「歌舞伎四〇〇年の言葉」

このブログでは本書をより深く楽しんでいただくために
書き下ろし解説などをお届けします。
なお記事はどこから読んでいただいてもお楽しみいただけます。気になるタイトルを拾い読みしてみてください。


テーマ:
本来、このブログは役者さんの芸談やエピソードをご紹介するはずですが、短期集中で大向うのお話を掲載いたします。
主旨とずれてしまい申し訳ありません。

さて、いろいろと背景などもご説明すべきでしょうが、まずは現在のNGと考えられることを一挙に掲出します。

1階席(特に前方は余計に)からの掛け声
「大向う」というのは、現在では3階席を指します。前方からの掛け声は野暮というものです。
また、役者にとっても至近からの大声は演技に差しさわりがあると考えます。

屋号以外の掛け声
「待ってました」ですら、場面を選ぶのです。たとえば「勧進帳」の飛び六法では厳禁です。
なぜ厳禁なのかがわからないなら、屋号以外の掛け声は控えてください。
もっともっと、勉強が必要です。

チャリ掛け(悪ふざけ)
上記で十分なことですが、最近多いので書いておきます。「~さんそっくり」「たっぷり」「役者も役者」「名調子」等々。
物語中心にじっくりご覧になるお客様が多い時代には相応しくありません。
たとえば「たっぷり」は、やる気を失った六代目菊五郎へ「ちゃんとやれ」という揶揄だったのです。由来を知れば、とても掛けられません。
大向うは主役ではありません。
他のお客さんの感動を邪魔していないか考えればチャリ掛けは出来ないはずです。

怒鳴る
役者を叱りに来ているわけではないのです。大きな声・通る声と怒鳴り声は違います。
今の劇場は音響がいいので思っている以上に声は通ります。


「~代目」連発
一幕のうちに一度で十分です。乱発は役者を安く見せてしまいます。
くわえて、先代あっての「~代目」です。たとえば玉三郎さんに「五代目」と掛けるのはおかしいのです。幼名の玉三郎の名を大きくしたのは当代なのですから。
また世話物では、基本、掛けません。長屋住まいの長兵衛さんに「七代目!」は相応しくありません。


出入りのたびに掛ける
頻繁に出入りをするのがわかっている役なら、そのたびに掛けるのは野暮です。メリハリをつけた方が役者が引き立ちます。
かつて勘三郎さんは、とある大向うについて「出入りのたびに掛けるなんて芝居を見てない証拠だよ」と憤っていたことを付け加えておきます。


女性の掛け声
これをNGと言い切るのは躊躇しますが、一応あげておきます。ダメというより「そういうものだった」と言うべきかもしれません。
昔、女性は贔屓の役者がいれば「誰々さんにお願いね」と大向うに頼んでいました。
また、どんなに美しくても女形は男性ですから、女性の声が入ると「女形のウソ」が露わになってしまいます。
ですから、できることなら、ぐっとこらえていただく方が良いのではないかと考えます。



他にもあると思いますが、今回はここまでにしておきます。

「じゃあお前はどうなんだ」というお叱りはあると存じます。私もまだまだ勉強中の身です。

それでも「こういうものなんだ」と、ルールやマナーとして受け止めて頂ければと、願います。
AD
いいね!した人  |  コメント(9)  |  リブログ(0)

歌舞伎四〇〇年の言葉さんの読者になろう

ブログの更新情報が受け取れて、アクセスが簡単になります

AD

Ameba人気のブログ

Amebaトピックス

      ランキング

      • 総合
      • 新登場
      • 急上昇
      • トレンド

      ブログをはじめる

      たくさんの芸能人・有名人が
      書いているAmebaブログを
      無料で簡単にはじめることができます。

      公式トップブロガーへ応募

      多くの方にご紹介したいブログを
      執筆する方を「公式トップブロガー」
      として認定しております。

      芸能人・有名人ブログを開設

      Amebaブログでは、芸能人・有名人ブログを
      ご希望される著名人の方/事務所様を
      随時募集しております。