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車いすから座り替えて食事を食べていただきたい。そのために設計したのがこの「支える椅子」です。


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2016-05-12 16:45:39

介護施設づくりの基礎知識 その14「水栓」

テーマ:介護施設づくりの基礎知識
 
介護環境デザイナーの間瀬樹省です。


人が住まう場所には水が必要。


日本は水に恵まれ、水栓をひねれば水が出てくるのが当たり前ですね。


で、この「水栓をひねる」という行為について、介護の現場ではどう考えるのかが今日のテーマです。


ドアの前に立てばドアが自動で開く、ということに私たちはすっかり慣れていますが、これと同じようになりつつあるのが「自動水栓」です。


水栓の下に手を差し出すと自動で水やお湯が出てくる、ということはかなり一般的になりました。


介護の現場においても、手を差し出すだけで手が洗える自動水栓は当たり前のように採用されています。


バリアフリーにする必要があるのだから当たり前、だと思いますが意外と使いにくいと言われることも多いようです。


なぜなのか考えてみました。


・水栓は蛇口を操作して水が出るもののいう先入観がある


私が水栓を操作するときのことを考えると、まずはひねったり上下させたりする部分を探し、ない場合に手を差し出します。


これは「自動水栓」というものがあることがわかっているからできることで、知らないとずっと操作部を探すことになります。


自動水栓を知らない(覚えられない)お年寄りは、当然のことながら水を出すための操作が分からずに混乱することになります。


・歴史が比較的新しい


TOTOが自動水栓を日本で初めて開発したのが1984年とのこと。


その後徐々に普及してきましたが、当たり前に目にするようになってからまだ30年経っていないということになります。


仮に30年よりも前の世界で生きている認知症の高齢者がいたらその方には自動水栓というものがこの世にあることは認識されていないという可能性があります。


・自動水栓は公共施設に多い


自動水栓はかなり普及してきましたが、多く見かけるのは駅のトイレを代表とする公共施設ではないかと思います。


いまでも家庭の水栓は、手動のものが多いのではないでしょうか。


長いこと家庭の主婦をされていたり、公共施設に行く機会の少ない仕事をされていた方にとっては馴染みがない可能性があります。


*****


私はいまでも利用者さんが使用する水栓は手動式で設計するようにしています。


その場合には、手が届きやすいか、操作はわかりやすいかなど様々な配慮を行う必要がありますね。


また、私たちが介護施設を利用するような時代になったら、自動水栓でも良いのかなと思います。


介護施設の設計時には、水栓ひとつにも配慮を行って使いやすく快適な施設づくりを実現してください!


実際に計画を進める際や設計上でのご質問などあればメール等でお問合せください。


介護施設の設計は「ケアスタディ株式会社」へ。
>ケアスタディ株式会社


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2016-05-06 18:08:56

介護施設づくりの基礎知識 その13「トイレ手すり」

テーマ:介護施設づくりの基礎知識
 
介護環境デザイナーの間瀬樹省です。


おむつに頼らない排泄を実現するには、便器に座ることが不可欠ですね。


便器に座る際に、その動作を手助けするのが手すりです。


今日はその「手すり」についてお伝えします。


車椅子トイレの手すりの定番といえは「L型手すり」ですよね。


今でもメーカーのカタログの参考例や、トイレ設計の教科書的な書籍にもL型手すりの設置が紹介されています。


でもそれで本当に良いのか、について考えてみましょう。


L型手すりの縦の部分は、一般的に体重の縦移動の時に使う、つまり立ち上がりや便器への着座の際に使用すると言われています。


でも介護について学んだ方であれば、お年寄りが立つための動作ってどのような動きになるか良くご存知のはずです。


まず浅く座り替えて、お辞儀をするように前かがみの姿勢をつくり、重心が両足の上に来た状態で立ち上がる、というパターンです。


この時にL型手すりの縦部分って使いますか?ほとんど役に立たないと思います。


前かがみの姿勢でバランスがとれるように、両手を前に出した際に使える手すりがあれば良いはずです。


また、立ちあがった姿勢で体を支える際には手すりの上部を握りますが、この際も両手を使うことができるなら1本を両手で持つのでなくそれぞれ別の手すりを握った方が体が安定しそうです。


次にL型手すりの横の部分、ここは便器に着座している際の姿勢保持が主な役目と言われています。


でも排泄が行いやすい姿勢ってどんな姿勢でしたっけ?


