統計学を使った分析②

2011-02-20 21:56:16 Theme: 会計

前回に引き続き簡単な統計学を使った分析について記載していきます。


※前回も今回も同様ですが、学問としての統計学でなく、あくまで実務でちょっと使う程度の統計学なので用語の使い方や定義が正確ではないかもしれません。


指標間の相関関係を客観的な数字で裏付ける(相関係数)


前回記載しました。


●指標間の関係を二次関数であらわす(回帰分析)


回帰分析とは簡単に言うと、相関する二つの指標からY=aX+bの二次関数を導くことです。(統計学的には単回帰かつ線形回帰というらしいです。)


実務での応用例としては例えばコストの固変分解が挙げられます。


固変分解とはコストを固定費と変動費に分解することを意味し、損益分岐点分析をする際等に必要となります。


実務上、固変分解は費目別に固定費と変動費を一つ一つ区分していく方法(費目別精査法)によることが多いのですが、企業の実際のコストは固定費と変動費にキレイに分類できるわけではなく、多くのコストが固定費的な部分と変動費的な部分の両方を併せ持っています。


そのため、費目別精査法による固変分解が実態を表さず、損益分岐点売上高がおかしな数字になってしまうことが少なくありません。


そこで、回帰分析です。


売上高(X軸)とコスト(Y軸。売上原価と販管費の合計。)のデータ(少なくとも10年分以上)から回帰分析によりY=aX+bの式を導き出します。


ここで、傾きaは変動費率を意味し、Y切片bは固定費を意味します。


回帰分析はエクセルの分析ツールを利用すればすぐにできますし、より直接的に傾きaはSLOPE関数、Y切片bはINTERCEPT関数という関数により、一瞬で求めることができます。


ちなみに回帰分析により導き出された直線Y=aX+bがどの程度信頼できるものなのかを表す指標が「決定係数」と呼ばれる指標であり、この決定係数は相関係数の二乗であるため、すぐに求めることができます。


(決定係数が0.8以上だとかなり信頼性が高くなるそうです。相関係数については前回の記事をご参照ください。)


回帰分析による固変分解は、変動費的な性格と固定費的な性格の両方を持つ費目についても、過去の統計(実績)からキレイに分解できるという点で優れていると思います。


損益分岐点分析で思うようにいかないときにかなりおすすめです。



回帰分析のその他の利用例としては、広告宣伝費の効果分析等があると思います。


これも先程の固変分解同様に、過去の広告宣伝費(X軸)と売上高(Y軸)のデータを集め、そのデータから回帰分析によりY=aX+bを導き出すことによって、いくら広告宣伝費をかければ売上高がどれだけ上がるのかおおよその効果を把握することができます。



このように回帰分析は思いのほか便利です。


回帰分析の理論的背景をマスターするのはなかなかしんどいですが、今はエクセル等の表計算ソフトも充実しているので、関数の計算式だけ覚えてしまえば、かなり使い勝手もいいはずなので、興味がある方は是非挑戦してみてください。


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