電通とリクルート

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年末に大学時代からお世話になっている
社会人の大先輩、山本直人さんの最新刊が
出たので、早速読みました。

企業名が二つ並んでいるだけなのに、
妙に読んでみたくなるシズルがあります。

電通とリクルート (新潮新書)
山本 直人
新潮社
売り上げランキング: 1635

以下、僕が特に気になったことのメモです。

■心の辞書の書き換え
いいコピーとは、人の心の中にある辞書に新しい定義を加えること。
一番分かりやすかったのが、1979年にセイコーが出した
「なぜ時計も着替えないの」。
それまでの時計は高価な「一生もの」であったのに対し、
服と同じように気軽に「替えるもの」にしようという提案。
最近の言葉で言うとコアアイデア。

他の例には
「土用の丑の日」にならった「金曜日にはワインを買いましょう」や
大阪万博で世界、宇宙へ国民の目が向いているときの「ディズカバー・ジャパン」、
クリスマスを家族から恋人たちのものにした「シンデレラ・エクスプレス」など。
最近の例だと「食べるラー油」もそう。

広告のクリエーターに求められる能力は「変換のスキル」であり、
商品という起点からどれだけ変換をしていくかが腕の見せ所になっていく。

コピーっていうと難しそうだけれど、
日本語にすれば「ものはいいよう」なんじゃないかと。
新幹線はCMが流れる前も後も、変わらず東京と大阪を往復していたわけだし。

■踊ってもいい曲を
よく「広告に踊らされる」というが、そんなに生活者は甘くなく、
「踊ってもいい曲」がずっと待っていて、
「これならば」というときに踊るだけ。

■コピーからランキングへ
かつて広告コピーは言葉によって、意味の書き換えを行ったが、
ネットでは数多くの「事実」情報が意味を付与する。
そして「頭ひとつ抜け出す」話題性があると、
それが決定的な意味を付与して広告効果をもたらす。

■情報が多いと幸せか
全ての人が等しく情報を持てるようなればなるほど、
「経済的な豊かさ」が選択肢を決定する。
自分にふさわしいものを頑張って探して、
商品ごとの差が分かった結果、
最後は個々人の消費の限界を明らかにしてしまう。
自分らしさといいながら、ランキングのソートは
必ず「価格」である。

■買う理由の提供
80年代から広告は「買う理由」を提供してきた。
これは新しいですよ、という「ニュース性」や
これは条件に合致しますよ、という「合理性」、
これはあなたにふさわしいですよ、という「ストーリー性」など。
「シンデレラ・エクスプレス」はストーリー性の最たるCMである。


タイトルだけを見ると専門的な話(というより業界話)が
多そうに思えますが、
二社を起点として消費社会やマーケティングの
移り変わりを追っていく内容なので、
これから広告会社やマーケティングに関わる会社を受ける
大学生にもオススメです。
最後にapplimのこともチラッと触れられています。

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隠れ家居酒屋が隠れすぎて客が来ない。

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久しぶりに広告のエントリー。
というか雑感。

今年から宣伝会議が発行しているブレーンを年鑑購読しています。



後ろの方に毎月CMやポスター、WEBの
ピックアップ作品が載っていて、
ぱらぱらめくると今の広告が分かって便利です。

前から順番に読んでいくと、
CM→グラフィック→WEBサイトと進んでいくのですが、
いつも通りWEBが出てきたときに
ちょっとした違和感を感じました。

なんでかなと思ったら、
出ている作品をほとんど知らないんです。

CMやグラフィックは
ちゃんと見てなくても、
「なんかあった気がする」
という感覚になるのですが、
WEBの場合、絶対に見てないんです。

それは当たり前の話で、
テレビとグラフィックは
視聴者(生活者)がいるところに
勝手に出て行ってメッセージを投げかけているものだけど、
WEBサイトってそもそもどこにあるか分からない。
知らされないと知らないもの。
それって第一義的に広告なのか、ふと疑問が湧きました。

むしろブレーンで比べられるべきは
バナー広告ですよね。
でもバナーって小ちゃくて面白くないし、
たいていはCMかグラフィックの焼き直しorスペシャルサイトのキャプチャ
なので特筆すべきことは少ない。
だからサイトを取り上げる。

なんだかWEBのスペシャルサイトって
隠れ家居酒屋みたいだなって
思いました。
知る人ぞ知る優越感は味わえるけど、
雑誌で特集されないと多くの人は知らないから
結果的に客数は少ない、みたいな。

比較的みんなが知ってるWEBクリエイティブって
WEBサイトというより、
自社サイトの外に出て行く遺伝子が最初から入ってるものが多い気がします。
UNICLOCKとか、LUCKY SWITCHとか、どこでもラストガイとか、Cam with meとか。

