夢幻

小説置場


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ビュッっと刀が空を切り、敵を薙ぎ払う。
次の瞬間には刃が背後の敵へ。幻創種を形作っていたエーテルが霧散する。

 

「…ふう。これで終わりですね」

 

周りに敵の気配は無い様だ。刀を締まって一息吐く。

―――…と。

 

「…っ!?」

 

ビュオオッ!と自分の周囲に旋風が起こった。思わず両腕で顔を覆う。
一瞬で止んだ小さな旋風は、どうやら風属性のテクニックだったようだ。
となれば何処かに自分の他にもアークスが居る、という事に他ならない。
そこまで思い至ったところで、後ろの方からぱたぱたと駆けてくる足音に気が付いて、そちらを見やった。
慌ててこちらに走ってくる女性はクロウの目の前でピタっと止まると、勢いよく頭を下げた。

 

「ごめんなさいぃぃ!!ちょっと失敗しちゃって~…」
「いえ、大丈夫ですよ。そんな大した怪我も無いですし」
「はわぁ!ほっぺが切れちゃってる!?」
「あ…、これくらい大丈夫ですよ。すぐに治りま、」
「駄目です!えぇっとぉ、こんな時は、…レスタ!」

 

自分の体が光に包まれる。…が、頬の傷は塞がっていない。
彼女は首を傾げた。

 

「あれぇ??おっかしいなぁ。何で治ってないんだろう?」
「…申し訳ありませんが、それ、アンティでは…」

 

躊躇いがちにそう告げると、彼女はまた勢いよく頭を下げて謝罪した。

 

「ごごご、ごめんなさいぃ!私、コントロールとか苦手で…うぅ」
「いえいえ、お優しい心遣い痛み入ります。でも、回復アイテムを持っていますし、本当に大丈夫ですよ」

 

にっこり笑ってそう告げると、彼女はようやく一安心したのか、笑顔を浮かべた。

 

「そっかぁ、それなら良かったぁ。じゃあ、私はこれでー」

 

ばいばい!と手を振って何やら紙の地図を取り出し、それを眺めつつふらふらとあらぬ方向へ歩き出す彼女。
………地図って端末で表示出来なかっただろうかと、そう思いながらもそれには深く突っ込まずに、彼女を呼び止めた。

 

「…あの」
「はわ!?あれ、さっきの人?どうしたの?」
「その地図、逆さまですよ」
「ほわっ、ほんとだぁ。道理で迷っちゃってた訳だねー」


えへへ、と苦笑いを浮かべる彼女に何だか不安ばかりが募る。
これ以上放っておくのも何だか気が引けたので、躊躇いつつも声を掛けた。

 

「…良かったらご一緒しませんか?」
「えっ…、いいの?」
「はい。ご迷惑でなければ、ぜひ」
「ありがとう!」

 

そうして、アークスロビーまでの道中を共に行動することにした。

 

* * *

 

「お疲れ様でした。報告も済ませましたし、後は部屋に戻るだけですね」
「そうだねー!今日はありがとう、すっごく助かったよー」
「こちらこそ。それでは失礼します」
「うん、ばいばーい!」

 

そう言って彼女は踵を返し、歩き出した。
―――…と思ったら盛大に転んだ。クロウは即座に駆け寄る。

 

「大丈夫ですか!?」
「いったぁ…、うぅ、お鼻ぶつけたぁぁ…」
「………えーと…、ご迷惑でなければ部屋までエスコートしますよ」

 

心配ですし、と付け加えて、クロウは手を差し伸べた。

 

* * *

 

「ここが私のお部屋だよー。ほんとのほんとにありがとう!」

 

重ねて礼を述べる彼女に、クロウは柔らかい笑みを浮かべた。

 

「いいえ、どういたしまして」
「あ、そういえばお名前まだ聞いてなかったよね。私は炉って言うの!貴方のお名前は?」
「ああ、そういえば…。私はクロウと言います」
「ほわぁ、素敵なお名前だねぇ。鴉さんの意味だっけー?」
「よくご存知ですね。そうですよ」
「えへへ、この間読んだ魔術書に書いてあったんだよ!」
「…そ、そうですか…」

 

魔術書。…何だか危険な響きがするのは、気のせいだろうか。
困惑しつつ笑みを浮かべた。

 

「…じゃあ、私はこれで」
「あ、うん!またねクロ君ー、今日はありがとうー!」
「はい。…あの、」
「うん?」
「ご迷惑でなければ、次の任務もご一緒しませんか?」
「はわっ、いいの?」
「ええ、勿論」
「やったあ!じゃあ、また次の任務でねー、約束だよっ」

 

そう言ってにっこりと微笑んで、手を振る炉。
クロウもそれに倣って手を振り、彼女の部屋を後にした。

 


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■膝枕してみた-レイン&麻白-

 

麻白「(膝をぽんぽん叩きながら)はい、どうぞレイン!」
レイン「…何でそんなに謎のやる気に満ちてるの」
麻白「だってレインに膝枕なんてなかなかする機会無いし!」
レイン「…あ、そう」
麻白「ほらほら、早くー!足痺れちゃうでしょっ」
レイン「…じゃあ、」←躊躇いつつも麻白に膝枕されてみる
麻白「えへへ!寝心地はどうー?」
レイン「…悪くはないけど」
麻白「そっかー、悪くないならよかった!」

