クローバー

 

~大輔の実家から帰宅した日~

 

 

 

 

 

 

大輔の実家から帰って来た京介は

皆の出迎えもそこそこに

自室に駆け込んだ。

 

 

 

「・・・空・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目を閉じ眠る人形は

下宿を出る時と何かが変わって見えた。

 

 

 

夢の中の「空」

 

 

宝石のような美しい瞳を

こちらに向け

微笑む姿がとても神秘的に思えた・・・

 

 

 

 

 

「あ、空・・・・ごめんね~

ずっと同じ服で・・・」

 

 

大輔の母親から渡された

「空」の服を

可愛い身体に着せ替えた。

 

 

 

 

「あ、なんだか大人っぽくなった・・・・」

 

 

大輔は、

側によって見つめた。

 

 

 

「だいすけさん・・・空は成長しているみたいですね」

 

 

「結局性別が分からないままだな・・・・」

 

 

確かに夢の中の綺麗な「空」は

きらめく髪を靡かせ

中性的な容貌を見せた・・

 

 

「どっちでもいいんですよ・・・」

 

 

「そうだな・・・」

 

 

 

~はい、京介・・・あげる~

 

 

 

 

あの夢の中で渡されたものは、

何だったのだろう・・・

 

 

 

 

 

白い木綿の飾り気のないシャツに

ベージュの繋ぎ服は、

何かが足りないような気がした。

 

 

「空~良く似合ってるぞ」

 

 

 

大輔が優しい瞳で

我が子のように抱き上げる姿に

京介は

一番の幸せを感じた。

 

 

 

「・・・可愛いですか?」

 

 

 

 

 

 

「ああ、もちろんだ~俺たちの子供だろう?」

 

 

 

~僕たちの子供・・・・~

 

 

 

 

 

子供が授からなくても

きっと幸せに過ごせる。

 

 

 

 

京介は

そんな瞳を大輔と「空」に向けた。

 

 

 

 

「あ、そうだ!空にお友達・・・」

 

 

 

風呂敷包みから顔を覗かせた

クマのぬいぐるみを取り出した。

 

 

 

クマ赤ちゃん

 

 

 

籐のゆりかごに

「クマ」を並べると

「空」が嬉しそうに微笑んでいるように見えた・・・

 

 

 

 

「良かったね~これで寂しくないね」

 

 

と言うと

 

 

 

「おお~子供が二人になった」

 

 

っと、大輔は嬉しそうに微笑んだ。

 

 

 

 

 

京介が焦がれた風景は

家族と触れ合う大輔の姿だった。

 

 

 

 

今、まさにその風景を

目の当たりにし

京介の心は幸せに震えた・・・・

 

 

 

 

 

 

服

 

 

京介は

洗濯をしようと

掴んだ自分のシャツのポケットに

透ける何かを見つけた。

 

 

「ん?」

 

 

その白いシャツは、

大輔の実家へ訪問の際に

着ていたものだった。

 

 

 

 

 

ポケットから出てきたのは

四葉のクローバーだった。

 

 

 

 

「あ!!」

 

 

~これ、あげる・・・~

 

 

「空」がくれたものが

鮮明に頭に浮かんだ。

 

 

「こ、これだ!・・・・でも、どうして・・・・」

 

 

 

夢の光景が

一瞬にして

浮かび上がらせた。

 

 

 

 

瞳を煌めかせ

眩く微笑む「空」

 

 

 

 

~いつまでも幸せに・・・・・~

 

 

「空・・・・・」

 

 

 

 

大輔と京介が

子供に戻り

成長した「空」と

泥だらけになりながら遊んだ夢が

現実のように蘇る。

 

 

 

「・・・・・・!」

 

 

 

京介は、突然フミのところに駆け寄った。

 

 

「フミさん!刺繍って出来る?」

 

 

 

「な、なに?突然・・・

フミはなんでも出来ますよ~」

 

 

「教えて!」

 

「坊っちゃん?!」

 

 

 

京介は、フミから刺繍を習い

白い布に縫い始めた。

 

 

 

「坊っちゃん・・・それ空ちゃんの服ですか?」

 

 

「そうだよ~」

 

 

 

 

慣れない縫い針を持ち

真剣に一針一針布に刺す京介を

フミはそっと隣で見届けた。

 

 

 

 

「出来た!!」

 

 

 

 

 

「ん?四葉?」

 

「そう~四葉のクローバー」

 

 

 

 

「あら、なんだかとっても

その服が可愛らしく見えるわね~」

 

 

 

 

