2005-07-23 19:10:58

鉄鋼株の魅惑・・・改めて重厚長大産業を見直す

テーマ:銘柄研究

私は、最近5405 住友金属工業 にどっぷりはまっています。打診買いを入れてからもう10日くらい経つでしょうか。買値からは一応上昇しています。今の相場が悪い方に行かないことや、決算発表でネガティブ・サプライズがなければ値を崩す余地はあまりないものと見ます。ただ、200円というのは相当なレジスタンス・ラインであり抜けるまでには新規のサポートが欲しいところです。


さて、鉄鋼セクターというのは、昨年来から上昇波動を描きながら推移しています。


ITバブルのころ、お荷物だといわれた重厚長大産業の象徴とまでいわれた鉄鋼セクターがなぜここまで注目を集めているんでしょう?それは、やはり鉄鋼というのはすべての産業の礎であるという基本がしっかりしていたことにあり、中国やアジアのエマージング市場により需給が逼迫してきたこともあります。


鉄鋼セクターを分けると次のような感じです。


高炉メーカー・・・5401 新日鉄5405 住金5406 神戸鋼5411 JEFホールディングス5407 日新製鋼
電炉メーカー・・・5408 中山製作所5410 合同製鐵5423 東京製鐵5444 大和工業5445 東京鐵鋼5446 北越メタル5448 東京鋼鐵5449 大阪製鐵5450 豊平製鋼5461 中部鋼鈑


特殊鋼メーカー・・・5471 大同特殊鋼5476 日本高周波鋼業5481 山陽特殊鋼5482 愛知製鋼5484 東北特殊鋼5542 新報国製鉄5486 日立金属5632 三菱製鋼
ステンレス鋼メーカー・・・5458 高砂鐵工5479 日本金属工業5480 日本冶金工業5491 日本金属
合金鉄メーカー・・・5541 太平洋金属5563 日本電工5566 中央電気工業


鋼板メーカー・・・5451 淀川製鋼所5453 東洋鋼鈑
鋼管メーカー・・・5457 住友鋼管5463 丸一鋼管5464 モリ工業5602 栗本鐵工所5612 日本鋳鉄管7305 新家工業
鋳物メーカー・・・5603 虹技5607 中央可鍛工業5608 川口金属工業 など
自動車鋳物メーカー・・・5605 自動車鋳物6319 シンニッタン など
鋼線メーカー・・・5657 鈴木金属工業 など


その下に鉄鋼商社があります。3332 JFE商事HD9938 住金物産 など、いろいろあります。


高炉は、鉄鉱石とコークスを原料にして銑鉄(溶けた鉄)をつくり、転炉(精錬)して粗鋼を作ります。から転炉する際、酸素・炭素・硫黄・合金などの成分調整を行いをつくります。
一方、電炉は鉄スクラップを原料に電気炉を使って粗鋼を生産します。
特殊鋼というのは炭素含有量が0.7%~1.7%のものをいいます。


それぞれ違った用途があります。
高炉は高級鋼材(自動車や造船など用途によって加工できるな鋼材)に強みを発揮し、電炉はスクラップ鉄を原料にするので成分調整が効かないため、建材用途の棒鋼や汎用品に強みを発揮します。また、特殊鋼は炭素鋼や合金などの構造用鋼やばね・軸受など特殊用途などに強みを発揮します。合金やステンレス鋼も特殊鋼の部類に入ります。


こういった鉄鋼の世界というのはそれぞれが強みを発揮できたり、あるいは弱みを持っていたりします。電炉というのはスクラップ鉄に不純物が混じっていることが多く、製品については条件があります。しかし高炉というのは製造過程においてあまりにも設備投資が必要なため、大手しか採算があわない事業であったりします。


鉄鋼っていうのは、これまで韓国、中国のメーカーほうが調達コストが安く、いずれシェアを奪われるだろう、なんていうことまで言われていました。


しかし、そうではありませんでした。


一時、日産自動車への鋼材供給が不足したとの例があるように、特に自動車や造船に使われる高級鋼材というものは日本の高炉でしか作る技術を持っていなかったことが改めて理解されました。
逆にこれらの鋼材を経済発展著しい中国に輸出することで高収益をあげてきたことが皮肉な結果となりました。


また、シームレスパイプなどは、将来のエネルギー需要を考えるともっと利益に寄与できる点も見逃せません。つまり日本の高炉メーカーが作る高級鋼材というのは恒常的な需要逼迫という追い風の中にあったわけです。


その結果、財務リストラが一気に進み、住金の場合昨年、1兆1千億あった有利子負債を8千8百億まで圧縮しました。それどころか、今では配当利回りが2.6%という超バリュー銘柄となってしまい、話題となっている好配当投信の設定などが行われたりしています。


しかし、将来はわかりません。5423 東京製鐵が鋼材価格を引き下げたというニュースがマインドを冷やしました。また、今月に入り、JFEから始まり、各社が一斉に汎用鋼材について価格維持のために、減産するというニュースも波紋を広げています。また、人民元切り上げの影響も注視していかなくてはいけないようです。


ところで、鉄鋼マニアな人には見逃せないのは、日刊鉄鋼新聞 ですね。インターネットではトピックスしか見ることは出来ませんが、業界紙ですので一応目を通すようにはしています。相場に影響を与える重要な記事もあったりしますので。


ある特定のセクターを注視していると、案外面白く、奥が深い世界です。投資を通じて業界を深く知ることは株をやる醍醐味の一つであったりします


それでは。

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