 


■膝枕してみた-燈&焔-

 

燈「ん…、」
焔「…あ。起きた~?」
燈「ああ…。すまない、いつの間にか寝てたみたいだ。…足は痺れてないか?」
焔「うん、全然大丈夫~。ふふ、よく眠れたみたいで良かった」
燈「焔のおかげだ、ありがとう」
焔「いいえ~、どういたしまして」

 


■膝枕してみた-燎&煌-

 

燎「君が膝枕をするだなんて言い出すとは珍しいね」
煌「…そうでしょうか?」
燎「うん。まぁ、僕としては嬉しいし良いんだけどね」
煌「………あの」
燎「ん?」
煌「最近お疲れではありませんか?…私の気のせいでしたら申し訳ありません」
燎「煌には僕が疲れているように見えたのかい?」
煌「はい…少しだけ、ですが」
燎「そっか。やっぱり煌には隠し通せないね」
煌「………隠さなくていいです」
燎「ごめんね?じゃあ、もうしばらくの間このままでいて構わないかな」
煌「はい、勿論です」

 


■膝枕してみた-楓&煇-

 

楓「おやおや。煇、顔が怖いですよ」
煇「………」
楓「…?煇、本当にどうしたんですか?」
煇「…貴方、顔色があまり良くないわよ。最近ちゃんと寝ているの?」
楓「どうでしたかねぇ…。最近は少々任務が立て込んでいたのであまり憶えていませんね」
煇「私には口煩く言う癖に、自分のことには無頓着なのね貴方」
楓「はは…そうかもしれませんねぇ」
煇「笑い事じゃないわ。…膝を貸すからさっさと寝なさい」
楓「おや。煇から膝枕をしてくれるなんて初めてですね」
煇「ふん…別に嫌なら無理強いはしないわ」
楓「嫌だなんて思う訳がありませんよ。…それでは失礼します」
煇「ええ。…お休みなさい、楓」

 


■膝枕してみた-燦&橘-

 

燦「………」
橘「燦さん?どうかなさったんですか?」
燦「……いや、何でもない」
橘「ですが…」
燦「……大した事じゃない。最近、あまり寝付けないだけだ」
橘「………。あの、燦さんさえ宜しければですが」
燦「?」
橘「膝枕は如何でしょうか。今は少しでもお身体を休めてください」
燦「…気持ちは有り難いが、桜ノ宮に迷惑をかける訳には………」
橘「私がしたいと思っただけです。ご迷惑だなんてとんでもございませんわ」
燦「…本当にいいのか?」
橘「はい、燦さんさえ宜しければ」
燦「…分かった。厚意に甘えさせてもらう」
橘「ふふ。ゆっくり休んでください」
燦「ああ…」

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■ハロウィンパーティー計画!


レイン「麻白。放課後の事だけど、先生に話してきたよ」
麻白「ほんと!?どうだった?」
レイン「空いてる教室使っていいって。ただしゴミとかは自分で持って帰れって事と、あんまり夜遅くまで居るなってさ」
麻白「やったあ!さっすがレイン、交渉上手!」
レイン「はいはい、お褒めの言葉どーも」
麻白「よーっし、それじゃあ皆を誘わないとだね!」
レイン「だね」

 

 

■放課後になりました


麻白「ふー、やっと一日が終わったあ…。これであとはハロウィンパーティーを楽しむだけだー!」
レイン「…はしゃぎ過ぎて先生に注意されないようにしてよね」
麻白「うっ…わ、分かってるよ~」
燈「はは。麻白さん、今日はずっとそわそわしてたからな」
焔「だねぇ~。麻白ちゃん見てると楽しみにしてるの凄く伝わってきてたよ~」
麻白「えへへ!だって楽しみだったんだもんー!学校でハロウィンパーティーなんてなかなか出来ないじゃん!」
レイン「さすがに仮装までは出来ないからただのお菓子パーティーに近いけどね」
麻白「それでもいいのー!こうやって皆でわいわいすることに意義があるのです!」
レイン「………あっそ(ハロウィンにこだわらなくても、と思ってる顔)」
雪音「遅くなってごめんなさい、雪美も連れて来たわよ」
雪美「…どうも」
焔「あ、雪美だ~。久しぶりだねぇ」
雪美「ええ、お久しぶりです」
麻白「あれ?雪美さんとほむちゃんって知り合いだったの?」
雪美「ええ、一応。一年の時に同じクラスだったので」
焔「そういうこと~」
麻白「なーるほど!…よし、それじゃあメンバーも揃った事だし、早速始めよっかー!どのお菓子から開けるー?」
燈「とりあえず全部のお菓子を広げて、好きな物を食べられるようにしたらいいんじゃないか?」
レイン「だね、それでいいと思う」

 

 

■そんなこんなで


レイン&麻白
麻白「あ、このお菓子のかぼちゃ味って初めて見た!」
レイン「この時期限定だろうね。普段見ないし」
麻白「だねー。美味しい~」
レイン「………」
麻白「ん?レインもこれ食べてみるー?美味しいよ!」
レイン「…いや、僕はいいよ。何か麻白が食べてるとどのお菓子でも美味しそうに食べるから見てて面白いなって」
麻白「へ?そうかなぁ?でもどのお菓子も美味しくて!」
レイン「そう。よかったね」
麻白「うん!これも先生に交渉してくれたレインのおかげー!ありがとう!」
レイン「…別に。どういたしまして」

