祖母の誕生日 | あたま出版ブログ 禿頭席(とくとうせき)

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11月8日。

今日は亡き祖母の誕生日。


物心つく前から祖父母の下で育ててもらった私は、自他共に認める「おじいちゃん子」「おばあちゃん子」でした。

 

明治生まれの祖母は、小さな体で一生懸命に孫である私を祖父とともに育ててくれました。

一緒に買い物をして甘味処であんみつを食べたり、頭を撫でてもらったり、遊んでもらったり、ぐずって困らせてしまったり、一緒に大笑いしたり・・・たくさんの思い出があります。

 

祖父が亡くなってからの約15年間は、祖母とふたり暮らし。

最晩年の約6年間は介護生活でしたが、しんどいながらも楽しい生活でした。

亡くなる前の年には人生初のお伊勢さん参りを一緒にしました。

境内を車椅子を押して進むのは骨が折れましたが、良い思い出です。

赤福本店でかき氷を食べさせてあげると、おいしくて喜んでいました。

 

「おおきに」

「おかげさんで」

が口癖だった祖母。

 

仕事と介護に疲れていても、「おおきに」「ああ嬉しい」とにニコニコほほ笑みながら言ってもらえると、疲れが吹き飛んだものです。

 

私が帰宅するまで何度でも布団から起きだしてはじっとこたつにあたりながら待ってくれていた祖母。

そして私が帰宅すると、「お兄ちゃんが帰って来てくれて嬉しいです」と安心してすぐに眠りに就いた祖母。


そんな祖母が亡くなり、ひとりぼっちになってしまいました。

 

しかし、いまは帰宅するとニコニコほほ笑みながら出迎えてくれる妻。

そして、「おかえりー!」と大きな声でニコニコ笑顔でやって来る息子。

ニコニコ笑顔の息子を見ていると、祖父母の気持ちが少しわかる気がします。

祖父母と私の3人暮らしから妻子と私の3人暮らしへ。

祖母は祖父と一緒にニコニコほほ笑みながら見てくれていることでしょう。

 

おばあちゃん、お誕生日おめでとう。

柿本あつやの常在戦場