今日の朝、ベーグルを食べました。ベーグルというのは、「リング状の歯ごたえのあるかたいパン」と言えば、
お分かりでしょうか? 知っている人は知っているのですが、食べたことのない人も結構います。ベーグル専門店も増えてきて、ここ数年日本でも普通のパン屋さんでも売られるパンとして、知名度は上がっているでしょう。
ベーグルというのは、もともとユダヤ人の民族食だった・・・というのは、ご存知でしょうか? 1600年代に、ポーランドやオーストリアのウィーンあたりで誕生して、東欧のユダヤ人の間で広がり、それが東欧系ユダヤ人のアメリカへの移民とともに、アメリカに伝わって、ユダヤ人が多く住むニューヨークで普通に食べられるようになり、ユダヤ人以外にも周知されるようになり、アメリカ全土に広がり、そして世界中に広がったと考えられます。
私が初めてベーグルを食べたのは、初めてニューヨークを訪れたときなので、17年ほど前です。非常に歯ごたえがあり、小麦の風味も素晴らしく、モッチリとした食感で、腹持ちも良い。こんなにおいしいパンがあったのか・・・と感動して、旅行中、毎日のように食べていたことを思い出します。
シカゴに住んでいた時、何度もベーグルを食べましたが、シカゴのベーグルはおいしくないです。やっぱり、ニューヨークのユダヤ人が作ったベーグルが最高です。
また、15年ほど前に訪れたイスラエル。朝、「ベーガレ~~」というかけ声とともに、ベーグル売りの屋台みたいのが、ベーグルを売りに来くるのです。朝焼いたばかりの出来たてのベーグルをコーヒーと一緒にいただく。
非常にシンプルではありますが、最高の朝食です。本場のベーグルは、非常に歯ごたえがあります。一個食べるだけで、顎が痛くなるほどです。痛くなると言うのは少々大げさですが、顎がだるくなります。そのくらいのモッチリとした歯ごたえが特徴です。
ですから、どちらかというと、ふんわり感の残った日本のベーグルは、ベーグルではない・・・と私は思います。それで、今日食べたベーグルは比較的歯ごたえがあって、それを食べながら、ふと思ったのです。
ベーグルというのは、ユダヤ人が頭が良い理由ではないか・・・と。
最近、「脳の活性化」というのがブームになっています。ドーパミンの活性化。セロトニンの活性化。実は、樺沢の著作、次回作はそうした脳の活性化をテーマにしたビジネス書を企画しています。それで、セロトニンを活性化するにはどうしたらいいか・・・ということですが、セロトニンを簡単に活性化する方法は、二つあります。
それは、「日光」と「リズム運動」です。朝起きて窓から光が入る。それだけで、セロトニンの活性が高まりはじめます。日光を浴びる・・・ということです。そして、「リズム運動」というのは、ウォーキングや体操などです。あるいは、
「咀嚼」(かむこと)もリズム運動です。ただし、リズム運動は最低5分は続けないと、セロトニン活性化には
つながりません。
つまり、朝起きて、朝食をきちんととる。ご飯をしっかりと噛んで、10分か15分かけて食事をとる。これで、セロトニンは活性化するのです。セロトニンが活性化しますと、頑張る意欲がわいてきますし、うつ病にもなりづらい。ストレスにも強くなります。しかし、最近の日本人、特に若い人たちはどうでしょうか?
まず、朝食をとらない人が多い。そして、朝食をとったとしても、ギリギリに起きてきて、さっと早食いしてすぐに出掛けてしまう。 (5分以上、咀嚼しないとセロトニンは活性化しない)
あるいは、子供たちは、パンとかシリアルみたいな、柔らかい、歯ごたえのないものを好んで食べます。同じパンにしても、フランスパンのようなかたい歯ごたえのあるパンよりもフワフワのパンを好みます。
つまり、普通に朝食をとれば、セロトニンは活性化するのに、今の日本人は、そうした一日の最初の「セロトニンを活性する重要なイベント」を省略してしまっている・・・という。ちなみに、セロトニンの合成は「午前中」が最も盛んなので、昼ご飯に、歯ごたえのあるものを食べても、手遅れなのです。
先日、口腔外科の先生に聞いた話ですと、最近、子供に顎関節症が非常に多い・・・と言っていました。顎関節症というのは、顎の関節が弱くなって、普通のものを噛むのにも支障をきたす病気ですが、小さい頃から柔らかいものばかりを食べていると、顎が鍛えられず、弱くなって、顎関節症になりやすいのです。
また「咀嚼」というのは、非常に脳の刺激効果が高い・・・と言われています。例えば、お年寄りの方で、ご飯が食べられない、つまり咀嚼と嚥下ができなくなると、急に認知症にかかったり、あるいは認知症の患者さんがご飯が食べられなくなるとすぐに、記憶障害が著しく悪化することを経験します。
「咀嚼」は、脳を刺激する。脳の活性には非常に重要な役割を果たしている。ベーグルのような歯ごたえのある食べ物を朝食べると、「咀嚼」によりセロトニンが活性化して高い意欲で学校の勉強に取り組める・・・と言えるでしょう。
また朝食をとることで、体内の血糖も上がり、脳の唯一の栄養源であるブドウ糖が補給され、脳が臨戦状態になる・・・ということもあります。朝食をとらないと、低血糖状態になって、頭がボーッとした状態で午前中を過ごすことになります。
ちなみに、2009年4月に調査された日本の「全国学力テスト」の結果分析によると、 毎日朝食を食べている子供の平均正答率60に対して、朝食を全く食べていない子供の平均正答率39で、21ポイントも低くなっています。要するに、きちんと朝食を食べる子供は成績が良く、朝食を食べない子供は成績が悪い・・・ということが、学力テストの結果として、歴然と現れています。ということで、あたなのお子さんの成績を上げたければ、「朝食」を食べさせるべきです。
あなた自身が、午前中からバリバリと高い集中力で働きたいのなら、「朝食」をとるべきです。ただ朝食をとるだけではなく、「早食い」ではなく、歯ごたえのあるものをゆっくりと時間をかけて食べる・・・ということで、脳の活性化は促進されるのです。
ユダヤ人が頭の良い理由は、朝食にベーグルを食べるからだ・・・というのは、かなり短絡的ではありますが、
理由の一つとして関係している可能性は、脳科学的にみても十分に考えられるのではないか・・・と思いました。
「朝食」と子供の「成績」の関係は、
【ビズ心プレミアム】第49号 2009年9月発行
頭の良い子供の育て方~成績が良い子供に共通する四つの習慣
で、非常に詳しく説明しましたので、興味のある方はバックナンバーからお読みください。
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この記事は、樺沢紫苑が発行する日本第2位の映画メルマガ「映画の精神医学」で配信した記事をリライトしたものです。
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