 

燈&焔
焔「うーん…どれから食べたらいいのか迷っちゃうなぁ」
燈「そうなのか?…まあ、焔の場合そんなに沢山は食べられなさそうだしな。どれが気になってるんだ?」
焔「んーっとね~、かぼちゃの形をしたクッキーのとかかなぁ。可愛いなーって」
燈「ああ、これか。ほら、まずは食べてみたらどうだ?」(クッキーを手に取って渡す)
焔「うん、ありがとう。…あ、美味しい~」
燈「そうか。俺は…そうだな、これにしよう」
焔「んー?あ、それ和菓子風のチョコレートって一時期ニュースとかでも取り上げられてたやつだよね?」
燈「ああ。気にはなっていたんだがなかなか機会が無くてな…。今回はいい機会だと思って買ってみたんだ」
焔「ふふ、そうなんだ~。燈君が用意したお菓子、私もちょっと食べてみたいなぁ。よいしょっと。…わあ、デザインが凄く可愛いね~」
燈「ああ。さすが和菓子屋とコラボしてるだけあるな…」
焔「味もとっても美味しい~。このお菓子、好きだなぁ」
燈「…そうか。焔に気に入ってもらえたなら、買ってみて正解だったな」

 

雪美&雪音
雪美「雪音、あのジュースを取りなさい」
雪音「はあ!?それくらい自分で取りなさいよ!私は食べるのに忙しいのよ(もぐもぐ」
雪美「…貴女は意外に食い意地が張っているんですね」
雪音「ふん。普段動いているからこれくらい問題ないわよ」
雪美「これくらい…ですか」←お菓子の山を眺めつつ
雪音「それにしても、あんたがこういったパーティに参加すること自体意外だったわ」
雪美「…別に。気が向いただけです」
雪音「あっそ。…っていうか、さっきからジュースしか飲んでないけど食べないの?」
雪美「ええ。普段からあまり菓子は食べないので」
雪音「ふーん?そんなんじゃ大きくなれないわよ」
雪美「まな板には言われたくありません」←ハッと鼻で笑う
雪音「胸の話じゃないわよ!!」

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■ハグの日なので-レイン&麻白-

 

麻白「えーい!」←背後から抱き着く
レイン「っ!?…びっくりした。どうしたの」
麻白「8月9日ってハグの日なんだってー!だからぎゅーってしてみようかと!」
レイン「ふうん、そうなんだ。…麻白ってほんとイベント事好きだよね」
麻白「へへ、褒められる程の事でも~」
レイン「…褒めてないってば」

 


■ハグの日なので-燈&焔-

 

焔「燈ー、ぎゅ~」←背後から抱き着く
燈「ん?どうしたんだ、焔」
焔「8月9日ってハグの日だって麻白ちゃんから聞いたから~」
燈「そうなのか」
焔「うん~。ふふ、燈あったかーい」
燈「…それはいいんだが、暑くないのか?」
焔「大丈夫だもーん」

 


■ハグの日なので-燎&煌-

 

燎「煌、ちょっとこっちにおいで」
煌「…?はい、何でしょうか、燎さん」
燎「はい」←両手を広げる
煌「??…あの……?」
燎「…あれ、困ったなぁ。煌、もしかして今日が何の日か知らないのかい?」
煌「今日…、何かありましたでしょうか」
燎「ハグの日、らしいよ」
煌「そうなのですか。…じゃあ、」←抱き着く
燎「ふふ。たまにはこういうのもいいね」

 


■ハグの日なので-楓&煇-

 

楓「煇、はい。どうぞ」←両手を広げる
煇「…何がどうぞなの?」
楓「おや、困りましたねぇ。もしや今日が何の日がご存知無いんですか?」

「今日?…何かあったかしら」
楓「8月9日でハグの日、だそうですよ」

「…へえ、そうなの。知らなかったわ」
楓「という訳で、改めて。はい、どうぞ」

「………」←無言で抱き着く

 

満足気に微笑む楓さん。

 


■ハグの日なので-燦&橘-

 

燦「………」←無言で抱き締める
橘「あ、燦さん?どうなさったんですか」
燦「…こうして抱き締めなければ結月があらぶると夕凪に言われた」
橘「え…それは…(恐らく楓さんにからかわれているだけでしょうけど、私からはお伝え出来ません…)」
燦「?…桜ノ宮、どうした?」
橘「い、いえ。何でもございませんわ…」
燦「……そうか。…たまにはこういうのも悪くない」
橘「ふふ、私も嬉しいです」

 


■ハグの日なので-月斗&陽向-

 

陽向「どーん!!」←勢いよく月斗に抱き着…タックル?
月斗「おわっ!何すんだよいきなり。何か用?」
陽向「用は無い!」
月斗「は?帰れ」
陽向「やだ!っていうか月斗、今日何の日か知らないの?」
月斗「今日?何かあったっけ」
陽向「知らないなら教えてあげよう!ハグの日!です!!」
月斗「…陽向のはタックルだから」

