おせち

 

大輔は、

ゆっくりと二人で年越しするために

京介を下宿から

実家の離れに連れ出した。

 

 

 

「だいすけさん・・・

本当にご両親にご挨拶をしなくていいんですか?」

 

「両親には、年明けてゆっくりでいい・・

今回は、誰にも邪魔されずに

京介さんと過ごしたい」

 

 

「あ・・・まぁ・・・前回のお正月は

来客も多かったですね」

 

 

「あの時は、下宿で二人っきりでいたら

次から次と挨拶に現れる輩に

全くゆっくり出来なかった」

 

 

 

「はぁ・・・そうですが・・・」

 

 

「俺は二人っきりになりたいの!!」

 

 

「・・・まるで子供みたいですね」

 

大輔は

横目でチラリと見る京介を

 

 

「あぁ~子供だから

しっかり京介さん、俺を面倒見てくれ」

 

っと、甘えて抱きしめた。

 

 

 

 

そっと入り込んだ実家の離れには、

ヨシがすでに連絡を受けて

おせちの食材を用意してあった。

 

~頑張っておせちを作って

二人で素敵なお正月を過ごしてくださいね~

 

「ヨシさん・・・いないんですね・・・」

 

 

「ああ、きっと息子さんの所に帰ったんだろう」

 

 

「そうですか・・・

フミさんも滝口さんも

良馬さんも内藤さんも皆さん

それぞれに出掛けて行きましたね」

 

 

「フミさんは、娘さんのところだろう~

滝口は、両親の待つ実家に帰ったし

良馬さんと内藤は、

家族の眠るお墓を参るって言ってたな」

 

 

「そして、僕たちは・・・」

 

「そう、京介さんと俺は、

誰にも邪魔されずに一緒に過ごす」

 

 

吹き出し笑う京介の笑顔に

大輔は

またもや抱きしめ

 

「一年の締めくくりは

二人だけで送りたい!」

 

 

「あは・・・そうですね~」

 

 

互いに仕事を持ち

下宿やカフェの人たちとの関わりに

なかなか二人きりで過ごすことのない一年を振り返り

大輔は

やっと年末年始に

二人だけの時を得た。

 

 

「さて~これから、おせちを作るので

大輔さんは、邪魔しないでください」

 

「あ、ああ・・俺は、庭の手入れでもするか・・・」

 

 

「だいすけさん・・・仕事から離れても

お庭いじりですか・・・」

 

「・・・ほかにすることがないし・・・」

 

頭をポリポリとかきながら

大輔は、縁側の方に歩いて行った。

 

 

思わず京介は笑みが零れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

大輔は

京介が眠れない夜を過ごしていることに

気が付いていた。

 

 

 

ある晩

大輔はふっと気が付くと

京介が布団から半身を起こし

何か思いつめた表情をしていた。

 

 

「京介さん?どうした?

眠れない?」

 

「だいすけさん・・・年明け早々、京汰さんの所にいきたいのですが?」

 

 

「ええ!!なんで?せっかく二人っきりになったのに・・・」

 

 

「また京一郎が夢で・・・」

 

 

「え?京一郎さんが何を・・・」

 

 

「京汰さんと史郎さん・・・

何かあったらしいです」

 

 

「な、何かって?・・・」

 

 

「大丈夫です。ちゃんと助言しておきました」

 

 

「?」

 

 

「史郎さんは、また同じことを繰り返そうとしてます」

 

 

「京汰さん・・・大丈夫なのか?」

 

 

「はい、少し心配なので、

年明け、出掛けてもいいですか?」

 

 

「・・・・そうだな・・

史郎さんの実家にもご挨拶してくるか・・・」

 

 

「はい・・・おせちをたくさん作ったので

それを持って行きましょう」

 

 

 

 

京介と大輔は

元旦を二人で過ごし

次の日には、

大輔の実家の運転手の車で出掛けた。

 

 

最初に史郎の実家を訪れると

京介と大輔を

祖父母が大喜びで出迎えてくれた。

 

 

「こんな素敵な正月はない・・

さぁ~入って入って~」

 

 

「お祖母さん・・・これ、おせちなんですが

良かったらどうぞ」

 

 

「京介さんが作ったのかい?」

 

「はい、母の味を思い出して作ってみました」

 

 

「薫子の?」

 

 

「はい」

 

 

ほどなくして

京汰と史郎が

元家元に連れられてやって来た。

 

 

「京介!!」

 

京汰の喜ぶ笑顔を見て

京介はほっとした。

 

「京汰さん・・・あけましておめでとうございます」

 

「ああ~そんな堅苦しい挨拶やめろ~

元気だったか?」

 

 

 

弟を想う兄の姿は

はたから見ても微笑ましかった。

 

 

「史郎さんと上手くやってますか?」

 

 

「あ?うん、大丈夫だ・・

いろいろあったけど、京一郎に助けられた」

 

 

「そうですか・・・良かったです」

 

 

「ん?まさか、お前・・知ってるのか?」

 

 

「さあ~なんのことでしょうか・・」

 

綺麗に微笑む京介を見て

京汰は、ハッとした。

 

 

~京介・・・心配かけたな・・・・~

 

 

 

「京介、ありがとう」

 

「はい?なんですか?」

 

「ほらほら~皆でお雑煮食べましょう~」

 

 

祖母の手作りのお雑煮を

京介は

初めて口にしたが

とても懐かしい味だった。

 

 

 

「母の味と同じです・・・」

 

 

「薫子は、ここに来て

私の料理の味を覚え、

皆の食事の世話をしていたのよ」

 

 

「京介さんは、ずっと我が家と同じ味のお雑煮を食べていたのか・・・」

 

 

史郎は、感慨深く目を細めた。

 

 

 

「この家で、母はとても大切な時を過ごしたんでしょうね・・」

 

 

「そういえば、京汰の作った雑煮と同じ味・・・

何故だ?」

 

 

「史郎さん・・・・お祖母さんに俺が教わったの!

