リボンBRICs経済研究所(代表 門倉貴史) では表題のレポートを発表しました。概要は下記のとおりです。


近年、日本では美容整形がブームになっており、多くの女性がいわゆる「プチ整形」などを気軽に行っている。男性の間でも、若い世代を中心に「プチ整形」を行う人が出てきている。人気のクリニックでは、何ヶ月も前から予約をしないと美容整形手術を受けられないという。

日本における美容整形の治療は1920年ごろに始まったが、1990年代以前まではそれほど一般的ではなく、むしろ美容整形は「タブー視」されていた。近年、美容整形がこれほどのブームになった背景には、医療技術の著しい進歩によって①施術が簡素化したこと②安全性が向上したこと③施術の価格が下がってきたことなどの要因がある。

需要の拡大を受けて、「美容外科」を専門に行う施設の数も増加傾向にある。厚生労働省の「医療施設調査・病院報告」によれば、「美容外科」を営む一般診療所の数は1984年の段階ではわずか132ヶ所であったが、2002年には604ヶ所と4.6倍の規模になった。また一般診療所だけでなく「美容外科」の診療科目を持つ病院の数も増えており、2004年で87ヶ所となっている。一般診療所と病院施設をあわせれば、「美容外科」の数は691ヶ所にも達する。美容外科の施術を行う医師数も増加しており、90年時点の264人から2004年には715人と2.7倍の規模に膨らんだ。美容外科手術の多くは、健康保険が適用されない自由診療であるために収益性が高く、そのことが、医師が「美容外科」のビジネスに参入する際の大きな魅力をなっている。自由診療なので、各種の手術費用は病院によってまちまちであるが、鼻のプチ整形で3万円~10万円、アゴ削りで30万円~80万円、豊胸手術(生理食塩水バッグ)で50万円~80万円、腹部全体の脂肪吸引で34万円~85万円などとなっている。過去と比べれば、施術費用は下がっているといわれるが、それでも相当に高い価格だ。

では、美容外科の市場規模はどれぐらいになるのか。ここでは、「広告費」に注目をして市場規模の推計を行ってみた。美容外科では、「広告費」が売上高の40%から50%を占めるといわれている。美容整形を行う人の多くは、雑誌やテレビCMの広告をみてクリニックを選定することが多いため、各クリニックは広告費に巨額の費用を投入するのだ。人気週刊誌のカラーページに広告を出す場合、1回が200万円程度、年間では9600万円となる。広告費が売上高の40%を占めると仮定すれば、2002年における1施設あたりの平均売上高は2億4000万円、マクロの市場規模は1658.4億円となる。「容貌のコンプレックス」を解消したいと考える女性は多く、美容整形にお金をかける女性の数は今後も増加傾向をたどるとみられる。それに伴い、日本の「美容外科」の市場規模も拡大を続けていくことになろう。


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