排泄に適した姿勢は軽い前かがみの姿勢、腹圧がかかりやすく直腸の角度も排泄しやすい角度になりますよね。


この姿勢を支えるためには、前方の体の近くに姿勢保持用の手すりを設置するのが最適であると思われます。


こう考えていくと、どうもL型手すりは高齢者施設のトイレには向かないということが言えそうです。


ではどのような手すりが良いかということですが…


立ち座り、排泄姿勢保持、どちらも体の前方に手すりが必要になりますが、最適な設置位置が異なります。


立ち座りの際は体から離れた位置、着座姿勢保持の時は体の近くに設けるのが良いですね。


以前は、この2つの動作のために手すりを2つ設置している施設もありましたが、いまはこんな商品が発売されています。


>前方ボードスイングタイプ


スイング式で動くようにしたことで、どちらの動作の補助にも使用できるようになっています。


このメルマガを以前から読んでくださっている方はご存知だと思いますが、実はこの製品の検証に協力させていただきました。


実際に介護をされているかた、また利用者さんに実験空間にて使用していただき、その有効性を確認したのです。


壁に付ける手すりはこちらがおすすめですね。


下記の事例の脱衣室やトイレにある格子状の手すりがそれです。


20160506_トイレ1


20160506_トイレ2



片手でも両手でも、縦向きでも横向きでも好きな高さ・位置をつかむことができます。


利用者さんの反応をみると、最初は「どこをつかんだらいいのだろう」と少々戸惑いますが、すぐに最適な位置を見つけて使えるようになるようです。


便器に座り、その姿勢を保つことができることはとても重要、そのためにはこれらの手すりを上手に使用することが必要です。


介護施設の設計時には、これからのことをしっかり配慮してぜひトイレでの快適な排泄を実現するようにしてください!


実際に計画を進める際や設計上でのご質問などあればメール等でお問合せください。


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2016-04-16 15:52:22

介護施設づくりの基礎知識 その12「便器」

テーマ:介護施設づくりの基礎知識
 
介護環境デザイナーの間瀬樹省です。


前回は浴室の浴槽についてお伝えしましたが、今日はトイレの「便器」についてです。


便器にも色々なタイプがありますが、一見しただけでは違いがわかりにくいですね。


私自身もカタログを見ただけではよくわからず、メーカーの方に補足の説明をお願いしているのが実情です。


ここでは、チェックしておいたほうが良い機能についてお知らせしたいと思います。


・流すボタン(レバー)について


一般的な便器の場合、流すボタン(レバー)はタンクの横についていると思います。


介護が必要な方の場合、用を足したあとに振り向いて流すレバーを操作するのは大変です。


ですので、流す操作は壁にリモコンを設置し、そのボタンを押すことで流せるものが良いです。


このボタンですが、お尻の洗浄機能のリモコンと一緒になっているとボタンが多くて分かりにくい…


流すボタンがとてもわかりやすく目立つようになっているか、あるいは流すボタンが別になっているものにすると良いと思います。


・ウォシュレット


TOTOだとウォシュレット、LIXILならシャワートイレという名称のお尻を洗浄する機能。


このリモコンが便座の横についていると操作が大変ですし介助の邪魔にもなりやすいです。


リモコンは壁付けのタイプを選び、なるべくデザインや操作がシンプルで分かりやすいものを選びましょう。


・掃除口付き


介護の現場では、利用者さんが間違ってトイレに何かを流してしまいトイレが詰まる、ということがあると思います。


スッポンってやつ(ラバーカップというそうです)で詰まりが解消できればいいですが、それでも直らなければ修理を頼まなくてはならなくなります。


その間トイレは使えず不便しますし、メンテナンスの費用もかかってしまいます。


そんな時のことを考え、トイレのパイプに詰まった異物を取り出すことのできる「掃除口」が便器の下部についたタイプの便器があります。


そんなに頻繁に詰まることはないと思いますが…保険と思って掃除口付を選んでおくと良いと思います。


・タンクのふた


公共のトイレでは、口径の太い水道が引かれていて水の勢いがあるのでタンクのない「フラッシュバルブ式」が設置できます。


それに対し住宅や施設ではタンクに水を溜めて流すタイプが一般的ですね。


最近は、タンクが便器と一体になっていたり、小さいタンクを併用したフラッシュバルブ式のトイレも発売されています。


タンクにはふたがありますが、気がつくとその中に思いもよらないものが入っていたり、なんてこともあると思います。


そんな心配をしなくていいように、ふたをネジで固定できるタイプの便器も発売されています。


******


さて色々と書いてきましたが、私がいつも気になっているのは実は便器の高さです。


排泄がスムーズに行われるためには、足がしっかり床について安定した前傾姿勢をとれることがとても大切です。


でも各社から発売されている便器のサイズ(高さ)はほぼ同じ。小柄なお年寄り向けのサイズは選べないのが実情です。


高さが低いと立ち上がりがやりにくいという意見もありますが、私は排泄がしっかりできることを優先すべきと思います。


この問題は私の中でまだ解決できていない課題の一つです。今後取り組んでいきたいと思います。


*****


今日は便器について書きましたが、トイレについてはトイレ内のレイアウトや手すり等の配置もとても重要です。


介護施設の設計時には、利用しやすく介助も行いやすい、排泄がスムーズな使いやすいトイレをぜひ計画してください!



20160415_掃除口付トイレ
掃除口付でタンクがネジで固定できるタイプの便器を使用したトイレ


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