モートン・フェルドマン後期のピアノ曲、タイトルはほとんど意味はない、献呈者の名前を記しただけだ。
 この曲は数種の録音があるが、アムランがフェルドマンを演奏したというのがキモであろう。指が片手に10本ずつあると言われるような難曲弾きが、フェルドマンの音の薄い音楽をやる。
 かつての人間プレイヤーピアノは近年表現の深化を遂げてきており、フェルドマンの発展しないピアノ曲を実に深い呼吸で再現する。脈絡のあるようなないような音のつながりが心地よい。音そのものが美しい。心が落ち着いていく。
 この演奏では全曲73分。楽譜の1ページ毎に1トラックが切られていて、全部で30トラック。