おせちもお雑煮もこの家の味だっただろう?」

 

 

「あ・・・確かに・・・

まあ・・・私は、それどころじゃなかったからな・・」

 

 

「史郎さん!余計な事言わない!!」

 

 

「あ、はい!すみません」

 

 

京介は、クスリと笑い

京一郎への助言が功を奏したことを知った。

 

 

 

 

「京介さんの味は、薫子さんの味で

そして、史郎さんの家の味でもあるのか・・・

繋がっていたんですね」

 

大輔は、

しみじみとその縁を感じた。

 

 

今は亡き京一郎も薫子も

この味を

時が違えど味わってることに

皆の心に温かいものが込み上げていた。

 

 

 

「さあ~みんな~今年も良い年にしようじゃないか」

 

 

元家元は

上機嫌で

京介と京汰の顔を見つめた。

 

 

「今年のお正月は、本当に今までで一番賑やかだわね」

 

 

史郎は、母の言葉に

今までの事が走馬灯のように浮かんだ。

 

 

京一郎の笑顔を

今は容易く思い浮かべることが出来た。

 

ここまで来るまで

自分はどれほどの葛藤を続けて来ただろう。

 

 

答えを導きだしたのは、

ここに居る京介だった。

 

 

京一郎の想いに

気が付いた時

全てが大きく回りだした。

 

 

 

ゆっくり動き出した歯車は

確実に京汰へと誘った。

 

 

 

 

 

京汰が当たり前のように隣に居る幸せを

史郎は

しっかりと噛み締めた。

 

 

~京一郎ありがとう・・・

薫子ありがとう~

 

 

「酔った?」

 

「京汰・・正月からお酒を飲んで

お互いに失敗したくないだろう?」

 

 

 

 

「うぅ・・・離れようか?

そうしたら、お酒飲めるだろう」

 

「まさか・・・私の隣には京汰が居ないと駄目だ」

 

「し、史郎さん・・恥ずかしいこと言うな~」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「だいすけさん・・・僕のわがまま聞いてくれてありがとう」

 

 

「いや、俺もここに来れて良かった・・・

京介さんのたくさんの縁がここには満ち溢れてる」

 

 

「だいすけさん・・・」

 

 

「俺の側にはいつでも京介さんが居る・・・

今年一年も二人でいる時間をたくさん作ろう~」

 

 

「はい、だいすけさん・・・」

 

 

 

 

二人が見つめあっていると

玄関から大きな声がした。

 

「あけ~ましておめでとぅ~ございますとびだすピスケ2

「あけ~ましておめでとぅ~ございますとびだすピスケ2

 

それは、紛れもなく

伝助と太助の声だった。

 

「伝助と太助だ!!」

 

皆が一斉に

玄関に駆け出した。

 

 

幸せな光景は、これからも続く・・・

そう予感させる年明けだった。

 

 

カナヘイうさぎカナヘイうさぎあんぐりピスケあんぐりピスケとびだすピスケ2とびだすピスケ2

 

 

おまけ

 

京汰と史郎の初夢

異国の地を旅する二人

「京汰・・蛇大丈夫か?」

「ん?史郎さん、突然なに?」

 

 

 

 

おまけのおまけ

 

京介と大輔の初夢

二人で海水浴を楽しむ夢

「ずっと向こうの空高く飛びたい~」

「だいすけさん~一緒に鳥になりましょう」

 

 

みなさま~こんにちは

 

ぺこ <(_ _)>

 

リクエストに応えて「京介と大輔のお正月」

これって、なんだか、京汰と史郎の話の続きみたいになっちゃいました~

ま、いいっか・・・・(= ̄∇ ̄=) ニィ

 

イチャイチャっぷりは、今回書かなかったけど、

大輔と京介は、二人っきりの幸せな時を過ごしたとさ~(昔話風)

 

 

ちょっと焦って今日の朝書いたので、もうどうなってるか自分でもわからない・・

 

楽しんでくれたら嬉しい~

 

てんやわんやのmachiです。

仕事から帰ってから、少し直しを入れる予定~v(*'-^*)bぶいっ♪

 

 

次の話は、「豆丸」が身請けを受けて、幸せに暮らすまでの話を

お京もちょこちょこ登場させながらの内容でお送りいたします。

これもリクエストいただきました。

面白おかしく書かせてもらいます。辛いものにはならないと思うので

お楽しみに・・・

 

 

では、寒い日が続きますが、どうぞ体調にはくれぐれもお気をつけて・・・

 

 

 

マタネッ(*^-゜)/~Bye♪

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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