 


■ハグの日なので-へんてこな組み合わせその1-

 

レイン「…今日ってハグの日らしいね」
燈「そうらしいな。さっき焔に聞いたよ」
レイン「…って事で、はい」←両手を広げる
燈「…どうしたんだレイン」
レイン「いや、どんな反応するかなと思って。…そんなドン引きしないでくれる?傷付くんだけど」
燈「えっと…じゃあ」←恐る恐る抱き着く
レイン「………何なんだろうねこれ」
燈「…ほんとにな」

 


■ハグの日なので-へんてこな組み合わせその2-

 

燎「今日ってハグの日らしいね?」
楓「そうみたいですねぇ。まあ、ただの語呂合わせなのでしょうけれどこういったイベントもたまにはいいですよね」
燎「そうだね。…あ、せっかくだし僕達もしてみる?」
楓「ふふ、構いませんよ?」
燎「はは。相変わらずノリが良くて助かるよ」

 

煇「………何やってるのあの二人…」
煌「…随分と仲がよろしいですよね」

 

愉快犯×愉快犯。混ぜたら危険

 


■ハグな日なので-へんてこ組み合わせその3-

 

燎「やあ、燦。今日が何の日か知ってるかい?」
燦「……いや。知らないが」
燎「ハグの日、らしいよ」
燦「…そうなのか。俺には無縁だな」
燎「そんな寂しい事言わないでよ、僕が何の為に君のところに来たと思ってるんだい?」
燦「…そういえば、何の用だ?」
燎「はい、おいで燦」←笑顔で両手を広げる
燦「………気は確かか」
燎「あ、酷いなぁ。傷付くじゃないか」
燦「…傷付いているようには全く見えないんだが」

 


■ハグの日なので-へんてこな組み合わせその4-

 

陽向「燦ー!眼鏡取ってー!!」←勢いよく抱き着…タックル?
燦「っ!?…陽向か。何の用だ?」
陽向「特に用事は無い!あ、強いて言うならハグの日ついでに今日こそ眼鏡を取った燦を見に来たのー!」
燦「………外さないからな」
陽向「ちぇ~。相変わらずノリ悪いなぁ、イベントの日くらいいいじゃん!」

 


■ハグの日なので-へんてこな組み合わせその5-

 

麻白「楓ー!遊びに来たよー」
楓「おや、麻白じゃないですか。いらっしゃい」
麻白「へへ、お邪魔しまーす!あ、楓は今日が何の日か知ってる?」
楓「8月9日でハグの日だそうですね、輝にもさっき教えてあげましたよ。知らない様子でしたが」
麻白「私もレインにしてみたけど、何かいつもと変わんなくてつまんなかったー、むー…」
楓「ふふ、まあレインならそうでしょうねぇ」
麻白「って事で楓にもハグテロする!ぎゅー!」
楓「おやおや。ふふ、ありがとうございます」
麻白「むう、楓も反応面白くない!」
楓「おや、それは失礼致しました。ふふ」

 


■ハグの日なので-へんてこな組み合わせその6-

 

レイン「煌さん、今日が何の日か知ってる?」
煌「えっと…ハグの日だと聞いています」
レイン「うん。ってことで、はい」←両手を広げる
煌「え?あ、あの…」
レイン「折角だからイベントに乗っかってみようと思って。…まぁ、無理強いはしないけど」
煌「い、いえ…それでは、失礼します」←恐る恐る抱き着く
レイン「うん」

 


■ハグの日なので-へんてこな組み合わせその7-

 

麻白「燈さーん!ぎゅー!」
燈「…っ!?ま、麻白さん?どうしたんだ急に」
麻白「えへへ!今日はハグの日だから燈さんにもーって!」
燈「…ああ、そういえば焔にも聞いたな」
麻白「焔さんも知らなかったみたいだけどねー。っていうか、燈さんってレインと同じで結構細身なんだね!」
燈「…そうか?」
麻白「そうだよー!レインに細いとか言うと怒るから言えないんだけどね!」
燈「はは…、そうだろうな」

 


■ハグの日なので-へんてこな組み合わせその8-

 

麻白「あ、雪美さん!」
雪美「…何か用ですか、麻白」
麻白「今日何の日か知ってる?」
雪美「…?いえ、特に何も無かった気がしますが」
麻白「8月9日でハグの日らしいよー!って事で雪美さんにも、ぎゅー!」
雪美「………」
麻白「あ、あれ?思ってた反応と違う…」
雪美「…もういいでしょう。離れて下さい」
麻白「は、はい!」


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■じれったい!

