歌舞伎四〇〇年の言葉

2015年発売の本書に関する話題の他、歌舞伎に関する様々な話題を書いております。

古今東西の歌舞伎役者たちが残してきた「言葉=芸談」をひも解くと、 現代人の琴線にも触れる教訓や苦心談が散見します。
本書では、「学ぶ」「演じる」「育てる」を切り口に、処世に通じる言葉を厳選して紹介。 1ページ1メッセージの金言集でありながら、各ページに加えた解説により、歌舞伎の入門書としても読める1冊です。

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以前『大向うの人たちは褒めるばかり。昔は“引っ込め” “大根!”などと掛かったと言うのに』とのご意見を頂戴したことがあります。

なるほど、小山観翁さんの文献や十三代目片岡仁左衛門ら昔の方が書かれた文献にはよくこの話が出てきます。「客からカスを食わされる」という言い方をしたそうですが、ともあれそうした声はあったらしい。

もう少し遡ると岡本綺堂のエッセイ「ランプの下にて」が参考になります。ここには「一種の悪褒めをするような観客は極めて少なかった」と、逆に役者への罵声はなかったとの証言があります。

綺堂の証言を続けると一番観客の行儀が悪くなったのは明治の末から大正十年頃までと言います。團十郎、菊五郎、左團次が亡くなり、観客も自ずと役者を侮るようになったこと。戦争の好景気で新しい観客層が増えたことを原因に挙げています。

ともあれ、綺堂の言葉を信じることにすれば、役者への罵声は決して江戸伝来のものではなく、むしろ近代になって発生したのだと考えられます。そして私は綺堂を信じたいのです。

私が歌舞伎を愛する理由のひとつ。それは「歌舞伎は人の成長を信じる芸能」だということです。完成したものだけでなく、成長の過程も見守るというあり方は、とても美しいと私は感じます。小さい頃から彼らは舞台に立ちますが、初めから名優ということはなく、紆余曲折しながらも彼らが育っていくのを信じて見守り、応援し続けていく。それが歌舞伎の素晴らしさだと思うのです。
また、年老いた役者にはそこへ至った足跡も含めて賞賛を送る。目の前のことだけでなく、その人の過ごした時間ごと愛する。そこに私は惹かれます。

大向うというのは同じ様に声を掛けている様にしか聞こえないと思います。しかし私は素晴らしいと思えば賞賛を、もっと頑張って欲しいと思えば激励の思いを込めて声を掛けます。

きっと役者さん達は応えてくれる。役者さん達を信じる。それが大向うの在り方だと私は思うのです。


豆知識)
大根というのはどんな調理の仕方をしても食あたりすることがないんだそうです。ここから「大根!」という掛け声には「何をしても当たらない役者」という意味で使われ始めたとか。ひどい事を考えた人がいたもんです。
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