『黒い十人の女』(1961) | 弱小!名作おバカ映画応援団

『黒い十人の女』(1961)

『黒い十人の女』(1961)

『黒い十人の女』
製作:永田雅一
監督:市川崑
シナリオ(脚本):和田夏十
音楽:芥川也寸志
撮影:小林節雄
特殊撮影:築地米三郎
風松吉:船越英二
石ノ下市子:岸恵子
風双葉:山本富士子
三輪子:宮城まり子
四村塩:中村玉緒
後藤五夜子:岸田今日子
虫子:宇野良子
七重:村井千恵子
八代:有明マスミ
櫛子:紺野ユカ
十糸子:倉田マユミ

いやあー、妻がありながら、9人もの妾を持つという設定に驚きだが、市川崑のスタイリッシュな映像にも驚きだ。

光と影を使った特徴ある映像は、その後の金田一耕助シリーズでもお馴染みですが、今回は、構図がかっこいい!

例えば、ハナ肇とクレイジーキャッツ。番組での生演奏だけの出演なのですが、

こんな音楽番組見たことないですよね~。

さらに、極めつけなのが、

船越英二を取り囲む10人の女。ただ立っているだけなのに、相当計算されていると思われる。

しかし、船越英二って、私世代にとっては、ポリデントのおじいちゃんなんだけど、めちゃくちゃ美男子。しかも、エロスを伴ってる。

だから、歪んだ愛憎世界にピタリとハマります。
以前、応援させてもらった『盲獣』

あ、この画像大丈夫かしら? まだ、削除されたのを根にもってます!

狂った世界の住人でした。

今回、殺されるよりも辛い、飼い殺し状態に追い込まれる船越英二。

だけど、彼のエロスが、場面のエロさを増している。これが、ふつーのおっさんなら、岸恵子に「水持ってきてよ」と言われ、文句も言わず従う場面を見ても、なんとも思わないだろう。

これだけなのに、歪んだ主従関係に見えるのは、私が歪んでいるからではないと信じたい。

ちなみに、10人の女の名前に、1~10の読みが入っています。
もし、船越英二が、わざと名前で選んでいたとしたら、いや、選んでいたとしてもおかしくない。

これからも、なんだかエロスを感じます。
あれ?やっぱ、歪んでます?

こういう雰囲気のある役者さんがいると、監督も助かるでしょうなあ