 

「ほむちゃん!とついでに燈さん!!」
「ん~?どうしたの、麻白ちゃん?」
「どうかしたのか?」
「『どうかしたのか?』じゃないよ!!もう見ててじれったいから二人でここ行ってきて!!」

 

そう言って麻白が、ばん!と焔の机の上に何やらチケットを二枚置く。
燈と焔は二人できょとんと顔を見合わせた。レインは何やら頭を抱えている。

 

「えっと…?」
「お互いに遠慮し合ってるの見てるとじれったいんだもん!とりあえず今度の日曜日にでも二人でそこに行く!了解?」
「りょ、了解…?」

 


■当日

 

「あ、燈君。待った~?」
「いや、ちょうど今来たところだ」
「そっか、よかった。…それにしても、麻白ちゃん急にどうしたんだろうね~」
「物凄い勢いだったな…。まあ、分からないでもないんだが…」
「ん~?何か言った?最後の方聞こえなかった~」
「いや、何でもない。それじゃ行こうか」
「うん」

 


■実は居ました

 

「ああもう!!何で手繋ぐくらいしないの、燈さん鈍感!」
「麻白…尾行する事に躊躇いは無いわけ…?」
「あ!二人が中入ってった!私達も行こうレイン!」
「………。はあ…」

 


■日曜なので

 

「結構人が多いな…。焔、はぐれないように気を付けよう」
「うーん…、そうだね。わっ」←人にぶつかる
「大丈夫か?…その、焔が良ければなんだが、手を繋ぐのはどうだろうか?」
「あ、それならはぐれないし安心だね~。ふふ」
「よかった。じゃあ、行こう」
「うん」

 


■人が多いので

 

「えーっと二人は…、あ!手繋いでるー!やったねレイン!!」←レインをばしばし叩きながら
「分かった、分かったから叩かないでくれる?叩かなくても麻白の感動は伝わったよ…」
「むー。今日のレイン、ノリ悪い!もっと二人の為に頑張ろうって気持ちは無いの?」
「…二人の為を思うなら、尾行なんて止めておけば?二人には二人なりのペースっていうものがあるでしょ」
「あ!あっちの方行った!」
「…他人の話聞いてよ」

 


■水族館なのでお魚がいっぱい

 

「わあ~、お魚さんいっぱいだね~」
「そうだな。…あ、あの魚とか綺麗じゃないか?」
「え、どれどれ?」
「あの岩の奥に居る…」
「あ、ほんとだ~。あの青いお魚さんだよね?」
「ああ。綺麗な青だな」

 


■お土産屋さんにて

 

「色々あって迷っちゃうね~。麻白ちゃんとレイン君にも何か買ってあげたいよね」
「そうだな…。あ、これなんかどうだ?」
「イルカのストラップ?可愛い~。…ん?これ、お腹の場所に誕生日書いてあるね」
「ん?そこまでは気付かなかったな…、あ」
「?」
「…その、お互いの誕生日の物を交換しないか?」
「え?燈君の?…いいの?」
「ああ、勿論」
「ありがとう~。ふふ、大事にするね」

 


■結局

 

「あれ~…、二人ともどこ行っちゃったんだろ~…?」
「もうとっくに帰ってるんじゃないの。僕達ももう帰ろうよ」
「うう~…、まさか見失っちゃうなんて…!見守り隊失格だよぅ…」
「………はあ」←呆れて何も言えない

 

 

■帰り道

 

「燈君、今日はありがとう。すごく楽しかった~」
「礼を言うのは俺の方だ。こちらこそ楽しかった」
「ふふ。こんな風に誰かとお出掛けなんて本当に久しぶりだったから、はしゃいじゃった」
「そうか。焔が楽しんでくれたなら俺も嬉しいよ」
「チケットをくれた麻白ちゃんにもお礼言わなきゃ~。お土産も買えたし、明日ちゃんと渡そうね」
「ああ、そうだな。…その」
「ん~?」
「焔さえ良ければ、またこうして二人で出掛けないか?」
「え?…いいの?」
「ああ、勿論だ」
「うん!またお出掛けしようしよう~」


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■眠れない夜に-レイン&麻白-

 

レイン「…いつまで起きてるの、麻白」
麻白「あ、レイン。何か眠れなくって…」
レイン「…珍しいね。麻白がこんな時間まで起きてるの」
麻白「あー、はは。自分でもそう思う…」
レイン「………。一緒に寝る?」
麻白「えっ?いいの?」
レイン「別にいいよ。…眠れないみたいだから、特別ね」
麻白「うん。ありがとう、レイン」

 


■眠れない夜に-燈&焔-

 

焔「燈~?眠れないの?」
燈「ああ、焔か。…すまない、何だか寝付けなくて」
焔「ふーん…?何かあったの~?」
燈「いや、そういう訳では無いんだが…」
焔「んー、そうだなぁ。じゃあ一緒に寝よ~。手を繋いで寝ればきっと眠れるよ」
燈「…そうだな。ありがとう、焔」
燈「ふふ、どういたしまして~」

 


■眠れない夜に-燎&煌-

 

燎「煌、どうしたんだい」
煌「燎さん…」
燎「こんな時間まで起きてると明日に響くよ。早く寝ないとね」
煌「………」
燎「…怖い夢でも見たのかい?」
煌「…!…いえ……」
燎「(…図星かな)少し待ってて」
煌「?」
燎「はい、ホットミルクだよ。これを飲んだら少しはリラックス出来るんじゃないかな」
煌「お気遣いありがとうございます。…とても温かいです」
燎「それなら良かった」

 


■眠れない夜に-楓&煇-

 

