2008-06-23 23:12:37

養育期間中の標準報酬月額特例~厚生年金保険法~

テーマ:社会保険や労働保険のこと

出産と育児のシリーズ、まだまだ続きます!


平成17年4月から施行された制度に、厚生年金の「養育期間標準報酬月額特例」というものがあります。


どういう制度かということを簡単に書いてしまうと、3歳未満の子を養育する期間、こどもが生まれる前に比べて社会保険の標準報酬が下がった場合、「厚生年金保険養育期間標準報酬月額特例申出書」という、名称が長いわりにはごく簡単な1枚の書類を提出しておくことにより、支払う保険料は安くなったまま、将来の年金額の計算には、従前(こどもが生まれた月の前月時点)の標準報酬を下回る期間については、従前の標準報酬月額を標準報酬月額とみなす、というものです。


ちょっとわかりにくいですね汗


こどもが生まれた後、勤務形態を変えたとか、勤務時間短縮制度を利用するとか、残業をしなくなったとか、はたまた出産を機に一度仕事を辞めたけれど違う条件で再び働き始めた、などということはよくあることだと思います。


それに伴い、年に1度の定時決定(算定基礎届)や、固定給の変動・給与体系の変更等に伴う随時改定(月額変更届)、あるいは育児休業を取得した場合、復帰後に本人の申出により行われる育児休業終了時改定により標準報酬の見直しが行われ、等級が下がるという場合が多々あります。


等級が下がると保険料が安くなるので、なんとなくお得感があるような気がしますが、普通であれば、そのぶん将来受け取る年金額も下がります。


が、この特例を受けることにより、支払う保険料はそのままに、将来受け取る年金額は、子が生まれる前の標準報酬で計算してくれることになります。

(正確にいうと、「下回った期間」ですから、こどもが生まれたあとの方が報酬が高ければ、もちろんそちらで計算されるということです)


この制度のミソは、育児休業を取得したか否かにかかわらず、また、男女を問わず、さらに、夫婦そろって特例を受けることもできるという点です。ここ、ポイントです!


残業三昧の日々が、わが子が生まれて一変、「こどもを風呂に入れないと気がすまない!」と、残業拒否して帰宅する日々が続く・・・なんてパパもいるかもしれませんね。


こどもが生まれる前と生まれた後の報酬の落差が大きいほど、そして期間が長いほど、影響は大きくなります。

落とし穴は、「本人の申出により、事業主に届出義務が生じる」という点。 2年までしか遡れないので、あとで知ってもほぼ手遅れです。

まさしく「知らなきゃ損」の世界なのです。


社労士に委託している会社さんの場合は、まず大丈夫だと思います。

でも、そうじゃない会社さんで働く方は要注意!

会社の担当の方が知らなかったり、ついうっかり、ということもあるかもしれませんので、お子さんが生まれたら、しっかり会社に申し出て下さいね。

(ただ、育児休業を取る場合は、育児休業中は保険料の免除を受けられますので、通常、この届出を出すのは育児休業終了後です)


手続きは、先に書いた届出書に、戸籍抄本(お子さんとの身分関係の確認のため)と、住民票(同居していることの確認のため)を添付して、事業主を通じ、管轄の社会保険事務所に提出すればOKです。


今、目に見えるメリットがないだけに、ちょっと面倒と思われるかもしれませんが、将来後悔しないためにも、ぜひ届出しておくことをオススメします。

使える制度はどんどん使いましょう!

(もしかしてもしかすると、少子化対策のため、児童手当のように少しずつ期間がのびていくことも・・・考えられなくはない・・・かも???)


というわけで、将来出産される予定の方も、そうでない方も、どこか頭の片隅にでも置いておいていただけると幸いです。

コメント

[コメントをする]

1 ■『知っててよかった』へ

こんばんは。毎度ありがとうございますペンギンパパです。

この制度もそうですが『知っててよかった』と思える知識をこれからも増やして行きたいです。

でも正直『安めに払って高めにもらう制度』くらいの知識しかありませんでした(苦笑)。

何事も試験勉強だけで終わったら損ですねf^_^;

2 ■ペンギンパパさん

どうも、こちらこそありがとうございます(^O^)/
社労士の守備範囲には、わりと身近な「知っててよかった」が多いと思いませんかー?
(といっても私は時期的にこの制度の恩恵にはあずかれませんでしたが・・・^^;)
あと、本文中に書き忘れてしまったのですが、これ、理由はなんでもいいんですよね。たまたま4~6月に残業が少なくて算定で標準報酬が下がったとしても、お子さんが3歳未満だったらオッケーなので、結果的に下がらなかったとしても、念のためしておいた方がいいと思うんですよね・・・
(パパさんはとくに、届出していない方が多いような気がするのですが・・・どうなんだろう?)

3 ■どうも(;^_^A

ありがとうございますm(__)mやっぱり、事務長に言って見ようかなぁ~と思いました!

4 ■特例の制度について

こんにちは。
ブログ更新から月日が経ち過ぎているなぁとは思いましたが、
この特例について幾つか教えて下さい。

時間外労働や休日出勤は禁止とされていますが、
現在土曜日曜の週休二日制の会社が、
急に木曜金曜の週休二日制に変更された場合、

休日の基準はどの時点で木曜金曜となってしまうのでしょうか。

1.会社が発令した時点
2.労働局に変更申請をした時点
3.基準は土曜日曜のまま
4.その他の時点

ちなみに年間で休日は決定しており、ほぼ土曜日曜の週休二日制です。


分かりにくい説明かもしれませんが、宜しくお願いします。

コメント投稿


By: Twitter Buttons
全国士業のつぶやきポータルサイト

QLOOKアクセス解析