フリードリヒ・シェンカー(1942-2013)は旧東ドイツの作曲家である。Wikipediaだってドイツ語版にしか載っていない。ひどいものだ。
 十二音技法を基に調性的な語法やジャズなどのポピュラー音楽の語法も混じり込み、しかし何よりも苛烈で極端な音響が特徴だ。つまり壁の向こうとこちらだったわけだが、B. A. ツィンマーマンの後継者のような作風だった。
 ライプツィヒ放送響のトロンボーン奏者を務め、オーボエ奏者のブルクハルト・グレッツナーとともに新音楽グループ・ハンス・アイスラーを立ち上げた。
 ドイツ統合後はベルリンに居を構え、作曲を続けているにもかかわらす、録音は数えるほどしかない。

 遠回しの体制批判なのか、ときおり社会的な題材を扱うのだが、この1971年の交響曲は「マルティン・ルーサー・キング追悼」と副題されたものである。苛烈な音響、ジャズのイディオム、讃美歌の引用、筋金入りの音楽である。
 どうやらLPを再生したものをアップしたらしく、ヒスノイズが聞かれる。
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