なんて考えていたら、
隠れ家居酒屋の会に遅刻しそうです。
ごめんなさい。



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YahootterMan!で考えたこと。

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もう先月のことになるけど、
Yahoo! JAPAN Internet Creative Award 2010のバナー部門で
Goldを頂くことができました。

YahootterMan!
広告日記 SHUN-KAN

初めてちゃんと応募した広告賞だったので、それはそれで嬉しかったのですが、
なんでこれを作ろうと思ったのかを忘れないように書いてみました。

お題は、「LIFE ENGINE」としてのYahoo! JAPANをテーマとしたバナー作品

個別のサービス(ヤフオクとか)を扱ってもいいし、Yahoo!のブランド広告にしてもいい。
昨年のGoldは直球のブランド訴求で、ライフパートナーであるYahoo!を犬にたとえたものでした。

このお題をみて最初に考えたことは、Yahoo!の一番いいところってなんだろう、ということ。
何のバナーを作るかで、勝負の半分が決まってしまいそうに思ったからです。
僕は何かをするとき過去作品を見ることから始めるのですが
去年の作品を見ても、犬、スタンプラリー、あいさつ、と
聞いただけですでに「いいな」と思わせるものばかり。

で、ネタ探しのためにYahoo!のサービス一覧を見たのですが、すごく多いんです。

http://services.yahoo.co.jp/


はじめてこのページに行きましたが、こんなにあったのかと。
婚活サイトがあったり、排出権も購入できたり。

このとき漠然と、

「Yahoo!のいいところってサービスがたくさんあること」

なんじゃないかと思いました。
一つ一つのサービスを見ると競合が多かったり、比較しにくいところもある。
検索はGoogleと提携していたり。
でも、これだけ多くのサービスがあるサイトは、他にはない。
これをバナーでうまく表現したいなと。

たくさんサービスを出すために最初に思いついたのは、おもちゃのガチャガチャでした。
バナーを触るたびに違うサービスが出てくるタイプ。
ただサービスをたくさん出すだけなら、
去年のYahoo!スタンプラリーも同じ考え方なので、
ひとひねりしないといけない。

会社のECDがセミナーで言っていた、
「アイデアを出すには、歴史的コンテキストを知ること。
そうしないと、ぱっと思いついたものが新しいのかどうか、判断できないから。」
という言葉を、何となく思い出してました。

ちょっと悩んでいたら、ふと診断メーカーのことが頭をよぎりました。
こういうやつ。
Twitter IDを入れるとランダムでちょっと面白い文言が出てくる。
そうして出てきたのが、Yahootter(やふったー)。
このときはTwitter IDを入れると、ランダムにサービスが出てくるだけ。

でも、なんかつまらないんですよね。
そりゃ診断メーカーみたいに気の利いたセリフが出てくるのと違って、
こっちはサービス名しか出せない。絵をちょっと面白くしても限界がある。

ただ、Twitterを使う、ということだけは
一緒にやっているメンバーの中でもひっかかるものがありました。
今年のカンヌはTwitterの年って言われていたし、
サイバーライオンではTwitterを使っていないものが珍しいくらい。

そして次の週に出したコンテがコレ。

広告日記 SHUN-KAN
絵と字がヘタすぎて恥ずかしい。

このとき追加した要素は2つ。

①ユーザーのツイート内容と、Yahoo!のサービスを結びつけて出すこと。
サービスごとのキーワードを指定して、そのキーワードをつぶやいたユーザーに出す。
②YahootterにManをつけたこと。
無機質なサービスに、キャラクターをつけた。

Manをつけたのは、古いコピー年鑑をパラパラみながら
ペプシマンを見つけたときでした。

①のアイデアはみんなとの打ち合わせ中にすぐに出ていたのですが、
Googleのアドワーズと違って、精度は期待できない。
だから、自分のツイート内容からちょっとトンチンカンなサービスが出てきても、
「まぁ、このキャラだから仕方がない。」
と思えるようなトボケたところのある設定にしました。

そこからキャラクターや演出を考えていったり紆余曲折があったのですが、
あらためてコンテを見返すと、
結果的にほぼそのままの内容のバナーになっていました。

YahootterMan!