楓「…おや。まだ起きていたんですか、煇?」
煇「…何だか眠れなくて」
楓「そうだったんですね。では、ココアでも淹れてきましょうか。ちょっと待ってて下さい」
煇「大丈夫、要らないわ。…その代わり、少しだけ傍に居てくれないかしら。眠るまででいいから」
楓「構いませんよ。…おやすみなさい、煇」
煇「…ええ、おやすみなさい」

 


■眠れない夜に-燦&橘-

 

橘「燦さん…?こんな夜更けにどうかなさったんですか?」
燦「……桜ノ宮か。…少し夢見が悪かっただけだ」
橘「………」
燦「……俺はもう部屋に戻る。桜ノ宮も早く寝た方がいい」
橘「………。あの、燦さんさえ宜しければ少しお話しませんか?」
燦「……話を?それは構わないが」
橘「ふふ。それでは昨日の猫さんのお話なんて如何ですか?」
燦「ああ。……桜ノ宮」
橘「はい、何でしょう?」
燦「……ありがとう」
橘「ふふ…」

 


■眠れない夜に-月斗&陽向-

 

月斗「…?陽向、まだ起きてんの?」
陽向「んー、何か眠れなーい」
月斗「へ?お前が眠れないなんて珍しい。明日槍でも降るんじゃね?」
陽向「うっさいよ月斗のばーか。こんな時は優しく「子守唄でも唄ってあげようか?」とか言ってくれたっていいじゃん!」
月斗「寝言は寝てから言えば?いいからさっさと寝ろって、明日朝から予定あっただろ?」
陽向「だーかーらー、眠れたら苦労してない~!」
月斗「あー、分かった分かった。眠れるまで何か適当に話付き合ってやるからさっさと寝て」
陽向「へ、いいの?ありがとう月斗!」
月斗「………ぐー」
陽向「…月斗が先に寝たら意味無いじゃん!!」

 


■眠れない夜に-雪美&深夏-

 

雪美「………」
深夏「あれ~?雪美、まだ起きてたんですか」
雪美「目が冴えてしまったので風に当たっていました。…ところで、何故貴女がここにいるのですか」
深夏「ふっふーん!よくぞ聞いてくれました!【雪音の顔面にマロンを投げつけよう作戦】を実行しようとしていたところだったんです!」
雪美「………。子供はとっくに寝る時間です(しれっ」
深夏「わーん!私子供じゃないです!」
雪美「………」←聞いてない
深夏「もうっ。…あ、そうだ!今夜だけ雪美にマロンを預けます!」
雪美「何ですか、急に」
深夏「眠れない時はマロンを抱いて眠ると不思議なことにとっても落ち着くんです!」
雪美「…遠慮しておきます」
深夏「えー!ほんとに落ち着くんですよー」
雪美「厚意だけ有難く受け取っておきます。深夏はもう休んでください」
深夏「むー…分かりました。今日は作戦は中止にしますので、マロンが恋しくなったらいつでも言ってください!」
雪美「ええ…」


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■休日の過ごし方-麻白ちゃんと焔の場合-

 

麻白「あ、ほむちゃん!ごめんねー待たせちゃったかなぁ?」
焔「ううん、大丈夫だよ~。今来たばっかりだったし」
麻白「よし、それじゃ行こっか!今日のお店はシュークリームがすっごく美味しいんだって!」
焔「そうなんだ~。ふふ、楽しみだね」

 

* * *

 

麻白「わあ、店内も可愛いねー!」
焔「そうだね~。えっと、麻白ちゃんは何頼むの~?」
麻白「うーん…シュークリームで有名なお店だから、それにしよっかなーって思ったんだけど…メニュー見たらどれも美味しそうで迷っちゃうなぁ」
焔「ふふ、そっかぁ。そうだよね~」
麻白「ほむちゃんはもう決まったのー?」
焔「私はこれにしようかな~。紅茶とセットのチーズタルト」
麻白「わあ、美味しそう!…うー、そうだなぁどれにしようかなぁ~悩む~~………よし、決めた!フルーツタルトにしよっかなぁ」
焔「はーい。じゃあ、店員さん呼ぶね~」

 

* * *

 

麻白「そういえばさ、ほむちゃんて燈さんと仲いいよね!」
焔「ん~?そうなのかなぁ?」
麻白「え、違ったかなぁ?何だかいつも一緒に居るイメージがあって…。ほら、最近一緒に下校したりしてるみたいだし!」
焔「ああ、そうだね~。前まで一人で帰ってたからなぁ…」
麻白「そうなの?でも今は燈さんと一緒に帰ってて楽しいでしょ?」
焔「うん~。楽しいよ~」
麻白「…というか、ストレートに聞くけどさ、二人って付き合ってないの?」
焔「へ?う、うん…多分?」
麻白「ええー?何で?」
焔「何でって言われてもなぁ~…。燈君は多分そんなつもりで私の事気に掛けてくれてるんじゃないと思うし…」
麻白「んー?そうかなぁ…お似合いだと思うんだけどなー」

 

 

■休日の過ごし方-レイン君と燈の場合-

 

レイン「…あれ、燈?」
燈「ん?レインじゃないか。奇遇だな、休みにこんなところで会うなんて」
レイン「そうだね。…図書館行って本返したらその後暇なんだけど、燈、時間ある?その辺でお茶しない?折角こうして会えたわけだし」
燈「ああ。構わないが…」
レイン「よかった。じゃあ、この本だけ返してくる」
燈「分かった」

