高沢忠義(編)・萩原裕(評閲)『献策新編』(全6冊)
テーマ:読書の冬今回は、幕末・維新の「献策」32編を集めた書物
高沢忠義(編)・萩原裕(評閲)『献策新編』(全6冊、
1877年)を紹介します。
本書に収められている「献策」は次の通りで、献策の
提出者は次の通りです。
| 第一集・巻一 | |
| 1 | 前内大臣徳川慶喜抗訴表 |
| 2 | 徳川慶喜討薩状 |
| 3 | 山内豊信王政復古ノ議ヲ上ル書 |
| 4 | 大久保利通遷都ノ議 |
| 5 | 松平慶永等六藩侯外国公使ノ参朝ヲ乞フ書 |
| 第一集・巻二 | |
| 6 | 毛利広封外国交際ノ道ヲ陳スル書 |
| 7 | 大原重徳外国公使朝見ノ期ヲ緩メント乞フ書 |
| 8 | 菅原薫子国体ヲ壊リ洋使ヲ延ク可カラザルヲ論スル書 |
| 9 | 西村茂樹東洋ノ風習ヲ歴詆シ泰西ノ政体ヲ陳スル書 |
| 10 | 嘉彰親王西洋ニ航游セント請フ書 |
| 11 | 陸奥宗光辞職ノ表 |
| 第一集・巻三 | |
| 12 | 東北四十三藩哀訴状 |
| 13 | 伊達慶邦東征ノ五不可ヲ陳スル書 |
| 14 | 榊原政敬徳川前内府ニ呈シ恭順ヲ勧ムル書 |
| 15 | 牧野康済東征出兵ヲ辞スル書 |
| 16 | 榎本武揚等徳川前内府ニ呈スル謝罪ノ書 |
| 17 | 勝安芳大総督府ニ上リ徳川前内府ヲ召還サント乞フ書 |
| 第二集・巻一 | |
| 18 | 勝安芳再タビ大総督府ニ上リ徳川家臣ノ釆邑還賜ヲ乞フ書 |
| 19 | 勝安芳田安慶頼ニ就テ府民ノ賑卹ヲ乞フ書 |
| 20 | 勝安芳大総督参謀西郷隆盛ニ贈ル書 |
| 21 | 津田真道徳川氏救解ノ弁 |
| 22 | 一橋茂栄大総督府ニ上リ封土江城ヲ賜ヒ徳川前内府ヲ召還サント乞フ書 |
| 23 | 酒井忠績封土ヲ上リ徳川氏ニ隷属セント乞フ書 |
| 24 | 榎本武揚蝦夷開拓ヲ乞フ書 |
| 第二集・巻二 | |
| 25 | 毛利敬親・島津忠義等版図ヲ還上ル書 |
| 26 | 佐田某征韓ノ議 |
| 27 | 横山某時弊十事ヲ疏陳スル書 |
| 28 | 大隅重信通国一致ノ体ヲ論スル議 |
| 29 | 陸奥宗光田租改正ノ議 |
| 30 | 山尾庸三盲唖学校ヲ創建セント乞フ書 |
| 第二集・巻三 | |
| 31 | 井上馨・渋沢栄一開明ノ方ヲ陳スル書 |
| 32 | 大隈重信歳計表ヲ上ル書 |
第一冊に収められている「徳川慶喜討薩ノ表」を
読んでみましょう。
徳川慶喜討薩ノ表
○明治戊辰(元年、1867)正月三日、大目付瀧川具知ヲシテ
此表ヲ齎(もた)ラシ、会津・桑名等ノ兵、倶ニ京師ニ入ラシム。
官軍之(これ)ヲ伏見・鳥羽ニ邀撃ス。具知入ルヲ得ズ。五日ニ
至テ戸田忠至ニ就テ之ヲ上(たてまつ)ル。
臣〈慶喜〉謹テ去月九日〈○事上ニ誌ス、〉以来ノ御事体ヲ
奉恐察(きょうさつしたてまつり)候得バ、一々朝廷ノ御真意ニ
之(これ)ナク、全ク松平修理大夫(島津忠義)奸臣共ノ陰謀
ヨリ出候ハ、天下ノ共ニ知ル所、殊ニ江戸・長崎・野州・相州
処々乱妨刧盗ニ及候ハ、同家ノ家来ノ唱導ヨリ東西響応シ、
皇国ヲ乱ダシ候所業、別紙ノ通ニテ、天人トモ所憎(にくむところ)ニ
候間、前文ノ奸臣共御引除御座候様御沙汰被下度(くだされたく)、
万一御採用不相成(あいならず)候ハヾ、不得止(やむをえず)誅戮ヲ
加ヘ可申(もうすべく)候、此段謹テ奏聞仕候、
薩藩奸党罪状ノ事
一、大事件、尽衆議(しゅうぎをつくす)ト被仰出(おおせいだされ)候処、
去月九日突然非常ノ御変革ヲ口実ニ致シ、奉侮幼主(ようしゅ〈明治天皇〉
をあなどりたてまつり)、諸般御処置、私議ヲ主張候事、
一、主上御幼冲ノ折柄、先帝御依託被為在(あらせられ)候
摂政殿下(二条斉敬)ヲ廃シ、止参内(さんだいをとどめ)候事、
一、私意ヲ以テ宮・堂上方ヲ恣(ほしいまま)ニ黙陟セシムル事、
一、九門其(その)外御警衛ト唱ヘ、他藩ヲ煽動シ、兵仗ヲ以テ
宮闕ニ迫候条、不憚朝廷(ちょうていをはばからざる)大不敵ノ事、
一、家来共浮浪ノ徒語ラヒ、屋敷ニ屯集、江戸市中押込強盗
イタシ、酒井左衛門尉人数屯所ヘ砲発乱妨、其他野州・相州
処々焼討刧盗ニ及候ハ、証迹分明ニ有之(これあり)候事、
次回は、本書を編纂した一人、萩原裕について紹介します。







