れなかった・・・

 

 

 

でも、その声は

どこか吹っ切れたような

明るさが滲んでいた。

 

 

「京介さんがそう言うなら

一緒に行きましょう」

 

「はい」

 

 

可愛く微笑みを

こちらに向けた京介を

思わず大輔は抱きしめた。

 

 

 

「誰かに見られますよ・・・」

 

 

 

っと、頬を染める京介に

堪らなく愛おしさを感じた。

 

 

 

 

 

 

 

?

 

二人は、ある休みの日、

皆に見送られ

下宿を後にした。

 

 

 

フミは

あの「空」を胸に抱き

 

 

 

「いってらっしゃい~二人のお父さん♥」

 

っと言うと

大輔も京介も嬉しそうに手を振り

出掛けて行った。

 

 

滝口は

赤ん坊の「空」の頬を指で突っつき、

 

「おい、お前の片方の心優しき父は

今度は、大丈夫なのか?」

 

 

「滝さん~変な事を空ちゃんに

いっちゃいけないっす」

 

「なぁ~」っと内藤も反対側から

「空」の頬を優しく撫でた。

 

 

 

「大丈夫よ~

心優しき「空」ちゃんのお父さんは

とっても強く成長したんだから」

 

 

「そうだな~」

「ホントっす~」

 

っと、頷いた。

 

 

 

あたふたあたふた

 

突然訪れた

大輔と京介に

使用人たちは、大きな屋敷の入り口で大慌てになった。

 

 

「大輔坊っちゃん・・・

いらっしゃるならそうおっしゃっていただかないと・・

お車をそちらにお回ししたのに・・・」

 

 

「気を回さなくていい~

好きに来て、

好きに帰るから~」

 

 

 

 

 

「また、お邪魔します。」

 

 

 

京介は、

使用人たちの前で

綺麗にお辞儀をし

大輔に促されるまま

その先に足を進めた。

 

 

 

「おお!大輔!

よく来たな」

 

「まあまあ、大輔・・・・

京介さんもご一緒だったのね」

 

 

京介は、

大輔の両親を目の前に

しっかりとその背筋を伸ばした。

 

「先日は、大変ご迷惑をお掛けし

ご挨拶も遅くなってしまって

申し訳ございません」

 

「何を言ってるんだ。

謝らなければならないのは

こちらの方~

配慮が欠けて、

嫌な想いをさせ

怪我までさせてしまって・・・

もう、全てを思い出したんだね」

 

「はい、お陰様で・・・

もう大丈夫です」

 

 

深く頭を下げた京介の手を

大輔の母は、

そっと取り

 

「素敵なお手紙

ありがとう~

とても嬉しかったのよ」

 

 

「手紙?」

 

大輔は

初めて聞く言葉に

尋ねると

 

「記憶が戻た事を

素敵なお手紙で教えてくれたのよ~

ね~京介さん~」

 

「あ、いえ・・・そんな大層なものでは・・・」

 

 

「京介さん・・・」

 

 

大輔は、

実家に手紙で綴った

京介の優しい文面が浮かぶようだった。

 

 

 

きっとまだ怖くて

この家には、躊躇いがあっただろうに・・・・

心の中で

どれだけの葛藤を消化さたのか~

 

 

 

すっかり、両親に気に入られた京介の姿に

大輔は、眩しく目を細めた・・・・

 

 

「京介さん~京汰さん達の指輪の

段取りしてくる・・

少し待っていて欲しい」

 

 

「あ、はい・・・」

 

 

「大輔~大丈夫よ

私に任せなさい。

ほら、京介さん~こっちこっち~」

 

 

母親は、京介の手を引き

ある部屋に連れて行った。

 

 

その扉を開けて見た光景に

思わず

 

「凄い・・・・」

 

っと声が漏れた。

 

 

MarettiCoralがぁるポヨゾー人形

 

そこには、

一面に人形が

所狭しと並んでいたからだ。

 

 

