寒い毎日、たまにはホッとする話。


この夏から介護保険を使い始めた90才のお爺。

肺疾患あり在宅酸素、糖尿あり、ちょっと認知。いや、けっこう認知?

5月に肺炎になり家族が申請したものの、回復したから本人はサービス使う気全くなし。

どうみても訪問看護必要でしょうよ、な状態だけど攻めあぐねておりました。


家族とも話しあって、次に体調が落ちた時に一気にサービス入れましょうって感じで、何とか用具だけ入れました。

プランの訪問看護は調整中のまま。


用具入れる時も面白かった~。


最初、家族の希望は入浴介助と車椅子だったけど、アセスメントの結果手すりもいるねぇ、ということになり。

用具さんと一緒にデモ版手すり等々持って訪問した。

本人耳も遠いので、少々蚊帳の外気味。


こっちも筆談用にミニホワイトボード持っていったけど、打ち合わせのスピードに追い付かず・・・


やっと設置場所決まる頃には、退屈そうにしてた。

いやーな予感がして振り替えると、ご機嫌斜めってるではあーりませんか。


何とか本人にも試してもらうと・・・


まず、トイレの手すり。


「こんなもんあったら寝てしまう」

一同苦笑い。

次は風呂手すり。

「風呂入らないからいらん」

「おとーさん、私が困るのよぉ」


10才下(それでも80才!)の妻に怒られ、渋々導入決定。


プラス車椅子で、やれやれと思い帰ろうと挨拶すると・・・


「ねぇちゃん、ウマイことやったなぁ」と、ニヤリ。

右手は円マーク(芸人さんがギャラを表すマークですがな。)


「おとーさん、なんてこと言うの!」

焦る妻。

「この人は役所の人!」

違うんですけど~

ま、いっか。

似たようなもんだし。


用具のみで、定期訪問すること3ヶ月。

その間、インフルエンザ接種の医者探しだの、障害者手帳の申請の手伝いなんぞちょこちょこお手伝いしとりました。


しかし、幸か不幸か低空安定。

どんどん寒くなる毎日。

重篤にならなきゃいいなぁ、と思いつつ今月も印鑑もらって帰るかぁってな面談の終わりに・・・。

「じゃあ、また来ますね」と帰りかけ。

ふっと、じいちゃんの肩を触った。

ホントに何の気もなくね。

したら、固い固い。


「いやー、凝ってるね~」

「ん?」

耳が遠いので、軽く肩をさすりながら大きな声でリピート。

「すごく凝ってますね~、辛くない?」


「辛い。マッサージに来てくれる人おらんかね?」


おぉ~!

突破口見えた~!


「お家に来てもらえるサービスありますよ~」

「明日?」


いやいや、それはムリかな。

でも呼吸器リハできる訪問看護ステーションが2社ほど浮かぶ。

これを逃す手はない~!

「次はこれほぐしてくれる人連れてくるね」


で、10日程。

この年末の忙しい時期に快く引き受けてくれた訪看さんと同行訪問した昨日。


気持ち良さげにマッサージを受け、一生懸命に体操するお爺の姿がありました。

これで冬を乗り切る準備が一つできた。


久しぶりに寒さが気にならずに帰り道でした。