科学カフェ京都(特定非営利活動法人)

科学を身近に!技術における意思決定プロセスの民主化を目指す!!


テーマ:

◆◆ 科学カフェ京都 第73回 定例会 ◆◆


科学カフェ京都(特定非営利活動法人)

日時:4月9日 午後2時~4時30分

話題: 季語の科学

講師: 尾池 和夫 先生 (地震学)
財団法人国際高等研究所所長(前京大総長)
http://www.iias.or.jp/profile/message.html

□会場:京都大学 吉田南総合館北棟 25号室
(京大時計台前正門の南向い側の門より入り、
南へ向かって真正面の建物の右手2階)
地図:
http://www.mapfan.com/m.cgi?MAP=E135.46.59.50N35.01.16.7&ZM=11

講演ビデオ:
質疑応答:

季語の科学    尾池和夫

 日本の代表的な季語は、「雪月花」と言われることがありますが、それに時鳥を加えて春夏秋冬を代表させる人もいます。もちろん雪は冬の季語です。花といえば今では桜の花のことで春の季語です。月は秋の季語になっています。
 季語は、連歌、俳諧、俳句などに、その句の季節を規定する言葉として用いられてきました。世界でもっとも短い詩である俳句にとって、季語はたいへん大きな役割を果たします。季語は、句の象徴する情景を読む人の連想力に与えます。句の表現する時空を、詠む人と読む人とが共有するための言葉が季語なのです。季語を集めた本に「季寄せ」や「歳時記」があります。日本の歳時記は長い期間に磨き抜かれた詩語の集大成です。しかも、常に進化しています。
 季語には、四季折々の変化の仕組みが背景にあり、その仕組みを生み出した地球の活動が背景にあるのです。現在の歳時記にまとめられている季語が、一つひとつ磨きあげられてきた過程に必然性があるはずです。
 季語の背景を知って、仕組みを理解するために、科学的な知の蓄積が役立ちます。科学者が一つひとつ解き明かしながら積み重ねてきた厖大な知識の中から、役立つ情報を引き出してみることも大切です。
 日本列島の大地は、たいへんこまかい構造を持っています。少し歩くだけで異なる地質を見たり、さまざまな地形を眺めたり、異なる植生に出会うことができるのです。歩きながら自然の多様性をたっぷりと鑑賞することができる列島です。例えば台湾の島を一時間歩いても、同じように続く玄武岩台地で、すっかり歩き疲れてしまったことがあります。日本に生まれ育った人びとには、まったく当たり前と思われている、例えばこのこまかい構造が、実は世界的には、たいへん珍しいのです。そのような日本列島の珍しさを、ジオ多様性という概念のもとに、今、さまざまな視点から見直してみようと試みています。
 季語は日本人の宝物です。その季語を生み出したのは、日本列島を囲む海と、日本人の祖先が住みついた列島の大地です。日本列島と大陸の間にある日本海は、世界でいちばん若い海です。また東北日本の東にある太平洋の海底は世界でいちばん古い海底です。日本列島をとり囲む海には世界でもっとも豊かな生態系が確認されています。そのような特徴的な海も日本人の宝物です。
 季語は、そのような日本列島の空や海や大地の自然を、またそこから得られるさまざまの産物を、さらにそれをもとにした日本人の生活を、季節感をもとに表す言葉です。季語は、日本列島の四季の情報をしっかりと蓄えています。そしてその季語を集めた歳時記もまた日本人の宝物なのです。そのような宝物を生み出した日本列島の生い立ちと仕組みを、地球科学の目で見つめてみたいと思います。そして、歳時記をたずさえて、実際にその仕組みを見ることのできる現場を、みなさんにも歩いてみていただきたいと思いつつ、今はジオパークの普及につとめています。
                              2011年2月4日




































AD
いいね!した人  |  リブログ(0)

AD

Ameba人気のブログ

Amebaトピックス

      ランキング

      • 総合
      • 新登場
      • 急上昇
      • トレンド

      ブログをはじめる

      たくさんの芸能人・有名人が
      書いているAmebaブログを
      無料で簡単にはじめることができます。

      公式トップブロガーへ応募

      多くの方にご紹介したいブログを
      執筆する方を「公式トップブロガー」
      として認定しております。

      芸能人・有名人ブログを開設

      Amebaブログでは、芸能人・有名人ブログを
      ご希望される著名人の方/事務所様を
      随時募集しております。