 

* * *

 

レイン「ところでさ、ずっと思ってたんだけど燈が女子のこと気に掛けるって珍しいよね」
燈「焔のことか?」
レイン「うん。最近は一緒に下校してるみたいだし、何かと気に掛けてるんだね」
燈「……まぁ、そうだな」
レイン「別にいいとは思うけど。何か理由があるのかなって思っただけ」
燈「…何というか、焔を見ていると放っておけないというか。うまく説明出来ないんだが」
レイン「ふうん?本当にそれだけ?」
燈「…どういう意味だ」
レイン「そのままの意味だけど?」
燈「……それ以上の感情を抱いていないと言えば嘘になる。が、それをまだ彼女に伝えるつもりはない」
レイン「別にいいんじゃない。焔さんその辺りちょっと鈍そうだし気長に待てば」
燈「はは…そうだな」
レイン「まぁ、その間に他の人にとられても文句は言えないけど」
燈「う…それはそうなんだが…」
レイン「(何だかんだ言って焔さんも満更じゃなさそうだけどね)」

 

 

■夏休み目前です


レイン「麻白、成績どうだった?」
麻白「んー、悪くも無ければ良くも無いかな。見る?」
レイン「…本当に平均的だね」
麻白「いいじゃん悪くないんだしー!そういうレインは…うわ何これ5ばっかり!ムカつくー!!レインのくせにー!」
レイン「あーはいはい」
麻白「あ、ほむちゃん!成績どうだったー?」
焔「んー?別に普通だよ~。はい」
麻白「…私より全然いいんだけど…!」
レイン「…まあ麻白より悪かったら夏休みに課外決定だしね」
麻白「レインうるさいっ」
レイン「あ、燈は?成績どうだった?」
燈「特に良くも悪くも無いが…。ほら」
レイン「…うん、やっぱり麻白より全然いいね」
麻白「やっぱりってなに!?」
燈「(麻白さんの成績ってそんなに酷いのか…?)」
麻白「よーし!とりあえずみんな夏休みの課外は免れたね!
遊びの計画立てよー!」

 

 

■夏休み-お勉強会-

 

麻白「よーし!今日は頑張って課題終わらせるぞー!」
レイン「途中で泣き言言わないでよね」
麻白「わ、分かってるよ…!」
焔「燈君~、私数学苦手だから教えてくれる~?」
燈「ああ。俺の分かる範囲で良ければ教える」
焔「ふふ、ありがとう」

 

* * *

 

麻白「あー!もう飽きたよー!別のことしようよー」
レイン「…始まって1時間経ってないんだけど」
麻白「だって飽きたんだもん!!」
レイン「…はぁ」
焔「私もちょっと休憩したいなぁ~」
燈「ずっと苦手な数学をしていたから疲れたんだろう。少し休憩したらどうだ」
麻白「燈さん紳士…!」
レイン「麻白の場合、ほとんど進んでないでしょ。…教えてあげるからここまでは終わらせてよ」
麻白「えー!…分かったよ……」

 

* * *

 

麻白「よーしノルマ達成!言われたところまで終わったから休憩!!」←机に突っ伏す
レイン「はいはい、お疲れ様」
麻白「あ~、疲れた~…」
燈「焔も少し休憩したらどうだ。数学は一通り終わっただろう」
焔「あ、うん。じゃあ、ちょっとだけごろんってさせてね~」
燈「ああ、構わない」

 

………

 

レイン「麻白、そろそろ休憩終わりにして課題再開したら?……麻白?」
麻白「……すぅ」
レイン「…寝てる。燈、焔さんの方はどう?」
燈「ん?ああ…焔、起きてるか?」
焔「ん……」
燈「…焔も疲れて眠っているようだ」
レイン「二人とも寝ちゃったんだ…この後どうしようか」
燈「そうだな…二人が起きるまで話でもしてるか?」
レイン「そうだね」

 

とりあえず二人に上着をかけてあげました。


テーマ:

初対面は、いけ好かない奴。
二度目は、嫌な奴。
三度目は―――…

 

そんな出会い

 

アークスになってから初めての任務で、コンビを組まされた。
相手の名は雪美、と言うらしい。自分は「よろしく」と握手を求めた。
…が、

 

「…ええ、よろしく」

 

そう言ってこちらを一瞥しただけで終わった。
浮かべた笑みを引きつらせながら、行き場の無い手を引っ込める。
…これでは任務でのチームワークも期待しない方が良さそうだ。

 

* * *

 

「…ちょっと、雪美!」

 

余りのチームワークの取れなさにいい加減うんざりして、どんどん先へと進む雪美に声を掛けた。
そうすると、雪美は鬱陶しげに「…何ですか」と足を止めてこちらを振り返った。

 

「あのねえ、チームワークって知ってるわけ?あんたの戦い方、完璧に敵味方無差別なんだけど!」
「貴女が避ければ済む話でしょう」
「はああ!?あんたねぇ…!」

 

しれっとそう言い放った雪美に、さらなる言葉を浴びせようとして、雪美が銃をこちらに向けて撃ったので、咄嗟に避けた。
そして目に入ったもの。―――…一体のダーカーの死骸。