「幸せになるおまじない~

空も一緒に幸せになるんだ」

 

 

「坊っちゃん・・・・」

 

 

フミは、京介の心の中で

芽生えたものを

そっと慈しむように見つめた。

 

 

「坊っちゃんは、空ちゃんの親ですね~」

 

 

「ん?」

 

 

「子供の幸せを願うのは

どの親も一緒・・・」

 

 

 

~幸せになって・・・~

 

 

 

「空」の言葉が

何度も京介の頭の中にこだまする・・・

 

 

「うん・・・空と一緒に幸せになりたい・・・」

 

 

「え?坊っちゃん・・・幸せじゃないんですか?」

 

 

「え~いや、・・・幸せだけど

もっともっと幸せになりたい・・・」

 

 

「欲張りですね~坊っちゃん・・」

 

 

ふふっと笑うフミに

 

 

「みんなと一緒に幸せになりたい~」

 

 

 

「あら、フミは、とっても幸せですよ」

 

 

 

「フミさん・・・・・」

 

 

 

母薫子が亡くなってから

ずっと心を閉ざし

屋敷の離れで息をするだけの生活を送って来た。

 

 

 

 

側には

いつも母親にように接してくれたフミが居た事を

改めて京介は噛みしめた。

 

 

 

思わず母親のようなフミに抱き付き

想いを囁いた。

 

 

「フミさん・・・いつもありがとう」

 

 

 

「あらら、坊っちゃん、どうしたんですか?

急に甘えん坊になって・・・」

 

 

 

 

優しく背を摩るその手に

京介は

気付かずにいた事を悔いた。

 

 

 

「フミさんがいつも僕の側に居てくれて

・・・僕は、とても感謝してる・・・」

 

 

「坊っちゃん・・・・・」

 

 

母親のようにフミが

自分を支えてくれたのだろう・・・

 

 

 

 

絶望の中で生きながらも

たくさんの優しさを注いでくれた事を

感謝せずにはいられなかった。

 

 

 

 

 

 

 

「空」の声がまたこだまする。

 

 

 

~幸せになって・・・・~

 

 

 

「空・・・・僕は、幸せだよ・・・」

 

 

 

「空」の服、全てに

四葉のクローバーを

刺繍した。

 

 

味気のない服は

一瞬にして「空」の可愛さを引き立てた・・・

 

 

 

 

京介は

不思議な親の気持ちを味わっていた・・・・・

 

 

 

 

 

 

「空」が京介の人生の中で

幾度となく

道を指し示すことになるだろう。

 

 

 

 

深い絆と共に・・・・

 

 

 

 

 

 

おまけ

 

 

 

「やっぱり東北は寒いわね~」

フミは、自作の帽子を被り、目を細めた・・・

 

 

 

 

 

おまけのおまけ

 

「ぐっ!!ぐるしい・・・・!!」

京汰と伝助の寝姿~♪

只今、太助は、京介たちと東北の地へ・・・・

 

 

 

 

 

皆さま~こんにちは

 

 

ぺこ <(_ _)>

 

 

昨日は、朝からぶっ倒れていました。

仕事の緊張感から解放されて、休みに頭痛でゴロゴロ~

まあ~良く寝ました。人間って疲れていると良く眠れるのね~

 

で、復活しました~(*^-゜)vィェィ♪

 

 

今回の話は、「学園のクローバー」のDVDを買ったから浮かんだのではなく、

かなり前から、京介が「空」の服に四葉を刺繍をすることが決まっておりました。

「空」との関わりで、大輔の親としての顔を見たかった京介ですが

いつのまにか、何かしてあげたいって気持ちになり、

少しづつ親としての心が芽生える話になってます。

 

親になって初めて親のありがたみを感じたりするのと一緒で、

ずっと側に居てくれたフミに、京介は親代わりの愛情を注いでくれていたことに気付くのでした。

 

人間としての感情が、日々の暮らしのなかで、どんどん芽生える京介。

愛する人と共に生きることが、京介自身を変えていくのでしょうね。

 

昨日、書いていても、オチが見つからず、お蔵入りになるかと思いましたが

今朝、なんとか書き上げることが出来ました。ε-(´∀`*)ホッ

 

この話をどうしても書きたかったので・・・・

 

 

おまけも楽しんでね~v(=∩_∩=) ブイブイ!!

 

 

あっちこっちから体調不良の声が聞こえてきますが

年末に向けて、体調万全でお過ごしくださいね~

 

 

 

マタネッ(*^-゜)/~Bye♪

 

 

 

 

 

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