王様付き内官となり、

何事もなく過ごしてきましたが、

私、今とても窮地に陥っています。

 

 

さぁ、言うてみよ

王妃に何と言ったのだ?

 

 

王妃様に言うことも憚られるのに、

王様にもこの話をすれば、私の首は飛んでしまう

 

 

王様、どうかお許しを…

 

それは何度も聞いたから、もう良い

いいから何を言ったのか言うのだ

 

 

 

あの時、王妃様は

王様の机の書や絵を片付けながら訪ねられた

 

 

普通の夫婦は夫を元気づける為に、妻はどんなことをするのだ?

仕事で疲れて帰ってきたら、妻は何をしてくれるのか?

 

 

尚宮は分からないとのことで、

妻を持つ私に矛先が回ったのだ

 

 

どうなのじゃ?

 

王妃様が問うておるのだ

答えぬか

 

 

この方々に問われて、

答えぬことなど出来るわけもなく…

 

 

私の妻は…

酒を…用意して…

 

それで…?

 

 

それ以上、聞かれるのか

 

次の言葉を促すように、二人が見つめる

その無言の圧力が恐ろしい…

がばっとひざまずくと、頭をひれ伏しながら、

絞り出すように答えた

 

 

あの時の恐ろしさ

王妃様は無言でお戻りになり、

尚宮は呆れ顔で見つめてきた

 

このことを王様に何とお伝えすれば良いのだ

 

 

で、何なのだ?

いい加減、早よう申せ

 

 

苛々している様子が分かる

こうなったら、言うしかあるまい

 

あー妻よ

今この瞬間、私の命は終わるかもしれないが許してくれ

こうするしかなかったのだ

 

 

じつは…

申し訳ありません

 

王妃様より、

殿方がお辛いときに、どうお慰めするのか聞かれ、

私達夫婦のことをお伝えしました

 

私が辛いときは、

妻はお酒を用意し…

その後…

床を…

共に…すると…

 

申し訳ありません

 

 

地面にひれ伏し、正直に話すが、

王様からは何の反応もない

 

やはり怒らせてしまったか

 

ゆっくりと顔をあげ、顔色を伺うように、

そっと王様を見ると何かを考えている

 

 

王…様…?

 

うん…?

あーすまない

そうか、そのようなことを言うたのか

うーん…まぁよい

もう下がれ

 

はい…

 

 

怒られなかった・・・

良かった・・・

 

ほっと胸を撫で下ろしながら、

静かにその場を後にするほんの一瞬、

王様を見ると、

口元が微かに笑っているような気がした

 

 

 

 

 

☆内官 ~12,13話参照

 

 

 

にほんブログ村 小説ブログ 韓ドラ二次小説へ
にほんブログ村