見えないところの話をもう一つ。
キーワードを500個くらい設定して、
そのままテストすると同じようなワードばっかり拾ってきて、
毎回同じ結果になってしまいました。
みんな、つぶやきやすい言葉って決まってるんですよね。

このバナーのコンセプトは
「Yahoo!のサービスを色々知ってもらう」「何度もやってもらう」
ということがあったので、
できるだけ予想していない結果を出したい。

だからキーワードごとに3段階の比重をつけました。
みんなあまり知らなそうなサービス(例えば、Yahoo!無線LANスポットとか)の
キーワード(例えば、iPhoneとか)があると優先的に表示させる。
そして「Yahoo!ってこんなサービスもあるんだ。」と感じてもらう。
それがYahoo!にとって一番のブランディングになるんじゃないかと。

そんなことを毎週末メンバーの自宅兼スタジオで
ゴチャゴチャ考えながら作ってました。

次は2月の1-click Awardです。
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ロンドン64日目-I amsterdam

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※このブログは去年のロンドン滞在記を遡って書いています。今は東京にいます。

この週末はこの国でした。
広告日記 SHUN-KAN

オランダ、アムステルダム。

ロンドンから飛行機に乗ったら1時間で到着。
本当に近い。国内線感覚です。

来るまで知らなかったんですが、
驚いたことにアムステルダムは
僕が好きな街の要素をほとんど持っていました。

・水の街、川がある。
・平坦で自転車が多い。
・貿易が盛ん。
・ビジネスセンスが抜群。(やらないけどドラッグも売春もOK)
・先進的なアート。

メガバンクの友人から聞いた話によると、
オランダは素晴らしい企業が多く、
フィリップスやINGはこの不景気にも関わらず
次々と先手を打っているとか。

また貿易で稼ぐ国としての
税制優遇なども戦略的。
ブリュッセルとアムステルダムの
政策を日本も見習ってほしい。

というわけで写真をいくつかアップします。

広告日記 SHUN-KAN
トリコロールカラーの国旗が好き。

広告日記 SHUN-KAN
広告日記 SHUN-KAN
街中を葉脈のように川が流れている。

広告日記 SHUN-KAN
セントラルステーション。ちょっと東京駅みたい。

広告日記 SHUN-KAN
チューリップで有名なBloemenmarkt。

広告日記 SHUN-KAN
広告日記 SHUN-KAN
別のマーケットにて。名物の一つ、にしんの薫製。

広告日記 SHUN-KAN
11月末でもクリスマスの足音が聞こえてくる。

広告日記 SHUN-KAN
広告日記 SHUN-KAN
Museun Het Rembrandthuis。
繊細で綺麗な絵。つやつやしていて好きになった。

広告日記 SHUN-KAN
その名の通りのお店。

広告日記 SHUN-KAN
かの有名なRED LIGHT DISRICT。実は命がけな写真。

広告日記 SHUN-KAN
店名でシャッターを押してみた。Coffeeshopは「クスリあるよ」の意。
入り口近くからそれらしい香りがする。

広告日記 SHUN-KAN
娼婦の健康センターみたいなところ。
国で認めている以上、病気の検査基準はかなり厳しいそう。


RED LIGHT DISRICTは
地元の大学生がやっているウォーキングツアーで行ったので、
色んなうんちくが聞けて面白かったです。

一言でいうと、Rockな街、です。

こういう自由な環境から、
犬のフンまでメディアにする
ケッセルスクライマーのような集団がでてくるんですね。

ケッセルスクライマーの新たな1キロ
ケッセルスクライマー
ピエブックス
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W+K NYの川村さんもロンドンのBBHのやりかたが合わないと思ったとき、
アムステルダムに来たと言っていました。

最後は広告日記っぽい感じで
オランダの初日を終わります。


<今日のお気に入りの一枚>
$広告日記 SHUN-KAN
場違いなアヒルたち。

第3回FAMES帽子部

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帽子部も早いもので第三回を迎えました。

端から見たら、謎が謎を呼ぶこのクラブ活動ですが、
今回のゲストはなんとリヴァンプの澤田貴司社長。

$広告日記 SHUN-KAN
ちょっと暗いですが本物の澤田さんです。

日曜日の朝から帽子部だけのために講演を開いていただきました。
How 豪華 it is!
ユニクロ急成長の秘話から、昨今のリヴァンプのビジネスまで幅広いお話を聞くことができました。

なかでも、
「社員が自社の商品を大好きで友達にも薦めたくなる、そんな商品を作る」
というポイントが残りました。
これは広告を考える上でも同じで、
「コレ、面白いでしょ?」って身近なターゲットになる友達に聞いて、
その人が好きなる企画はいい企画なんじゃないかと。

そんなこんなで3個目を僕の帽子はコチラです。

広告日記 SHUN-KAN
正面

広告日記 SHUN-KAN
広告日記 SHUN-KAN
全身

前回はキャップ
だったのですが
自分の服に合うものが少なかったので、
またハットにしちゃいました。

グレーは持ってなかったのでかなりお気に入り。

ただコーディネートがモノトーンになりがちなので、
今後はカラフルなものを意識的にピックアップしていきたいと思います。