「社員にもお客様にも価値ある会社」より | 人生100年時代の働きがいのつくり方 〜Monday Energize Coach〜

人生100年時代の働きがいのつくり方 〜Monday Energize Coach〜

(株)働きがい創造研究所社長 (株)FeelWorksエグゼクティブコンサルタント
田岡英明が、人生100年時代の働きがいのつくり方を綴ります。
GET A  LIFE!(人生を楽しもう!)


少し前の書籍でありますが、「社員にもお客様にも価値ある会社」を読みました。
日本の99.7%の企業が中堅中小企業であるが、その中でも社員が輝いて働き、お客様からも支持を得て、高い収益を歩行る企業がある。そんな4社が紹介されている。以下、内容を少し共有させていただきます。

*靴の片足販売で売り上げを20倍にした会社:徳武産業株式会社(香川)
高齢者向けのケアシューズおよび屋内外用シューズのメーカー
製造販売するケアシューズの国内シェアは約30%と、国内トップを誇っている。
・下請けは楽だが、経営者人生としては報われない→この思いから「いつかは自立型経営へ」
・お客様から毎日届く心の声が、社員を育ててくれる。
→真心のはがき:靴を買ってくれるお客様に、サインの手書きのメッセージカードが同封されており、それに対しての返信のメッセージがかなり寄せられ従業員のモチベーションにつながっている

*嘱託社員まで含めた全社員を株主にして、業績を伸ばした会社:株式会社日本レーザー
レーザー機器専門の輸入商社
・多くの海外メーカーとの信頼関係を作り、販売代理店として圧倒的な地位を作っている。
・様々な修羅場を潜り抜けた近藤宜之社長の人間力が職場を活気づけている。
・「大きな岐路に立たされたとき、常により困難な道をあえて選ぶようにしてきた」
・「人生において二点間の最短距離は直線ではない」
・「周りで起こることはすべて必然である」
・リーダーのあるべき姿
「まず、自分の置かれた環境を正しく認識するには、聡明でなければならない」
「リーダーである者は善良な選択をすべきなんだ」
「リーダーが自分の損得でやっていたら、やっぱり世の中おかしくなる」
・社長の覚悟が、社員のやる気に火をつける
・会社の再建のために「親会社からの独立」という選択肢(MEBO:社員と経営陣による買収)
・社長がESを考えれば、社員はCSを考え出す
社員満足こそ第一→社員の成長が企業の成長につながる。
「社長はESを、社員はCSを」
・仕事を任せきれば、社員はやりがいを感じてお客様に目を向ける
・「上場は目指さない。上場すると、嫌でも右肩上がりの説明をせざる負えなくなる。右肩上がりの成長を狙えば、売り上げを伸ばし、利益を増やし、配当も高配当で、企業価値を高めることが最優先になる。そうなれば、人なんて面倒見ていられない」

*会社の悪口が言える「場」をつくったら、社員たちが収益の柱を作った会社:株式会社ISOWA
段ボール製造機械のメーカー
・マシンの販売より、メンテナンスを商機に事業拡大を図っている
・社員が一番、顧客は二番でいい
「ISOWAは、世界一社風のいい会社を目指します」
「顧客満足よりも、社員満足を第一に考えます。」
「社員満足が高まれば、今以上に、皆様の満足が高まることを確信しております」
・企業変革の味方は、社内に必ずいる→社風改革を実施
・社長に対する社員からの評価を毎年実施
・働くのは、自分と自分の愛する家族のため
・「家族を働かせたい会社こそが、本当に、いい会社ではないか」

*高級シャツをあまりにも安く売るので、お客様が心配する会社:メーカーズシャツ鎌倉株式会社
当社の製造販売するシャツは年間70万着、リピーター率は実に70%以上を誇る。
・低価格と高品質は両立する
私がコンシューマーで、私が納得するもの、私が欲しいものを作ればいいんですよ、私が納得する価格でね」
・経営者は決して偉くない。ただ、信念を持っている。
・ほとんどの社員が、会社のトップの方を向くのではなく、お客様の方を向いていれば、会社はつぶれないと思います。
・シャツユーザーの10%に満たない人たちに絞って「拘りのシャツ」を提供する。
・社員の値打ちは「お客様の利益に貢献しているかいないか」
・実は「偉いのは社員なんだよ」と、妻や娘に教えているんです。
・クレーム対応にマニュアルはいらない、方針一つあればいい
・ローコストの決め手は、社員の正社員化
モチベーションの高さ:社員たち自身が、世の中の役に立っていると実感できているからだ
・トップは自分の気配を消す
・社員たちのやりたいことが、常に同じ方向を向くような環境に会社全体を持っていくことが、エネルギーの無駄にもならないし、社員も自分の成果として会社の成果を認識してくれるようになると思うんです。

以上、4つの会社の事例を共有させていただきました。
四社に共通しているのは、経営者個人の「覚悟」「執念」「確信」「愛情」「使命感」「利他の心」
中でも、社員たちを第一義に考えるといったことに深く共感をさせていただきました。顧客目線は大切なことでありますが、顧客を最優先にすることとは違います。前職時代から、社員目線の大切さを常に感じてい来ているので大変納得の一冊でした。「基本はESですね!」