「あ、あ、あっぶな…!私まで撃つつもりだったの!?」
「貴女なら避けると思っていたので」
「そういう変な信頼の仕方をしないでくれる!?」
「…はあ。騒がしいな。少しは静かにしろ。敵が周りに居たらどうするんだ」
「な、な…っ!」

 

敬語が面倒臭くなったのか、口調がガラリと変わった雪美。
余りの扱いの酷さに怒りを覚えつつ、絶句した。

 

「とっととこの任務を終わらせるぞ。…はあ、面倒臭い」

 

そう言って、雪美はまた先に歩いて行ってしまった。

 

* * *

 

後日、ロビーにて。

 

「あ」
「…?ああ」

 

こんな奴とまた会うとは。運が無いなあ、と思う。
ふん、とそっぽを向くと、何やら相手の気に障ったらしい、こちらに近付いてきた。

 

「命の恩人に対して随分な態度ですね」
「恩着せがましいのよ」
「そうですか。…ところで雪音、今手持ちはありますか」

 

不意にそんな事を尋ねられ、訝しげに雪美を見遣る。

 

「何よ急に?」
「お腹が空きました、食事に連れて行きなさい。それでチャラにしてあげましょう」
「はあ?私が奢れって言うの?」
「この前不意を突かれて死にそうになってたのは?」
「…うるさいわね。分かったわよ」

 


テーマ:

どこまでも広がる雄大な白銀の世界。
静かに舞い落ちる雪の中、ぼんやりと立ち尽くす燈の後ろ姿を見つけた。
しばらくその場を動かずにいたのか、彼の肩には雪が積もっている。
思わず声をかけるのを躊躇ってしまう程、今にも消えてしまいそうな…儚げな雰囲気を醸し出していた。

 

「燈……?」

 

躊躇いがちに名を呼べば、はっとした様子でこちらを振り返った。

 

「焔?何故ここに…」
「燈が全然帰ってこないから心配になって…」
「…そうか。すまない、手間をかけさせた」

 

いつも寄り道などせず、真っ直ぐに帰ってくる燈がぼんやりとしているなんて珍しい。
燈はこちらに近付くとぽんっと軽く頭を撫でてくれた。
それから己の首に巻いていたマフラーを解くと私の首に巻いてくれる。
御礼を言えば、優しく微笑んでくれた。

 

「雪も降ってるのに、ぼんやりしてどうしたの?風邪引いちゃうよ~」
「………」

 

そう尋ねれば、燈はほんの少し困った表情をした。
もしや踏み込まれたくなかったのだろうか、と内心焦る。

 

「答えたくないなら言わなくていいけど…」
「…いや、大丈夫だ。この景色があまりにも故郷の景色に似ていたんだ」
「燈の故郷って確か北の方、だったよね」
「ああ。つい見入ってしまった」

 

懐かしげに話す燈の表情はとても穏やかだった。
故郷にほとんどいい思い出がない自分にとって、故郷を懐かしめることが羨ましいと思う反面…ほんの少しだけ胸が痛む。
………燈は本当は故郷に帰りたくて仕方がないんじゃないかと。

 

「…燈は故郷に帰りたいと思う?」

 

躊躇いがちに尋ねた。
自分で聞いておきながら、段々と不安の方が大きくなっていく。
―――…いつか燈は私の傍を離れていってしまうんじゃないかって。
今の情けない表情を見られたくなくて、そっと抱き着き彼の胸元に顔を埋めれば、頭上から苦笑する気配が伝わってきた。

 

「そんな表情をさせたくなかったから、あまり言いたくはなかったんだが…」
「え…?」
「…故郷に全く帰りたくない訳ではない。が、今はまだ帰るつもりはない」
「そう、なんだ」
「焔は故郷に帰るつもりはないんだろう?」
「…うん。私は帰るつもりはないかなぁ」
「それなら、いつか俺の故郷に連れて行きたいものだな」

 

胸元から顔を上げれば、燈は穏やかに笑っていた。
故郷にいい思い出がない私の事を気にかけてくれていたのだと思う。

 

「ふふ。じゃあ、いつか連れて行ってね」
「ああ。…焔は寒さに弱いからずっと震えてそうだな」
「むぅ…ちゃんと暖かい恰好で行くもん」

 

ぷくりと頬を膨らませれば、燈は再び苦笑を零す。
軽く頬を指先でツンと突くと、私の手を取りそのまま歩き出した。

 

「そろそろ冷え込んで来る。キャンプシップに戻ろう」
「でも、私が来なかったらずっとぼんやりしてたでしょ~」
「……すまなかった」
「風邪引いたら大変だから、帰ったら暖かくしないとね」

 

燈は頷くと、こちらを振り向かず歩を進めたまま呟いた。

 

「心配しなくても、俺は焔を置いて勝手にいなくなったりしない」
「…!」
「だから焔が不安に思うことはない」

 

どうやら私の不安を彼は見透かしていたらしい。
その言葉にじわりと胸が温かくなった。
嬉しくなって、思わずぎゅっと彼の腕にしがみつく。

 

「…!どうしたんだ?急に」
「ううん、何でもない~。…ありがとう、燈」

 

小さな声で御礼を言えば、燈は優しく微笑んでくれた。

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