「この間、大輔ったらいきなり帰って来たと思ったら

この中から

赤ちゃんのお人形が欲しいって言って・・・」

 

 

「あ、・・・・それは・・・・」

 

 

まさか、自分が想像妊娠したとは

言えなかった・・・

 

 

 

 

「その必死さがおかしくて~

どうして赤ちゃんの人形が

必要だったのかしらね~」

 

 

ふふっと笑う母親と

対照的に必死にこの部屋で

あの「空」を探す大輔の姿が浮かび

思わず苦笑した。

 

 

 

「それにしても凄い数のお人形ですね~」

 

 

「ふふ・・・私の小さな時から集めたお人形さん達なのよ~

いい歳してもやめられないのよ」

 

 

「あ・・・お義母さん・・・

あの頂いた人形の性別は

どっちなんですか?」

 

 

「あの人形?

ちょっと待ってね~」

 

 

ゴソゴソっと奥から

母親は、何かを手にしてきた。

 

 

それは

小さな服だった。

 

 

「これね~あの人形の服なのよ

どれも男の子か女の子か分からない服でしょう」

 

 

「本当ですね・・・」

 

全てが簡素で素朴な作りだったが

どれを着せても

あの人形に似合いそうだと思った。

 

 

 

「あの人形を作った方は

最初から性別を決めなかったらしいのよ~」

 

「そうなんですか・・・」

 

「空」は、やはり

どちらでもないのか・・・

っと、あの眠る顔が頭に浮かべていると

 

「ほら、この服は

京介さんにあげるわ~

たまには、着せ替えてね」

 

 

「あ、はい、ありがとうございます」

 

男二人だと

着せ替えなど考えもしなかったと

頭の中で

「空」に謝った・・・

 

 

 

 

お食事

 

 

 

夜は、

あの晩と同じように

大広間で晩餐の用意がされていた。

 

 

京介は

どこかあの時を思い出し

鈍い痛みを感じた。

 

あの時

あの人が・・・・

 

 

苦手な相手が

京介の頭の中に浮かび上がった・・・

 

 

 

 

「そうそう、梅子ちゃんね~

結婚されたのよ」

 

 

「おっ、そうなんだ~」

 

 

 

大輔は、

思わず京介を見つめ

互いにホッとした表情を浮かべたが、

 

 

 

「そうそう~出戻って来たらしいけど~」

 

 

「あ?」

「え?」

 

 

「大輔さん~お元気でしたか?」

 

 

振り向かなくても

その声は

明らかにあの声だった。

 

 

 

二人は、

身構えて、

静かに声のした方を振り向いた。

 

 

 

 

 

 

つづく

 

 

叫び

 

 

 

 

おまけ

 

出戻り梅子~やっぱ大輔さんがいい~♥

 

 

 

おまけのおまけ

 

 

「だいすけさん~朝ですよ♥」

「う・・・・ん・・・京介さん♥」

 

皆さま~こんばんは~

 

ぺこ <(_ _)>

 

秋のような夏のような、とても不思議な気候の北海道~

皆さまの住む街は、如何ですか?

 

「大輔実家編~再び」は、一話では終わりそうもありません。

あの時とは違う京介~いろいろなお話を交えながら

だらだら~っと書いていくので、よろしかったらお付き合いくださいませ~

 

 

梅子さん・・・出戻って帰ってきちゃってます。

また一波乱あるのでしょうか?

 

梅子さんが登場ってことは、もしかして、和樹さんもあの出窓で抱き締めちゃう?

きゃ~~~~!!どうなるのでしょう!!

 

あ、見切り発車なので、私も良く分かってません。

昔の話を少し読んで、復習しながら書いています。

 

どれだけ続くか分からないけど、よろしくね~(^_-)-☆

 

 

では、マジ、体調にはくれぐれも気を付けて・・・

最近の肩こり・・・どうも枕が合わないような・・・っと勝手に思ってる私でした~

 

 

それでは、素敵な夜をお過ごしください~

 

 

 

マタネッ(*^-゜)/~Bye♪

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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